やる夫+まとめ -戦国系-

戦国系やる夫シリーズのまとめを

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やる夫で学ぶ柳生一族 その67補足 沢庵和尚についての補足


532 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67・補足編)[saga] 投稿日:2014/10/14(火) 03:44:31 ID:Q11s1UJA0 [2/24]

               . -―- .
             /       ヽ
          //         ',       前から随分間が空いちまったけど、
            | { _____  |     ようやっと投下できたぜ!
        (⌒ヽ7´        ``ヒニ¨ヽ
        ヽ、..二二二二二二二. - ‐''′
           | '"\、、,,./ ̄゛ |      ._ _
           | ( ●)Y´(● ) |   , -'′ `¨¨´ ̄`ヽ、
           | `'''7、,. 、 ⌒ u ..|   {               \
           | (_人__)  ,イ   ゝ、ー`――-'- ∠,_  ノ
           |   「匸匸匚| '"|.|    ./ ⌒  ̄ ̄ ⌒   ヽ     でも、今回ですら
    , ヘー‐- 、 l  | /^''⌒|  | |    / (_●)!i!i(● )    }    完結できてない有様だお!
  -‐ノ .ヘー‐-ィ ヽ  !‐}__,..ノ  || , -‐|:::⌒(__人_)⌒::::::  |    正直、スマンカッタ。
 ''"//ヽー、  ノヽ∧ `ー一'´ / |′ .人.   |r┬-/  u. ./ー- ..._
  //^\  ヾ-、 :| ハ   ̄ / ノ |.  { |ヽ、 `ー'´    ,イ |    `ヽ
,ノ   ヽ,_ ヽノヽ_)ノ:l 'ーー<.  /  |.  ヽヽ.ヽ.  ̄   /ノ ノ
/    <^_,.イ `r‐'゙ :::ヽ  \ `丶、  |、   \\'ー--‐''"//
\___,/|  !  ::::::l、  \  \| \   \ヽ   / ノ

533 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67・補足編)[saga] 投稿日:2014/10/14(火) 03:44:56 ID:Q11s1UJA0 [3/24]

   / ̄ ̄\
  / _ノ  ヽ、_ \
. | ( ●)(● ) |    .…という訳で、やっとではあるが、
. |  (__人__)  │  本編で語りきれなかった
  |   .`⌒´   .| 
.  |           |    「沢庵和尚について」
.  ヽ       /
   ヽ      /     をテーマに話をしようと思う。
   >     < 
   |      |
    |      |


     ____
   /      \
  /  ─    ─\       ぶっちゃけ、本編冒頭で、
/    (●)  (●) \    思わせぶりな振りをしておいて、全部書こうとしたら、
|       (__人__)    |    .解説が本編より伸びそうになったから、
./     ∩ノ ⊃  /    .急遽補足編として放り込んだ、と。
(  \ / _ノ |  |
.\ “  /__|  |      「そういうことは言わなくていいんだよ」
  \ /___ /

534 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67・補足編)[saga] 投稿日:2014/10/14(火) 03:45:30 ID:Q11s1UJA0 [4/24]

    / ̄ ̄\
  /   _ノ  \
  |    ( 一)(●)     ま、その辺を差し置いても、
  |     (__人__)    沢庵和尚は「柳生一族の歴史」の中でも、
   |     `⌒´ノ    .かなり深く関わってきた人物の一人だからな。
   |   ,.<))/´二⊃
   ヽ / /  '‐、ニ⊃    どっちにしても、和尚に関しては
   ヽ、l    ´ヽ〉    単独の話をするつもりではあったよ。
    ,-/    __人〉
   / ./.   /    \
   | /   /     i \
   |"  /       | >  )
   ヽ/      とヽ /
    |       そ ノ


          ____
        /_ノ  ヽ\  
      / ( ●) (●)、     まあ、その辺の事情はそこまででいいから、
    /::::::::⌒(__人__)⌒\   今回、具体的にどんな話をするか、教えてほしいお。
    |      |r┬-|    |
    \       `ー'´  /
⊂⌒ヽ 〉        <´/⌒つ
  \ ヽ  /         ヽ /
   \_,,ノ      |、_ノ




535 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67・補足編)[saga] 投稿日:2014/10/14(火) 03:46:09 ID:Q11s1UJA0 [5/24]

         |      そうだな。
    / ̄ ̄\     今回やるのは、大体この辺りになる。
   /   _ノ  \.
   |    ( ●)(●)     ....・ 「仏法を見限った」発言
.   |  ::::::⌒(__人__)      .・ 法嗣を持たなかった理由
   |     ` ⌒´ノ       .・ 最後の境地
.   |         }.    。  ・ 柳生一族と沢庵和尚
.   ヽ        }    /  ...・ 和尚の評価-禅僧・沢庵
    ヽ     ノ   ./
     / lヽ介/lヽ、 ,rE)
.     | | ~ヾ/~ |. ソ◇'
    | |  ゚|  |\/____E[]ヨ___________
  _ | |  ゚|  |__
  |\  ̄ヽ⌒ヽ⌒ヽ \
  |\\  ⌒  ⌒ 甘 \
  |  \| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|


     ____
   /      \
  /  ─    ─\        あと、剣術に対し、和尚が与えた影響については、
/    (●)  (●) \      前の不動智神妙録についての話で、ある程度解説してるので、
|       (__人__)    |     .それについては、そちらを見てくださいお。
/     ∩ノ ⊃  // ∩ノ ⊃
(  \ / _ノ    \/ _ノ 
.\ “  /  . \ “  /   【外伝その3・後編4「活人剣・治国平天下の剣、その礎2(沢庵・不動智神妙録)」】
  \ /      /\/      http://tagenmatome.blogspot.jp/2009/11/blog-post_29.html
    \       \  
     \    \  \
       >     >   >
       /    /  /

536 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67・補足編)[saga] 投稿日:2014/10/14(火) 03:46:51 ID:Q11s1UJA0 [6/24]

          / ̄ ̄\
       /   _ノ   \
       |   ( ●)(●)    それじゃ、早速1つ目から行こうか。
          |     (__人__)
        |       `⌒´)     ╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
          |         } .....   ┃ その1.: 「仏法を見限った」発言について  ..┃
        ヽ         }  ..   ╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
          >       ノ
       /         \  /て⊃
       |  ィ     |\  `´ ゞ _三}
          |  |      |   \__/.


     ____
   /      \
  /   ノ   ヽ.\      「その67」の冒頭に出た、和尚の手紙にある
/    (●)  (●) \    「末法之法三十年前ニ見限候間」のことだおね。
|       (__人__)    |
./     ∩ノ ⊃  /     …和尚らしくもなく、随分と投げやりな感じだお。
(  \ / _ノ |  |
.\ “  /__|  |
  \ /___ /


  .r⌒i
  |  |‐‐-----==--‐‐''''"´`゙゙'i
  |  |              |
 .|  |  波多中庵殿    |
 |  |              |
 |r⌒'          沢庵 |
 ゙'ゝ-‐‐--===‐‐‐-------┘

 【寛永十八年正月の波多中庵宛の手紙(抜粋)】
 「老希ニ近事三百六十日ニテ候。死後ノ事毛頭不思、末法之法三十年前ニ見限候間、
  相続之事不思、寺之事次テ何ト可成ト云事不存、遺像遺言心ニナシ
  (中略)禅師号国師号無望無、其外一事モ無所望」

 (意訳)
 『来年には七十になるが、死後については何も考えていない。
  この末世の仏法は三十年前に見限っている。
  (法統の)相続や寺のことなども何も言うことはない。
  遺像や遺言などもどうでもよい。禅師号や国師号も要らぬ
  望むような事など何もない』

537 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67・補足編)[saga] 投稿日:2014/10/14(火) 03:48:13 ID:Q11s1UJA0 [7/24]

         / ̄ ̄\
      / _ノ  .ヽ、\
      |  (●)(●) |    そして、その手紙より後に、
.      |  (__人__) .|   更にこんな話が出ている。
       |  . '´n`'  .ノ
       .ヽ .  | |  }     「師の印を得てより後、今已に四十年」とある通りなら、
        ヽ.. ノ .ュノ    .印可を得た32歳から40年後の72歳になるから、
        / { ..ニj、      正保元年前後の最晩年の言葉になる。
        |. | "ツ \
        |. | .l  |ヽ、二⌒)


              【万松語録(巻の一)】
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_|  .『予、薙染(ちせん)の後、志を立て参禅学道し、師に於て授記し、
| ._         .|_|   一に篆を本寺に見、正しく簾前の紫を賜はる。
| |万|        . |_|   人これを見、好き人天師と誤り想ふなり。元来ただ名字の羅漢なるのみ。
| |松|        . |_|   師の印を得てより後、今已に四十年、一則の話頭を以って人に示す。
| |語|        .|_|   其れ正知見を得る者、一箇もまた無し。
| |録|         .|_|   今より五十年の命在るも、住を以って来を推すに、恐らくは済度の頼むべき無し。
|.  ̄         .|_|   若し済度を除かば、即ち渡世の活計と成る。豈(あに)愧はぢ)ざらんや。
|.            .|_|   以故す、今予、仏法を棄てて唱へず(中略)
|________.|_|   今の世上、得法を称する者太だ多し。
└───────    古を以てこれを見るに、即ち多くは是れ相似底の消息なり。
                似は即ち似にして是れ即ち未だ是ならず。
                未だ是ならざる法を以て人を度さば是れ人を度するにあらず。
                却つて人を暗坑に陥らさん』


             ____
           /      \
         /           \      …ますます陰鬱な感じになってるお。
        /   _ノ ::::::: ゝ、  \    「今予、仏法を棄てて唱へず」って、
          |   (○)  (○)  u |   どうしてそこまで言っちゃったんだお?
        \   (__人__)   ,/
        /    `⌒´    \

538 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67・補足編)[saga] 投稿日:2014/10/14(火) 03:48:51 ID:Q11s1UJA0 [8/24]

                  / ̄ ̄\
                / _ノ  .ヽ、\     そのヒントと思われる記述が、この手紙にある。
                |  (●)(●) |   正保二年四月の和尚の手紙だ。
.                |  (__人__) .|
                 |   .`⌒´  .ノ
.           r─一'´ ̄`<ヽ      }
.          `ー‐ァ   ,    )     , -'~⌒ヽ、
           ノ   {.   ,ヘ    ,l. ゝ、_ .'ヽ).
.            /, 、 _   /. |    . ',  . ..  .ヽ、
           (/ / // / / ...|      ...|\..\\ \_)
             / // / /         . . \_\_)、_)
            ー' {_/ノ              ."´


           /⌒ソ/⌒ヽ、
        . /  //    ..\      ._,
        /  //      .`ヽ,.._,ィ''´  `'ー- 、      /i
        /  //                  \,.   _..ノ .|
    .   /  //                     ⌒´   .|
      /  //                          |
      /  //                           |
    . /  //         小出吉英殿           .|
    /  //  .                          |
    /  //                             .|
   ./  //                            . |
  /  //                               |
 ッ芝ヾシ⌒ヽ、                    沢庵    |
 .ヾニジ    \      ._,.イ⌒ヽ               |
          `ヽ,.._,ィ''´      `'ー- 、        .  |
                         .\,.   _., 、  . .リ
                            ⌒´   \._,ノ

 【正保二年四月二十六日、小出吉英宛の手紙(抜粋)】
 「何と精を尽くし申し候ても、紫野の仏法、今の世には用に立ち申さず候間、
  .成り次第にして置かせらるべく由申し候へ共、止め申さず候。
  .人を引導など仕り候ことは、浄土宗も一向宗の衆も仕り候間、
  .よき仕手にさせて、一分心をすまして、物の本のきれをものぞきて居らるるが、
  .自分の利益たるべく候由申す儀に候」

 (意訳)
 『自分がどう頑張ったところで、今の紫野(大徳寺)の仏法は、今の世には無用なものである。
  .この後は最早成り行き次第であろうと言いはしたが、それを止める気もない。
  .葬式なら、浄土宗でも一向宗でもできるのだから、そのようなことは向いている者に任せ、
  .心を澄ませ、読書に励むことが、自分にとって良いことであろう』

539 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67・補足編)[saga] 投稿日:2014/10/14(火) 03:49:46 ID:Q11s1UJA0 [9/24]
      ____
    /       \
  /   -‐´ `ー\     …正保二年といえば、
/     (●)  (●)\   前年に上方に帰郷して、戻ってきた後だおね。
|   u    (__人__)  | 
\      ` ⌒´  /    「紫野の仏法、今の世には用に立ち申さず候」って、
  >     ー‐  <     和尚から見た大徳寺は、そんなに堕落していたのかお?
. /      / ̄彡ミヽ、
/    ヽ /  / ヽ  ヽ
ヽ.    Y  /   |  |
 ヽ     ノ    ヽ ノ


        _____
       /    .r┐ヽ「|
     /  r-、  | .| ./ l l゙l
   . / .__,ノヽ ゙、_,ノ '-' .|,,/ |      .いや、これについては、
   |   (●)ヽ     ノ ´/     大徳寺が堕落していたとか、
    |       〉      〈_,,.-、   そういう話とはまた違うようなんだ。
    .|    (__人{         .r''´
    .|     ´ ⌒|    _,.-i'´      「どういうことだお?」
   . .{       l-‐'''''''ーl }
    {   .   |´ ̄ ̄``l }
     {      .|     |.}

540 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67・補足編)[saga] 投稿日:2014/10/14(火) 03:54:56 ID:Q11s1UJA0 [10/24]

       (⊃ ̄ ̄\
     (⊃   _ノ  \
    (⊃   ( ●)(●)      そもそも、和尚が幕府と関わるようになったのは、
     |     (__人__)     紫衣事件が発端なのは覚えてるな?
     |     ` ⌒´ノ
       |         } \     その原因である元和元年に出た「大徳寺諸法度」なんだが、
     /ヽ       }  \   実のところ、あの法度そのものはまだ続いてるんだよ。
   /   ヽ、____ノ     )
  /        .   | _/
 |         / ̄ ̄(_)
  \   \ /| JJJ (
   \  /   /⊂_)


           ___   て
       /      \ そ
      /ノ  \   u. \      えっ?
    / (●)  (●)    \    あれって和尚の嘆願が通って、
     |   (__人__)    u.   |    寛永十八年に家光が撤回したはずだお!?
     \ u.` ⌒´       /    (その62:http://yromtm1059.blog117.fc2.com/blog-entry-418.htm
    ノ            \
  /´               ヽ

541 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67・補足編)[saga] 投稿日:2014/10/14(火) 03:55:28 ID:Q11s1UJA0 [11/24]

          / ̄ ̄\
        / _ノ  ヽ、_ \     違う違う。
       .| ( ●)(● ) |    .家光が撤回…というか、
       .|  (__人__)  │   .厳密に言うと大幅緩和したのは、あくまで
        |    `⌒´   | 
        .|           |     「出世入院に関する条目(第二条)だけ」
 r、     r、ヽ       /
 ヽヾ 三 |:l1.ヽ      /       大徳寺法度が全部で五ヵ条あったのを
  \>ヽ  |` } >     <      忘れたのか?
    ヘ lノ `'ソ       ヽ
     /´  /,1      | |
     \ ノ .|     | |


         ____
       /   u \
      /  \    /\     そ、そういえば、
    /  し (○)  (○) \  .他にもあったような…。
     | ∪    (__人__)  J |
    \  u   `⌒´   /


           /⌒ソ/⌒ヽ、
        . /  //    ..\      ._,
        /  //      .`ヽ,.._,ィ''´  `'ー- 、      /i
        /  //                  \,.   _..ノ .|
    .   /  //                     ⌒´   .|
      /  //     ◎ 大徳寺5つの誓い ◎     |
      /  //                           |
    . /  //  ひとつ、寺法はきちんと守ること       .|
    /  //  . ひとつ、無闇矢鱈に出世入院させないこと |
    /  //   .ひとつ、新しい院をやたら建てないこと   |
   ./  //    ひとつ、寺領はきちんとまとめること    |
  /  //     .ひとつ、諸院の塔主は輪番を守ること   |
 ッ芝ヾシ⌒ヽ、                           |
 .ヾニジ    \      ._,.イ⌒ヽ               |
          `ヽ,.._,ィ''´      `'ー- 、        .  |
                         .\,.   _., 、  . .リ
                            ⌒´   \._,ノ
              大徳寺諸法度(超訳)

542 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67・補足編)[saga] 投稿日:2014/10/14(火) 03:56:37 ID:Q11s1UJA0 [12/24]

    / ̄ ̄\
  /   _ノ  \
  |    ( 一)(●)       .つまり、「出世入院に関する条目」こそ
  |     (__人__)      ある程度緩和されたものの、残る四条目、
   |     `⌒´ノ     
   |   ,.<))/´二⊃     ・ 寺法の遵守
   ヽ / /  '‐、ニ⊃      ・ 無許可で新寺を立てる事の禁止
   ヽ、l    ´ヽ〉       ・ 寺領の確認、及び記録・管理を徹底
    ,-/    __人〉       ・ 各寺の住持は相応しい者による輪番とする
   / ./.   /    \
   | /   /     i \      これらはそのままなんだな。
   |"  /       | >  )
   ヽ/      とヽ /
    |       そ ノ


             ____
           /      \
         /           \     …でも、非現実的だった出世入院の条目(※)と比べれば、
        /   _ノ ::::::: ゝ、  \   まだ理解できる内容だお。
          |   (○)  (○)  u |   これが残ることが、さっきの和尚の言葉にどう繋がるんだお?
        \   (__人__)   ,/
        /    `⌒´    \


 ※大徳寺諸法度、二条目原文
 『一、参禅修業、就善知識三十年、費綿密公夫、千七百則話頭了畢之上、
   遍歴諸老門、普途請益、真諦俗諦成就、出世衆望之時、以諸知識之連署、
   於被言上者、開堂人院可許可、近年猥申降論帖、或僧臘不高、或修行未熟之衆、
   依令出世、匪啻汚官寺、蒙衆人嘲者、甚違干仏制、向後有其企者、永可追却其身事』

 【非現実的な箇所】
  ”参禅修業、就善知識三十年、費綿密公夫、千七百則話頭了畢之上、遍歴諸老門”
        ↓
  意訳 : 参禅の修行は、善知識(師僧)に三十年就いて修行し、千七百の公案を解き、
      更に諸師について修行をし…

543 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67・補足編)[saga] 投稿日:2014/10/14(火) 03:57:06 ID:Q11s1UJA0 [13/24]

   / ̄ ̄\
  /   _ノ  \
  |   ( -)(-)          …やる夫。
  .|     (__人__)_       .内容どうこうではなく、幕府によって、ここまで管理されることを
  |        `⌒´. ̄       寺社が受け入れざるを得ないこと自体、
  .|        ノ         本来、寺社からすれば、受け入れがたいことなんだよ。
  ヽ    .,ノ )/´二⊃
   >  /"/  '‐、ニ⊃ キンッ    江戸時代以前の寺社ってのは、
./⌒ヽ  l    ´ヽ〉〆ヽ     .武士とも朝廷とも違う、独立した勢力だった訳だからな。
(   ヽ/    __人〉ヾ_ノ,ゞ
.\  /   /   {  /


      _____ 
    / ―   \
  /ノ  ( ●)   \      んー…。
. | ( ●)   ⌒)   |   一向一揆とかあったけど、ああいう感じかお?
. |   (__ノ ̄    /
. |             /
  \_    ⊂ヽ∩\
    /´     (,_ \.\
.    |  /     \_ノ

544 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67・補足編)[saga] 投稿日:2014/10/14(火) 04:00:02 ID:Q11s1UJA0 [14/24]

    / ̄ ̄\
  /   _ノ  \
  |   ( ―)(―) シュポ       …………。
  .|     (__人__) チリチリチリ……
  |     .,ノ )/´二⊃
 人   /"/  '‐、ニ⊃
./  ヽ  l    ´ヽ〉〆ヽ
(  ⌒ヽ/    __人〉ヾ_ノ,ゞ
.\  /   /   {  /


   / ̄ ̄\
  /   _ノ  \
  |   ( ―)(―)             ,  、
  .|     (__人__)  ふぅーッ    ,´ ( ⌒ヽ )
  |       `-=━・   --==≡三三 ( (  ) ) )
  .|        ノ            ヽ `ー ノノ
  ヽ    .,ノ )/´二⊃           ヽ_- ノ
   >  /"/  '‐、ニ⊃ キンッ
./⌒ヽ  l    ´ヽ〉〆ヽ
(   ヽ/    __人〉ヾ_ノ,ゞ
.\  /   /   {  /

545 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67・補足編)[saga] 投稿日:2014/10/14(火) 04:01:32 ID:Q11s1UJA0 [15/24]

     / ̄ ̄\
   /   _ノ  \   .___
   |    ( ー)(●)  ( ⊂⊃ )   まあ、わかりやすい例としてはそうだが、
.   |     (__人__) ホワッ ̄ ̄    .あれはかなり極端なもんだ。
    |       ( ( ノ
   .l^l^ln    ⌒ }            ともかく、中世以前の寺社勢力というのは、
.   ヽ   L     }  ∩ ノ)━・   自前の所領と、それを支える武力も持ち、
    ゝ  ノ   ノ / _ノ´     更に表向きの政治に対する権威や影響力に加え、
   /  /    \/  |        .宗教的権威まで持ち合わせた勢力なんだぞ。
  /  /       '  |        .武士からすれば、始末に負えないなんてもんじゃない。
. /  /      |ヽ__ノ 
 ヽ__ノ

         ____
        /     \
      /  u   ノ  \
    /      u (●)  \     そ、そんなに寺社が凄いなら、
    |         (__人__)|    どうして幕府に従うことになったんだお?
     \    u   .` ⌒/
    ノ           \
  /´               ヽ

546 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67・補足編)[saga] 投稿日:2014/10/14(火) 04:02:12 ID:Q11s1UJA0 [16/24]

            /    ;;;;;;;;;;ヽ
           /      ;;;;;;;;;;;;;、          そりゃお前。
           | ノ   \  ;;;;;;;;;;| 
           |( ●) (●) ;;;;;;;;;l          「 力 ず く で 叩 き 潰 さ れ た か ら 」だよ。
           | (__人__)  ;;;;;;;;il  
            | ` ⌒´ ; ;;;;;;;.;;;;;ヽ          叡山焼き討ち、石山合戦、紀州征伐…。
            !      ;;;;;;/i;;;;;;;;ヽ、      戦国時代、寺社勢力がどれだけ派手に武士と戦して、
             \    ;;//;;;;;;;;;i;;;;;;ヽ、_    .そして徹底的に敗れたか、調べればわかることだろ。
         /)    ̄ ̄;l; ;;;;;;;;;/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`‐-、
    _   / :/      |;;;; /;;;;;;/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;  ヽ、
   ノヾ `‐-" l    , -‐"i  /;;;ノ;;;;;;;/;;;;;;,-‐;;;;;;;;;;;;;;;;;;゙ヽ,
   ノヽ      |  /  .ヽ!;;:/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;li
   l      ,  :l / ,    ;/       ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ
   (      ヽノ .i i;    ;l     ,,    ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|
   ヽ、      \l/_,-‐ 、:;|     :;\,,-‐;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/
    ヽ、i      \i;;;;;:));|    ;;;;;;;;;/  ;;;;;;;;;;;;;;;;;;‐、;;;;;;;;;;/
      \      \´);;|    ;;;;;;;/  ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;\;;;;


     ____
   /      \
  /         \
/           \     あー…。
|     \   ,_   |   そういやそうだったお…。
/  u  ∩ノ ⊃―)/
(  \ / _ノ |  |
.\ “  /__|  |
  \ /___ /

547 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67・補足編)[saga] 投稿日:2014/10/14(火) 04:03:19 ID:Q11s1UJA0 [17/24]

      / ̄ ̄\ ( ;;;;(
    / ._ノ  ヽ、\) ;;;;)
    |  (●)(●)/;;/     そして、江戸幕府が、
    |  (__人__)l;;,´|     .そんな勢力が復活するのを黙って見ている訳もなく、
    | ./´ニト━・' .l     .有力寺社に対し、個々に法度を繰り出し、
    | .l _ニソ    }      .幕府の支配体制に取り込むように仕掛けた。
     /ヽ、_ノ    /
    __/  /    ノ__       いわゆる「寺社諸法度」であり、
  / /  /       `ヽ.   そのひとつがさっきの「大徳寺法度」なわけだ。
  /´  ./       ,.  ヽ.
  ト、_,/.       |、  ヽ
   |         |/  /


         ____
       /      \
     /   _ノ  ヽへ\     つまり、かつて武士と対等か、それ以上の勢力だった寺社が、
    /   ( ―) (―) ヽ   武士との戦いに敗れて、言うことを聞かざるを得なくなった、
   .l  .u   ⌒(__人__)⌒ |   ということかお?
    \     ` ⌒r'.二ヽ<
    /        i^Y゙ r─ ゝ、   「そういう訳だ」
  /   ,     ヽ._H゙ f゙ニ、|
  {   {         \`7ー┘!

548 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67・補足編)[saga] 投稿日:2014/10/14(火) 04:04:09 ID:Q11s1UJA0 [18/24]

       ____
     /_ノ  ヽ、\
   /( ●)  (●).\         で、でもやらない夫。
  /   (__人__)  u. \      そうだとしても、そこで沢庵和尚が
  |ni 7   ` ⌒´    . |n     仏法を見限る発言をしたことにどう繋がるんだお?
l^l | | l ,/)      U  l^l.| | /)
', U ! レ' /      . . | U レ'//)   正直、和尚は寺社勢力の勢力が強かったとしても、
{    〈         ノ    /   態度としては同じだったんじゃないかと思うお。
..i,    ."⊃    rニ     /
 ."'""⌒´       `''""''''


     / ̄ ̄\
   /   _ノ  \  ( ;;;;(
   |    ( ─)(●  ) ;;;;)     まあ、和尚個人としては、
   |      (__人__) /;;/   寺社の勢力が強かろうが弱かろうが、
.   |        ノ l;;,´     そこは気にしなかっただろうさ。
    |     ∩ ノ)━・'
  /    / _ノ´         問題は、幕府という「外部の勢力」によって、
  (.  \ / ./   │       「寺社の独立性が損なわれた」ことにある。
  \  “ /___|  |
.    \/ ___ /

549 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67・補足編)[saga] 投稿日:2014/10/14(火) 04:05:26 ID:Q11s1UJA0 [19/24]
         ___
      /)/ノ ' ヽ、\
     / .イ '(●)  .(●)\     …どういうことだお?
  .  /,'才.ミ).  (__人__)   \
  .  | ≧シ'   ´ ⌒`     |
  . \ ヽ           /


                                            _, -‐
                                       _, -‐  ̄ ‐=ニ=-
              / ̄ ̄ ̄\           _, -‐  ̄‐=ニ二ニ=- _, -‐  ̄
             /         ヽ        ,~'_, -‐  ̄`ー-----― '
            /         丶    _,~'_ッ'-
            |     _ノ  ( ●)  .厂
            i     ( ●)  !  .⊃      寺社…というか仏教勢力というのは、
             |       (__人_) /〉      当たり前だが、その基本となる法は「仏法」になる。
           /∧     ,.<))/´二//⊃      これに対し、朝廷や武士の法は「王法」といい、
         / : | ヽ  / /  '‐、二ニ⊃`     .それぞれ別個のものとして存在していたんだ。
     , -‐'´: : : : :l   丶l    ´ヽ〉: : : : \
    /: : : : : : : : :|  /_/    __人〉|: : : : :|     そして、僧たちからすれば、
   「ヾ: : : : : : : : : :l_/:_/ヽ.   /´     | : : : : :|    守るべきはあくまで「仏法」であり、
  〈\ : : : : : : : :,、: :/´∨/`ー'〉 |_| |: : : : :|    世俗の法である「王法」は尊重こそすれ、
   !: : :ミヽ: : :/ `y′.: ',ゝ、_/     l: : : : : :|    それに縛られることは決して良しとするものではない訳だ。
   ! ⌒ヽ: : : :.ヾ/: ://: : : :|      l: : : : : :|

550 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67・補足編)[saga] 投稿日:2014/10/14(火) 04:06:22 ID:Q11s1UJA0 [20/24]

               / ̄ ̄\
             /   _ノ  \           しかし、この法度によって…
             |    ( ●)(●)         .いや、この法度を受け入れざるを得なくなったことで、
.             |     (__人__)         寺社の法(仏法)は、世俗の法(王法)の下に
              |     ` ⌒´ノ         位置付けられることになってしまった。
.              |    .    }
.              ヽ        }      (     つまり、
               _ヽ     ノ`ヽ、_     )
                _/|\ ` 、,__ 、小 L  ̄ ヽ (      【 王法 > 仏法 】
            _, ハ  \ ` ァ、 /ヘ,レ―‐‐、__i__,)
        , -‐ ´   ,ゝ   \/ _ 又/    ,ヽ\丁    となってしまった訳だな。
     /   ヾ.    \    , イ{`<   _ ,ィ 〉〉〉| 
      /  `゙ヾ\    ヽ/ ヽ\`く´ / `ー(/ | 
      !   ´⌒` ヽ  /     `ーヲ`〈    i   !


        ____
      /::::::::::  u\
     /:::::::::⌒ 三. ⌒\       …それを覆そうにも、
   /:::::::::: ( ○)三(○)\    武力はもうないし、所領だって
    |::::::::::::::::⌒(__人__)⌒  |    .散々に削られちゃってるから…
   \::::::::::   ` ⌒´   ,/.  
   ノ::::::::::u        \      これ、詰 ん で な く ね?
. /::::::::::::::::     u 
 |::::::::::::: l  u      
 ヽ:::::::  -一ー_~、⌒)^
  ヽ::::::::___,ノγ

551 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67・補足編)[saga] 投稿日:2014/10/14(火) 04:07:40 ID:Q11s1UJA0 [21/24]

      / ̄ ̄\ ( ;;;;(
    / ._ノ  ヽ、\) ;;;;)    そういう訳だ。
    |  (●)(●)/;;/    ここまでの話と、和尚の来歴を踏まえて考えると、
    |  (__人__)l;;,´|     「見限候」「棄てて唱へず」「用に立ち申さず」という
    | ./´ニト━・' .l     一連の和尚の言葉に、ひとつの意味を見出せる。
    | .l _ニソ    }      つまり…
     /ヽ、_ノ    /       
    __/  /    ノ__       「和尚は、仏法(寺社)の復権のために抗ったが、
  / /  /       `ヽ.     大勢を覆しきることはできず、遂には諦めた」
  /´  ./       ,.  ヽ.   
  ト、_,/.       |、  ヽ
   |         |/  /


     ____
   /      \
  /         \     そして、王法(幕府)に屈した仏法(寺社)を、
/           \   「見限った」という訳かお…。
|     \   ,_   |
/  u  ∩ノ ⊃―)/     .世間的な意味で堕落しているからではなく、
(  \ / _ノ |  |     .寺社が幕府に屈して、抗えもしなくなったことが、
.\ “  /__|  |     .和尚にとって決定的だった…ということかお。
  \ /___ /

552 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67・補足編)[saga] 投稿日:2014/10/14(火) 04:09:28 ID:Q11s1UJA0 [22/24]

    / ̄ ̄\ .........::::::::::...r‐ ' ノ.
  /      \........::::::::_ ) (_
  |::::::: :      |.....:::(⊂ニニ⊃)    まあ、あくまで>>1の解釈だがな。
  .|:::::::::::::     |....: ::::`二⊃ノ    ただ、和尚が紫衣事件で幕府に抗ったのも、
   |:::::::::::::      |..: :::: ((  ̄     .出世入院の条件なんて瑣末なことでなく、
   .|:::::::::::::::     }    [l、 
    ヽ        }  /,ィつ      「世俗権力が、宗教の枠内の事に踏み入ってきた」
   /   ヽ   . ノ .,∠∠Z'_つ
  /    ''⌒ヽ  ./ .r─-'-っ      .ことに対しての、仏法者としての矜持故だったと
 .| (      / } ./  ):::厂 ´      .見ることができるんじゃないかと思う。
  |   /  .// .ト  /


      ____
    /       \
  /   -‐´ `ー\      元々、和尚自身、
/     (-)  (-)\   権勢欲なんて全くない人だし、
|   u.   (__人__)  .|   紫衣事件の時も隠棲していたのに、わざわざ出てきたのも、
\      ` ⌒´  /    「仏法の独立性を守るため」と考えれば、納得ではあるお。
  >     ー‐  < 
. /      / ̄彡ミヽ、    それが、必死の思いで抗ったのに、寺社勢力全体が
/    ヽ /  / ヽ  ヽ   「もう、幕府に従うしかないよね…」という空気だったとすれば…
ヽ.    Y  /   |  |   和尚の失望もわかる気がするお。
 ヽ     ノ    ヽ ノ

577 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67・補足編)[saga] 投稿日:2014/10/20(月) 02:00:48 ID:Hvg37V8c0 [2/17]

            / ̄ ̄\
           / _ノ  ヽ、_ \
             | ( ●)(● ) |    さて、和尚の「仏法を見限り」発言について、和尚が見限ったという「仏法」は、
             |  (__人__)  │   仏教の教義そのものというより、王法、即ち世俗権力と対比しての仏法、
           |   `⌒ ´   |    即ち、寺社勢力のことではないか、という推測を踏まえた上で、2つ目の話題に移ろう。
              |           |
              ヽ       /
            ヽ      人
     ⊂てヽ   /        ヽ
   {三_ ィ `´  /|     ィ  |
         .\__/   |      |  |


   ╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
   ┃ その2 : 和尚が法嗣を持たなかった理由 .┃
   ╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋


               ∩_
              〈〈〈 ヽ
      ____   〈⊃  }
     /⌒  ⌒\   |   |    2つ目の話。
   /( ●)  (●)\  !   !   「和尚は何故法嗣を作らなかったか?」ということだおね。
  / :::::⌒(__人__)⌒:::::\|   l
  |     |r┬-|       |  /
  \     ` ー'´     //
  / __        /
  (___)      /

578 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67・補足編)[saga] 投稿日:2014/10/20(月) 02:01:13 ID:Hvg37V8c0 [3/17]

               / ̄ ̄\ 
             / ノ  \ \     まず、この話については、前提として、
             |  (●)(●) |
.             |  (__人__) .|     「禅宗に於いては師資相承が重視された」
        r、      |   `⌒´.   |
      ,.く\\r、   ヽ      ノ     ということを踏まえておく必要がある。
      \\\ヽ}   ヽ     /     師資相承ってのは、弟子を一人前に育て上げ、
       rヽ `   ヽ  /   ァ'´ヽ     .その弟子に印可を授ける形で、
        └'`{  .   \.|   /   i     .教えを後に伝えていく、という継承方法だ。
            ヽ、._   ヽ、_,r'   .|
            `ヽ、   /'  |
               `'ー'´


           ___    
          /⌒  ⌒\         つまり、教えを後に伝えたければ、
        ./(ー)  (ー)\       印可を与えられるだけの弟子を育てろ、ってことだおね。
      /::::::⌒(__人__)⌒:::::.\      で、その教えを継いだ弟子が「法嗣」ってわけかお?
      .|     |r┬-|     |  
      \      `ー'´     /..      「そういうことだ」
     rー'""l,  'l,     / .| ||/`>、 . 
    ./    |   'l,    /  .|./》/ ∧. 
    ./  , | ヽ   ヽ,、/.@ / 《l,l / ヽ
   /  、,ヽ|/ ヾ。ツ`' 「ゞ / /《ヾ  /゙ヽ
  ./  ///l`゙'゙ー-'"  / // ノ// //`l.
  .,|.  /// |  |___,,,ノ≡≡ツノ//_,,-‐'"".l
  | /// /|    /二=‐'"´´/ /`゙゙'ー-、,_.l
  |/// / |   /|三="´  / //"´´゙'ー、|
  .///ノ   ノ ノ ノ‐-二‐'"´ ノ/r=、,_ー-、_|.

579 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67・補足編)[saga] 投稿日:2014/10/20(月) 02:01:38 ID:Hvg37V8c0 [4/17]

     >―― .
    >        \
   ./          V              更に言えば、ここで伝える「教え」は、
  |           V            単に経典などの文字や言葉による知識だけを指すのではなく、
               V            師である自分自身の禅風…言うなれば人格も含めたものになる。
   | 〈ヽ____,      V           教えの外に別して伝えるもの…「教外別伝」という訳だ。
   {/  (   ●)/ i   V
    Y  Y=(  )´ :  }    V           だからこそ、この法の教えの流れである「法統」は、
   丶イ 、 __) ', /     V>、_      .僧にとっては血脈のようなものであり、また法嗣も子の様なものだと言える。
     し´      ',     // /: :\     和尚も師匠である一凍から、「跨竈児(親勝りの子)」などの表現をされている。
     : \    /',    // /: : : : :}へ   .
     :  ヽ ‐   | ',   // |: : .〈: : : \
     :  // ,’ {  ’ ,/ / ,’: : ): : : : :\   
    >', //,’  {  / / ’/’’: : : : : : : : : : :
    /: : : :>・ ・ |  {/ / ./: : : : : : : i: : : : : : :
   |: : : / /  |/ /   /: : : : : : : /: : : : : : :
   ノ: : / /   .| /    /: : : : : : : : : : : : : : : :


         ___
       /      \
      /  ノ   \ \           …でも、和尚は、
    /    (●) (●) \         その法嗣を持つことを拒否したお。
    .|   u.  (__人__)   |    __   .弟子はいたけど、彼らに法を継がせなかったんだお。
     \     ` ⌒/ ̄ ̄⌒/⌒   /
    (⌒      /紀念録./    ./     【「東海和尚紀年録」寛永二十年の記述】
    i\  \ ,(つ     /   ⊂)      『師退きて門人に語りて云く。
    |  \   y(つ__./,__⊆)      . 台命、太だ重しと雖(いえど)も、老僧更に児孫相続の心なし』
    |   ヽ_ノ    |

580 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67・補足編)[saga] 投稿日:2014/10/20(月) 02:03:42 ID:Hvg37V8c0 [5/17]

           / ̄ ̄\
         /   _ノ  \             ああ、そうだ。
         |    ( ●)(●)           つまり、この法嗣についての話を裏返すと、
         |     (__人__)
         |      `⌒´ノ             「法嗣を持たないことには、
          |         }             ..自分の教えを後世に遺せない」
          ヽ        }      (
           _ヽ     ノ`ヽ、_     )       …いや、和尚の場合、弟子もいて、
.           _/|\ ` 、,__ 、小 L  ̄ ヽ (      家光や後水尾上皇にも請われたにも関わらず、
        _, ハ  \ ` ァ、 /ヘ,レ―‐‐、__i__,)     自ら法嗣を作らないと明言したのだから、
.   , -‐ ´   ,ゝ   \/ _ 又/    ,ヽ\丁
  /   ヾ.    \    , イ{`<   _ ,ィ 〉〉〉|      「自分の教えを後世に”遺さない”」
. /  `゙ヾ\    ヽ/ ヽ\`く´ / `ー(/ |
. !   ´⌒` ヽ  /     `ーヲ`〈    i   !      ことを選択したということになる。



                    調べてみたら、禅宗において、
      ____          この法嗣を持ち、教えを伝えることは、
    /       \         とても重要視されてたってあるお。
  /   -‐´ `ー\
/     (●)  (●)\       「(法を)断絶せしむること莫れ」(阿難/禅宗第二祖)
|        (__人__)  |      「(法を伝えないのは)仏種を断ずる罪」(懐奘/日本曹洞宗第二祖)
\      ` ⌒´  /
  >     ー‐  <         とまで言ってる僧もいたし、
. /      / ̄彡ミヽ、     事実、家光や後水尾上皇も強く懇望してるんだから、
/    ヽ /  / ヽ  ヽ     .かなり重要視されてたのは間違いないお。
ヽ.    Y  /   |  |
 ヽ     ノ    ヽ ノ      なのに、どうして和尚は法嗣を作らなかったんだお…?

581 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67・補足編)[saga] 投稿日:2014/10/20(月) 02:04:47 ID:Hvg37V8c0 [6/17]

                  / ̄ ̄\
                / _ノ  .ヽ、\           話が最初の設問に戻ったな。
                |  (●)(●) |          で、ここからが推測になる。
.                |  (__人__) .|
                 |   ` ⌒´  ノ           まず、単純に考えられるのは、
.           r─一'´ ̄`<ヽ      }
.          `ー‐ァ   ,    )     , -'~⌒ヽ、       「法嗣にできる程の弟子がいなかった」
           ノ   {.   ,ヘ    ,l. ゝ、_ .'ヽ).
.            /, 、 _   /. |    . ',  . ..  .ヽ、     というところだな。
           (/ / // / / ...|      ...|\..\\ \_)    家光の懇望を見ても、和尚が法嗣と
             / // / /         . . \_\_)、_)    認められる弟子がいないことが問題であるように読める。
            ー' {_/ノ              ."´  


              /\
            /.    \           【『東海和尚紀年録』】
           V.         \          『時に大樹(家光)、師に謂って云く。
           i          \、__       .和尚法齢既に老いたり。然るに未だ嗣法の弟子あるを聞かず。
  斗‐''"¨ ̄ ̄`ヽ{          //、_      疑うらくはこれ会裡機に契う者なきか。
  {、         ヽ        /'   ゝ>    我意(おも)えらく、大亀の世尊(迦葉)に於けるは又猶蠅の驥尾に附すが如し。
  {ミヽ         \     // // ヽ    然り而して其の法的相承今日に至り、群生利海を蒙る。
  ヘ: ヽ            \    ':/// ´_彡}   .是れ豈に霊山密付の謂いに非ずや。
  ヘ:. :',             \ {,//, /'"´     .今疇室の徒、纔に悟徹底者を見れば、須らく許可し以って後世に伝うべし』
   ヘ  :':,    _ -=====ミヽ|./ /'
    ヘ :::':,、/´ _,. -====ミゞ斗}
     ヘ  ::彡'/´       `¨¨¨´


     ____
   /      \      「和尚の目から見れば未熟かもしれないが、
  /   _ノ ヽ、_.\     .和尚の法を伝えるためにも、少しでも見込みがあれば、
/    (●)  (●) \    その者に印可を与えて、法嗣としてほしい」
|       (__人__)    |
/     ∩ノ ⊃  /     …確かに、ここを読むと、
(  \ / _ノ |  |     和尚の認定基準が厳し過ぎるのが、
.\ “  /__|  |     印可の弟子がいないことの理由のように見えるお。
  \ /___ /

582 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67・補足編)[saga] 投稿日:2014/10/20(月) 02:06:33 ID:Hvg37V8c0 [7/17]

   / ̄ ̄\
 /   _ノ  \
 |    ( -)(-)             
. | u.   (__人__)             . あと、かつての弟子であった一絲から、
  |     `⌒´ノ             こんな批判も出ているな。
.  |         }       __
  \      } / ̄ ̄⌒/⌒  ./
  (⌒\    /     /    /
  i\  \ ,(つ    /   ⊂)
  .|  \  y(つ    /,__⊆)


| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_|    【「一絲語録」より】
| ._.        .|_|    『師、已に壇越の堅請に随つて一方の伽藍に董□(※とうり)す。持法の具其れ備はり、
| |一|        . |_|     持法の資其れ饒なり。何が故ぞ槌払の下全く□子(※のっす)に乏しき哉。
| |絲|        . |_|     料るに夫れ賢を選び器を択ぶの然らしむるか。
| |語|        .|_|    .馬骨を棄てずして駿馬を得るは宗匠偉度の常なり。
| |録|        .|_|    .仰ぎ望むらくは賢不肖を問はず、先づ収録を賜へ。
|.  ̄         .|_|    .若し其れ親しく炉鞴に投じ、妙密の鉗槌に当り得ば、
|________.|_|    .頑銅鈍鉄□(※すみやか)に宝器と化すること豈難事ならんや』
└───────      (※ □部分は漢字が出なかった箇所)


     ____
   /      \
  /         \    「既に環境が整っているにも関わらず、弟子が少ないのは
/           \   それは師が選り好みしているからではないか。
|     \   ,_   |   今からでも遅くないから、きちんと育ててやれば、
/  u  ∩ノ ⊃―)/    .誰であれ、きっと立派な禅僧となれるであろう」
(  \ / _ノ |  |    
.\ “  /__|  |      …こりゃ随分手厳しいお。
  \ /___ /

583 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67・補足編)[saga] 投稿日:2014/10/20(月) 02:07:49 ID:Hvg37V8c0 [8/17]

         ____
         / _ノ ヽ_\          しかし、やらない夫。
.     / (ー)  (ー)\        この懇望や批判を踏まえると、和尚に嗣法の弟子がいないのは、
    l^l^ln  ⌒(__人__)⌒ \      「和尚の認定基準が厳し過ぎる」か、
    ヽ   L   |r┬-|    |      「和尚が弟子をきちんと育てていなかった」かのどちらかで、
     ゝ  ノ  `ー‐'    /       どっちにしても、和尚自身にも原因があるようにも見えるお。
   /   /         \
  /   /            \
. /    /         -一'''''''ー-、.
人__ノ        (⌒_(⌒)⌒)⌒))


                  / ̄ ̄\
                _ノ  ヽ、_   \         確かに、そういう面はあるだろうな。
                (●)(● )    |        実際、和尚自身、弟子を育てようとはしたが、
                  (__人___)    |        .「正知見を得る者」、即ち、印可を出せるだけの者が
                 |      u  |        出なかったと書いている。
                    |        .|
                 ヽ 、     ,イ          ただ、「今予、仏法を棄てて唱へず」という言葉は、
                 /ヽ,ー-   ト、        直接的な文章としては、そちらに掛かっていることからして、
          _, 、 -─ '".:.ヽ:.:.\__ /ノ ト、__      和尚なりに力を入れてはいたとは思う。
   __ ,. ー 、...:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:....    でなければ、弟子が育たなかったことで、ここまで言わないだろ。
   \ r 、 _ \:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:::::::::::::::::::::::::::::'ー、 
     } }/ )  V::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\
    /:ゝ/ ./ __  V ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i:.:.:.\
    }:::::ゝ ソ ,Y i::::::/::::::\:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|:.:.:.:. \


| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_| 
| ._         .|_|  【万松語録(巻の一)】
| |万|        . |_|  .『師の印を得てより後、今已に四十年、一則の話頭を以って人に示す。
| |松|        . |_|   其れ正知見を得る者、一箇もまた無し。
| |語|        .|_|   今より五十年の命在るも、住を以って来を推すに、恐らくは済度の頼むべき無し。
| |録|         .|_|   若し済度を除かば、即ち渡世の活計と成る。豈(あに)愧はぢ)ざらんや。
|.  ̄         .|_|   以故す、今予、仏法を棄てて唱へず』
|.            .|_| 
|________.|_| 
└───────

584 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67・補足編)[saga] 投稿日:2014/10/20(月) 02:09:51 ID:Hvg37V8c0 [9/17]

        _____
       /    .r┐ヽ「|
     /  r-、  | .| ./ l l゙l       しかしな…和尚の他の言葉を読んでると、
   . / .__,ノヽ ゙、_,ノ '-' .|,,/ |      和尚が嗣法を望まなかったのは、
   |   (-)ヽ     ノ ´/      どうもそれ以外の要素の方が大きいように思えるんだな。
    |       〉      〈_,,.-、
    .|    (__人{         .r''´     言ってしまえば、
    .|     ´ ⌒|    _,.-i'´       それなりの実力の弟子がいたとしても、
   . .{ u.     l-‐'''''''ーl }        法を継がさなかった可能性があるんだ。
    {   .   |´ ̄ ̄``l }
     {      .|     |.}


         ____
       /     \
      /  u   ノ  \      
    /      u (●)  \     …つまり、和尚が自分の意思で、
    |         (__人__)|    自分の法を遺さないと決めたってことかお?
     \    u   .` ⌒/
    ノ           \
  /´               ヽ

585 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67・補足編)[saga] 投稿日:2014/10/20(月) 02:10:49 ID:Hvg37V8c0 [10/17]

      / ̄ ̄\ ( ;;;;(
    / ._ノ  ヽ、\) ;;;;)      ああ。
    |  (●)(●)/;;/      簡単に言えば、
    |  (__人__)l;;,´|
    | ./´ニト━・' .l        「当時の仏法(寺社)が、王法(幕府)に対して無力であった失望から
    | .l _ニソ    }         自分のものも含め、当代の仏法そのものを遺すに値しないと考えたのではないか」
     /ヽ、_ノ    /
    __/  /    ノ__         というところだな。
  / /  /       `ヽ.     例えば、さっきの「万松語録」の文章は、
  /´  ./       ,.  ヽ.    更にこのように続いている。
  ト、_,/.       |、  ヽ
   |         |/  /


| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_| 
| ._         .|_|  【万松語録(巻の一)】
| |万|        . |_|  .『今の世上、得法を称する者太だ多し。
| |松|        . |_|   古を以てこれを見るに、即ち多くは是れ相似底の消息なり。
| |語|        .|_|   似は即ち似にして是れ即ち未だ是ならず。
| |録|         .|_|   未だ是ならざる法を以て人を度さば是れ人を度するにあらず。
|.  ̄         .|_|   却つて人を暗坑に陥らさん』
|.            .|_| 
|________.|_| 
└───────  


         ____
       /      \         「今の世では、法を得たと称しても、その実、そうでない者が多い。
     /   _ノ  ヽへ\        そのような者が法を説いても、人を救うどころか、
    /   ( ―) (●) ヽ       却って暗い穴に落とし込むようなものだ」
   .l  .u   ⌒(__人__)⌒ |
    \     ` ⌒r'.二ヽ<       …”だから、このような法なら遺さぬ方がよい”って訳かお。
    /        i^Y゙ r─ ゝ、   でも、これって嗣法の弟子が育てなかったことを嘆く文章の続きだお。
  /   ,     ヽ._H゙ f゙ニ、|    これだけなら、あくまで良い弟子が育たなかった失意が先にあって、
  {   {         \`7ー┘!    そこから出た言葉だっていう見方もできるお?

586 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67・補足編)[saga] 投稿日:2014/10/20(月) 02:13:11 ID:Hvg37V8c0 [11/17]

   / ̄ ̄\    ) ;;;;)    いや、元々、和尚は
  /  _ノヽ_\   ) ;;;;)
 |    (─)(─)  /;;/     「沙門の言行正しきときは、即ち権威とても恐れなし」(東海夜話)
. |    (__人__)  l;;,´
  |     `∩_ノ)━・'        と述べている通り、当代の仏法についても、
.  |     |_ノ         それが正しいものだとした上での発言をしている。
 /ヽ    |  |_
 |  \_/ ノ ヽ         しかし、紫衣事件に端を発する寺社の混乱と、
 \     /_|  |        幕府への従属を選んだ姿を見て、仏法に対する言葉が
 | \ /  _/        変わっていくんだ。


          _____
         / ヽ____//
         /   /   /     【寛永十二年九月二十四日の宗矩宛の手紙(抜粋)】
        /   /   /     『上意をいやとは、いかなるはちひらき坊主にても、
        /   /   /       申されざる儀に候』
       /   /   /
       /   /   /
      /   /   /
       ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


     ____
   /      \         ああ、これ、
  /   _ノ ヽ、_.\       江戸に上がって来るようにっていう家光からの命令について
/    (●)  (●) \      宗矩に相談も兼ねて出した手紙かお。
|       (__人__)    |
/     ∩ノ ⊃  /       …随分トーンが変わってきてるお。
(  \ / _ノ |  |       「乞食僧ですら、将軍の命令には嫌とは言えない」って
.\ “  /__|  |       沢庵和尚の言葉とは思えないお。
  \ /___ /        確かにこの後、和尚はかなり渋ったとはいえ、上府してる訳だし…。

587 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67・補足編)[saga] 投稿日:2014/10/20(月) 02:14:08 ID:Hvg37V8c0 [12/17]

     / ̄ ̄\
   /   _ノ  \              そして、その失望は、
   |    ( ー)(ー)            最終的には当代の仏法の否定に繋がっていく。
.   |     (__人__)            正保二年の小出吉英宛の手紙でも、
    |     ` ⌒´ノ  ,r'゛ヾ
   .l^l^ln      } `‐=   )        「何と精を尽くし申し候ても、
.   ヽ   L     }   ゝ-´  );;;;;;)     .紫野の仏法、今の世には用に立ち申さず候間」
    ゝ  ノ   ノ        .) ;;;;)
   /  /    \       ./;;/     と書いている通りだ、
  /  /       \     .l;;,´     つまり、弟子が育たなかったこととは別に、
. /  /      |ヽ、二⌒)━・'      .当代の仏法自体を無用と断じた訳だな。
 ヽ__ノ


         ____
       /      \         まとめると、こういうことかお?
     /   _ノ  ヽへ\
    /   ( ―) (―) ヽ       .・「印可を授けられるだけの弟子が遂に出なかった」
   .l  .u   ⌒(__人__)⌒ |       ・「当代の仏法に遺すべき価値を見出せなくなった」
    \     ` ⌒r'.二ヽ<
    /        i^Y゙ r─ ゝ、     この二つが合わさって、法嗣を持たない…。
  /   ,     ヽ._H゙ f゙ニ、|     即ち、自身の法を遺さないと決めた、と。
  {   {         \`7ー┘!

588 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67・補足編)[saga] 投稿日:2014/10/20(月) 02:14:42 ID:Hvg37V8c0 [13/17]

   / ̄ ̄\    ) ;;;;)
  /   _ノヽ_\   ) ;;;;)
 |     (●)(●)  /;;/   …あるいは、和尚からすれば、
. |     (__人__)  l;;,´   「法を”継がせる”」という考え自体、
  |     `∩_ノ)━・'    .おかしいものだと考えていたのかもしれん。
.  |     |_ノ
 /ヽ    |  |_        実際、こんな言葉もあるんだ。
 |  \_/ ノ ヽ
 |\     /_|  |
 | \ /  _/


| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_| 
| ._         .|_|  【東海夜話】
| |東|        . |_|  .『法は其れ嗣ぐべからず、嗣ぐべきは法に非ず。
| |海|        . |_|   法は其れ断ずべからず。断ずべくは法に非ず。
| |夜|        .|_|   (中略)法は自ら無始無終なり。
| |話|         .|_|   断続なし。只仏出て即ち法顕はる』
|.  ̄         .|_|
|.            .|_| 
|________.|_| 
└───────  

| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_| 
| ._         .|_|  【碧巌九十偈「禅」】
| |碧|        . |_|  .『末法の禅流、禅を以て授受せんと擬るに、禅授くべからず。
| |巌|        . |_|   的的西天二十八世、授に似て授に非ず。
| |九|        .|_|   東土二三、伝に似て伝ならず。
| |十|         .|_|   ただ弟子心了し、師有りてこれを証明するのみ。
| |偈|         .|_|   若し証明の師無きは以て我れ是れ禅を得、道を得ると道(い)え。
|.  ̄         .|_|   しかるにみだりに口を開けば則ち抜舌罪遁るべからず』
|________.|_| 
└───────  

               -―─- 、
           /         \
         ′   ノ '   ヽ、  ,     これは…
          i   ( ●)  (● ) i
          |      (__人__)   |     『法とは、授けるとか嗣がせるというものではなく、
          、     .´⌒`  .ノ      .自ら悟るべきもので、師はその悟りを証明するに過ぎない』
            >  r、.   r、<
         /   ─| 1 悟 l |ー ヽ      ということかお?
          (   _ ノ り 乂 _,ノ
.          ̄′           l      「そういうことだな」
.          i           | 
         乂         イ
            | /ー―一 、 |
           し′     、_j

589 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67・補足編)[saga] 投稿日:2014/10/20(月) 02:15:14 ID:Hvg37V8c0 [14/17]

                  / ̄ ̄\
                _ノ  ヽ、_   \         この発言を踏まえて考えてみると、
                (●)(● )    |        和尚の「法嗣を持たない」という発言には、
                  (__人___)    |        別の解釈が出てくる。
                 |      u  |
                    |        .|          『法(悟り)は自ら顕れるものだ』
                 ヽ 、     ,イ
                 /ヽ,ー-   ト、         であれば、無用のものである「当代の法」などを
          _, 、 -─ '".:.ヽ:.:.\__ /ノ ト、__      教える必要も、継がせる必要もない、ということになる。
   __ ,. ー 、...:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:....    真の法なら、自ら顕れる筈…という訳だな。
   \ r 、 _ \:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:::::::::::::::::::::::::::::'ー、
     } }/ )  V::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\
    /:ゝ/ ./ __  V ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i:.:.:.\
    }:::::ゝ ソ ,Y i::::::/::::::\:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|:.:.:.:. \


                     つまり、
       ____
     /      \        「法嗣がいようがいまいが、
   / ─    ─ \         真の法とは関係のないことなのだから、
  / -=・=-   -=・=- \   .    どうでもいい」
  |      (__人__)  U  |
  \     ` ⌒´     /      ということかお?
                    それはそれで、また極端な…。

590 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67・補足編)[saga] 投稿日:2014/10/20(月) 02:15:47 ID:Hvg37V8c0 [15/17]

           / ̄ ̄\
         /   _ノ  \
         |    ( -)(-)           まあな。
         |     (__人__)
         |      `⌒´ノ           しかし、ここで出た概念、
          |         }          つまり、「当代の法」とは関わりなく顕れる「真の法」という考え方は、
          ヽ        }      (    他のことにも絡んできそうだから、覚えておいてくれ。
           _ヽ     ノ`ヽ、_     )
.           _/|\ ` 、,__ 、小 L  ̄ ヽ (    ひとまず、和尚の法嗣に関しては、
        _, ハ  \ ` ァ、 /ヘ,レ―‐‐、__i__,)   こんなところだな。
.   , -‐ ´   ,ゝ   \/ _ 又/    ,ヽ\丁
  /   ヾ.    \    , イ{`<   _ ,ィ 〉〉〉|
. /  `゙ヾ\    ヽ/ ヽ\`く´ / `ー(/ |
. !   ´⌒` ヽ  /     `ーヲ`〈    i   !


         ___
      /)/ノ ' ヽ、\       わかったお。
     / .イ '(●)  .(●)\    じゃあ、次の話に移ろうかお。
  .  /,'才.ミ).  (__人__)   \
  .  | ≧シ'   ´ ⌒`     |
  . \ ヽ           /

615 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67・補足編)[saga] 投稿日:2014/11/03(月) 19:33:01 ID:Mt36Zunw0 [3/18]

   ╋━━━━━━━━━━━━━╋
   ┃ その3 :.最期の境地について..┃
   ╋━━━━━━━━━━━━━╋

                 / ̄ ̄ \          (
                /   _,.ノ `⌒        ノノ
                |    ( =)(=)(,ヽ、   ((   さて、1と2を踏まえると、晩年の和尚は、
                .| U   (___人__) ,r__i____ ノ
                |     √丶丶丶┬─'"     「当時の仏法(寺社)を見限り、
                |     | )     j        .また、自身の仏法(禅風)についても、嗣法を認めなかった」
                .人、    ヽ´     /
             _,/::ヽ、.,ヽ., __ (    r         という、かなり厳しい判断を下していたことになる訳だが…。
      _, 、 -― ''"::::::::::::\::::::ー-- く / ⌒ヽニ-、
     /;;;;;;::゙:':、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::V/....., ̄ v,;,ヽ
    丿;;;;;;;;;;;:::::i:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;;;( ;;;;:::::::::::... ',;;;;|
   i ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::|;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::;;;;;;ハ :;;;;;;:::::::::.. ',;;i
  / ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::::!;;;;;;;;;;::::::::::::::::::::::::::::;;;;;;;;;;;ハ ::;;;;;;;;::::::::. ',


               ____
             /      \
            ─   ─    \      では、そんな和尚の最期の境地は、
           (ー)  ( ー)      \    どんなものだったか、というのを推測してみるお。
           | (_人__)        |
             \` ⌒´       /
             / ー‐  /  ,>"'-、
           // / ヽ/  /   ヽ
          /  |  !/  /      i
         ./  /!/   /       |
         ,.{  l./   ./   ノ     ヽ
      /    ヽ、 /_____,,...--'       ヽ
     /   ゝ-- , ,----、           i
  ,..--....,,,_,,.-( .(~  ~) 丿....,,,____,,,..-' ,..-‐-., J
 (     ゝllllゝ.,_,彡ミ,_,.ノllllllllllllllllllllll/     i
  ヽ     ヽlll/lllllllllllllllllllllllllllll/ミ/      ,/
   ゝ     \llllllllllllllllllllllllll//     ,...-'

616 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67・補足編)[saga] 投稿日:2014/11/03(月) 19:33:38 ID:Mt36Zunw0 [4/18]
                      ._
                     /′ ヽ
                     /    │
          .、         丿     〉
         ,' ゝ、   ____ /     ⊥..............,,_
        /  ゙‐'''"´    ̄            `''、
       ..ノ       _/'' ̄〉     / ̄ ̄`''‐---'′
     _..‐′      ..-'′  ,'    /
 ......ィ‐ _   _l"^ゝ_  丿   ,'  _r;;こ............,,__
   ⌒ ̄ ̄´     ̄` ....-‐′  ................、  `゙'' 、
      ,,-‐'、  _..r‐'´ _,,..-、  ゙r   /    ヘ、
      !  │ 一‐'、 (´ /   丶..rに.... 、_ _,/
      !  ヘ   ゝ ''′    _,,′    ´′
      \  ゙ゝ、''、   __..--''''' __..................,,___
        `ー‐‐  `''' 彡-‐''''' 二 ...._...._   `゛''ー 、
   ,,r'' ̄1    _,,..-‐''" _,,..-:」 ニ´      `゛''ー 、   ゙\
 ノ'´   ∫‐''''"´  ,,/ ン'''´ │     _,,_....一′    〉
 |    ./ ゙ー--‐''''''" _r‐´    ーー-.. ` ̄´ ` `''''ー、 __../
 ヘ   丿      /          ` 、      ´
  丶___ノ      |   __..‐‐'ワ    _┘
   `        ゙-..‐'´   /   /′
             ..‐'" ̄"´   /′
             `ゝ      丶
             /    __,,..-┘
          _..-'"    /
       _....‐"    _..r'''´
    .._r匕 ..---....-‐"


   / ̄ ̄\
  / ノ  \ \
 |  .(●)(●)  |          まず、「最期の境地」について、
. |  (__人__)  |         .一番の参考となるのは、辞世の偈である
  |    `⌒´  |    ) ;;;;)   この「夢」の一字だな。
.  |        |    .) ;;;;)
.  ヽ       }   /;;/
   ヽ     ノ   .l;;,´
. /    ∩ ノ)━・'
 (  \ /|_ノ ヽ              ____
. \  ""  /_ノ  |            /     \
   \ /___/          / ⌒三 ⌒    \      「夢」といえば…
                    / (○) 三(○)    \   やはり「夢じゃ夢じゃ。夢じゃ夢じゃ夢じゃ…!」(by萬屋錦之介)かお?
                    | ::::⌒(__人__)⌒:::::    |
                    \   |r┬-|      /
                     /  `ー'" .ト  _ \
                  <三三三三三三| |(___)
                      |\   ̄ ̄ レ/

617 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67・補足編)[saga] 投稿日:2014/11/03(月) 19:34:14 ID:Mt36Zunw0 [5/18]

   / ̄ ̄\
 /   _ノ  \       ンな訳ねーだろ。
 |    ( ●)(●)    ていうか、こないだ新文芸坐の時代劇映画祭で
. |     (__人__)     魔界転生や十兵衛暗殺剣と一緒に公開されてたな>柳生一族の陰謀
  |     ` ⌒´ノ
.  |         }  ミ        ピコッ
.  ヽ        } ミ  /\  ,☆____
   ヽ     ノ    \  \ /     \
   /    く  \.  /\/ ─    ─ \     久しぶりに件のシーンだけ観直そうかと思ったら、
   |     `ー一⌒)  /   (●)  (●)  \  気が付いたら最初から全部観てました。
    |    i´ ̄ ̄ ̄ \ |      (__人__)     |  いやーやっぱすげーおアレ。
               \_   ` ⌒´    /  
                /          \

618 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67・補足編)[saga] 投稿日:2014/11/03(月) 19:35:06 ID:Mt36Zunw0 [6/18]

                  / ̄ ̄\
                _ノ  ヽ、_   \
                (●)(● )    |     まあ、それはともかく、
                  (__人___)    |    ここで言う「夢」は、おそらく金剛般若経の一説(※)、
                 |        |     「夢幻泡影」を踏まえたものだと思われる。
                    |        .|
                 ヽ 、     ,イ      ※「一切有為法 如夢幻泡影 如露亦如雷 応作如是観」
                 /ヽ,ー-   ト、       (一切有為法は、夢、幻、泡、影のごとく、露のごとく、また雷のごとし。
          _, 、 -─ '".:.ヽ:.:.\__ /ノ ト、__     .応(まさ)に是(かく)のごとき観(かん)を作(な)すべし)
   __ ,. ー 、...:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:....
   \ r 、 _ \:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:::::::::::::::::::::::::::::'ー、
     } }/ )  V::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\
    /:ゝ/ ./ __  V ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i:.:.:.\
    }:::::ゝ ソ ,Y i::::::/::::::\:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|:.:.:.:. \


        ____
      /      \
     /  ─    ─\     ”この世のあらゆる物事は、
   /    (●)  (一) \     夢幻のように儚く、移ろいやすいものと観よ”
   |       (__人__)    |
    \      `_⌒ ´  /     ということかお。
.    ノ.,.,.,.,.,.,.,/ )ヽ.,.,.,く
   (;:;:;:\;:;:/|_ノi );:;:;:;:)     「そういうことだ。
.    |;:;:;:;:゙;:;:;:;:;:|;:;:;:|;:;:;:;:;:;:/      そして、”故に、そのようなものへの執着を捨てよ”という話になる」
    \_;:;:;:;:;:;:;|;:;:;:|;:;:;:;:::ノ

619 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67・補足編)[saga] 投稿日:2014/11/03(月) 19:36:18 ID:Mt36Zunw0 [7/18]

          ______ 
        /      \     心底どうでもいいけど、
       /  ─    ─\   昔、そんなタイトルのエロゲがあったおね>「夢幻泡影」
     /    (●)  (●) \
     |       (__人__)    | _|_________
     \      ` ⌒´   ,/ | |             |
___/           \ | |             |
| | /    ,                | |     PC98      .|
| | /   ./             | |             |
| | | ⌒ ーnnn          |_|___________|
 ̄ \__、("二) ̄ ̄ ̄l二二l二二  _|_|__|_


     __
   /::::::::::::\
 /   __ノ::::ヽ
 |    (;;;;;;)::::)       いきなり話を超俗っぽくするなよ。
 .|      ::(;;;人)      しかし、あれの発売当時(1995年)に生まれた子が、
  |      :::::::::rつ     今じゃエロゲができる齢になってるとか、PC98も遠くなりにけりだな…。
  .|      :::::::((三)
  ヽ    ::::::::::(::::<      …いや、だから俺まで脱線してどうする。
   ヽ  ::::::::::/∧::::∨   ほら、話戻すぞ。
   ∠::::::::::::/⌒ ∧:::ヽ
  (:::::\ /:::::::/;;;;;;;;;;)    「わかったお」
  |\::::::::::::/|
  |:::::\_/:::::|

620 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67・補足編)[saga] 投稿日:2014/11/03(月) 19:37:04 ID:Mt36Zunw0 [8/18]

   / ̄ ̄\
  /   _ノ ヽ_
 |     (●)(●)         で、大書された「夢」の一字の横に付記されたのが、これだ。
. |     (__人__)
  |      `⌒´ノ ) ;;;;)      .『百年三万六千日
.  |         }  .) ;;;;)      .弥勒観音幾是非
.  ヽ        }  /;;/       是亦夢非亦夢
   ヽ     ノ  .l;;,´        .弥勒夢観音亦夢
. /    ∩ ノ)━・'        .仏云応作如是観矣
 (  \ /|_ノ ヽ
. \  ""  /_ノ  |         沢庵埜老卒援筆』
   \ /___/


       ____
     /      \
    /  ─    ─\      「仏曰く、
  /    (●)  (●) \     ”是もまた夢、非ざるものもまた夢、
  |       (__人__)    |      弥勒も夢、観音もまた夢である”
  \   ⊂ ヽ∩     <      このように観るべし」
    |  |  '、_ \ /  )
    |  |__\  “  /      ってとこかお。
    \ ___\_/

621 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67・補足編)[saga] 投稿日:2014/11/03(月) 19:38:16 ID:Mt36Zunw0 [9/18]

   / ̄ ̄\    ) ;;;;) 
  /   _ノヽ\   ) ;;;;)     大体そんなもんだな。
 |     (●)(●)  /;;/    この一文をそのまま解せば、
. |     (__人__)  l;;,´
  |     `∩_ノ)━・'        「あらゆるものは”夢”である」
.  |     |_ノ
 /ヽ    |  |_          .というところになる。
 |  \_/ ノ ヽ        大書された「夢」とほぼ同じ意味だな。
 |\     /_|  | 
 | \ /  _/


      / ̄ ̄ ̄\
    / /     \ \     …ということは、和尚は最期に、
   /  (●)  (●)  \ 
   |    (__人__)    |   ”この世一切の執着”から離れた境地に至った、
   \    ` ⌒´    /  
   /              \    ということかお?

622 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67・補足編)[saga] 投稿日:2014/11/03(月) 19:39:49 ID:Mt36Zunw0 [10/18]

     / ̄ ̄\
   /   _ノ  \             …そういう解釈もあるんだが、
   |    ( ー)(ー)           1と2で推測した和尚の心境を踏まえると、
.   |     (__人__)           それだけでは済まない部分もあるように思えるんだよな。
    |     ` ⌒´ノ  ,r'゛ヾ
   .l^l^ln      } `‐=   )       端的に言えば、この偈には
.   ヽ   L     }   ゝ-´  );;;;;;)   「絶望」と「情」のふたつも含まれているように感じるんだ。
    ゝ  ノ   ノ        .) ;;;;) 
   /  /    \       ./;;/
  /  /       \     .l;;,´
. /  /      |ヽ、二⌒)━・'
 ヽ__ノ


      ___
    /       \
   /       u \       「絶望」と「情」…。
 /   ノ  ヽ、_    \    その内訳は何なんだお?
 |   ( ●) (● ).     |
 \ l^l^ln__人__)     /
  /ヽ   L⌒ ´
      ゝ  ノ

623 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67・補足編)[saga] 投稿日:2014/11/03(月) 19:40:40 ID:Mt36Zunw0 [11/18]

           / ̄ ̄\               まあ、ここまで話が進んだなら、、
         /   _ノ  \             「絶望」については、細かく語るまでもないな。
         |    ( ー)(ー) 
         |     (__人__)             紫衣事件に象徴されるように、
         | u.    `⌒´ノ            幕府(王法)に対して、寺社(仏法)の独立性を守るべく奮闘した和尚が
          |         }            .最後の帰郷時、京で見たものは、幕府に屈服した寺社の姿だった。
          ヽ        }      (
           _ヽ     ノ`ヽ、_     )      それを見た和尚が、江戸に戻った後に書いた
.           _/|\ ` 、,__ 、小 L  ̄ ヽ (     「紫野の仏法、今の世には用に立ち申さず候」という一文と合わせると、
        _, ハ  \ ` ァ、 /ヘ,レ―‐‐、__i__,)     この「夢」という偈は、
.   , -‐ ´   ,ゝ   \/ _ 又/    ,ヽ\丁
  /   ヾ.    \    , イ{`<   _ ,ィ 〉〉〉|       「己のやったことは全て無であった」
. /  `゙ヾ\    ヽ/ ヽ\`く´ / `ー(/ |
. !   ´⌒` ヽ  /     `ーヲ`〈    i   !      という和尚の絶望も含んだものではないか…ということだな。


           _-─―─- 、._
         ,-"´     ゝ   \
        /              ヽ
         /       ::::/::::::::\::ヽ      この件については、あくまで>>1の推測ではあるけど、
       |   u   / ヽ `::::´ /`ヽ     晩年の和尚の言動を踏まえると、
        l       ( -ノ::::::::::ヽ-.;l    .あり得ないとは言い切れないのが結構キツいお。
       ` 、        (__人_)  .;/
         `ー,、_         /゚
         /  `''ー─‐─''"´\o

624 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67・補足編)[saga] 投稿日:2014/11/03(月) 19:41:17 ID:Mt36Zunw0 [12/18]
         ____
       /     \
.    /       \       で、やらない夫。
.  / /) ノ '  ヽ、 \    もうひとつの「情」というのは一体なんだお?
  | / .イ '(●) (ー) u|
.   /,'才.ミ). (__人__)  /    …少しは絶望が薄れるものなのかお?
.   | ≧シ'  ` ⌒´   \
 /\ ヽ          ヽ



   / ̄ ̄\    ) ;;;;)
  /   .⌒ ⌒    ) ;;;;)
 |    (─)(─)  /;;/
. |    (__人__)  l;;,´     まあ、そうだな。
  |     `∩_ノ)━・'     ポイントは、これが「請われて書いた」ものだということにある。
.  |     |_ノ       .つまり、「自分の心境を語る以外の面もあるのではないか」ということだ。
 /ヽ    |  |_
 |  \_/ ノ ヽ       「どういうことだお?」
 \     /_|  |
 | \ /  _/

625 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67・補足編)[saga] 投稿日:2014/11/03(月) 19:42:38 ID:Mt36Zunw0 [13/18]

                  / ̄ ̄\
                / ⌒  .⌒.\     _,,           忘れたのか?
               .| (●) (●) .|     l;l          この偈は、本来なら書くつもりもなかったものを、
              . |  (__人__)  .|  _,_,|,|_,         弟子たちに請われて、仕方なしに書いたものなんだぜ。
                |    `⌒´   |, ト-=y  丶  
              .  |         }  ヽ `i, ̄‐^l         .つまり、和尚から弟子たちに対する
              .  ヽ        }   ヾ~ `  i,        「最後の教え」という面も持ってる訳だ。
                 ヽ     ノ _   ヽ、   ;i, 
                ,,_,i     y,ソト,,__  ヽ、   ;i,      「お前ら、仕方がないから最後に一言言ってやる」
               ,/r-'"j  / / ii, `ヽ、-x,,゜r  ;i  
            ,,/'/__.L、    /ヾ、"i   `ヽ `;i  i,     という訳だな。
          ,/  /_iーヘ,ヽ、 , /i" ヽ、 i     `、'i   iヽ、
         _,) ヽ "   ネメ、_ii"~        _Yri   l, ヽ、
        _,,,>t 、ヾ、    ゞ;;/         /  ,¬    V⌒l
       ,y`;,,__   ,i     /ii'         / r-/|    l l
    _/^,,,  ヘ  l    /iil        /  l"v' y     }  l
 v=4⌒ヽ、 j  --,,,if   /iii|       ,,  〈-ヘ_,、 <、    /  i|
   ヽ, ,, i、   _,,tv   /iiiii      ム、 / /  ヽ、ヽ、_x--ー‐- 、
 __,,,l ii Yi___,lk /   }iiiiil    ヘ __,,,,,,___/    `x'"^   ,,,,,   \
     ^ ̄⌒ヽ  ヘ、  ,ノiiiii|、__,,,y,,_,,,/ ヽ、  ,/   ,,,-‐‐ `',,   ヘ,、
   ,,,_  \  ヽ  `>- liiiiiiil ¬">--  ヽ ヽ  i   i/   _,, /   } i
     "- ,,   }  / /iiiiiiil  /      l  l l   lK   ^~'  / |
        \ーヾ  /iiiiiiiil  /        i   i |   |i`'ヽーミ_/  /


     _____
   /      \
  /    ⌒  ⌒\     …そういえば、元々和尚は
/    ( ・ ) ( ・ )\   黙って入寂する筈だって話だったおね。
|          __)   |
\        l_  /
/         ‐'  \

626 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67・補足編)[saga] 投稿日:2014/11/03(月) 19:43:39 ID:Mt36Zunw0 [14/18]

               / ̄ ̄\ 
             / ノ  ヽ、.\             そうだ。
             |  (●)(●) |            その上で、和尚が残した例の遺戒も踏まえると、
             / ̄ ̄ ̄ 丶人__).  |
         /        \ ._|_____        .「お前ら。
       , --'、             /         `〉       あらゆるものは夢だ、夢。
        / ⌒ )        /         /        .執着なんてするもんじゃない。
       ,′  ノ          /           /         だから、俺が死んでも引きずるな」
       l  T´ .._     ./       r'´ ̄ヽ
      ヽ ノ   ./丶、  /       (  ̄  l      という解釈もできるんじゃないか…という訳だ。
         `'ー'´   | .`'ー'――┬― --、/   _.ノ


     ____
   /      \
  /  ─   ─\       そういえば、遺戒でも散々
/    (●)  (●) \     「自分は一禅僧に過ぎないから、そう扱え」と言ってたおね。
|  u     (__人__)    |
/     ∩ノ ⊃  /       超約すれば、
(  \ / _ノ |  |       「俺が死んだからって、
.\ “  /__|  |        いつまでもメソメソするんじゃねーぞお前ら!」という感じかお?
  \ /___ /

627 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67・補足編)[saga] 投稿日:2014/11/03(月) 19:44:52 ID:Mt36Zunw0 [15/18]

           / ̄ ̄\
         /   _ノ  \
         |    ( ●)(●)          ああ、そんな感じだな。
         |     (__人__)         法を嗣がせる訳ではないが、
         |      `⌒´ノ          .それでも弟子として沢庵なりに指導をし、
          |         }          .今、枕元で最後の言葉を懇願している…。
          ヽ        }      (
           _ヽ     ノ`ヽ、_     )    「仕方ねえな、こいつら」
.           _/|\ ` 、,__ 、小 L  ̄ ヽ (
        _, ハ  \ ` ァ、 /ヘ,レ―‐‐、__i__,)    という、「情」から、
.   , -‐ ´   ,ゝ   \/ _ 又/    ,ヽ\丁   師として最後の言葉をかけてやったとしても、
  /   ヾ.    \    , イ{`<   _ ,ィ 〉〉〉|    おかしくはないのでは、ということだな。
. /  `゙ヾ\    ヽ/ ヽ\`く´ / `ー(/ |
. !   ´⌒` ヽ  /     `ーヲ`〈    i   !


      ____
    /  ⌒  ^\
   /  ( ●)  (●)       だから、「情」という訳かお。
 /  ::::::⌒(_人__)⌒ヽ    確かに、その意図があったとするなら…
 |       |r┬-|   |    .少しは救われる気がするお。
 \        `ー'´  /

628 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67・補足編)[saga] 投稿日:2014/11/03(月) 19:45:48 ID:Mt36Zunw0 [16/18]

               / ̄ ̄ \
            _,.ノ `⌒   \               まあ、今までの話をまとめると、
           (●).(● )    |.             「和尚の最期の境地」としてありそうなものは、
           (__人___)     .|
                '、           |               1 : 一切の執着からの解放
               |        |           .     2 : 己の無力さを振り返った絶望
        ,. -ーー|       /レ、             .3 : 弟子たちへの情
       /:::::::::::::::: ヽ__、____,. "/::::)- 、._
        l:::::::r/::::::::::::::「二二二 :::::::/::::::::ノ:::::..ヽ       この辺りかな。
      |::::::::_,,. -‐、.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.∧    1と2が矛盾しているようにも見えるが、
   ::ニニニニ/,. -‐  \::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.∧  . これは、あり得そうに思えたものを挙げているせいで起こる
     // ノ -‐    V:::::::::::::::::::::::::::::,′::::::::::::::::: j   .「食い違い」と思ってくれ。
     `-iノI_ノく__ヽ   `7ヽ::::::::::::::::::::l::::::::::::::::::::: /
      |:::::l::::::::::::::へ___/:::::/:::::ヽ、::/:::::::::::::::::::: /
      /::::::::l::::::::::::::::::ヽー::::::::::::::::::::::ヽ::::::::::::::::::: /
    /:::::::::::l:::::::::::::::::::::ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: /


          ____
        /_ノ  ヽ\
      / ( ●) (●)、       正直、「和尚の最期の境地」なんて、
    /::::::::⌒(__人__)⌒\     正確なところは誰にもわからない訳だし、
    |      |r┬-|    |     あくまでこれは、「辞世の偈を元に>>1が推測したもの」ということで
    \       `ー'´  /     ご容赦してほしいお。
⊂⌒ヽ 〉        <´/⌒つ
  \ ヽ  /         ヽ /
   \_,,ノ      |、_ノ

664 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67・補足編)[saga] 投稿日:2014/12/21(日) 23:02:39 ID:1OnKSoGg0 [4/16]

  ╋━━━━━━━━━━━━━╋
  ┃ その4 :.柳生一族と沢庵和尚 ┃
  ╋━━━━━━━━━━━━━╋


   / ̄ ̄\
  / ─ ─ \
 |  .(●)(●)  |          さて、次は少し話題を変えて、
. |  (__人__)  |          柳生一族と沢庵和尚についての話にしようか。
  |    `⌒´  |    ) ;;;;)    ポイントとしては、
.  |        |    .) ;;;;)
.  ヽ       }   /;;/      .・ 柳生一族から見た沢庵和尚
   ヽ     ノ   .l;;,´       ・ 沢庵和尚から見た柳生一族
. /    ∩ ノ)━・'
 (  \ /|_ノ ヽ         この2点になるな。
. \  ""  /_ノ  |
   \ /___/


         ____
       /       \
      /    _ノ    ヽ            まあ、その2点なのはいいとして、
    /     ( ●)  (●)'  , -―ーっ   「柳生一族」と言っても、そもそも史実の柳生家で
    |         (__人__)  | ( ゝ彡 ̄    和尚と絡みがあるのは宗矩と十兵衛くらいじゃないのかお?
    \        ` ⌒´ /゙| ̄'|
    /⌒丶、  ー‐  '   .|,  |
__/   ノ  \__ィ ´ー‐イ'  |  ∫
| |  /   /           r_____ ∬
| | /   /            |i    ┌‐┐
| | ( 〆⌒'――──―r─≒、.((|   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄└‐┘ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

665 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67・補足編)[saga] 投稿日:2014/12/21(日) 23:03:24 ID:1OnKSoGg0 [5/16]

                  / ̄ ̄\
                 ⌒ ⌒    \
                (●)(● )    |      まあ、確かに代表格はその二人だが、
                  (__人___)    |    .実は宗冬にも色々と教授していたらしい。
                 |        |
                    |        .|      いずれ紹介するつもりだが、
                 ヽ 、     ,イ     宗冬の手による伝書『宗冬兵法聞書』には、
                 /ヽ,ー-   ト、     和尚からの教えが載ってるんだ。
          _, 、 -─ '".:.ヽ:.:.\__ /ノ ト、__
   __ ,. ー 、...:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:....
   \ r 、 _ \:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:::::::::::::::::::::::::::::'ー、
     } }/ )  V::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\
    /:ゝ/ ./ __  V ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i:.:.:.\
    }:::::ゝ ソ ,Y i::::::/::::::\:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|:.:.:.:. \


         ___  '_
       /      \
      /  ─   ─ \           .お、ホントだお。
    /    (●) (●) \        寛永九年前後の話が中心だから、
    .|      (__人__)   |    __  .宗冬がまだ十代の頃の話かお。
     \     ` ⌒/ ̄ ̄⌒/⌒   /
    (⌒      /  史料/ 柳生 ./    結構数も多いし、
    i\  \ ,(つ 新陰 / 流 ⊂)   .「無心」についての教示が載ってたりと、
    |  \   y(つ__./,__⊆)    宗冬も相応に和尚と付き合いがあったということかお?
    |   ヽ_ノ    |
    |           |_
     ヽ、___     ̄ ヽ ヽ
     と_______ノ_ノ

666 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67・補足編)[saga] 投稿日:2014/12/21(日) 23:06:12 ID:1OnKSoGg0 [6/16]

   / ̄ ̄\    ) ;;;;)
  /   ⌒  ⌒    ) ;;;;)    そうだな。
 |    (●)(●)  /;;/   そして、寛永九年頃と言えば、
. |    (__人__)  l;;,´    和尚が上山から江戸に戻ってきた頃だから、
  |     `∩_ノ)━・'     .まだ十兵衛は柳生庄で蟄居中だ。
.  |     |_ノ
 /ヽ    |  |_         むしろ、宗冬の方が、十兵衛より先に
 |  \_/ ノ ヽ      和尚と知己を得ていたと言えるな。
 \     /_|  |
 | \ /  _/


        ____
      /      \        …言われてみれば確かにそうだお。
     /⌒  ⌒    \  
   /( ・ ) ( ・ )    \      それを踏まえると、記録はないとはいえ、
    |   (__          |     当時江戸にいた友矩も、和尚と付き合いがあった可能性が
   \   _l        /     あるかもしれない訳かお。
   /  ー        \

667 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67・補足編)[saga] 投稿日:2014/12/21(日) 23:07:50 ID:1OnKSoGg0 [7/16]

                  / ̄ ̄ \     )ノ
                     /_,ノ  ヽ、,__\   ((     あと、上の三人だけではなく、
     -、           .| (● ) (● ) |   ノ'    一番下の六丸もな。
    ヤ  ',          |  (___人___)  .|  ,i'
     i.  l     ,.-、   |   ` ⌒ ´   | .::.       和尚が亡くなった正保二年の時点で、
      ',  j   / /     .|    ____/./       もう六丸も数えで11歳なんだぜ?
      ノ_..ヽ-、′,'       ',   (____././ニ`、     和尚の話も幾らかは理解できる年頃だろう。
     l .___ ヽノ     __ jハ. __ 、__ノ__,. -、 ` {
     Y     )ハ.‐ ' ´ ..::ヽ:::::::::::::: ノ,. -   トー- 、 _
     ト.  ̄ ̄ 〕y:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i ャ    '!,:::::::::::..\
     ハヽ 一ニイ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::'ヽ_〉   i,::::::::::::::::..ヽ
    / .::::::::::::::::: 〉:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::八  /`x--、:::::::: l
   / .:::::::::::::::: /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::〉::::/:::::::::::::::\:::: l


     ____ 
   /─  ─\       …まあ、六丸の後のことを考えると、
  /( ●)  (●)\.     和尚から何かしらの教授があってもおかしくはないおね。
/   (__人__)   \
|              |    .なんだかんだで江戸柳生家って
/     ∩ノ ⊃  /   .一家揃って和尚と付き合いがありそうだってことかお。
(  \ / _ノ |  |
.\ “  /__|  |
  \ /___ /

668 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67・補足編)[saga] 投稿日:2014/12/21(日) 23:09:46 ID:1OnKSoGg0 [8/16]

                 / ̄ ̄\          (
                /   _,.ノ `⌒        ノノ
                |    ( ●)(●)(,ヽ、   ((     それについては、見方を変えれば、
                .|     (___人__) ,r__i____ ノ    「沢庵和尚と関わりがあったのは江戸柳生家のみ」とも言えるな。
                |     √丶丶丶┬─'"
                |     | )     j         尾張柳生家の方は、沢庵和尚のこと自体は知っていたようだが、
                .人、    ヽ´     /        .直接の交流があったことを示す史料は見当たらない。
             _,/::ヽ、.,ヽ., __ (    r          更に言えば、石舟斎と和尚の関わりについても同様だ。
      _, 、 -― ''"::::::::::::\::::::ー-- く / ⌒ヽニ-、
     /;;;;;;::゙:':、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::V/....., ̄ v,;,ヽ
    丿;;;;;;;;;;;:::::i:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;;;( ;;;;:::::::::::... ',;;;;|
   i ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::|;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::;;;;;;ハ :;;;;;;:::::::::.. ',;;i
  / ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::::!;;;;;;;;;;:::::::::::::::::::::::::::;;;;;;;;;;;ハ ::;;;;;;;;::::::::. ',


         ____
       /~~~ \
      / ―~~― \      石舟斎と和尚の関係については、
    /   (●) (●)   \   吉川英治「宮本武蔵」(&「バガボンド」)の影響がありそうだお。
    |   ( ((__人__)) )  |   まあ、面識がある可能性は否定しないけど、おそらくは無い、というところかお。
     \     `⌒´    ,/
     /⌒ヽ   ー‐    ィヽ     「そうだな」
    /      ,⊆ニ_ヽ、  | 
   /    / r─--⊃、  |
   | ヽ,.イ   `二ニニうヽ. |

669 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67・補足編)[saga] 投稿日:2014/12/21(日) 23:10:31 ID:1OnKSoGg0 [9/16]

   / ̄ ̄\
  / ノ  \ \
 |  .(●)(●)  |          で、その上で本題に入るが、
. |  (__人__)  |          まず、「柳生一族から見た沢庵和尚」というのは、
  |    `⌒´  |    ) ;;;;)
.  |        |    .) ;;;;)     1 : 面白いし頼りにもなるが面倒なところもある友人
.  ヽ       }   /;;/      .2 : 頼りになる先生
   ヽ     ノ   .l;;,´
. /    ∩ ノ)━・'        この辺りといったところか。
 (  \ /|_ノ ヽ
. \  ""  /_ノ  |
   \ /___/


       ___
     /   ヽ、_ \
    /(● ) (● ) \      1は宗矩、2は十兵衛たちから見た和尚といったところかお。
  /:::⌒(__人__)⌒::::: \    えらく気安い印象だお。
  |  l^l^lnー'´       |    .仮にも当代随一と称された禅僧なのに。
  \ヽ   L        /
     ゝ  ノ
   /   /

670 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67・補足編)[saga] 投稿日:2014/12/21(日) 23:12:10 ID:1OnKSoGg0 [10/16]

     / ̄ ̄\               まあ、宗矩からすれば
   /    ⌒ ⌒             和尚が大悟する前からの付き合いだし、
   |    ( ー)(●)            十兵衛たちから見ても、東海寺ができるまでの間、
.   |     (__人__)            .2年以上、屋敷で同居していた人だからな。
    |     ` ⌒´ノ  ,r'゛ヾ
   .l^l^ln      } `‐=   )       実際、『昔飛衛という者あり』を、
.   ヽ   L     }   ゝ-´  );;;;;;)   最初、宗矩に焼き捨てるように言われた際、
    ゝ  ノ   ノ        .) ;;;;)   十兵衛は真っ先に和尚に相談しに行ったりしてるし、
   /  /    \       ./;;/    かなり気安い関係だったのは間違いないだろう。
  /  /       \     .l;;,´
. /  /      |ヽ、二⌒)━・'
 ヽ__ノ


          ____
        /_ノ  ヽ\       十兵衛や宗冬からすれば、
      / ( ●) (●)、    一緒に住んでて、困ったことがあったら助けてくれる
    /::::::::⌒(__人__)⌒\   頼りになる先生、ってとこかお。
    |      |r┬-|    |  
    \       `ー'´  /    …なんだか藤子作品の
⊂⌒ヽ 〉        <´/⌒つ 「不思議な同居人」みたいだお。
  \ ヽ  /         ヽ /
   \_,,ノ      |、_ノ

671 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67・補足編)[saga] 投稿日:2014/12/21(日) 23:13:26 ID:1OnKSoGg0 [11/16]

                / ̄ ̄\
               /   .⌒  ⌒
                    |    (● )(●)       ノ'    そして、「和尚から見た柳生一族」は、
                   |     (___人__)   rニi  ,i'
               |     ` ⌒´ノ  .| レ..;::.      1 : 厄介事を頼んでくることもあるが頼りにもなる友人
                    |        |_,-‐、l//       2 : 色々手間の掛かる小僧っ子ども
                  人、      厂丶,丶, v´j
            _,/( ヽ、.,ヽ., ___,く_ソ    __ノ        こんなところだな。
     _, 、 -― ''"::::::::::::\:::::::::::::::::::::(    <"ニ‐-、     1は宗矩、2は十兵衛たちへの評価ってところだ。
    /:::::::::::::、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::r  /⌒ヽ;;:::::: )     .本編でも紹介してる通り、和尚も歯に衣着せぬ物言いをしてるし、
   丿::::::::::::::::i::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;;;V/..... ̄ ',;;:::|     .気の置けない間柄という認識だっただろうな。
   i ;;::::::::::::::::::|;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;;;;;;;〈 ;;;;:::::::::::... ',;;i
  / ;;;;:::::::::::::::::::!;;;;;;;;;;:::::::::::::::::::\::::;;;;;;;;;;;;;;;;;ハ ::;;;;;;;;::::::::. ',


     ____
   /      \           柳生家から見た評価の向きを
  /  ─    ─\        そのまま戻したような感じだお。
/    (●)  (●) \ 
|       (__人__)    |       「そうだな。
/     ∩ノ ⊃  // ∩ノ ⊃   概ね、それで合ってると思う」
(  \ / _ノ    \/ _ノ
.\ “  /  . \ “  /
  \ /      /\/
    \       \
     \    \  \
       >     >   >
       /    /  /

672 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67・補足編)[saga] 投稿日:2014/12/21(日) 23:14:51 ID:1OnKSoGg0 [12/16]

               / ̄ ̄ \
            _,.ノ `⌒   \          ただ、そういう付き合いとは別に、
           (●).(● )    |.        .柳生家からすれば、和尚の深い知見は、
           (__人___)     .|         .自家の兵法の完成度を高めるために必須だったし、
                '、           |         .和尚の幅広い交友関係は、友誼を結ぶに損の無いものだった。
               |        |  
        ,. -ーー|       /レ、          柳生一族にとって、沢庵和尚との付き合いは、
       /:::::::::::::::: ヽ__、____,. "/::::)- 、._    .損得に基づいた面もあったという訳だ。
        l:::::::r/::::::::::::::「二二二 :::::::/::::::::ノ:::::..ヽ
      |::::::::_,,. -‐、.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.∧
   ::ニニニニ/,. -‐  \::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.∧
     // ノ -‐    V:::::::::::::::::::::::::::::,′::::::::::::::::: j
     `-iノI_ノく__ヽ   `7ヽ::::::::::::::::::::l::::::::::::::::::::: /
      |:::::l::::::::::::::へ___/:::::/:::::ヽ、::/:::::::::::::::::::: /
      /::::::::l::::::::::::::::::ヽー::::::::::::::::::::::ヽ::::::::::::::::::: /
    /:::::::::::l:::::::::::::::::::::ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: /


         ____
         / _ノ ヽ_\         まあ、その点では、和尚にとっても、将軍家側近である宗矩との縁は
.     / (ー)  (ー)\      大徳寺寺法の復旧を目指すために必要だったから、お互い様と言えるお。
    l^l^ln  ⌒(__人__)⌒ \     .実際、宗矩経由で家光への取り成しを頼んでる記述もあるし。
    ヽ   L   |r┬-|    | 
     ゝ  ノ  `ー‐'    /       私人としてではなく、「柳生家当主」と「大徳寺長老」としての付き合いも
   /   /         \     宗矩と和尚の間にはあった、ということだおね。
  /   /            \    お互い、立場のある身だから当然だけど。
. /    /         -一'''''''ー-、.
人__ノ        (⌒_(⌒)⌒)⌒))

673 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67・補足編)[saga] 投稿日:2014/12/21(日) 23:17:48 ID:1OnKSoGg0 [13/16]

   / ̄ ̄\  ( ;;;;(
 / _ノ  ヽ\ ) ;;;;)    お互いの付き合いがなければ、
 |  ( ─) (─)/;;/    家伝書の内容は今と違うものになっていた可能性があるし、
. |   (__人__) l;;,      大徳寺の法も旧に復せずに終わったかもしれない。
  |    ∩ ノ)━・'
.  |   /  ノ´ }       つまり、互いの目的を達成するという点において、
.  ヽ  / /    }       柳生家と和尚は「WIN-WIN」の関係だった、とも言えるな。
   ヽ/ /   ノ
  /       ヽ


               -―─- 、
           /         \
         ′  ⌒    ⌒   ,      そういうことだおね。
          i  ( ●)  (― )  i     尤も、これは宗矩と和尚の両方に言えることだけど、
          |     (__人__)    |     そういう付き合いの中で、
          、           ノ 
      ⊂⌒ヽ  >       <_/⌒つ    「まさか、こいつとこんな付き合いをすることになるとはなぁ…」
       \ 丶′             7 
        \ ノ           ト、_/     という感慨もあったとは思うお?
.            ′           |
.          i           |
         乂         イ
            | /ー―一 、 |
           し′     、_j

674 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67・補足編)[saga] 投稿日:2014/12/21(日) 23:18:46 ID:1OnKSoGg0 [14/16]

                / ̄ ̄ \ -、_
             _,ノ ヽ、__   / / ,〉、
            (⌒)(⌒ )/ ´/ /)     まあ、それはそうだな。
                (__人_) {    , ' ´,/    二人が知り合ったのは、おそらく関が原以前の大徳寺だから、
             '、`⌒ ´  V __, <´     宗矩は家康に召抱えられたばかりの二百石の軽輩、
              |     〈´/::::Λ     和尚も出石の宗鏡寺から京に上がってきたばかりの修行中の身だ。
              |       ヤ::::::::::::::Λ
             `ュ`ー─ー V::::::::::::::Λ     まさか、後にどちらも当代随一の評価を得て、
             /ム _ , -./V::::::::::::::Λ、  将軍家の側近になるような相手とは思わなかっただろうな。
           _,. -/:/===/´..::/i:::::::::::::::::::Vヘ.  .お互い、昔を思い出して苦笑しあったりしていたかもしれんな。
       //./.::::{   | :::::/::::i::::::::::::::::::.∨}
       j ::::::::>.:::::::l   |::::::::::::::i::::::::::::::::::::レ;
      i :::r :〈 ::::::::i   |::::::::::::::::〉、:::::::::::::::::ノ
       i :::| :::::'., ::::i   {:::::::::::::::::::::`::-==::イ
        | :::| ::::::::',::::i   ',:::::::::::::::::::::::::::::::::::/


        ___
      /_ノ '' 'ー\       それを踏まえると、柳生家と沢庵和尚の関係の根本にあったのは、
     / ( ⌒) ( ⌒)\    やはり、「宗矩と和尚の個人的な友情」だった、というとこかお。
   / :::::⌒(__人__)⌒::::\
   |       `'ーnl^l^l  |   「だな」
   \         l   っ/
             (   ゝ
              i   \

688 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67・補足編)[saga] 投稿日:2015/01/12(月) 21:02:44 ID:deI0NRiw0 [3/27]

  ╋━━━━━━━━━━━━━━━━╋
  ┃. その5 : 和尚の評価-禅僧・沢庵 .┃
  ╋━━━━━━━━━━━━━━━━╋


                  / ̄ ̄\
                / ⌒  ⌒ \     _,,      さて、柳生家と和尚の関わりについての話も済んだし、
               .| (●) (●) .|     l;l     いよいよ最後の話として、
              . |  (__人__)  .|  _,_,|,|_,    
                |    `⌒´   |, ト-=y  丶     「歴史上の人物としての沢庵和尚の評価」
              .  |         }  ヽ `i, ̄‐^l  
              .  ヽ        }   ヾ~ `  i,    .について進めようか。
                 ヽ     ノ _   ヽ、   ;i, 
                ,,_,i     y,ソト,,__  ヽ、   ;i,
               ,/r-'"j  / / ii, `ヽ、-x,,゜r  ;i
            ,,/'/__.L、    /ヾ、"i   `ヽ `;i  i,
          ,/  /_iーヘ,ヽ、 , /i" ヽ、 i     `、'i   iヽ、
         _,) ヽ "   ネメ、_ii"~        _Yri   l, ヽ、
        _,,,>t 、ヾ、    ゞ;;/         /  ,¬    V⌒l
       ,y`;,,__   ,i     /ii'         / r-/|    l l
    _/^,,,  ヘ  l    /iil        /  l"v' y     }  l
 v=4⌒ヽ、 j  --,,,if   /iii|       ,,  〈-ヘ_,、 <、    /  i|
   ヽ, ,, i、   _,,tv   /iiiii      ム、 / /  ヽ、ヽ、_x--ー‐- 、
 __,,,l ii Yi___,lk /   }iiiiil    ヘ __,,,,,,___/    `x'"^   ,,,,,   \
     ^ ̄⌒ヽ  ヘ、  ,ノiiiii|、__,,,y,,_,,,/ ヽ、  ,/   ,,,-‐‐ `',,   ヘ,、
   ,,,_  \  ヽ  `>- liiiiiiil ¬">--  ヽ ヽ  i   i/   _,, /   } i
     "- ,,   }  / /iiiiiiil  /      l  l l   lK   ^~'  / |
        \ーヾ  /iiiiiiiil  /        i   i |   |i`'ヽーミ_/  /



                          歴史上の人物としての沢庵和尚の評価…。
        _____
       / ─  ─\           【江戸時代初期、幕府の法度に敢然と立ち向かい、
     /  (●) (●)\          遂には将軍の帰依を受け、寺法復旧を勝ち取った名僧】
    l^l^ln  ⌒(__人__)⌒ \
    ヽ   L   |r┬-|    |        .【禅の視点から兵法を説いたことで、
     ゝ  ノ  `ー‐'    /         ”剣禅一致”の概念を生み出した傑僧】
   /   /         \
  /   /            \       パッと思いつくとすればこんな所かお?
. /    /         -一'''''''ー-、.    あと、逸話レベルでいいなら「沢庵漬けの発明者」とか。
人__ノ        (⌒_(⌒)⌒)⌒))

689 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67・補足編)[saga] 投稿日:2015/01/12(月) 21:03:04 ID:deI0NRiw0 [4/27]

   / ̄ ̄\
  / ⌒  ⌒ \          そうだな。
 |  .(●)(●)  |         和尚が紹介される場合、大体はその辺りになる。
. |  (__人__)  |         少し変えて、人物評的な所で言うと、
  |    `⌒´  |    ) ;;;;)
.  |        |    .) ;;;;)    【厳しい修行の末、融通無碍の境地に達した孤高の僧】
.  ヽ       }   /;;/
   ヽ     ノ   .l;;,´      【名声や富を寄せ付けず、
. /    ∩ ノ)━・'         あくまで一禅僧として生きようとした清貧の僧】
 (  \ /|_ノ ヽ
. \  ""  /_ノ  |         というところだな。
   \ /___/


          ____
        /_ノ  ヽ\
      / ( ●) (●)、      今までの本スレで紹介した通りだお。
    /::::::::⌒(__人__)⌒\    特に付け加えることはないおね。
    |      |r┬-|    |
    \       `ー'´  /
⊂⌒ヽ 〉        <´/⌒つ
  \ ヽ  /         ヽ /
   \_,,ノ      |、_ノ

690 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67・補足編)[saga] 投稿日:2015/01/12(月) 21:03:51 ID:deI0NRiw0 [5/27]

    / ̄ ̄\
  /   _ノ  \
  |    ( 一)(●)    だがな…「歴史の流れ」を踏まえた上で評価すると、
  |     (__人__)    また別の見方もできるんじゃないかと思うんだ。
  .|     .`⌒´ノ
   |   ,.<))/´二⊃   
   ヽ / /  '‐、ニ⊃
   ヽ、l    ´ヽ〉
    ,-/    __人〉
   / ./.   /    \
   | /   /     i \
   |"  /       | >  )
   ヽ/      とヽ /
    |       そ ノ


      _____     ━┓
    / ―   \    ┏┛
  /ノ  ( ●)   \  ・    「歴史の流れ」…かお?
. | ( ●)   ⌒)   |
. |   (__ノ ̄    /
. |             /
  \_    ⊂ヽ∩\
    /´     (,_ \.\
.    |  /     \_ノ

691 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67・補足編)[saga] 投稿日:2015/01/12(月) 21:04:09 ID:deI0NRiw0 [6/27]

            / ̄ ̄\
           /   _,.ノ  ヽ、_
           |    ( ●) (●)       ああ。
          |    (___人__)      まず、和尚が生きた時代は、丁度中世と近世の境い目であり、
           .|     ` ⌒´ノ       それは日本の仏教史においても、大きな変革点となる時だった。
           |        |
            .|、       _r十、       中世において、世俗権力とは異なる独自の権力・権威を持っていた仏教は、
             [::.ヽ、  __rく_} _i .}      .しかし、近世に入り、江戸幕府という世俗権力の支配体制下に組み込まれていった。
     _, 、-一 :::"\ :::::::::} _i _l _i .}      これは既に話したことだから、わかるな?
   / .:.:.:.:::::::::::::::::::::::::::::::::} _l i_ i. {:.. ヽ__
  / ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::} _jノ`~゛ t:::::/:::::..\ __
  .i :::::::::::::::::、.::::::::::::::::::::::::::::} ゙i  -‐.i.,-‐、::::::::::::::.. \_
  i ::::::::::::::::::: i:::::::::::::::::::::::::::i   ヽ ⌒,; ‐'::::::::::::::::::::::::.. `::...、
  l ::::::::::::j:::::: i:::::::::::::::::::::_ノソ    } /:::i:::::/::/::::::::::::::::::::::.. `ヽ
  l ::::::::/::::::::::::::::::::::::::/.:::゙i::\__ rl ´::::: i::´::::::::::::::::::::::::::/::::::::: l
  l :::::/::::::::::::ソ:::::::,/::::::::::::::::::::ー,´:::::::: l>ーーー-、r-‐:'::::´::::::: l


     ____
   /      \
  /  ─    ─\       「寺院諸法度」に象徴される
/    (●)  (●) \    幕府による寺社の統制ということだお。
|       (__人__)    |    .まあ、それに対して立ち上がったのが、
./     ∩ノ ⊃  /    .沢庵和尚なんだから、そりゃわかるお。
(  \ / _ノ |  |
.\ “  /__|  |
  \ /___ /

692 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67・補足編)[saga] 投稿日:2015/01/12(月) 21:04:37 ID:deI0NRiw0 [7/27]

              / ̄ ̄\
         rヽ  / ノ  \ \
         i !  |  (●)(●) |     そうだ。
      r;r‐r/ |   |  (__人__)  |    そして、その点で言えば、
      〈_L (`ヽ .}  |    `⌒´  ノ    沢庵和尚は旧来の仏教の側に立って、
     l` ( ``/ .  |        }     「変革を拒んだ人物」とも言えるんだな。
     ヽ   l  .  ヽ       }
      |,.   l   /⌒   ー‐  ィ ヽ


         ____ て
       /   u \ そ
      /  \    /\    そ、そう言われてみれば…確かに。
    /    (○)  (○). \
     |  u    (__人__)   |
    \      `⌒´   /

693 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67・補足編)[saga] 投稿日:2015/01/12(月) 21:05:21 ID:deI0NRiw0 [8/27]
      ___
    /       \
   /       u .\      「剣禅一致」の概念を作り出した一人だから、、
 /   ノ  ヽ、_    \    なんとなく革新的な人物、という印象があったけど、
 |   ( ●) (● ).     |    確かに、僧として見た場合、和尚は一貫して「旧来の仏教」の側に立ってたお…。
 \ l^l^ln__人__)     /
  /ヽ   L⌒ ´
      ゝ  ノ


                  / ̄ ̄\ 
                _ノ  ヽ、_   \         武道史上においては、
                (●)(● )    |        大きな変革となった「剣禅一致」の概念も、
                  (__人___)    |        和尚からすれば、あくまで、宗矩に請われて
                 |      u  |        「禅的な面から兵法を説いた」ものに過ぎないからな。
                    |        .|
                 ヽ 、     ,イ          和尚自身の禅は、これによって
                 /ヽ,ー-   ト、        特に変わってないんだから、
          _, 、 -─ '".:.ヽ:.:.\__ /ノ ト、__      禅僧としての和尚のスタンスに
   __ ,. ー 、...:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:....    「剣禅一致」は殆ど影響して無いんだよ。
   \ r 、 _ \:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:::::::::::::::::::::::::::::'ー、
     } }/ )  V::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\
    /:ゝ/ ./ __  V ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i:.:.:.\
    }:::::ゝ ソ ,Y i::::::/::::::\:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|:.:.:.:. \

694 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67・補足編)[saga] 投稿日:2015/01/12(月) 21:06:00 ID:deI0NRiw0 [9/27]

                  / ̄ ̄\
                 /  __,ノ  ヽ、_           ただ、念のために言っておくが、
                 |   (● ) (● )          従来の仏教を守ろうとした側…敢えて「守旧派」と言うが、
                |    (___人__)i          彼らを「発展」を拒んだと批判するのは筋違いだ。
                    |        ノ
                 |        |           それは、現代までの歴史を知っていて、
                    人、       |          現代の仏教のあり方にどちらかといえば肯定的であった場合、
                _,/(:::::ヽ、  __ ,_ ノ          成り立つ話であって、当時、生きていた人物にとっては、
        _, 、 -― ''"...:::::::\ ::::::::::::::::::7、         先がどうなるかわからない変革…むしろ、
       /.;;;;;::゙:':、::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..-、_        既存の体制を覆すような幕府のやり方に、
      丿;;;;;;;;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::゙'ー、     反発を覚える方が多かった、と見るのが妥当だろう。
      r ;;;;;;;;;;;;;;;;:::::|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: |:: !
     / ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: i:: |      その意味では、和尚は、「孤高の僧」というより、
    / ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::|;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: |:: i     「当時の仏教界における多数派の代弁者」だったとも言えるな。
   / ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:'''丿;;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: l:: !


         ___
      /)/ノ ' ヽ、\      でも、崇伝や天海なんかは、幕府寄りのスタンスを取ってたし、
     / .イ '(●)  .(●)\    和尚のいた大徳寺でも、幕府に従った方がいいとする派閥もあった筈だお?
  .  /,'才.ミ).  (__人__)   \
  .  | ≧シ'   ´ ⌒`     |   その辺りはどうなるお?
  . \ ヽ           /

695 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67・補足編)[saga] 投稿日:2015/01/12(月) 21:06:31 ID:deI0NRiw0 [10/27]

   / ̄ ̄\
  /   _ノ  \            そりゃお前、「理想と現実は一致するとは限らない」ってだけの話だよ。
  |   ( -)(-)          例えば、俺たちだって税金なんか上がってほしくないけど、
  .|     (__人__)_         現実問題、税率が上がったなら、おとなしく払うしかないだろ?
  |        `⌒´. ̄
  .|        ノ            前にも書いたが、本音では幾ら嫌だろうが、力関係では
  ヽ    .,ノ )/´二⊃        幕府が圧倒的に上だから、寺社も従わざるを得ないって話さ。
   >  /"/  '‐、ニ⊃ キンッ    .かつては、これを跳ね返せるだけの武力や経済力が寺社にもあったが、
./⌒ヽ  l    ´ヽ〉〆ヽ       戦国時代を経て、そういう力はほぼ奪われてしまったからな。
(   ヽ/    __人〉ヾ_ノ,ゞ      .抵抗の仕様も無い訳だ。
.\  /   /   {  /


              ____          あー、そういうことかお…。
             . '"   U    `丶、     どうせ逆らっても無駄なら、おとなしく従って、
             /  \         \    少しでもマシな条件を得ようとしたor痛い目を見るのを避けた、と。
          /     `¨″  `'ー'" ̄`
            {  三三       三三   }    「まあ、そうだな。
         '.                 J /     あと、崇伝や天海については、仏教勢力内の政治闘争で、
             \ u  ゙'ー'^'ー'゙     /     .幕府の力を後ろ盾にするために協力した、という面もあるな」
               `¨7    ̄       ‘,
                /          ‘,      …生臭い話だお。

696 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67・補足編)[saga] 投稿日:2015/01/12(月) 21:07:51 ID:deI0NRiw0 [11/27]

   / ̄ ̄\                     そして、その結果、
 /    _ノ \                   日本における仏教は、世俗権力の体制化に組み込まれ、
 |::::::     (● ) )                  従来の独立性を失った。
. |:::::::::::   (__人)
  |::::::::::::::  `⌒´ノ          ....,:::´, .    和尚のやった大徳寺寺法の旧復にしたところで、
.  |::::::::::::::    }          ....:::,,  ..    「幕府の許容範囲で」という大枠があってのものだし、
.  ヽ::::::::::::::    }         ,):::::::ノ .      和尚の死後、19年後の寛文五年(1665)には「諸宗寺院法度」が出され、
   ヽ::::::::::  ノ        (:::::ソ: .      .幕府による宗教統制は、より強固なものになったしな。
   /:::::::::::: く         ,ふ´..
   |:::::::::::::::: \       ノ::ノ           その意味では、和尚の行動は、あくまで「抵抗」に過ぎず、
    |:::::::::::::::|ヽ、二⌒)━~~'´            大勢を覆すことはできなかった、と言える。


        _-─―─- 、._
      ,-"´          \        つまり、歴史の流れを踏まえた上で言えば、
     /              ヽ      沢庵和尚は「敗者」だった、という訳かお…。
      /       _/::::::\_ヽ
    |         ::::::::::::::  ヽ      「まあ、和尚一人に責があるわけでも無いし、
     l  u    ( ●)::::::::::( ●)      .そもそも勝ち負けを言うような話ではないのだが、
    ` 、        (__人_)  /      ”代弁者”として矢面に立っている分、
      `ー,、_         /       そう見なされる部分はあるかもしれんな」
      /  `''ー─‐─''"´\

697 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67・補足編)[saga] 投稿日:2015/01/12(月) 21:08:20 ID:deI0NRiw0 [12/27]

        / ̄ ̄\                     .中世から近世へと移り変わる江戸初期に於いて、
      /       \                  仏教に限らず、様々な分野で変遷が起こった。
      |::::::        |                 その中には、兵法だって含まれる。
     . |:::::::::::     |
       |::::::::::::::    |          ....,:::´,     そんな中、宗矩は、和尚の助力を得て、
     .  |::::::::::::::    }          ....:::,,  ..   .近世に対応した兵法思想の確立に成功したが、
     .  ヽ::::::::::::::    }         ,):::::::ノ .     和尚自身は仏教において、近世への対応を目指すのではなく、
        ヽ::::::::::  ノ        (:::::ソ: .      あくまで変革を拒み、結果として敗れた、というのは、
        /:::::::::::: く         ,ふ´..        .ある種、皮肉めいたものがあるな。
-―――――|:::::::::::::::: \ -―,――ノ::ノ――
         |:::::::::::::::|ヽ、二⌒)━~~'´


     ____
   /      \
  /         \      …鏡に映った姿のようだおね。
/           \
|     \   ,_   |     その意味では、和尚は、
/  u  ∩ノ ⊃―)/    もう一つの宗矩のあり得た姿なのかもしれんお。
(  \ / _ノ |  |
.\ “  /__|  |
  \ /___ /

698 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67・補足編)[saga] 投稿日:2015/01/12(月) 21:09:04 ID:deI0NRiw0 [13/27]

                 / ̄ ̄ \     )ノ
                    /_,ノ  ヽ、,__\   ((          まあ、その辺りについては、【その1】【その2】で書いた通りで、
    -、           .| (● ) (● ) |   ノ'          結果として、当時の仏教界に失望した和尚は、
   ヤ  ',          |  (___人___)  .|  ,i'           .宗門や法統などを振り捨て、自分の禅を第一にするようになる。
    i.  l     ,.-、   |   ` ⌒ ´   | .::.            正保二年四月に小出吉英に宛てた手紙の通り、
     ',  j   / /     .|    ____/./
    .ノ_..ヽ-、′,'       ',   (____././ニ`、           「一分心をすまして、物の本のきれをものぞきて居らるるが、
    l .___ ヽノ     __ jハ. __ 、__ノ__,. -、 ` {            自分の利益たるべく候由申す儀に候」
    Y     )ハ.‐ ' ´ ..::ヽ:::::::::::::: ノ,. -   トー- 、 _
    ト.  ̄ ̄ 〕y:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i ャ    '!,:::::::::::..\      というわけだ。
    ハヽ 一ニイ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::'ヽ_〉   i,::::::::::::::::..ヽ
   / .::::::::::::::::: 〉:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::八  /`x--、:::::::: l
  / .:::::::::::::::: /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::〉::::/:::::::::::::::\:::: l


       ____
     /_ノ  ヽ、\
   /( ●)  (●).\          うーん…気持ちはわからなくも無いけど、
  /   (__人__)  u. \        一人の僧としてはともかく、大徳寺長老の座に位置する師僧…、
  |ni 7   ` ⌒´    . |n       人の上に立ち、教え導く立場の身として見た場合、
l^l | | l ,/)      U  l^l.| | /)    . 和尚のスタンスは決して褒められたものじゃないと思うお。
', U ! レ' /      . . | U レ'//)
{    〈         ノ    /    「実際、説得や批判もされてるしな。
..i,    ."⊃    rニ     /       問題がなければ、そんなものは起きない訳だし」
 ."'""⌒´       `''""''''

699 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67・補足編)[saga] 投稿日:2015/01/12(月) 21:09:44 ID:deI0NRiw0 [14/27]

     / ̄ ̄\
   /   _ノ  \
   |    ( ー)(●)
.   |     (__人__)            ただ、この辺りについて調べてみたところ、
    |     ` ⌒´ノ  ,r'゛ヾ      どうも和尚のスタンスには、理想…とまでいかなくとも、
   .l^l^ln      } `‐=   )      参考にしていた人物がいるんじゃないかって気がするんだよな。
.   ヽ   L     }   ゝ-´  );;;;;;)
    ゝ  ノ   ノ        .) ;;;;) 
   /  /    \       ./;;/
  /  /       \     .l;;,´
. /  /      |ヽ、二⌒)━・'
 ヽ__ノ


      _____  
    / ―   \
  /ノ  ( ●)   \     和尚が参考にした人物?
. | ( ●)   ⌒)   |
. |   (__ノ ̄    /    …誰だお?
. |             /
  \_    ⊂ヽ∩\     「それはな──」
    /´     (,_ \.\
.    |  /     \_ノ

700 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67・補足編)[saga] 投稿日:2015/01/12(月) 21:13:53 ID:deI0NRiw0 [15/27]

                             .ィ    .ィ
                      !、   / !  //
      ,ィ               ! '.,  / !/ /
       i:::,.-ァ           マ .、! ヾ´./   /  . ィ
      i/:::;'.,.-ァ          ヾ .ィ i、    / ''´/
     {:ソ::::レ:::;',.--、         ィチゞiソムミ.、'. /
     ヾ::::::::::::r "´      、___ {:::::/ ィュミァヾミij_.::}      吾輩は一介の僧であーーーるっ!!
       ';:::::::::'   __,.イ/i ヾ::::| _`_    !、`{:::/!
         }::::::::!. ''  ̄  ̄ `ヽマ! {,ニ)   ル' |::/ !
        ,r ー‐.、ー .、         ハ `¨ ..イ!  レ' ! ∧ .ィ
      /     ', ;:.ヽ.      / 三´_ ',  / /≧、`ヾi
     .j、______ ,.イ´:.:.:.:.ゝ. __ノ      `゙ヾ´    }  \
     ハ:::::'   ,}:.:.:.:.:.:.:.ヾ{             ';   .:ゝ=ー ´
     {:::::::'  __,.イ:.:.:.:.:.:.:.:/ ヽ             !    ヾ}ト、              ,.-
      !:::::' ̄   ,}::.:.:.:.:.:./   ゝ .     __. ィ个ー- イ:.:.:.}          rァ', ヽ
     i::::'  __,.イ:.:.:.:./        ̄ ̄ ヘ    .ヘ  i:.:.:.:'ァー,-- ァ=-., _,.ィ <、r .}
     ';::' ̄  ノ:.:/ ヽ      ,.ィヾ´   `ヾ/ ` ハ:.:.:/  ;  '  {   { ヽ  イ
      ヾ、r ´  ̄     \ >ゞ´    マ    !   {:.:.:.{.   !  {  ヽ  ゝ ´
                `マミ:.、    }     |   ,! ̄ ゝ--`― '' ´
                 ノ ≧ヾ::.、 !    !  /ハ
                 /三三ミ:.、   ̄`ヾ, -- 、 `ヽ
               /       /` トト{{{{{' rャ ィッ )-ァハ                 ...................................   
                 /      // ,.-=、¨`ヽ mn/ //,ハ            ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
              .ムー- ニ二 / ィ/  i{ハ≧三三く{ ヾ、        ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
            ムー-     /:.:.:マ  i!    __) }トハ     :::::::::::::::                        :::::::::::::::
            }  /- ―'' ´:.:.:.:.:.:.マ !! ̄ ̄     } 八 ',  :::::::::::::::       一休宗純…             :::::::::::::::
           ハ/.:.:.:.:.:i!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..} !| !    -―={ ´::.:.:ヽ.',:::::::::::::::                             :::::::::::::::
              /.:.:.:.:.:.:.:.:.!i:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.| | ヽ.     ̄} !:.:.:.:.:.:.:', :::::::::::::::      いわゆる「一休さん」だよ。      :::::::::::::::
          /.:.:.:.:.:.:.:.:.:!i:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.! i.  !ヽ.    i !:.:.:.:.:.:.:.',   :::::::::::::::                        :::::::::::::::
            ,:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.!i.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:| |  ';:::\  リ:||:.:.:.:.:.:.:.:',     ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
           ,:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:!i.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.! i   }:::::::`¨´::::||:.:.:.:.:.:.:ィ!:i        ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
        ,:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.!i.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:| |   .!:::::::::::::::::::||:.:.:.:.:./ }:.:!            ...................................
       ./.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:!ト、.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.! i    ';:::::::::::::::::::!i:.:.:.:./ /:.:.|
      /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:!i゙''、\.:.:.:.:.:.:.:.:; ,'   .}::::::::::::::::::||:.//.!.:.:!
                     一休宗純
                 (いっきゅう そうじゅん)

701 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67・補足編)[saga] 投稿日:2015/01/12(月) 21:14:24 ID:deI0NRiw0 [16/27]
      ____
    /    _ノ \
  /     ( ●)}|)_      えー!?
  /     :::::⌒ (_ノ、)    一休って…あの一休さんかお!?
  |   u.     |┬‐'
  |         |_|___
  \        `ー‐'ノ


               / ̄ ̄ \  
            _,.ノ `⌒   \                そうだよ。
           (●).(● )    |.               時代は違えど、一休和尚も大徳寺の長老だぜ?
           (__人___)     .|               .沢庵和尚からすれば、先達にあたる人物だ。
                '、           |
               |        |                関わりで言えば、元和四年から一年ほど、
        ,. -ーー|       /レ、              一休和尚が再建した山城の妙勝寺(俗に言う一休寺)に滞在したり、
       /:::::::::::::::: ヽ__、____,. "/::::)- 、._           寛永十九年の日蓮宗と浄土宗の宗論判定の際に説いた、
        l:::::::r/::::::::::::::「二二二 :::::::/::::::::ノ:::::..ヽ
      |::::::::_,,. -‐、.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.∧       「分けのぼる 麓の道はかはれども 同じ雲居の月を見るかな」
   ::ニニニニ/,. -‐  \::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.∧
     // ノ -‐    V:::::::::::::::::::::::::::::,′::::::::::::::::: j      って言葉があるけど、あれも一休和尚の言葉が元になってるからな。
     `-iノI_ノく__ヽ   `7ヽ::::::::::::::::::::l::::::::::::::::::::: /     
      |:::::l::::::::::::::へ___/:::::/:::::ヽ、::/:::::::::::::::::::: /      (※「わけのほる ふもとの道はおほけれと おなし高ねの月をこそみれ」
      /::::::::l::::::::::::::::::ヽー::::::::::::::::::::::ヽ::::::::::::::::::: /         ⇒一休の著作『骸骨』に収録)
    /:::::::::::l:::::::::::::::::::::ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: /

702 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67・補足編)[saga] 投稿日:2015/01/12(月) 21:14:52 ID:deI0NRiw0 [17/27]

                / ̄ ̄\  
               /   _,.ノ `⌒              .禅風そのものは違うが、
                    |    (● )(●)       ノ'    世間から高く評価されつつも、一定の距離を置き、
                   |     (___人__)   rニi  ,i'      印可や法嗣を否定しつつも、後世に教えを遺した一休和尚の姿は
               |     ` ⌒´ノ  .| レ..;::.      沢庵和尚にとっても参考になったんじゃないかと思う。
                    |        |_,-‐、l//
                  人、      厂丶,丶, v´j         和尚は諡号を受けるな、年譜を書くなと言ったが、
            _,/( ヽ、.,ヽ., ___,く_ソ    __ノ         既に書いた著作については、特に破棄を指示していない。
     _, 、 -― ''"::::::::::::\:::::::::::::::::::::(    <"ニ‐-、       栄誉はいらぬし、自身の後継などにも頓着しないが、
    /:::::::::::::、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::r  /⌒ヽ;;:::::: )      仏法は別、といったところか。
   丿::::::::::::::::i::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;;;V/..... ̄ ',;;:::|
   i ;;::::::::::::::::::|;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;;;;;;;〈 ;;;;:::::::::::... ',;;i       実際、和尚の著作って結構多いからな。
  / ;;;;:::::::::::::::::::!;;;;;;;;;;:::::::::::::::::::\::::;;;;;;;;;;;;;;;;;ハ ::;;;;;;;;::::::::. ',


               ∩_
              〈〈〈 ヽ
      ____   〈⊃  }
     /⌒  ⌒\   |   |    つまり、法統や年譜による記録に頼ること無く、
   /( ●)  (●)\  !   !   説いた教えが真の仏法に適うなら、それは残る筈だとして、
  / :::::⌒(__人__)⌒:::::\|   l   己の禅の是非をそこに問うた、といったところかお?
  |     |r┬-|       |  /
  \     ` ー'´     //      「そうだな。
  / __        /        尤も、その辺りはあくまで>>1の私見だが」
  (___)      /

703 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67・補足編)[saga] 投稿日:2015/01/12(月) 21:15:17 ID:deI0NRiw0 [18/27]

                          ___
                ,,.-''"´        ` .、
                /               ヽ
               ./                   ',
              l                    l     その点で言えば、
             /                   l    400年経った今も残る和尚の声望を見れば、
             〈`ヽ、              |    和尚の禅は是とされたと考えていいんじゃないかな。
             |ミ=-    ̄ ̄`ヽ       /
                 l     ミ=-‐       .′     尤も、宗矩個人に説いた筈の
               l/    ヽ          ,'     「不動智神妙録」が代表的な教えとして知られるとは
               ( __ 人    )         {     流石の和尚も想像してなかったかもしれんが。
             / // )ニ=''´      ./ .|
        ツ二二二/ ./__        ./  |
             / / /''"__,ノ        ′ .|
          / / / /,.-''")_ _,,-''´ /    ヽ__
            ,'       /'´,,..-''´|     /   _ \/`ヽ、
       _  ´l      / ./  |      ´    /  / \
   ,,..-''"    |      .l ./  /   イ         /  /    \


         ____
       /     \         あれ、思いっきり宗矩個人宛だおよね。
.    /       \       最後とか完全に私信だし…「教え」に含めていいのかお?
.  / /) ノ '  ヽ、 \
  | / .イ '=・=  =・= u|     .「まあ、”日用禅”を説いた和尚からすれば、
    /,'才.ミ) (__人__) /       あれも教えであることは違いないから、別に問題は無いんだがな」
.   | ≧シ'  ` ⌒´   \
 /\ ヽ          ヽ

704 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67・補足編)[saga] 投稿日:2015/01/12(月) 21:15:46 ID:deI0NRiw0 [19/27]

     / ̄ ̄\                 まあ、「和尚の評価」についての話は、
   /   _ノ  \               大体こんなところか。
   |    ( ー)(ー)       
.   |     (__人__)               ・ 幕府に抗った気骨の禅僧
    |     ` ⌒´ノ  ,r'゛ヾ          ・ 剣禅一致を説いた傑僧
   .l^l^ln      } `‐=   )
.   ヽ   L     }   ゝ-´  );;;;;;)      という一般的な評価の裏に、
    ゝ  ノ   ノ        .) ;;;;)
   /  /    \       ./;;/       ・ 歴史における「敗者」
  /  /       \     .l;;,´
. /  /      |ヽ、二⌒)━・'         .という面もあった、というところだな。
 ヽ__ノ


         ____ 
        /     \         「時代の変革に立ち向かったが、敗れ去った無念の人」
      /  u   ノ  \
    /      u (●)  \       というところかお。
    |         (__人__)|     世間的には将軍家の帰依まで受けて、
     \    u   .` ⌒/      国師号の話もあった程なのに、和尚自身の認識では、
    ノ           \      「一番守りたかったものを守れなかった」ということだおね…。
  /´               ヽ

705 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67・補足編)[saga] 投稿日:2015/01/12(月) 21:16:01 ID:deI0NRiw0 [20/27]

        / ̄ ̄\                       主観と客観で、
      /       \                     「成功」の基準が違うのはよくあることさ。
      |::::::        |                    .外から見れば成功者に見える和尚の地位も、
     . |:::::::::::     |                   ..本人の認識からすれば、
       |::::::::::::::    |          ....,:::´, .
     .  |::::::::::::::    }          ....:::,,  ..       「余計な名声ばかり上がるくせに、
     .  ヽ::::::::::::::    }         ,):::::::ノ .         ..肝心の仏法(の独立性)を守りきれなかった」
        ヽ::::::::::  ノ        (:::::ソ: .
        /:::::::::::: く         ,ふ´..            という絶望の檻だったと言える。
-―――――|:::::::::::::::: \ -―,――ノ::ノ――          だからこそ、法統の断絶や、
         |:::::::::::::::|ヽ、二⌒)━~~'´              あの最後の遺戒の境地に至ったんだろうな…。


         ____
       /      \
     /   _ノ  ヽへ\
    /   ( ―) (―) ヽ     …………。
   .l  .u   ⌒(__人__)⌒ |
    \     ` ⌒r'.二ヽ<
    /        i^Y゙ r─ ゝ、
  /   ,     ヽ._H゙ f゙ニ、|
  {   {         \`7ー┘!

706 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67・補足編)[saga] 投稿日:2015/01/12(月) 21:16:47 ID:deI0NRiw0 [21/27]

  ╋━━━━━╋
  ┃  .最後に. ┃
  ╋━━━━━╋


 さて、随分長く掛かってしまったが、
それじゃあ最後にまとめと行こうか。   ■ 沢庵和尚の評価 ■

         |                【仏教の面から】
    / ̄ ̄\                 ⇒ 仏教が世俗権力の下に組み込まれたようとした時、
   /   _ノ  \.                 正面から抗った気骨の僧。
   |    ( ●)(●)
.   |    ⌒(__人__)             【武道の面から】
   |      `⌒´ノ              ⇒ 「剣禅一致」を説き、兵法に新たな道を開いた人。
.   |         }.    。
.   ヽ        }    /          【柳生家から見て】
    ヽ     ノ   ./            ⇒ 友であり、師でもある近しい人物。
     / lヽ介/lヽ、 ,rE)
.     | | ~ヾ/~ |. ソ◇'            【本人の内面(※推測)】
    | |  ゚|  |\/              ⇒ 晩年の失望の中、一縷の望みをかけた無念の人。
  _ | |  ゚|  |______E[]ヨ____________________________
  |\  ̄ヽ⌒ヽ⌒ヽ \
  |\\  ⌒  ⌒ 甘 \
  |  \| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|


      / ̄ ̄ ̄\
    / /     \ \      .今更ながら、柳生家と縁の深いお人だったおね。
   /  (●)  (●)  \    沢庵和尚がいなかったら、どうなっていたのかお…?
   |    (__人__)    |
   \     `⌒´    /
   /              \

707 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67・補足編)[saga] 投稿日:2015/01/12(月) 21:17:19 ID:deI0NRiw0 [22/27]

    / ̄ ̄\
  /   _ノ  \
  |    ( 一)(●)      …まず、柳生家の歴史は変わっていただろうな。
  |     (__人__)     それに、武道思想の面で見ても、和尚の教示がなければ、
   |     `⌒´ノ     今あるものとはまた違ったものになっていた可能性が高い。
   |   ,.<))/´二⊃   「剣禅一致」なんて言葉も生まれなかったかもしれん。
   ヽ / /  '‐、ニ⊃    
   ヽ、l    ´ヽ〉      反面、和尚本来の領分である仏教の面においては、
    ,-/    __人〉      若干の差異はあっても、大きな違いはなかっただろうな。
   / ./.   /    \     .その辺りは既に話した通りだ。
   | /   /     i \
   |"  /       | >  )
   ヽ/      とヽ /
    |       そ ノ


     ____
   /      \
  /         \      …なんか本業に満足できてないのに、
/ U  _ノ    ヽ_  \   他人の手伝いでやった副業が大当たりして、
|     (一)|lil|(ー)  |    そっちの評価の方が高い、みたいな感じだお。
/     ∩ノ ⊃_) /
(  \ / _ノ |  |      こんなこと言ったら怒られるかもしれないけど。
.\ “  /__|  |
  \ /___ /

708 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67・補足編)[saga] 投稿日:2015/01/12(月) 21:17:41 ID:deI0NRiw0 [23/27]
              ___
            /:::::::::::::::::ヽ         ____     
          / :::::::::./ ̄ ̄ \____ ,. --ー.....:::::::::::::::::::.. \     …さあ、どうだろうな。
         / :::::::::: ⌒´ ヽ、,_  \:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: i
            .| :::::::::::(⌒).(⌒ )    |::::::::::::::::::γ:::::::::::::::::::: ノ     和尚のことだから、
           | ::::::::::::(__人___)    |:::::::,. -ーy::::::::::::::::::::: /     即座に機転の利いた返しをして、
           | :::::::::::/::'、           | ̄   _/::::::::::::::::::::: /     .こちらをギャフンと言わせるかも知れないぜ?
         .| :::::::/::::: |        |   /...::::::::::::::::::::: /
         | :::::::::::::/|       /レ-,.イ:::::/:::::::::::::::::: /       なんせ、「伶牙利舌漢」と言われた和尚だからな。
         i:/:::::::::::: ヽ__、____,. "//::ノ.:::::/:::::::::::::::: j       歴史上の評価がどうだろうが、
           r:::::::::::::::::::「二二二 ::::::::::/::::::ノ::: 、:::: //        俺たちみたいな凡骨が及ぶような人じゃないのは確かだろ。
        /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::r


         ____
       /     \
.    /       \ 
.  / /) ノ '  ヽ、 \     …違いないお。
  | / .イ '(⌒) (⌒) u|   
.   /,'才.ミ). (__人__)  /
.   | ≧シ'  ` ⌒´   \
 /\ ヽ          ヽ

709 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67・補足編)[saga] 投稿日:2015/01/12(月) 21:18:06 ID:deI0NRiw0 [24/27]

 …まあ、和尚についての補足はこんなところだな。
去年の10月に始めて、今まで掛かるとは>>1も想定してなかったが、
とにかくまとまってやれやれだ。

 沢庵和尚の教えについてより知りたい人は、
このスレの中で紹介している「不動智神妙録」や「太阿記」以外にも、
色々な著作があるから、それを追うのもいいかもな。

    / ̄ ̄\
   /   _ノ  \                ____
   |    ( ●)(●)             /─  ─ .\        一番まとまってるのは、
.   |     (__人__)              /(●) (●) \      「沢庵和尚全集」なんだけど、
   |     ` ⌒´ノ          /   (__人__)    .\    絶版の上に、古本も結構な値段がするから、
.   |         }           |     .`⌒´.      |    借りられるなら図書館を探すのがいいと思うお。
    ヽ        }              \    ー―     /
     ヽ     ノ                >        \      【沢庵和尚全集】
     /    く.[ニニニニニニニニニニニニ`.ニニ´ニニ]ゝ      ヽ     ttp://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784820579656
     |  ヽ、二/   〈〉        〈〉 ヽ__,ノ        l
.     |     /        〈〉        ヽ       |
     |     /   〈〉       〈〉    〈〉 ヽ       /
     ヽ、_ヾ-‐‐--‐‐--‐‐--‐‐--‐‐--‐‐--‐ゞ___/

710 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67・補足編)[saga] 投稿日:2015/01/12(月) 21:18:31 ID:deI0NRiw0 [25/27]

  それじゃあ、和尚についての補足はここまでだ。
 次は武蔵についての話をするので、
 また気長に付き合ってもらえたら嬉しいだろ。

     / ̄ ̄\
    / ⌒  ⌒ .\ .             ____
  .. | ( ⌒)(⌒ ) .|              /     \       次はなるべく早めに
 . . |  (__人__) │              / ⌒    ⌒ .\    終わらせたいと思うお。
    |    `⌒´   |           /   (⌒)  (⌒)  \   今年もよろしくお願いしますお。
  .  |           |           |      (__人__)  u.  .|
  .  ヽ       /              \     .`⌒´    /    
      ヽ     /                 >         .く.
     /    く.[ニニニニニニニニニニニニ`.ニニ´ニニ]ゝ      ヽ
     |  ヽ、二/   〈〉        〈〉 ヽ__,ノ        l
.     |     /        〈〉        ヽ       |
     |     /   〈〉       〈〉    〈〉 ヽ       /
     ヽ、_ヾ-‐‐--‐‐--‐‐--‐‐--‐‐--‐‐--‐ゞ___/

711 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67・補足編)[saga] 投稿日:2015/01/12(月) 21:19:27 ID:deI0NRiw0 [26/27]

               _.. -ー'''''''―-..,,,
             /゛         `゙''ー ..,,,,,,__、          ∧
           ,i'゙,,....,,,、                ,,,,.\.           | ; `、  /
        i./    `''、                \ .,       ノV  `¨¨´{    _,,  /
       ,!l 夢>   i'i|.゙l ,          \   \ ー---‐‐           ー‐     /
       l:|.`.゛ ./´゙7i}゙'、         `、\ __)                     /
          !l,,_  l / '´   ...}          `、`¨´                       /
        .',_/       / !             `、     またいつの日か、    {
           l ._i、 ,、ヽ !;:;:;ヽ              .`、  オレが降臨する時を    二ニ=-
            l. i-'" ゙',/ l;:;:;:;:;\  _,,,,.............../ ! }   .待つがよいわー!!   /
            リ',、  .l゙''、|;:;:;:;:;,ノ゙ /   .,.‐',   l }                  {
             '!|.l.  / .゛', ;;l" /   ., /  l,  .',;    その時まで、       `、
             _,.l,', ;;,'-'./ ゙./  _,,,/  !  ..l  /   …さらばだー!!     .`、
      ,./ '"   ゙''" / , ''"'''"| / .l   l   .l./ __                   `、
     i'"    ./ ./ /   ., '~',  .l   ! / ;//⌒i                 _二__  \
   _..-'"゙゙フ'./ / ,/   ./',  .',  .l /;:;:;:/    |                 /     ̄⌒
 /゛  イ゛,/./ ,/   ,,-',  .l  .', _ '";:;:;:;:;:;:;:;:;|  _]   -‐==‐- 、  'ハ  ;
   , ',゛i!〃゛ /   ., ''.l  ',  .l ,,ミ'゙;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:',゙''-//       \/  `、{
 ,..┴-iフ" ./   ._‐{  . !  ', ._ノ'l丶;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;|  ´ `''' !./ -',、`′
   / /   .// l  ', .,ゞ゛  !;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;: !     . ゙'- `'
 / . /   .,,/゙l゙ .!  .l ._ソ"    .l;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;: !
   /   ., ''l'7 !  ヽ,,,,','"|      ',;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:}
 ./  .,-{..,i,' |  ′    .l_      !;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;!
: '.l.,,i'゙.l |i./ .ヽ      .',,'',、     .l;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:!
..ィ ! ', ',`'、.      _,,,',. ゙リ..,,,_   !;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:l
 ', l  l..,ノ'´ `'-、 .,,...../   ゙'イ;:;:;:;:; ゙゙̄''゙‐' ..、;:;:;:;:;:;:;:;!
 .l .!/      `'-,, \,ノ゙;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:!
 .,','----.... ......,,,,,_、  `'く、;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;.!
. ゛―----........,,,,_、 .`゙''''ー-ミ;;ッ、,;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:.!
 ------ ....,,__ .`゙"'― ..,,、.゙/゙'''-、、;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;l゙
 ー''''''''''''―-..,,_ ゙゙゙̄"'''ー ,,, ./゛    `''ー ..,,,_;:;: /
             `゙'''‐    ~ 

【やる夫で学ぶ柳生一族(その67補足):「沢庵和尚についての補足」】 完


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  1. 2016/10/10(月) 12:03:37|
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