やる夫+まとめ -戦国系-

戦国系やる夫シリーズのまとめを

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やる夫で学ぶ柳生一族 その67 沢庵和尚入寂 前編


135 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67)[saga] 投稿日:2014/05/18(日) 21:03:23 ID:tCNiM3uc0

 このスレは、「柳生新陰流」を担った剣豪の一族「柳生一族」を
史実をベースとしつつ、適当にエピソードを盛り込んでいく形で紹介するスレです。


【今回のメイン柳生 : 柳生但馬守宗矩(やぎゅう たじまのかみ むねのり)
             柳生十兵衛三厳(やぎゅう じゅうべえ みつよし)
             柳生主膳宗冬(やぎゅう しゅぜん むねふゆ)】

   / ̄ ̄\
  / ノ  \ \
 |  .(●)(●)  |        大和柳生藩初代藩主にして柳生家の当主、
. |  (__人__)  |        そして徳川将軍家剣術指南役、柳生但馬守宗矩だろ。
  |    `⌒´  |    ) ;;;;).  常識的に考えて…。
.  |        |    .) ;;;;)
.  ヽ       }   /;;/
   ヽ     ノ   .l;;,´
. /    ∩ ノ)━・'
 (  \ /|_ノ ヽ
. \  ""  /_ノ  |
   \ /___/

                  ,ヘ
      ____      / /
     /\  /\   / /
   /( ⌒)  (⌒)\/  /    柳生家の嫡男、柳生十兵衛三厳だお!
  / :::::⌒(__人__)⌒:::::\ / 
  |     |r┬-|       |
  \     ` ー'´     /
  /          \
 /             \
/  /\           ヽ
 /   \          ノ
U      ヽ        ノ


    / ̄ ̄\
  /  ⌒  ⌒\
  /   (⌒) (⌒)ヽ    柳生家の三男、柳生主膳宗冬です。
 .|    (__人__) |
 .|      `⌒´  |
 ヽ         /
 / ヽ       ノヽ
/           ヾ

137 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67)[saga] 投稿日:2014/05/18(日) 21:05:35 ID:tCNiM3uc0

>>1からのお願いコーナー】
 毎度お馴染み、今回も次回(その68)の解説役を投票で決めたく。
ルールは以下の通りでアリマス。

 ・ 支援の際、以下の条件を満たすキャラについて名前なりAAなりを挙げて頂いた後、
  集計を行い、投票数が最も多かったキャラを次回の解説役にする。
  (例:支援。○○(キャラ名)とかでOK。作品名もあると更に吉) ※一応、1人1票でお願いします。

 【条件】
 ・ 女性キャラ。または外観が女性のキャラ(女装美少年込み)
 ・ AAが複数ある(できれば20行以下のバストアップAAが3種類以上があると嬉しい)

 既出キャラ有りなので長門なり翠星石なりも投票数次第で再登場可でアリマス。
でもできれば作中の登場人物に割り振り済みのキャラはややこしいのでご勘弁をば。

 ちなみに、票が同数のキャラが複数いた場合、恐縮ですが、その中から>>1が使いやすいキャラを
選ばせていただく所存(AAの使い勝手がいいとか、そのキャラを知ってるとか)。
あと、解説役の相方は>>1が適当にチョイスします。
よろしゅうですー。

【過去、投票で決まった解説役-1】
 その13 : マシロくん(舞-乙HiME)                 ......その32 : 閻魔あい(地獄少女)
 その14 : 渡良瀬準(はぴねす!).                   ..     : 輪入道・骨女・一目連・山童・きくり(地獄少女)
 その15 : 佐々木(涼宮ハルヒの憂鬱)                .その33 : ドロッセル(ファイヤボール)
 その16 : 綾崎ハーマイオニー(ハヤテのごとく!).        ..     .: ゲデヒトニス(ファイヤボール)&AA色々
 その17 : 宮小路瑞穂(乙女はお姉さまに恋してる)       ..その34 : ゆの(ひだまりスケッチ)
 その18 : 菊地真(THE IDOLM@STER)              ....     .: 宮子・ヒロ・沙英・吉野家先生(ひだまりスケッチ)
 その19 : 木下秀吉(バカとテストと召喚獣).           ....その35 : 山口如月(GA 芸術家アートデザインクラス)
 その20 : ドリィ&グラァ(うたわれるもの)             ..      大道雅 (GA 芸術科アートデザインクラス)
 その21 : 祇堂鞠也(まりあ†ほりっく).                .その36 : 田中井律(けいおん!)
 その22 : 大佛はずむ(かしまし)                 ......      秋山澪(けいおん!)
 その23 : マコ(みなみけ).                      ....その37 : イカ娘(侵略!イカ娘)
 その24 : 佐々木(涼宮ハルヒの憂鬱) ※2回目.        .....      諌山黄泉(喰霊-零-)
 その25 : 渡良瀬準(はぴねす!) ※2回目             その38 : なし
.      : シモン(下妻市非公式マスコット)            ..その39 : 羽衣狐(ぬらりひょんの孫)
 その26 : 藤岡ハルヒ(桜蘭高校ホスト部)            ....      三浦あずさ(THE IDOLM@STER)
.      : 須王環(桜蘭高校ホスト部)              ......その40 : 神代マヤ(世紀末オカルト学院)
 その27 : 宮小路瑞穂(乙女はお姉さまに恋してる) ※2回目        ケンシロウ(北斗の拳)
.      : 菊地真(THE IDOLM@STER) ※2回目         ..その41 : インデックス&上条当麻(とある魔術の禁書目録)
 その28 : ティエリア・アーデ(機動戦士ガンダム00)       ..      ナージャ・アップルフィールド(明日のナージャ)
 その29 : 草薙素子(攻殻機動隊)                  .その42 : 佐々木(涼宮ハルヒの憂鬱) ※4回目.
.      : タチコマ(攻殻機動隊)                 ......      渡良瀬準(はぴねす!) ※4回目
 その30 : 渡良瀬準(はぴねす!) ※3回目           ......その43 : ラミア・ラヴレス(スーパーロボット大戦)
.      : 木下秀吉(バカとテストと召喚獣) ※2回目      ...      ゆっくり霊夢&魔理沙(東方Project)
 その31 : 佐々木(涼宮ハルヒの憂鬱) ※3回目          .その44 : 嵐山歩鳥(それでも町は廻っている)
.      : レベッカ宮本(ぱにぽに)                .....      辰野トシ子(それでも町は廻っている)

138 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67)[saga] 投稿日:2014/05/18(日) 21:06:10 ID:tCNiM3uc0

【過去、投票で決まった解説役-2(今回含む)】
 その45 : イカ娘(侵略!イカ娘) ※2回目           ..... その66 : ミカサ・アッカーマン(進撃の巨人)
       キュウべえ(魔法少女まどか☆マギカ)                月影ゆり(ハートキャッチプリキュア)
 その46 : 来海えりか(ハートキャッチプリキュア)        . その67 : 庚夕子(黄昏乙女×アムネジア)
       花咲つぼみ(ハートキャッチプリキュア)        .       佐々木(涼宮ハルヒの憂鬱) ※9回目
 その47 : 佐々木(涼宮ハルヒの憂鬱) ※5回目         .
       泉こなた(らき☆すた)                  
 その48 : 秋月涼(THE IDOLM@STER DearlyStars)       .
       秋月律子(THE IDOLM@STER)           ......
 その49 : 泉野明(機動警察パトレイバー)           ....
       シャーロック・シェリンフォード(ミルキィホームズ)  
 その50 : 佐倉杏子(魔法少女まどか☆マギカ)         ..
       巴マミ(魔法少女まどか☆マギカ)           ....
 その51 : セシリア・オルコット(インフィニット・ストラトス)    
       やらない夫                        ....
 その52 : 佐々木(涼宮ハルヒの憂鬱) ※6回目         .
       キョン子(涼宮ハルヒの憂鬱@二次創作)      .
 その53 : ヘンゼル(BLACK LAGOON)              .
       グレーテル(BLACK LAGOON)            
 その54 : イカ娘(侵略!イカ娘) ※3回目           .....
       インデックス(とある魔術の禁書目録) ※2回目   
 その55 : ドラゴンキッド(TIGER&BUNNY)            
        暁美ほむら(魔法少女まどか☆マギカ)       ...
 その56 : 佐々木(涼宮ハルヒの憂鬱) ※7回目         .
        セイバー(Fate/stay night)               ..
 その57 : ニャル子(這い寄れ!ニャル子さん)        .....
       柳生九兵衛(銀魂)                     .
 その58 : 比良坂初音(アトラク=ナクア)            ...
       綾崎ハーマイオニー(ハヤテのごとく!) ※2回目  .
 その59 : 邪神モッコス(ゼノサーガフィギュア)        ......
       柏崎星奈(僕は友達が少ない)           ......
 その60 : 長門有希(涼宮ハルヒの憂鬱) ※2回目       ...
       綾波レイ(新世紀エヴァンゲリオン)          ..
 その61 : みどろさん(涅槃姫みどろ)              .....
       輿水幸子(アイドルマスター シンデレラガールズ)  .
 その62 : 藤乃静留(舞-HIME)                   .
       赤セイバー(Fate Extra)                
 その63 : ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール(ゼロの使い魔)
       タバサ(ゼロの使い魔)
 その64 : イカ娘(侵略!イカ娘) ※4回目
       オリオトライ・真喜子(境界線上のホライゾン)
 その65 : 佐々木(涼宮ハルヒの憂鬱) ※8回目
        八雲紫(東方)
 外伝6 : 中野梓(けいおん!)




139 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67)[saga] 投稿日:2014/05/18(日) 21:06:57 ID:tCNiM3uc0

【正保元年(1644)時の柳生一族系譜】

  大膳長永
     :
  <柳生家>
     :
    ├─────┐
  柳生永珍   中坊源専
     :
    ├─────┐
    家厳      重厳
    |    (七郎左衛門)
    |     (松吟庵)
    ├───────────────────────────────────────────┐
    宗厳                                                              .妹
  (新左衛門)                         .【江戸柳生】                             |
   (石舟斎)                        .(大和柳生藩)                          <幸徳井家>
    ├───┬───┬────┬───────┐                                |
    厳勝   久斎   徳斎     宗章          宗矩                               友景
  (新次郎)             (五郎右衛門).     (又右衛門)                              .|
    |                            (但馬守)                                |
    |   【尾張柳生】                   |                                  |
    ├────┬────┬────┐        ├─────┬─────┬─────┐       .|
    純厳    利厳.     妹     厳倚      三厳       友矩      宗冬      .六丸    友種
   (久三郎)  (兵庫助).         (権右衛門)   .(十兵衛)    .(左門)     .(主膳)
           |                   (幼名:七郎) .(刑部少輔) (幼名:又十郎)
           |
           ├────┬────┐
          .清厳    .利方     厳包
        .(新左衛門) (茂左衛門) .(七郎兵衛)

140 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67)[saga] 投稿日:2014/05/18(日) 21:07:35 ID:tCNiM3uc0

【第1部(その1~11)のあらすじ】
 時は戦国、乱世の時代。
大和国柳生庄の領主、柳生新左衛門宗厳は、上泉伊勢守秀綱創始の新陰流の正統を継ぎ、
後に名を石舟斎とあらため、その剣名を天下に上げた。
しかし、長男新次郎厳勝の不具廃嫡、豊臣家による所領の没収、
新次郎の長男、久三郎純厳の死など、柳生家に辛く重い苦難が襲い掛かる。
だが、徳川家康の招きに応じ、「無刀取り」を以って家康に指南を請われた際、
末子・又右衛門宗矩を推挙したことで、再び柳生家にも光が差す。
その後、関が原の戦にて徳川家に味方したことにより、柳生家は旧領を回復、
更に家康が幕府を開いたことで、宗矩が将軍家剣術指南役となり、
柳生家、そして柳生家の新陰流…「柳生新陰流」は、一気に繁栄の路を進む。
そして、柳生家の家督を宗矩に、新陰流の正統を兵庫助に継がせた石舟斎は、
慶長六年(1611)、78年の生涯に幕を閉じたのであった…。

【第2部前編(その12~24)のあらすじ】
 石舟斎の死後、宗矩は正式に家督を継ぎ、新たなる柳生家の当主となった。
またその翌年、柳生庄にて宗矩に待望の嫡男・七郎…後の柳生十兵衛三厳が誕生する。
そして、大坂の陣による豊臣家の滅亡、一代の英傑・徳川家康の死を以って、
戦国の世は完全に終りを告げ、新たな時代「江戸時代」が始まる。
その新しき世において、柳生家は将軍家指南役となった宗矩の「江戸柳生」、
尾張徳川家指南役となった兵庫助の「尾張柳生」の二家に分かれ、
宗矩は「坂崎事件」を解決するなど、剣術指南の枠を超えた才を発揮し、柳生家を発展させ、
兵庫助は新たな時代の剣、「直立たる身」の工夫を編み出し、新陰流を発展させる。
その後、時は寛永・三代将軍家光の世に移り、尾張においては後の柳生連也斎厳包こと新六が誕生、
江戸においては十兵衛が小姓を致仕するなどがあったが、その末に、遂に宗矩が諸大夫成を遂げる。
「柳生但馬守宗矩」がここに誕生したのである。

【第2部後編(その25~66)のあらすじ】
 晴れて但馬守となった宗矩だが、知己の禅僧・沢庵が紫衣事件で罪に問われ、
また自身も主君家光より難題を出されるなど、次々と苦難が立ちふさがる。
だが、大御所・秀忠の逝去によって赦免された沢庵より
「剣禅一致」を説いた「不動智神妙録」を受けた宗矩は、
真の大将の剣、『活人剣・治国平天下の剣』を確立することに成功、
これを家光に教授し、信任を確かなものにする。
そして、宗矩の惣目付就任、柳生藩一万石の大名への立身や、
柳生新陰流の全国への広がり、嫡男十兵衛の赦免など好事が続き、
途中、江戸時代最大の一揆「島原の乱」の発生や、次男刑部少輔友矩の夭折など、
暗い影がないわけではなかったが、剣才に溢れた末子・七郎兵衛厳包を得た
尾張柳生家も含め、柳生一族は繁栄の絶頂を謳歌していた。

 しかし、その繁栄が続く中、寛永という時代が終わりを迎え、
いよいよ、柳生一族にも次の世代への移り変わりが近づきつつある時、
彼らと最も縁の深い老僧にも、最期の時が訪れようとしていた…。

141 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67)[saga] 投稿日:2014/05/18(日) 21:08:43 ID:tCNiM3uc0

 時は少し戻り、
寛永十八年(1641)正月二十四日。

                        _    
                 __ -=  ̄   
          __ -=  ̄      __ -=\
   __ -=  ̄      __ -=  ̄        \
  ´      __ -=  ̄              \
  __ -=  ̄                      \
                                \
                                 \
                           . -=  ̄ヽ..
                         _/ 、__,.:z≦三>
                        ノ__z≦三 >''
                      <{{_ {    `      .ノ   サラサラ…
                       ` ̄  ''<       {
      _ _                      ヽ    ノ ヽ
    __./_ }_}}⌒i                     `  ̄    \
   ./ / / i´`.! .ィ,                     __ -=  ̄
  /=/~ i ~ ,: ~ { / .L}               __ -=  ̄


 この年、69歳になる沢庵和尚は、ある手紙を書いている。

142 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67)[saga] 投稿日:2014/05/18(日) 21:09:21 ID:tCNiM3uc0

 手紙の宛先は、細川家家臣・波多中庵宛てである。

           /⌒ソ/⌒ヽ、
        . /  //    ..\      ._,
        /  //      .`ヽ,.._,ィ''´  `'ー- 、      /i
        /  //                  \,.   _..ノ .|
    .   /  //                     ⌒´   .|
      /  //                          |
      /  //                           |
    . /  //          中庵老へ            .|
    /  //  .                          |
    /  //                             .|
   ./  //                            . |
  /  //                               |
 ッ芝ヾシ⌒ヽ、                  宗彭より    |
 .ヾニジ    \      ._,.イ⌒ヽ               |
          `ヽ,.._,ィ''´      `'ー- 、        .  |
                         .\,.   _., 、  . .リ
                            ⌒´   \._,ノ

 手紙の内容は、自分の近況や去年、国へ戻った細川忠利の話題、
また年末に内意が伝えられた大徳寺・妙心寺の寺法旧復についての話が主だが、
その中に、気になる一文がある。

 【波多中庵宛の手紙(抜粋)】                ・ .・ .・ .・ .・ .・ .・ .・ ・ .・ .・ .・
 「老希ニ近事三百六十日ニテ候。死後ノ事毛頭不思、末法之法三十年前ニ見限候間、
  相続之事不思、寺之事次テ何ト可成ト云事不存、遺像遺言心ニナシ
  (中略)禅師号国師号無望無、其外一事モ無所望」

 (意訳)
 『来年には七十になるが、死後については何も考えていない。
  この末世の仏法は三十年前に見限っている。
  (法統の)相続や寺のことなども何も言うことはない。
  遺像や遺言などもどうでもよい。禅師号や国師号も要らぬ
  望むような事など何もない』

143 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67)[saga] 投稿日:2014/05/18(日) 21:10:46 ID:tCNiM3uc0

 この年は、沢庵和尚が、その後半生を賭けて力を尽くした
大徳寺の寺法旧復が遂に成った年であり、この手紙の中でも、それは述べられている。


                 .rニYニヽ 
   |レ               /    j | 
   !!_           イ     } |     ……………。
   ゙- '´ ,、       /j      j 
      -''´   ,r'´ ̄`゙}     j l|rニ二ト、 
           〉─7-'´l|jト、 -イl;|`--l一〈 
     __ii__    |   |  ルリ-ト、|州リ  |  .| 
     イi    j  |           |  |,
      `  , イ  |     |      |  |
        ノ  }        |         |
      /           |          |
    //  /                  |
.  //  /                   ',|
/ /    l                     |  
 / i   /                     ヽ
ん-ト、               |          |'
   ヽ/    /    |    |           l
    ヽ   /     |    |      レ-、  /
     `-- ´--、__  |___|__ _|  `丶{
             ̄|    / ̄|    j
             ',   {   |.    |
              ',__,r' }  .|    j
               ',   |   |`丶、r'
               ',  |  |   j
                沢庵宗彭
             .(たくあん そうほう)

 にも関わらず、同じ手紙の中で「末法之法三十年前ニ見限候」と述べた
この当代随一の禅僧の心境はどのようなものであったのだろうか…。

144 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67)[saga] 投稿日:2014/05/18(日) 21:11:34 ID:tCNiM3uc0

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                           └───┘


                             ┌─┐
                             │ :: │
                             └─┘


                               ┌┐
                               └┘


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145 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67)[saga] 投稿日:2014/05/18(日) 21:12:32 ID:tCNiM3uc0

 寛永二十年(1643)の仲秋(旧暦八月十五日)、東海寺…。


                      ,.,-‐'´''`´''`´```丶. _
                  _ ,.,イ             `'i
                   ,.ィ´       ,ィ'`´''   ィ'`´'' 、 `'丶.
               ((  ィ'`´''`´`             、_ヘ
                 `i,    _i'´.r==ィ=‐イ.,.,ー‐<´ `i `''  i    
                 ゞ. r=rl ‐ l  i  __ rl A , l _/`ir'ヽiソ       
                  ,>‐ュr 、,ヘー'´l  i  ̄  ̄ i´ l H‐-k'´i._
                 <ソ-‐イl / ,. __i_i ___.l r=ュ._,ュ.j  l i´`i_
                  ,ir‐i´_ ,.,-‐''"i k' >ヘ  ,,.  l  l.  j i ̄`' '´`iヘ.
             ,ィi  l l      l i /   l .l  i .l  l>'i lヘ. ,ィ、l  i i‐、
               ,,'i    i l  _rュ l l__l   __.l l ,r=、!__.r‐ュ.l i i iヘ l i ∧
           ,r-イ __l  ,イ l二l  i  ̄,,. ̄ ,,、  l  l  i  l  ̄,`' i´ `l.,_ ∧
            l  / `r`  ̄,rュi l!   l /  ヘ ,i'  ヘ l  l  l  l  i  l  _l i`'iへ.
       ,ュ/`=i  .l ,'T, i ニli   l i Y l l. Y l i  l  l  l  i  l _ l i i .i ヘ.
      r=' 7l ,l  l i  ;._!ニ!,‐-.iHェェェHェェェK二lェェH仁niニヽ /  / i i  i  li、
.      l i_ _l ,!,-‐''"~へー =<〈 _<l_li__ヘヘ_il二l二i ,'丿 // // ,ィ`丶/l i_ l_i i,
.       ト,.l _i>-、<>l><>>'´; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; `'丶. <l!>l<>l><lヘ l
     l./   `ヘ._.i `<> </; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ;. . . . . . . . . . . . . ヘ  / <i<> <>.<./
     `ヽ.  ir  `>、<>/; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ;. . . . . . . . . . . . . . . . ヘ,'<>、< _k ili /
        `''ー ,.,_ 二 > l; ; ; ; ; ; ; ; ;   ; 東海寺  . . . . . . . . . . . l < 二 _,.,-‐'"
             ̄ ̄ ̄∨; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ;.. . . . . . . . . . . . . . . . . / ̄ ̄ ̄
                 ∨; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ;. . . . . . . . . . . . . . . . , '
                  ヽ.; ; ; ; ; ; ; ; ; . . . . . . . . . . . . . . /
                      `丶.: : : : : : : : : : : : : : : : >'´
                      `' <三三三二>'´

146 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67)[saga] 投稿日:2014/05/18(日) 21:13:54 ID:tCNiM3uc0

 『東海和尚紀年録』(または『沢庵大和尚行状』)によると、
この日、家光が東海寺にやってきて、しばし山亭にて仲秋の月を楽しんだという。

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__,,,, -(;);)(;);;)--'''""~               ; ; ; ;~'''-- ,,,,,,,, -'''''"ミミ~'⌒ヽ ,,,::ヽ::
    (;,(;,(;,(;,)     ; ; ; ; ; ; ; ; , , ,                    ⌒ヽ ⌒ヽ; ⌒

         ,. -‐-─-- 、
.      /             `ー、
    〃                 i, 
   r'   ィ=ゝー-、-、、r=‐ヮォ.〈 
    !  :l      ,リ|}    |. } 
.   {.   |          ′    | } 
    レ-、{∠ニ'==ァ   、==ニゞ< 
    !∩|.}. '"旬゙`   ./''旬 ` f^|     …いい月だな、和尚。
   l(( ゙′` ̄'"   f::` ̄  |l.| 
.    ヽ.ヽ        {:.    lリ  
.    }.iーi       ^ r'    ,'  
     !| ヽ.   ー===-   /   
.   /}   \    ー‐   ,イ    
 __/ ∥  .  ヽ、_!__/:::|\  
 /i   |!  i      :;::;:::::::ト、 ヽー-
        徳川家光
     .(とくがわ いえみつ)

       _,.-'"´ 三ミ、ー-、
      / / ィ /⌒`⌒ヽ\
    / / / /    夢  | ヽ
   /    / イ´^ー、   ,.. 、)、 ',
 , '   / / //ヽ、 ゚ゝ  イ ゚ノ| |
//イ    / /::::、  '´  ` ̄'|| |      左様ですな。
/ /イ   /  |::::::| / _┗'  ,イ 、|
 /   /  |::::::| ┃r=━┫;:/ | |ヽ
/ / ,イ ,'  | ハ:::::| /!ー-、K ;:/ | |\
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 / /イ | ハ! |==、  ̄乙/{,川ハ!     `ヽ、

148 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67)[saga] 投稿日:2014/05/18(日) 21:15:34 ID:tCNiM3uc0

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                    ヾミミミミy彡'′                           . :. :. :.:::. :. :. :. :.::::::. :.::::
              ヾミミミミミy彡  ``ji彡: .:. :. :. :. ::::::::::::::::::::: .: .:. :. :. :::::. :. :. :.
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           ヾミミミミミ斗彡彡 〃                                  ヾミミミミミy彡
    . :;:;..,"'`',:'':'`::;:     ``j!´   _〃彡彡                                   ``ji'´
ニニニニニニ,', ,'ニニニニニニニニニニニニニニニ,;;;;,                               ヾミミミミミ斗彡彡
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'`',:'':'`::;:;..,"ヾヽ、(_)~゙~゙(_)::::l!(_)~゙~゙~゙~゙(_)~゙´ .: .: .: .: .: .: .: .: .: .:. ,.  -‐ ── ─── ─── ─‐- 、;;;;:;:;;:;:;;;:;:;;:;:;;:;;:;:;:;:;;;:;
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;;;:'`',:'':'`'`',:'':'`ぐ_ - _‐i::.:.:.:i|_ -_ - - _il |;;;;;;;;;;:'`ヾヽ .. イ.,. イL」.::::.:::i|::i|:i| r'´r'´r'´r'´ i|:i|:i|. r'r'.i|i|i|i|i|. :;:;..,"'`',:'':'`'`',:'':'`
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;;;;;;;ij!,,, .._jjレノ:'`',:'':ノノ;;;ニニiiニニニiiニニiニニiニニiニニii! `',:'':'`',:'':'`'`',:'':、. :. :.: .: .:. :. :. :. :.: .: .: .:. :. :. :. :. :. :. :,,,,.州州洲'`キrキ''キキ
;;;;;;;ij!::.::::〃:'`',:'':'`'`',:'':`::、;;;;;;;;;;;;;;;;;;.:.:.. ,, .:.:'',, .:.:'',, .:.:'':.:.、`',:'':'`',:'':',:           - - _ ‐ _ ,,,.州州洲>キ'''´キ'''´-‐'''"
::::::::::.:.::〃;;;;:::.:..:.:.、,, .:.:'',, .:.:'',, .:.:'',, .:.:'',, .、ニニiニニiニニiニニii!┼┼' '゙゙        - _‐ - .._ ‐,,,.州州洲r'"´     ,, .:.:.:. ,::
::::..:::::..:::::.``ヽ、;;;;;::.:.:.:..、ニiニニiニニiニニiニニii! _ - _ -  ..    ‐ _ -  ..        _ ‐. ,,.州州洲r'"´  ,r'"´ ,, .:.:.:. ,, '' ,, ::
::::...:::::...:::::....:::::..``ヽ、;;;;:.:.:.、゙゙゙ """゙゙゙゙"""´_-   _ .. -                 ,,,.州州洲iニニiニニiニニiフ´ ,, .:.:.:. ,, '' ,, .,, '' ,,
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                                                  ‐ - ‐ _ -  `` ー----------

 その後、夜が更けても家光は帰らず、更に池上の小亭に場所を移した。
沢庵もそれに従う。

149 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67)[saga] 投稿日:2014/05/18(日) 21:17:50 ID:tCNiM3uc0
                        .\ ./ヽ /
|   ...::::::|                   /゙l゙,,,,.i..l
|   ...::::::|  ;;;;;;;ij!,,, .._jjレノ:'`',:'':ノノ;;;   -,./ !._、,! ゙l_   i! `',:'':'`',:'':'`'`',:'':、. :. :.: .: .:. :. :. :. :.: .: .: .:. :. :. :. :. :. :. :,,,,.州州洲'`
|   ...::::::|  ;;;;;;;ij!::.::::〃:'`',:'':'`'`',:'':`::、; l:'i,  |.ゝ.! ヽ/:'',, .:.:'',, .:.:'':.:.、`',:'':'`',:'':',:                  ,,,.州州洲>キ'''´キ
|   ...::::::|  ::::::::::.:.::〃;;;;:::.:..:.:.、,, .:.:'',, .:.:'',, .:.:'',, .:.:'',, .、ニニiニニiニニiニニii!┼┼' '゙゙               .州州洲r'"´
|   ...::::::|  ::::..:::::..:::::.``ヽ、;;;;;::.:.:.:..、ニiニニiニニiニニiニニii!                              ,.州州洲r'"´  ,r'"´ ,, .:.:.
|   ...::::::|  ::::...:::::...:::::....:::::..``ヽ、;;;;:.:.:.、゙゙゙ """゙゙゙゙"""                        ,,,.州州洲iニニiニニiニニiフ´ ,, .:.:.:. ,, '
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.       ,.z≦i圭圭圭圭圭i≧x、
    ,イ圭圭圭圭圭圭圭圭圭ミメ、
    ,イ圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭ミ、
.   ,佳ツ"ゞ~⌒゙'~ヾfff'"~`=´リソヾ圭i
  i圭}          ノリ       {圭|
  !圭|         'ノ         {圭l
  ,ィヾ|| 三三三ミ    ,ィ三三三..{圭!
 i r‐ ||  '´它ヽ   f´ '"它 ヽ if ヽ       おお、和尚。
 | {ff ||  `二 -    .i::: - 二´  .|ヾ. }     万年石は相変わらずだな。
 ヽヽ !!        !::      |) ./
   \|        ;,,       .!//      まあ、だから万年石というのだろうが。
    !      ゞif''"       ,'ノ
    |、     ー--  -一   /
   /|. ヽ、   、___,     /|
 /  |   l\        / \
     |  !  \   !  /:::::::::::::::\_
    ヽ  ヽ   `¨¨¨¨¨´::::::::::::::::::::::::::


       _,.-'"´ 三ミ、ー-、
      / / ィ /⌒`⌒ヽ\
    / / / /    夢  | ヽ
   /    / イ´^ー、   ,.. 、)、 ',
 , '   / / //ヽ、 ゚ゝ  イ ゚ノ| |
//イ    / /::::、  '´  ` ̄'|| |      左様ですな。
/ /イ   /  |::::::| / _┗'   イ 、|
 /   /  |::::::| │ r---ヽ:;/ | |ヽ
/ / ,イ ,'  | ハ:::::| /     ;|/ | |\
  /  / / ! \| |      ./!  ! |
 , /  / / |┐ \ `─彡' |   !ヾー-、
 / /イ | ハ! |==、  ̄乙/{,川ハ!     `ヽ、
 , ' / イ 川ハ、o | `='"oネ、リヾ、      ヽ
  / 人 リヾ `ー、_,彡'"|,リ'   ヽ   _,. ' 〉

150 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67)[saga] 投稿日:2014/05/18(日) 21:19:32 ID:tCNiM3uc0

 余談であるが、この東海寺内の池には島があり、
そこになんとも言えぬ形状の幽石があったという。

                     ィ―;―、
               //――:ヘ
                ,イ. / ニニニニ :ヘ
               / / ――――:.ヘ
,-、           / /___. .___:ヘ               , ‐、
l  \        / /, ―、/ ヘ, ―、\ヘ         /  l
゙l "   `, ー, -,- ' ; ;ヽ― "   ヘ ― '; ; ゙ -、- 、‐ 、´    l
 l 、, ゙  /   /   : : `i´ /´゙ヽ `i´ : :   ヽ ヽ ヽ.   l
  ヽヽ /   /    ,: :   l ィ――、 l : :    ヽ ヽ ヽ /
   ヽ ヽ ,  , ,;  :   l\二二/l : :  :   ヽ/ /
     ヽ /  ; ,;    :.  : ___._ / /  ヽ    ハ /
      /  ,; ,'  :  :. ヽ三三 イ / :  :. :. ハ
     /   ,; ,'   ::  ::.. ヽ‐‐ '  /  :  :: ::  ハ
      /  :'  ::   ::.  ,:.____./  :  :: ::    ハ
    /  ,:'  ,::   ::   :. :::::::::::::::: ::  ::  :: ::    ハ
               謎の幽石


    (; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ノ            |; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ;
   、_); ; |`ー-´  || !、``´             |; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ;
    ``´ |     ||、 `                |; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ;
        .|      |、ヽ-               \; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ;
       .|      \       , , , , ////////  \; ; ; ; ; ; ;/ \; ; ; ;
        |          ////////////´´´      ヾ; ; ; ; / _ ヾ; ; ;
       |////////         / ̄ ̄illllliヽ     |; ; ; ;/ /  i  |; ;
       !、 ,-──、            lli,,il!      |; ; ;/ 人_   |; ;
       \   lli,,il |        _二二二      |; ; |  | _ `   |; ;      なかなか面白い形をした石じゃないの。
         `、 ー-.|        ´            |; ;/  ヽ i   /; ;     どうだ、お前達。
          !   ̄|                     `   / |  /; ; ;      この石の名前がわかるか?
             !   |                           /; ; ; ;
  |           !  /                        /  /; ; ; ; ; ;      思うように言って構わんぞ。
  |        ! 、   __ /                 |__/ |; ; ; ; ; ; ;
.   |           ! ヽ_/                        |    ヾ ヾ; ;
   |         !                           |
   |、       ヽ    _____,-          /                            エヘン、エヘン >
    |i、       `、   ヽー-‐-‐´           /
    !i、        ヽ     ____,         /
     !ヽ、       `、     ̄ ̄ ̄         /    /
      \\      \              /    /

 この年の三月十四日、これを見つけた家光は、この石をなんと呼ぶのか、思うように答えてみよ、と、
侍していた近臣たちに命じたところ…

151 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67)[saga] 投稿日:2014/05/18(日) 21:20:51 ID:tCNiM3uc0

          ∨
     / ̄ ̄丶 ̄ ̄ヽ
     (/ヽノヽ丿\ノヽ/
     !^  ⌒  |∴: |      「万・年・石ーーーーーーっ!!」 ×3
     と・ ・   |∴: |
     (_,へ_  9∴ノ
       ゝ、_   __ソ
        ,⊂○⊃_
      / /'/ヽ`ヽ \
    /   ∨  ∨   \
    |   ∧        |
    |   ( |     >  /
    ヽ__| |____/__/|
    d__//_|_|_||_b ヽ
     //__|_|_|_ヽ  |
     / |___|__人__|___|  ヽ
    / |  | |  |   ヽ
    <  |  | |  |    \
      小堀遠江守政一
(こぼり とおとうみのかみ まさかず)

 その場にいた小堀遠州こと小堀政一が、「万年石」と三度石に向かって呼びかけた。

152 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67)[saga] 投稿日:2014/05/18(日) 21:21:29 ID:tCNiM3uc0

すると…。

                     ィ―;―、
               //―|―:ヘ   ズッ…!
                ,イ. / ニニ|ニニ :ヘ
               / / ――|――:.ヘ
,-、           / /___. | .___:ヘ               , ‐、
l  \        / /, ―、/. | ヘ, ―、\ヘ         /  l
゙l "   `, ー, -,- ' ; ;ヽ― "  | ヘ ― '; ; ゙ -、- 、‐ 、´    l
 l 、, ゙  /   /   : : `i´ /´|゙ヽ `i´ : :   ヽ ヽ ヽ.   l
  ヽヽ /   /    ,: :   l ィ―|―、 l : :    ヽ ヽ ヽ /
   ヽ ヽ ,  , ,;  :   l\二|二/l : :  :   ヽ/ /
     ヽ /  ; ,;    :.  : _ | _ / /  ヽ    ハ /
      /  ,; ,'  :  :. ヽ三|三 イ / :  :. :. ハ
     /   ,; ,'   ::  ::.. ヽ‐|‐ '  /  :  :: ::  ハ
      /  :'  ::   ::.  ,:.__|__./  :  :: ::    ハ
    /  ,:'  ,::   ::   :. ::::::: | :::::: ::  ::  :: ::    ハ

153 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67)[saga] 投稿日:2014/05/18(日) 21:21:58 ID:tCNiM3uc0

                     ィ―;  ;―、
               //―|  |―:ヘ    スゴゴゴゴゴ…!
                ,イ. / ニニ|  |ニニ :ヘ
               / / ――|  |――:.ヘ
,-、           / /___. |  | .___:ヘ               , ‐、
l  \        / /, ―、/. |  | ヘ, ―、\ヘ         /  l
゙l "   `, ー, -,- ' ; ;ヽ― "  |  | ヘ ― '; ; ゙ -、- 、‐ 、´    l
 l 、, ゙  /   /   : : `i´ /´|  |゙ヽ `i´ : :   ヽ ヽ ヽ.   l
  ヽヽ /   /    ,: :   l ィ―|  |―、 l : :    ヽ ヽ ヽ /
   ヽ ヽ ,  , ,;  :   l\二|  |二/l : :  :   ヽ/ /
     ヽ /  ; ,;    :.  : _ |  | _ / /  ヽ    ハ /
      /  ,; ,'  :  :. ヽ三|  |三 イ / :  :. :. ハ
     /   ,; ,'   ::  ::.. ヽ‐|  |‐ '  /  :  :: ::  ハ
      /  :'  ::   ::.  ,:.__|  |__./  :  :: ::    ハ
    /  ,:'  ,::   ::   :. ::::::: |  | :::::: ::  ::  :: ::    ハ

154 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67)[saga] 投稿日:2014/05/18(日) 21:22:41 ID:tCNiM3uc0

                                 /   !   . /
                       ぃ、            /    l  /   ..
                       l, `'、         /-、     l-"    /
                     l .\    / ゛  ヽ     !    / /
                        ヽ  ゙' 、./ ,,,.   ,ヽ  _..-'" `''ヽ″
                      ヽ  ./ / .!゙r‐ー" /        \
                         ,,ヽ / ./  │ !ー--.|          `
                        / .`/ /   ._,!彡―ー,i'′              ジャキーン!
                     /   .|.;―/゙/ /ニ¬''゙.|
                    /    .|、-'ヽヽ/   `! l             ,/
                      /     |.! ! ,二....、  | .!        . /
                  /     .! l ! .l' ̄ミ''゙l  ! |       /  /
                    /      .| .!| l―ー'″|│     ./ /
                 /      .l゙  l.l ./ ゙゙゙l-. .|._ !     / '゛
                /      │  .|./ ''''/ ./  .|    │
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              ,,/´   l、    .i/  |   /    .!       .l
        ,..-'"      . l,    .八__.l./ ._,,.. -''' l        l
 ___,,,,.... -ー'"         _,,,,.. -ト   ./ .../'' ゙ /     l            l
.- ....,,,,,、 .,,,.... -ー'''''"゙´   /   ./,/   /     l             l
 .、                /    /     ./      !          /
  `''-、_             /    /     /   _,,, ー'T             /
      . ゙二 、     /    ./ー― ナ""´     /          /
.... -‐'"゙´    \   ./    ./   ./       ./          /
   .\,      .l. /    /    ./       ./         /

 万年石も、これに答えて、三度点頭した(うなづいた)という。

155 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67)[saga] 投稿日:2014/05/18(日) 21:23:20 ID:tCNiM3uc0

       υ
   /⌒丶 ⌒` ヽ
  (_/(_/し\ノヽゝノ
   |^  ⌒  |∴∵:|       ホラ、石も答えました。
   |. .   |∵∴:|      やっぱり万年石ですよ。
    c     ∂∵:|
    (_     ヽ∵/
     ヽ__  /
        ||


        _,,.、、、、、.,,_
      /.:::::::::::::::::::..`ヽ、
     / .:::::::::::::::::::::::::::::::. '、
     | :::::::::::::::::::::::::::::::::,ヘ{ツ
      | ::::::::::::::::::::::::,ィゥ ノ j       ( )
     |::::::::::::::::::::::( |.!  ;{
     .|::::::::::::::::::rリ`l,〉   j}゙
      }:::::::::::::::ノ゙  l  /.
     ,xァ''ー'゙'`    '、 /
    / ー`¨`''''ー-- 、」゙'′_
   ''^ーァ 、_____  ̄ /
    `>'、,     '''"´ ̄ ̄_二ヽ、
    /           /    ヽ
   ,'        ,   /      ゙、
            l /  __      !
            l, l  く,_  、   |

156 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67)[saga] 投稿日:2014/05/18(日) 21:24:31 ID:tCNiM3uc0

      ..¬-│
      i゙ ミ ゙ヽ
     .{ ‐  イ、
      .\.'′ /:ヽ     、   〟  ,
      l `'<´::::::::ヽ'"''、  \ ./ .! /
      .ヽ―- 、 ::::: !".| ._./゙l゙,,,,.i..l      ラァァァイッ!
              `'ヽ .` |-,./ !._、,! ゙l__
              `'、- l:'i,  |.ゝ.! ヽ/_
                  ,!:::::::.\| ` !., .l..' , ' フ
                  l.:_::::::::_..-、::::::! |`''"
               ヾ`゙/"  | .`/ /ヽ-、
                  / !ニ!.__´/ ''i/´ ゙i ::::,!
                 /::::i'::::,,:::::::::`'.ヽ-゙--"
             /:::::/:::::,!:::::::::::!::.!`'''"
             ノ:‐'/ ″::--:::: :″
            l ̄ /.//.----" ヽヽ
              l ̄ ././/   \、  .ヾ、
             l ̄ //./      ゙ 、  .゙ ゙、
         _.ィ......//./       ヽ ,, ‐゙ヽ
        / ::::::// ;l″        〔::::::::、ヽ
      ,/::::::::.//": !             !::::::::::::、ヽ
     / :::::::::/./ :./           l.:::::::::::::、ヽ
    / ::::::::::/./ :::/               l:::::::::::::ヽ`、
   / :::::::::::/./ :::/             l:::::::::::::::ヽ.ヽ
  / ::::::::::::/./ :::./               l::::::::::::::::ヽ ヽ
 .i"::::::::::::/ /:::::./                  l:::::::::::::::ヽ ヽ
. /::::::::::::/ /::::::./                 ゝ::::::::::::: ヽ ヽ
             【命名:万年石】

            ___ _
         -‐''"´ ̄ `  `''ヽ=、
     ,.‐''"´::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
   r(:::::::::::::::::,、_ィ::::::::::::::::::::::::::::::::::
   ゞ, rr~ヅ   ミ:::::::::::::::::::::::::::::::::
    フハ       ミ::::::::::::::::::::::::::::::
.    l __,,. -─¬,〈::::::::::::::::::::::::::::::     ………じゃあ、万年石で。
     〉゙゙`'''ニ二 ̄  ヽ::::::,ィ ,、ヽ:::::::   
.    /    ""   U  }:::/ /ヽ ハ:::::::    (なんか動いたり叫んだりしてる気もするけど、
    /..             "´ 2ノ/ l:::::     気のせいだ。うん、そうだ)
.   ヽ.ニ,`           __/ :l::::
.     'ーr‐-        .ィ    l:::
      〈..        /:{      ヽ
        `}     /:: ! i
        丶、,、. イ::::::    !

 これを以って、家光はこの石を「万年石」と呼ぶように決め、
和尚にも「万年石の記」を書くように頼んだという。

157 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67)[saga] 投稿日:2014/05/18(日) 21:25:15 ID:tCNiM3uc0

       _,.-'"´ 三ミ、ー-、
      / / ィ /⌒`⌒ヽ\
    / / / /    夢  | ヽ
   /    / イ´^ー、   ,.. 、)、 ',
 , '   / / //ヽ、 ゚ゝ  イ ゚ノ| |        ああ、そういえば万年石の記でしたな。
//イ    / /::::、  '´  ` ̄'|| |       これで。
/ /イ   /  |::::::| / _┗'  ,イ 、| 
 /   /  |::::::| ┃r=━┫;:/ | |ヽ       つ ttp://www.youtube.com/watch?v=kYYOaHd5Rxs
/ / ,イ ,'  | ハ:::::| /!ー-、K ;:/ | |\
  /  / / ! \| | |::::::::::|! /!  ! |
 , /  / / |┐ \ `━彡' |   !ヾー-、
 / /イ | ハ! |==、  ̄乙/{,川ハ!     `ヽ、  (※ 実際にはちゃんと和尚が書いたものあり)
 , ' / イ 川ハ、o | `='"oネ、リヾ、      ヽ
  / 人 リヾ `ー、_,彡'"|,リ'   ヽ   _,. ' 〉


             __
          ,.-''";;;;;;;;;;``'ヽ、
       /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ、
      /;;;;、;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;、
      ,!;;;! '~  "~ `i||i"  '' `ヘ;;;!
      |;;;|     ヽ`   u ミ;;;|      いや和尚、その子門真人とコロムビアゆりかご会が歌いそうな
     _ゞ;!,-;;;;;;;"フノ  ヾ`;;;ヽ 、ミ;リ     記はどうかと思うのだが。
      !ヘl;|.,,_==-、く` ,>゙-== 、「ヽ 
     !(,ヘ!   ̄'"  |ミ.' ̄" , ドリ      「では、超者の方がお好みで?」
     ヾ、!      !ミ    ,レソ
       `|      ^'='^     ム'′      違う、そうじゃない。
.       ト、   、,.-‐ 、,,  /| 
        i| \  ' ニ   イ.:| 
        ,イi| ゙、\  (   /リ.:;ト、
      ノ :.:i|  ゙、 `ー─''゙:::;:'::::::!:::\

158 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67)[saga] 投稿日:2014/05/18(日) 21:26:37 ID:tCNiM3uc0

            /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\
              /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\
          r(::::::i゙`''~^~ァrr-'゙`~'´''ラ'ヘ::::::::::::::ヘ
          ゞ!::/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ノリ       ミ:::::::::::::ヘ
           iリ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!  ,ィf三三三 }::::::::::::::i        そもそも、俺が今日来たのは、
              |;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/ ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,,,  .l::::::::::::::l      その件ではなくてだな…
             |;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;'''   |::::::__::::|
            |;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;              !:/ ハ::!       「ではこちらで?」 つ ttp://www.youtube.com/watch?v=jJFbwAMK_rg
               };;;;;;;;;;;;;;;'ミー'~'             〈  }'
             l;;;;;;;;;;;;;;;;;;r__       U /´-/        そろそろそこから 離 れ な い か。
             |;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;>`ヽ        人ノ
            \;;;;;;;;;;;;;;;;{ 、      /|:/
             \;;;;;;;;;;{      /  .|′
                   \;;;;;`ヽ  .;<;'    |
                    |;;;l¨¨¨¨¨´      .|ヽ、
                _/|;;;ヽ         .l: :∧ー..,,_
          _,,.-''"/: /;;;;;;;|     /     /: : :∧: : : :"''-..,,_
    _,,..-''"´: : :/: :/;;;;;;;;;;/     /    / : : : :∧: : : : : : : : \

159 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67)[saga] 投稿日:2014/05/18(日) 21:27:22 ID:tCNiM3uc0
                 /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
                 {::::::::::::__, ィ_,-ァ  __ ,,,,、、,, __ -ァ-=彡ヘ:::::::::::::::::::::::::',
                 `ヽ::::/    リijk|           lミ::::::::::::::::::::::::::',
                   .レ′   ,!トゝ、           !ミ:::::::::::::::::::::::::::|
                   |                  !ミ::::::::::::::::::::::::::::|
                   |                  くミ::::::::::::::::::::::::::::|      和尚。
                   |二二二l     ゞニ二二二二ゝ ヽ::::::::::::::::::::::::::::|    俺が何を言わんとしているか
                   ヽ. '´ |.U.l      '´ |.U.j`丶   |:::::::/`ヽ:::::::::::|    わかっているから、韜晦しているのか?
                    | ー`‐ |      ー---‐    .|::::::| /、 |:::::::::|
                         |    ,'              .|:::::|l 、 ./:::::::::|     …和尚らしくもない。
                        |   ,'               .{:::::|.| ノ/:::::::::::|
                       |  ./   、            从|. /:::::::::::::|   
                     |  ゝ、r‐                |:::::::::::::::|
                          ',    '                 .|::::::::::::::|
                     ',    =ニニニニ=-‐          从:::::::::::::|
                     .ヽ     _         ./ .    从::::::|
                       \           /       _从|____,
                        \         /    _,,-ー'''´       |
                             \ l   ./   .,,- ´             .|
                             ー┬ '´ _,,-'''´              .|
                   .           |_,,-'''   . .__,,,,, -‐‐‐ ''""~ ̄ ̄ ̄ `゙'‐ 、
                             /   _,,-'ー'''ー--.,,,,_             `
                             ./ ,,-ー'''´          `゙'‐ 、
                          ./, '´                 `ヽ
                     _,,-ー'''´                      `ヽ


            .rニYニヽ
              /    j | 
          イ     } |    (ピクリ)
         /j      j 
      ,r'´ ̄`゙}     j l|rニ二ト、
      〉─7-'´l|jト、 -イl;|`--l一〈
       |   |  ルリ-ト、|州リ  |  .|

160 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67)[saga] 投稿日:2014/05/18(日) 21:28:08 ID:tCNiM3uc0
             __
          ,.-''";;;;;;;;;;``'ヽ、
       /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ、
      /;;;;、;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;、
      ,!;;;!゙`''~^~ァrr-'゙`'´''ラヘ;;;!
      |;;;|      ノリ     ミ;;;|
     _ゞ;! r─-- 、  ,rェ--- 、ミ;リ      和尚、そなたの察している通りだ。
      !ヘl;|. ぐ世!゙`` ,ィ '"世ン 「ヽ
     !(,ヘ!   ̄'"  |:::.`  ̄  ,ドリ      俺が今日、ここに来たのはな、
     ヾ、!      !;     ,レソ     和尚の嗣法について、話をするためなんだよ。
       `|      ^'='^     ム'′
       ,rト、  ー- ─-:  /|
    _../ i| \   ===   ,イ.:ト、
    /  i| ゙、\  ;   /リ.:;!:::\、_
       ゙!  ゙、 `ー─''゙:::;:'::::|::::::::::\
        ゙、      :::/::::::|::::::
    `ヽ、  ゙、     ./  .|  ,-、、


       _,.-'"´ 三ミ、ー-、
      / / ィ /⌒`⌒ヽ\
    / / / /    夢  | ヽ
   /    / イ´^ー、   ,.. 、)、 ',
 , '   / / //ヽ、 ゚ゝ  イ ゚ノ| |
//イ    / /::::、  '´  ` ̄'|| |     …やはりそうでしたか。
/ /イ   /  |::::::| / _┗'   イ 、|
 /   /  |::::::| │ r---ヽ:;/ | |ヽ
/ / ,イ ,'  | ハ:::::| /     ;|/ | |\
  /  / / ! \| |      ./!  ! |
 , /  / / |┐ \ `─彡' |   !ヾー-、
 / /イ | ハ! |==、  ̄乙/{,川ハ!     `ヽ、
 , ' / イ 川ハ、o | `='"oネ、リヾ、      ヽ
  / 人 リヾ `ー、_,彡'"|,リ'   ヽ   _,. ' 〉

161 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67)[saga] 投稿日:2014/05/18(日) 21:30:23 ID:tCNiM3uc0
            ___ _
         -‐''"´ ̄ `  `''ヽ=、
     ,.‐''"´::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
   r(:::::::::::::::::,、_ィ::::::::::::::::::::::::::::::::::
   ゞ, rr~ヅ   ミ:::::::::::::::::::::::::::::::::
    フハ       ミ::::::::::::::::::::::::::::::      和尚も今年で七十一歳だ。
.    l __,,. -─¬,〈::::::::::::::::::::::::::::::     そして、大徳寺の長老というだけに留まらず、
     〉゙゙`'''Tjフ ̄   ヽ::::::,ィ ,、ヽ:::::::     当代随一の禅僧だと俺は思っている。
.    /   ,.‐'"      }:::/ /ヽ ハ:::::::     他の連中も同じ想いだろう。
    /..             "´ 2ノ/ l:::::
.   ヽ.ニ,`           __/ :l::::       その和尚が、何故未だに
.     'ーr_‐;        .ィ    l:::      法統を継ぐ弟子を決めていないのだ?
      〈..        /:{      ヽ
        `}     /:: ! i
        丶、,、. イ::::::    !


       _,.-'"´ 三ミ、ー-、
      / / ィ /⌒`⌒ヽ\
    / / / /    夢  | ヽ
   /    / イ´^ー、   ,.. 、)、 ',
 , '   / / //ヽ、 ゚ゝ  イ ゚ノ| |
//イ    / /::::、  '´  ` ̄'|| |     …………。
/ /イ   /  |::::::| / _┗'   イ 、|
 /   /  |::::::| │ r---ヽ:;/ | |ヽ
/ / ,イ ,'  | ハ:::::| /     ;|/ | |\
  /  / / ! \| |      ./!  ! |
 , /  / / |┐ \ `─彡' |   !ヾー-、
 / /イ | ハ! |==、  ̄乙/{,川ハ!     `ヽ、
 , ' / イ 川ハ、o | `='"oネ、リヾ、      ヽ
  / 人 リヾ `ー、_,彡'"|,リ'   ヽ   _,. ' 〉

162 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67)[saga] 投稿日:2014/05/18(日) 21:31:22 ID:tCNiM3uc0

                      _______
               . .::´:::::::::::::::::::::::::::::`:. .
             /.:.::;v‐-=,;::::::::::::::::::::::::::::`:..、
                {イ::{/    } `ト、:::::::::::::::::::::::::::\
                  Xゝ       /.::::::::::::::::::::::::::::::::i
             ノ 仁ニニ=、 /.:::::::::::::::::::::::::::::::::::l
            /  ーfュ_,   `ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::l      和尚からすれば、
           /          ノ.::; - 、::::::::::::::::::::;     修行の足りぬ弟子だったとしても、
          ヽ、            |:::;/ /^ 〉::::::::::::::::,′    僅かでも悟りを得た者がいるなら、
      ___j'_         N{  ノ/::::::::::::::::/      .その者に和尚の法を継がせてやってはどうだ。
    ノi ''―――r=、        、__ ..イ::::::::::::::::/
   ( .::i      〉           ノ´  ヽ:::::::::::/        ..現に、十兵衛の奴が、但馬に印可を得るための伝書を出して、
   ) .:::.       /         /     }ヘル{         こっぴどく叱られた時、和尚は助けてやったのだろう?
   ( .:.::j(O)   、____ . . :  /         .ィ二}        同じ事を、自分の弟子にもしてはやれないのか?
  \∠二二{          {    /       /   人
  /|    |       / ヽ       .  ´     \
  ̄ ̄`ヽ   |      く    >  ´       -‐=二三\
   ̄`ヽ { ├-,     > /       /   `ヽ     ∧
   ̄`ヽ }'― ' /    {/      /     -┼…=ミ ハ


       _,.-'"´ 三ミ、ー-、
      / / ィ /⌒`⌒ヽ\
    / / / /    夢  | ヽ
   /    / イ´^ー、   ,.. 、)、 ',
 , '   / / //ヽ、 ゚ゝ  イ ゚ノ| |
//イ    / /::::、  '´  ` ̄'|| |     …………。
/ /イ   /  |::::::| / _┗'   イ 、|
 /   /  |::::::| │ r---ヽ:;/ | |ヽ
/ / ,イ ,'  | ハ:::::| /     ;|/ | |\
  /  / / ! \| |      ./!  ! |
 , /  / / |┐ \ `─彡' |   !ヾー-、
 / /イ | ハ! |==、  ̄乙/{,川ハ!     `ヽ、
 , ' / イ 川ハ、o | `='"oネ、リヾ、      ヽ
  / 人 リヾ `ー、_,彡'"|,リ'   ヽ   _,. ' 〉

163 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67)[saga] 投稿日:2014/05/18(日) 21:34:20 ID:tCNiM3uc0

              ,.‐''"´::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`ヽ
              r(::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
ヾ: :            ゞ, rr~~~ィ、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',
 } .:.           フハ       ミ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l
ノ  .:;             l∠ニニニゝ ミ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|      .例えば、仏陀からすれば、(その跡を継いだ)迦葉ですら、
{.  .:.              } Tj ̄    ヽ::::::::::,.--.、::::::::::::::::::l     名馬の尾に付いた蠅のようなものかもしれん。
.ヾ. ..;          /    ̄     |::::::://⌒l.l::::::::::::::::::,'
  、:...:.:......      (          |::::::| ) .//::::::::::::::::/      しかし、それでも仏法は綿々と受け継がれ、
  .`" ̄`ヾ:.     ー          },,,/. し' /::::::::::::::::/      .海を渡り、この日本まで伝わってきた。
            ヾ==〉-.、       /ヽ-'l::::::::::::::::::l       そして、多くの民を救ってきたのだ…。
              )        /   ヽ、::::::::::|
              丶   _,,..-''" /     ヾヾヾヾ
               ` ̄l   /_,,.-''"´ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
                 >‐''"´  ____    |
                  __∠_,,..-''"´        ̄''―-ヽ
              _,,-''"   ヽ               ――‐-⊥、
         /       '.,                    ヽ \
           /            ',                    |  ヽ


       _,.-'"´ 三ミ、ー-、
      / / ィ /⌒`⌒ヽ\
    / / / /    夢  | ヽ
   /    / イ´^ー、   ,.. 、)、 ',
 , '   / / //ヽ、 ゚ゝ  イ ゚ノ| |
//イ    / /::::、  '´  ` ̄'|| |     …………。
/ /イ   /  |::::::| / _┗'   イ 、|
 /   /  |::::::| │ r---ヽ:;/ | |ヽ
/ / ,イ ,'  | ハ:::::| /     ;|/ | |\
  /  / / ! \| |      ./!  ! |
 , /  / / |┐ \ `─彡' |   !ヾー-、
 / /イ | ハ! |==、  ̄乙/{,川ハ!     `ヽ、
 , ' / イ 川ハ、o | `='"oネ、リヾ、      ヽ
  / 人 リヾ `ー、_,彡'"|,リ'   ヽ   _,. ' 〉

164 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67)[saga] 投稿日:2014/05/18(日) 21:36:32 ID:tCNiM3uc0

                ,イ;:;:;' ノ'  ヾ        ゞ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
                  {;:;:;!             '::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
.        '      乂.!             ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
.       :        ヾト、   ___         \:::::::::::::::::::::::::::::::::::
.       ,:         ,ィf伝三ニニ==、      ヽ:::::::::::::::::::' ⌒ヽ
                   ヽ`""´___  ,.        '::::::::::::::::'( ' ヽ       なあ、和尚…。
.         :.           '   ーt テ'"          ':::::::::::' 〉 ヽ      俺は、和尚の法が受け継がれずに、
        ,:'        /   \               '::::::'  ノ !.;'     .失われてしまうのが惜しいんだ。
       ,:         ./      `                '::::   ' ./::
        :         /                     ヾ! 、 イ:::::       どうかわかってくれないか。
        :.       (       ;                   {   ;:::::
      :        ,.ー-  ._                 '   彡:
      .       {      .f  ヽ               /    ;:;
       ::.        乂.._..、 - '                   イ   :.
      .:  _  -‐  ´_,. -―'--- 、             ,..::::::::     :.
.      f"_  -‐ ´ l     {   )         ,..:::::::::::::::     ヽ
               ー-   -‐  ̄ ヽ     ,...:::::::::::::::::::::
                乂    _ ノ   / ヽ    /
                 ヽ ̄  {   )       、  /'


       _,.-'"´ 三ミ、ー-、
      / / ィ /⌒`⌒ヽ\
    / / / /    夢  | ヽ
   /    / イ´^ー、   ,.. 、)、 ',
 , '   / / //ヽ、_ゝ  イ_ノ| |    …このような一介の僧に過分の御言葉、
//イ    / /::::、  '´  `  '|| |   勿体無く思います。
/ /イ   /  |::::::| / _┗'   イ 、|
 /   /  |::::::| │ r---ヽ:;/ | |ヽ   上様の御言葉、有難く…。
/ / ,イ ,'  | ハ:::::| /     ;|/ | |\
  /  / / ! \| |      ./!  ! |
 , /  / / |┐ \ `─彡' |   !ヾー-、
 / /イ | ハ! |==、  ̄乙/{,川ハ!     `ヽ、
 , ' / イ 川ハ、o | `='"oネ、リヾ、      ヽ
  / 人 リヾ `ー、_,彡'"|,リ'   ヽ   _,. ' 〉

 家光からの「法嗣の弟子を決めて、和尚の法を継がせて欲しい」という願いに対し、
和尚は、家光の思いやりに感謝の言葉のみを返したという。

【『東海和尚紀年録』(または『沢庵大和尚行状』)】
 『時に大樹(家光)、師に謂って云く。和尚法齢既に老いたり。然るに未だ嗣法の弟子あるを聞かず。
  疑うらくはこれ会裡機に契う者なきか。
  我意(おも)えらく、大亀の世尊(迦葉)に於けるは又猶蠅の驥尾に附すが如し。
  然り而して其の法的相承今日に至り、群生利海を蒙る。是れ豈に霊山密付の謂いに非ずや。
  今疇室の徒、纔に悟徹底者を見れば、須らく許可し以って後世に伝うべし。
  今夕禅扉を叩くは只此の一事を諭さんが為なり。師、謹んで台命の切なるところを謝す』

165 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67)[saga] 投稿日:2014/05/18(日) 21:37:41 ID:tCNiM3uc0

         |     i!  i|      }      __ノ        |
        !    |   !     ./       /⌒ヽ       |
        ヽ.   |   !      ’     /___}      i   ギュッ
           \__j   |    ./     /.: : : : :.:|       {__
            ヽ_|   /     /: : : : : : ノ      /: : : > 、              …そうか。
                <\、__i      /: : : : : :.:/      /: : : : : : : : \           では、和尚、今日はここまでだ。
           /: : : : : : `¨|       }⌒ト: : :./     ./: _: : : : : : : : : .:\
           //.:.: : : : : :.:<|      メ:.ノ ∧/   ___/: : : : : ヽ: : : : : : : : : :\
          . : :/: : : : : /: : : :!     ’    {  / /_: : : : : : : : :\: : : : : : : : :、\       「…ははっ」
         ./: :/: : : : :./ : : : : : 、    ヽ   八 / /.:.: : : :: : : : : : : :.\: : : : : : : ∨:,
         ′,: : : : : : : : : : : :.ハ.     ∨=彡}ゝ=彡: : : : : : : : \: : : : :∨: : : : : : }: :}
       : : : : : : : : :{ : :r===、: :.∨`ヽ. }   {: : : : : : : : : : : : : : : \: : : }: : : : : : :i: :.|
       i: :|: : : : : : i: : {、___乂.:.:.:∨__j /  乂: : : : : : : : : : : : : : : : :∨: i : : : : : : |: :.|
       |: :|: : : : : :∧: ∨  ∧ :ヾゞ=彡""__ノ: : : : ;;:;:;:;:;:;::;:;:: : : : : : :.∨: : : : : : : |: :.i
        : :、: : : : : :.∧: ∨  ∧ : ゞ=彡´ : : : : : : : : ;:;:;:;:;:;:;:;:;: : : : : : : }: : : : : : : /: /
        ∨:}: : : : : : : \∨___∧.:. : : : : : : : : : : :.: :./`ヽ ̄ ̄ ̄ ̄∨:.: : : :.::.:/: /
          .}: :、.: : : : : : : :.:\     ̄}}} ̄}}〉;:;:;:;:;:;/    }____/.:.: : : : :.:/: /
          \:\: : : : : : : : :.\=-____/ ;:;:;:/   /: : : : :_: -‐.:.: : : : : :./: /
           ヽ: \: : : : : : : : : >: : . . _≦二__/{_: : <.:.: : : : : : : : :./: /
              \: : 、: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : /: :/
              ヽ: :.、: : <: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : >: : : : //
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166 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67)[saga] 投稿日:2014/05/18(日) 21:38:41 ID:tCNiM3uc0

 そして、家光が寺を出た後、
集まった弟子達に向かい、和尚はこう言った。

                _.. -―'''''''―-- ..,,_
              ,/           `゙''-、
               ,/     _..-'''''―- ..、    \
             /     .,/          \    .ヽ 
         . /      /              ヽ    .   ト、._人,.ヘ.__人_,.イ_,.ィ
        /      ./      夢       ヽ   、j`‐'             ‘ーィ
       /      ./               , .l,  - '              L_ 
      ./     ,i!゙',、            _ノ.l/j  )    いいか!!      (
      !     .,'―‐`-lii、       . ,,rl┴''''ー l!  ´)  貴様らにはっきり  (
     ./     i!'-、 .!ゝ . '.l、       /   .!′ ,..''7  )   言ってやる!!   .(_
     ./     ./ 'イ''ニ=rirr,'|./     .ヽ`-`-`-''',/゙l  )               ( 
    /      .l゙         "       ゙′     l ⌒)-、 ,. 、         〈  
   . /       !                       ,.|     ′ ヽ/⌒'^´ヽ'⌒ヽ「  
  .'"       !ヽ   y     i;;;;;;、    'i,  ../ ;:;l     ..l゙‐'′
         |;:.!  ,/,' .,,r;;ニッiiiiiiiiiiiiii;;;;r、 .l',  .!;:;:;:.!      .ヽ
          |;:;:;:! .// i',{ .iー'''''''''''''ー'i i!|i ,!} l;:;:;:;l          l
          |;:;:;:| .{ ! ./ ゙"      !" l',./;,! l;:;:;:.!          /\     /|  /゙i         !
          !;:;:;:.! ヾイ.,..-ー'''''''''''―- ..,..!!./  |;:;:;:|  \ \、_ハノ  ヽ、|/ |ノ   (,ハ_、//  
            !;:;:;:;.! /,ii/            l;,ii;| .l;:;:;/    \)'                    '(
         l;:;:;:;:;| .l;| }            !,!:l" /;:;:/     /                      \
         l゙'-,;:;| !| .l         :l".! │;,イ   ヽ,)                        (,,r'
            !、 `'',  │           !  l,i,'-/   /   俺は、俺の法を           \
            i,',',iiiii、\ .!        . ! .r',゙.l'''7   ヽ                          ,r'
        ., .l',  .リ、\.l        レ'.l- l!.│   _)  誰かに継がせる気などねえっ!! (_
        . l, .!l 、  l`-',/、      ,i;;;;,','" l_./、   ,)                          (,
            l、',l \ l  ',`'リー .... イ゛   !., '"/.i',  、 /-、                      、-\
     l l,  .,!`′ .`-,!  ! .!    !  ,ノ゛ // .l .|,    /ヘ '"                   ヘ.|,
      ! ,'i  l      ゙゙''ヘ..,|_   ._l..-'"   .′ ', .l ! . /  //7/ヘ /l ト、 |\、 /\ /\゙il ゙',
      .l ! l./           ̄゛            l" !/      /   V | ,l ヽ|   V   ゙i゛ ',
      ´                               ′

【『東海和尚紀年録』(または『沢庵大和尚行状』)】
  『師退きて門人に語りて云く。
  台命、太だ重しと雖(いえど)も、老僧更に児孫相続の心なし』

167 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67)[saga] 投稿日:2014/05/18(日) 21:39:45 ID:tCNiM3uc0

          トv'Z -‐z__ノ!_
        . ,.'ニ.V _,-─ ,==、、く`
      ,. /ァ'┴' ゞ !,.-`ニヽ、トl、:. ,
    rュ. .:{_ '' ヾ 、_カ-‐'¨ ̄フヽ`'|:::  ,.、 ←ショックを受けて動かなくなった弟子
    、  ,ェr<`iァ'^´ 〃 lヽ   ミ ∧!::: .´
      ゞ'-''ス. ゛=、、、、 " _/ノf::::  ~
    r_;.   ::Y ''/_, ゝァナ=ニ、 メノ::: ` ;.
       _  ::\,!ィ'TV =ー-、_メ::::  r、
       ゙ ::,ィl l. レト,ミ _/L `ヽ:::  ._´
       ;.   :ゞLレ':: \ `ー’,ィァト.::  ,.
       ~ ,.  ,:ュ. `ヽニj/l |/::
          _  .. ,、 :l !レ'::: ,. "
              `’ `´   ~


       _ r '"_ ̄_、,~-=、,
     / _ -:": : :\: : : :\  て
    /  /: : : : _,,ll}lll,,,,,__: : :|  そ
   /   |l,_:  _,,,lllllll'''~ ~''''llllllllllll|
  /  /::::lli,,illllllll'_'-─'リ ̄レ`ェ-._ヽ_`      うわっ、和尚様。
 /  /:::::/''''_-"レィ辷ェヽ`'''ヽリ_ミ:`ェ、     なんですかこれ!?
 | ./::::/  //-‐-リ `   '  ̄ヽリレリ_     弟子の方々が死屍累々ですよ!
  ヽi:::/o/[レ r ‐ 、    r'''ヽ /レリ
  \/! !リリ !. (::)    、 (:) ! .i、       「知らん。
   ノi  !!  ,,, ~    `  ,, i        .お前、適当に片付けておけ」
  /;;;;!ヽ ヽ  u.          i 
 /;;;;;;;;;;`‐-‐\    z==   /         えー!?
 |;;;;;;;;;;;;;;;;;_;;;::\     _/,  
   ̄ ̄   r┤!_r-`==- ̄ ' ─---、 
      人トイ` _,,            ヽ
         寺の小僧

168 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67)[saga] 投稿日:2014/05/18(日) 21:40:49 ID:tCNiM3uc0

                 .rニYニヽ 
   |レ               /    j | 
   !!_           イ     } |    …俺の法は、俺が始末を着ける。
   ゙- '´ ,、       /j      j 
      -''´   ,r'´ ̄`゙}     j l|rニ二ト、 
           〉─7-'´l|jト、 -イl;|`--l一〈 
     __ii__    |   |  ルリ-ト、|州リ  |  .| 
     イi    j  |           |  |,
      `  , イ  |     |      |  |
        ノ  }        |         |
      /           |          |
    //  /                  |
.  //  /                   ',|
/ /    l                     |  
 / i   /                     ヽ
ん-ト、               |          |'
   ヽ/    /    |    |           l
    ヽ   /     |    |      レ-、  /
     `-- ´--、__  |___|__ _|  `丶{
             ̄|    / ̄|    j
             ',   {   |.    |
              ',__,r' }  .|    j
               ',   |   |`丶、r'
               ',  |  |   j

 結局、この時の家光の頼みでは、
和尚の決意を動かすことはできなかったのである…。

197 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67)[saga] 投稿日:2014/06/09(月) 00:48:21 ID:V51IT6jA0

 さて、家光による嗣法についての心配から年が明け、
寛永二十一年/正保元年(1645)三月、沢庵は家光に願い出て、
湯治の為、故郷但馬出石へ帰ることを許された。

             __
          ,.-''";;;;;;;;;;``'ヽ、
       /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ、
      /;;;;、;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;、
      ,!;;;! '~  "~ `i||i"  '' `ヘ;;;!
      |;;;|     ヽ`   u ミ;;;|
     _ゞ;!,-;;;;;;;"フノ  ヾ`;;;ヽ 、ミ;リ   . なるべく早めに帰ってきてくれよ、和尚。
      !ヘl;|.,,_==-、く` ,>゙-== 、「ヽ 
     !(,ヘ!   ̄'"  |ミ.' ̄" , ドリ     僧正(天海)が世を去った今、
     ヾ、!      !ミ    ,レソ    和尚がいないと、宗門の相談ができる相手に
       `|      ^'='^     ム'′   困るしな…。
.       ト、   、,.-‐ 、,,  /|
        i| \  ' ニ   イ.:|
        ,イi| ゙、\  (   /リ.:;ト、
      ノ :.:i|  ゙、 `ー─''゙:::;:'::::::!:::\


       _,.-'"´ 三ミ、ー-、
      / / ィ /⌒`⌒ヽ\
    / / / /    夢  | ヽ
   /    / イ´^ー、   ,.. 、)、 ',
 , '   / / //ヽ、 ゚ゝ  イ ゚ノ| |      まあ、善処はしますが、
//イ    / /::::、  '´  ` ̄'|| |     俺にとっても、これが最後の帰郷になるかもしれませんからな。
/ /イ   /  |::::::| / _┗'  ,イ 、|     多少の遅れは御寛恕下さい。
 /   /  |::::::| ┃r=━┫;:/ | |ヽ
/ / ,イ ,'  | ハ:::::| /!ー-、K ;:/ | |\ 
  /  / / ! \| | |::::::::::|! /!  ! |
 , /  / / |┐ \ `━彡' |   !ヾー-、
 / /イ | ハ! |==、  ̄乙/{,川ハ!     `ヽ、
 , ' / イ 川ハ、o | `='"oネ、リヾ、      ヽ
  / 人 リヾ `ー、_,彡'"|,リ'   ヽ   _,. ' 〉

198 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67)[saga] 投稿日:2014/06/09(月) 00:50:10 ID:V51IT6jA0
            ___ _
        ...-‐''"´ ̄ `  `''ヽ=、
    ,.‐''"´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
   r(:::::::::::::::::,、_ィ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
   ゞ, rr~ヅ   ミ:::::::::::::::::::::::::::::::::::
   フハ       〈:::::::::::::::::::::::::::::::::::
    l ヾ圭圭圭ミ  ヽ:::::,.-、:::::::::::::::::::      不吉な事を言わないでくれ、和尚。
.    〉  7ツ_`      |::/,=、∨:::::::::::::::     お福も僧正も亡くなったところで、和尚にまで
   /  "'''''''''    i .ノリヽ))|:::::::::::::::::     そんな事を言われたら、ますます不安になるじゃないの。
.  /            u   ,.-' /::::::::::::::::::
  ヽニ、          lー‐'ヽ:::::::::::::::/     頼むぞ、和尚。
.     'ーr‐-        .ィ      l:::
      〈..        /:{        ヽ
        `}     /:: ! i
        丶、,、. イ::::::    !


       _,.-'"´ 三ミ、ー-、
      / / ィ /⌒`⌒ヽ\
    / / / /    夢  | ヽ
   /    / イ´^ー、   ,.. 、)、 ',
 , '   / / //ヽ、 ゚ゝ  イ ゚ノ| |
//イ    / /::::、  '´  ` ̄'|| |         …わかりました。
/ /イ   /  |::::::| / _┗'   イ 、|
 /   /  |::::::| │ r---ヽ:;/ | |ヽ
/ / ,イ ,'  | ハ:::::| /     ;|/ | |\
  /  / / ! \| |      ./!  ! |
 , /  / / |┐ \ `─彡' |   !ヾー-、
 / /イ | ハ! |==、  ̄乙/{,川ハ!     `ヽ、
 , ' / イ 川ハ、o | `='"oネ、リヾ、      ヽ
  / 人 リヾ `ー、_,彡'"|,リ'   ヽ   _,. ' 〉

199 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67)[saga] 投稿日:2014/06/09(月) 00:51:33 ID:V51IT6jA0

                 .rニYニヽ
   |レ               /    j |        …お福殿も僧正も、
   !!_           イ     } |      己が成すべき事を果たして亡くなったのだ。
   ゙- '´ ,、       /j      j
      -''´   ,r'´ ̄`゙}     j l|rニ二ト、   なら、俺はどうだろうな…?
           〉─7-'´l|jト、 -イl;|`--l一〈 
     __ii__    |   |  ルリ-ト、|州リ  |  .| 
     イi    j  |           |  |,
      `  , イ  |     |      |  |
        ノ  }        |         |
      /           |          |
    //  /                  |
.  //  /                   ',|
/ /    l                     |  
 / i   /                     ヽ
ん-ト、               |          |'
   ヽ/    /    |    |           l
    ヽ   /     |    |      レ-、  /
     `-- ´--、__  |___|__ _|  `丶{
             ̄|    / ̄|    j
             ',   {   |.    |
              ',__,r' }  .|    j
               ',   |   |`丶、r'
               ',  |  |   j

 許可を得た沢庵は、早速三月九日に江戸を出立した。

200 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67)[saga] 投稿日:2014/06/09(月) 00:52:51 ID:V51IT6jA0

 そして、その月末には京都に辿り着いていたものと思われる。
(三月二十二日に近江から小出吉英宛に手紙を出している)

         |
          ll
          !l
  _ ,,..._    ト{              .,,___ 、..,__,,.
"´::ヾ::゙゙;`>''´ ̄`ゝ、__          `:;、;;`::ゞ:;゙
::´;;::=::;;::ヾ芥芥芥l壬{            ,;''´;'::;; =、::;;゙  _,,....._
''´;;ヽ:::;゙=<゙二二二\_,「「゙ニニニニニニ7´::;''::゙!::、:_'^:ヾ';"::゙;;ヽ::
、ゞ;;::''゙::;;、::`゙;芥芥lア''´j |         ゙:;`ヾ;;`゙:=::丶::;''::,;''゙:::;:゙
::`':;;::''´::`゙''=;,テテテニ´_______゙ゞ、::ゞ:;;_`丶::゙':;;::='::;'
_゙´::i::`;;'"::゙:_::゙;,┴┴弌竺竺竺竺竺竺竺;''::;::;;:::'':;;::ゞ:;;'゙::_::'
::`j':!::゙;;._::::;;::"゙ヾ‐;;.. -'┴┴┴┴┴┴┴ゞ;;::"!゙!;;::ヾ、l !'´::゙;
'';;:: i⌒;;::`゙i:;ー:''´゙;;===n==n===rn===n=゙;;::ヾ!:l::`:=::'゙:i::''´;;
ゞ;l;;'゙::''゙;;..:゙i::;;.:゙::;;' i i i l丁丁! ̄丁l ̄丁「 i:´:;''゙:iヾ::ヾj;il゙;;::;'::
::';;!:..;''::ヾ;;''";;)'´「「入「j_辷j_辷ヒ|_辷ゴ_辷ゞ;;ゞ,:========、
T゙j''i"i´´ |l|´ニニl:l幵;; ̄ ̄/フ三三三「l ̄;゙j::゙}______{
`゙::''"":⌒゙''=::"゙゙ヾ゙''"ア7"二二二二二二l:|i{:「゙l`TTニニTT´
厂厂厂厂厂厂厂「l/ r―――――――|jl{jー{';;|_L二」_|::

 京に着いてからは大徳寺に入り、
知己の人物へ挨拶回りをしていたようである。

201 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67)[saga] 投稿日:2014/06/09(月) 00:53:59 ID:V51IT6jA0

 四月七日には後水尾上皇に召され、仙洞御所へ参じている。

 |\ヽ、            __
 | ヽ、 \       ─ /__.)─ 、
 \ヽ   \   / __      \       _
   ┘ / ̄ ヽ/ /───ヽ\     \  / ̄  \
   \//   //__108.__ノヽ\    │ / / / ヽ、 |    
     |l    | |l M I  Z  U  l |     | |_ | |   |  |      和尚。
     \ _|、ニ______ノノ     | ̄ \ ノノ /     紫衣問題の一件が解決して以来、
      /             フ| /ニ--、    \/     .ずっと会いたかったでよ。
      >‐--ニニニニニ‐ ̄l | | /   /、 |     \ 
     / | | |   || | |    | |. | | | / | | |      \    よー頑張ってくりゃーした。
    /   \ヽ、_ノノ_ヽ、   // | | |  |ヽ//        ヽ、
    /  /   |二/二\─''" /  \─''/  /       |
   /  /   /  ̄ \ | |   /   / / /         |
   |   |    |‐‐、ヽ   |‐_/─/ / /            |
  |   |    |\ヽ | | /──    / /  |          |
  |__|     l\ニノ   \\   / /   |          |
   / |     |_/ニ─l‐‐l---ニ / /   |      _─/、
             後水尾上皇
          (ごみずのおじょうこう)


       _,.-'"´ 三ミ、ー-、
      / / ィ /⌒`⌒ヽ\
    / / / /    夢  | ヽ
   /    / イ´^ー、   ,.. 、)、 ',
 , '   / / //ヽ、 ゚ゝ  イ ゚ノ| |
//イ    / /::::、  '´  ` ̄'|| |      過分の御言葉ですな。
/ /イ   /  |::::::| / _┗'   イ 、|    あれは俺がやりたいからやっただけです。
 /   /  |::::::| │ `---´:;/ | |ヽ 
/ / ,イ ,'  | ハ:::::| /     ;|/ | |\
  /  / / ! \| |      ./!  ! |
 , /  / / |┐ \ `─彡' |   !ヾー-、
 / /イ | ハ! |==、  ̄乙/{,川ハ!     `ヽ、
 , ' / イ 川ハ、o | `='"oネ、リヾ、      ヽ
  / 人 リヾ `ー、_,彡'"|,リ'   ヽ   _,. ' 〉

202 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67)[saga] 投稿日:2014/06/09(月) 00:54:58 ID:V51IT6jA0

 |\ヽ、            __
 | ヽ、 \       ─ /__.)─ 、
 \ヽ   \   / __      \       _
   ┘ / ̄ ヽ/ /───ヽ\     \  / ̄  \
   \//   //__108.__ノヽ\    │ / / / ヽ、 |     しかしよー、和尚。
     |l    | |l M I  Z  U  l |     | |_ | |   |  |    ちーと聞いたんだが、
     \ _|、ニ______ノノ     | ̄ \ ノノ /    和尚に嗣法の弟子がおらんのは本当きゃ?
      /             フ| /ニ--、    \/  
      >‐--ニニニニニ‐ ̄l | | /   /、 |     \     もし本当なら、勿体無いことだでよ、
     / | | |   || | |    | |. | | | / | | |      \  よさそうな弟子を選んで、和尚の法統を残してくりゃーせ。
    /   \ヽ、_ノノ_ヽ、   // | | |  |ヽ//        ヽ、
    /  /   |二/二\─''" /  \─''/  /       |
   /  /   /  ̄ \ | |   /   / / /         |
   |   |    |‐‐、ヽ   |‐_/─/ / /            |
  |   |    |\ヽ | | /──    / /  |          |
  |__|     l\ニノ   \\   / /   |          |
   / |     |_/ニ─l‐‐l---ニ / /   |      _─/、


       _,.-'"´ 三ミ、ー-、
      / / ィ /⌒`⌒ヽ\
    / / / /    夢  | ヽ
   /    / イ´^ー、   ,.. 、)、 ',
 , '   / / //ヽ、_ゝ  イ_ノ| | 
//イ    / /::::、  '´  `  '|| |    …勿体無い御言葉。
/ /イ   /  |::::::| / _┗'   イ 、|
 /   /  |::::::| │ r---ヽ:;/ | |ヽ
/ / ,イ ,'  | ハ:::::| /     ;|/ | |\
  /  / / ! \| |      ./!  ! |
 , /  / / |┐ \ `─彡' |   !ヾー-、
 / /イ | ハ! |==、  ̄乙/{,川ハ!     `ヽ、
 , ' / イ 川ハ、o | `='"oネ、リヾ、      ヽ
  / 人 リヾ `ー、_,彡'"|,リ'   ヽ   _,. ' 〉

 また、この時、上皇からも嗣法の件を問われたが、
沢庵はこれに対し、ただ拝謝して退いたという。

【『東海和尚紀年録』(または『沢庵大和尚行状』)】
 『上皇師を召し、詔して曰く。
  「夫れ正法は相続し難くして泯絶し易し。朕聞く、和尚児孫を断絶せんと欲すと。
  朕常に是を以て恨みと為す。門徒の中発明なる者を撰び大法を付属し、
  当に群生の為め世に行わしむべし」
  師奏対聖慮に悖らず、拝謝して退く』

203 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67)[saga] 投稿日:2014/06/09(月) 00:56:43 ID:V51IT6jA0

 なお、沢庵が嗣法の弟子を作らない件について、
弟子であった一絲文守がこのように批判している。

                                    / ,. -―‐--⌒ヽ
                               , ′v' ,. -‐ ⌒ :.y`ヽ
                              / ,.-/ /イ:._;.;.:.:..    辷. ぃ
                                / 〃ク i'_,ヒ,^Yイ:___,ノ,小:.. }.}
                            ,.  '"´...:,. '/.:.:リ'心ハ. V_:.`¨´.;.:.:.}:.ノノ
          i'ヽ              / ./_∠.、:.:.:_/  `   'ー辷幺.:.:j:j/     師匠は弟子を選り好みし過ぎなのよ!
           、 \          _,ノ_∠ム-、ヽ:.ヽ'/ |     、/ ヾタワケ"/    才能がある者を選るんじゃなくて、
            \ ヽ     __,,.. 〔__:./心 ヾい:'. }: }\ 、(_ン ´  /`¨:/     .ちゃんと弟子を育てるのが宗匠の務めでしょ!
         ,イ¨ヽ \ー<´    、..  '.  }:}::};〉  !:::: ヽ>‐--‐::'´/:.:.:;
       /´/ .:::〉`:::. >¬;     `  }  `¨.., =.く:::. 〉'ヲ/::r‐''"´  //       師匠が真面目に指導すれば、
        r1 〈 ::Y_::::::;イ  /ヽ:.   ...:.:::::::∟:__;.イ{. .}jヘ ヾバ^ーr、:.r-‐r ′      .どんなバカでも一端の禅僧になれるんだから、
       ! {  ヽ____)/:::^  _,イ_:::::::_;.イT::::ー‐' 「 `‐′ヽ }}. ::Y ;ム':.:.:/        手を掛けてあげなさいよ!
      ヽ`ー‐r':::_; -‐'二 -' . ̄:.:'´!::|___,,.. 、 !      \ ::L_ ヽ:{
          ` ̄´¨´ ,. '´  .:.:.:.:/:.:.:.:|::;{ :...   ヘ 、     `{ }}./Tノ
                (   :.:.:.:.':.:.:.:.:.:.l::i  :.   ヽ ヽ     ,.‐ぃ{.{.7
               ヽ   :.:.{:.:!:.:.:.:リ::|  丶....   丶 \  {、Y,.}i|┤
               .  :.:.!:l:.:.:./:::ハ.   ` ー-:_::::::\::`.ー、マリリ_}
                  _,ハ. .:.:.|j:.:.:.:∨        .::ヾr'ィ^:ー-=彳
            /´.:.:.:′:.:.:j:.:.:._/ _        j:{:::ヽ::__;;. <{
              、:.:.:.:.:.:.:.:r':./⌒ 、`ヽ.      /ノ::::::/,.-―-ぃ
             }:.:.:.:.;  '´             // :::/´::::::::::ヽ 丶
             .ゝ'´     ,. -┐    //  .:/::::::::::::::::::::ヘ. }
             ,. ´       j'广¨´     //  :∧ヽ:::::::::::::::::::} /
        ,. ´      :..../´     /'´  .::;ハ:. ぃ:::::::::::::://
       /        ;ム:´     /'  r'7 /ー'::. } }::::::::::〈〈.
     /        /'´.}::.    /'   ノ'´√辷._彡':::::::::::::} }!
    /          /'  .:ノ:     `′  j{  /\\::::::__:::/ リ
                  一絲文守
           (いっしもんじゅ/いっしぶんしゅ)

【「一絲語録」より】
『師、已に壇越の堅請に随つて一方の伽藍に董□(※とうり)す。持法の具其れ備はり、
 持法の資其れ饒なり。何が故ぞ槌払の下全く□子(※のっす)に乏しき哉。
 料るに夫れ賢を選び器を択ぶの然らしむるか。
 馬骨を棄てずして駿馬を得るは宗匠偉度の常なり。
 仰ぎ望むらくは賢不肖を問はず、先づ収録を賜へ。
 若し其れ親しく炉鞴に投じ、妙密の鉗槌に当り得ば、
 頑銅鈍鉄□(※すみやか)に宝器と化すること豈難事ならんや』

 (※ □部分は漢字が出なかった箇所)

204 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67)[saga] 投稿日:2014/06/09(月) 00:58:38 ID:V51IT6jA0
                            /
                    __ ___/
                  , ‐'´::::, -‐、/'`フ'、´ ̄
                  /::::_,;;/‐- 、|i, へ`ヽヽ,
               /::::/:/‐'フ'7ーi〈   l:::::`i::!
               /:::::/::/ / // i i  |:::::::::::!
                 l:::::::i::/-'‐、' /!  ! | l:::::::::::::l
              i::::::::l:l Y(ヽ!//__ノ_! ,!:/::::::::::l     ふーん。
                l::i::::i::iト`ー'   ュ-、ヘy/:::::::::::i    それって、自分が沢庵殿の法嗣になれなかったことの恨み節?
             ∧!::::ト、i   r  、!_ノヒ!イ::::::::::/
     , ヘ        /::::!:::::! i`、 ー-  、_ ,/ i::::::::::/i
    // l ',    /, -‐i、l! ヽ、ヽ -―<´ l:::::::/::::|
    / l ヽ`ーr' ´     i;:!   7'7´イ i i:::::/::::::::l
   l i'  ン:7 、      \ (○)! l  l/::ノ,〉:::::::::!
   l | /:, -'  `ヽ、  r-、`i_二_ノi'l  l`i ∧:::::::::::i
    〉 !::/      〉、ヽ_ ノ lヽ/l`l  |'/  ';:::::::::::ヽ
                 愚堂東寔
               .(ぐどう とうしょく)

                 /  .././. /   ..!       ヽ. ヽ    `廴ァヽ
               ′  ..|..!:....:i:..  ..:|:.       ヽ i.. i    ヽ ハ
              i    .!.|:. ..:|:.{:.. ....:{:. |.   . .. .:i、:|.|. ト、.. .:{:.. ヽ!  '.
              |    ...::....:.{十:.:A:.ト:|:... ..:.l..:..:|,斗ト:.ヒヽ..「\:...}   
              |    ...:.ヽ∧{ V≧{ミヽ:...:.トト:} r_七≦ミⅥ:ハノ   {         いやねぇ、師匠。
           /.ヽ  l     ...:...:l ,ア7ぅ:心`ヾ\{ ′ 7´トィ::心 》|:....    ハ       私は貴方の法を継いだんだから。
             {:::.. { /|      ..l:小{ ビ:zヅ           ゞ==く、|.      ヽ
            l::.:: ∨       ...Ⅵ  ^'¨^ ´     .           |:...       \ .    .ま、かつての弟子からの諫言ってやつよ。
             V:::..∨ !      ...|           :          |:....      |   ヽ
              ∨::..Ⅵ     ヽ.{           、,.          !:....      .    丶.
             ∧::.. ヽ    ..  }〉=i       . --- 、       .{:....     l  、    .
          /_.ム::.:..:ヽ...  ...V..:..:〃     〈       ノ     ,小:...       |   ヽ.   '.
r― 、      _i´.::..:ヽ}::.:..:..\   /:..:..,∧      ` -- ´    .イ:.:!:ハ:..     |:...  ト.  i
\:..:.`ー.、  /´::V::.::.Vイ:..:..:..: ヽ.ノ:..:.,.∧:.:i 、     ー '     /:.:{:.:|:.:.::.:..     {:....   .\ヽ
  ` ミ:..:.. ̄{::.::.::.∨.::.ヘ::.. .:..:::.:,./:..:..:i { :..:.l \        イ {:.:.:.Ⅵ:.:.:丶..   ヽ:.....  ヽ 丶、
     `ヾ、_,ヘ::.::.:ヽ::.::.}:..:..:.::/..:..:..:..:{::|.:..|  `  .__ . ´  |{:.:.:..|:...:...:...、     V:....  .  ヽ.
       〈:.::.:\::.::〉ノ..:.::.:/..:..:..:..:..:l:.| ..:.|    __      _,jヘ、:.:.{:.:...:.... :..    V:...  i   } '.
          V::..:...`¨....:.::/::′..:..:..:..:.:}:.} :..「 ̄ ̄    ̄:..¨¨ {:rヘ.ト.、:.ヽ:..:..... :..    :....  }|   !|
          ヽ::..:. ..:...::..:..::..:..:..:..:..:..:/∧:..L: ------  :._:..:..:〉}:0)ノ.ヽ:..ヽ:......      i:..   ト、 ||
         {.\..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..//:..:}:..:}          ̄ヽ辷メ、:.丶{:\:.....      }   |..ヽ }ノ

 なお、『紀年録』では、後水尾上皇はこの一絲を沢庵の法嗣にしたかったのではないか、と述べているが、
この時、既に一絲は妙心寺の愚堂東寔の法嗣であったため、これは筆者の推測と思われる。

205 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67)[saga] 投稿日:2014/06/09(月) 00:59:51 ID:V51IT6jA0

                   / / / ´ {ミ丶   ヽ
                   ,' / / /  }ミ、 ヽ  '.
                     |,  〃 , ´ ̄ `ヽ  '.
                     |   /  ネ ロ  '.  }  l       ……フン。
             ,  - ―<!   {  |,ル  } i!   {⌒ヽ
            /___   |     ≧ェ.、 rィェ彡 i!   '.   \
           /´. -‐- 、`ヽ.|    |   ト   ! i!  .l    丶     /:::::
         ' , ´     ヽ |     |〈__ ー|‐`, } i!  .|、    }ヽ    }:::::::
       , -/ /        }     rく ーー /ハ i!  .|ヾ:、  ノ }    ノ:::::::
      { ' '        ノ .i!   、ト、` ̄ ' イ/リ     |ヽ、`¨´ /  /::::::/
      | { {         /  ハ  ト、 T77´,//ハ     !'//`Y´   /::::::/; /
      | i! '.      /  イ '.  |ヽ }/ i !// //    |///∧   .!:::::/; /ゝ
      |人  `ー一   イヽノ  l .K ///リ/,イ//     !////ハ   ノ/; /ゝ
     /// `ー-‐ 7´ムイ: `ヽ  ! |ヽ`ハ///`//    |/////'>´\/ ´
.     ////////////  {: : : : } i! ト、} } 〉/イ/イ  ,ィヘ .l/: :r‐/XXX >

 この一絲からの諫言に対し、沢庵が返答を返したかどうかは不明である。

 だが、返答の有無はどうあれ、
将軍に続き、上皇や元弟子からも法統の存続について、
願いや忠告を受けたにも関わらず、沢庵の心は変わらなかったことは事実である。

206 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67)[saga] 投稿日:2014/06/09(月) 01:01:17 ID:V51IT6jA0

 その後、沢庵は堺に向かい、
自身が再興した南宗寺山内にある祥雲庵(祥雲寺)に入って、
のんびりと過ごしていたのだが…。


       _,.-'"´ 三ミ、ー-、
      / / ィ /⌒`⌒ヽ\
    / / / /    夢  | ヽ
   /    / イ´^ー、   ,.. 、)、 ',
 , '   / / //ヽ、-ゝ  イ.-.ノ| |     .多少、客も来るが、
//イ    / /::::、  '´  ` ̄'|| |    江戸や京に比べれば随分と静かなものよ。
/ /イ   /  |::::::| / _┗'  ,イ 、|
 /   /  |::::::| ┃r=━┫;:/ | |ヽ
/ / ,イ ,'  | ハ:::::| /!ー-、K ;:/ | |\
  /  / / ! \| | |::::::::::|! /!  ! |
 , /  / / |┐ \ `━彡' |   !ヾー-、
 / /イ | ハ! |==、  ̄乙/{,川ハ!     `ヽ、                    コツコツ>
 , ' / イ 川ハ、o | `='"oネ、リヾ、      ヽ
  / 人 リヾ `ー、_,彡'"|,リ'   ヽ   _,. ' 〉

207 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67)[saga] 投稿日:2014/06/09(月) 01:02:02 ID:V51IT6jA0

       _,.-'"´ 三ミ、ー-、
      / / ィ /⌒`⌒ヽ\
    / / / /    夢  | ヽ
   /    / イ´^ー、   ,.. 、)、 ',
 , '   / / //ヽ、 ゚ゝ  イ ゚ノ| |     …誰だ?
//イ    / /::::、  '´  ` ̄'|| |               γ´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄`ヽ
/ /イ   /  |::::::| / _┗'  ,イ 、|                | 和尚様、今、よろしいでしょうか?  > 
 /   /  |::::::| ┃r=━┫;:/ | |ヽ                ゝ________________,ノ
/ / ,イ ,'  | ハ:::::| /!ー-、K ;:/ | |\ 
  /  / / ! \| | |::::::::::|! /!  ! |       まあ、とりあえず入ってこい。
 , /  / / |┐ \ `━彡' |   !ヾー-、
 / /イ | ハ! |==、  ̄乙/{,川ハ!     `ヽ、
 , ' / イ 川ハ、o | `='"oネ、リヾ、      ヽ
  / 人 リヾ `ー、_,彡'"|,リ'   ヽ   _,. ' 〉

208 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67)[saga] 投稿日:2014/06/09(月) 01:02:46 ID:V51IT6jA0

              /:.:./レ 7/{:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\_
             /:.:.:.:./  〃/:.:.:.:.:.:.:.:..|:.:.∨~^^´\-:.:.:.:.∑
        ___, ノイ:.:.:/イ/V:.:./:.:.:|:.:.:.:|ハ:.:|       V≠=寸
             /:.:.:.:.:./:.:.:.:.|:./lV:.::|、:.:.:| l:|  ____  W::::/
          /::ィ:.:.:.:.l:.:.:孑|::|廾|:代、:.::| '~|´_-   ` |::::|
         /´ /:.:.:.:.|:.:.:.|! |/_ 二ヘ! ヽ::| ´イ升テ=、 z. |::/‐、      やっ、どーも。
           |ハ::|:.:|/l::| 〃{ヒっ┘     `^─'′  .|'f;^:. !    ご無沙汰しております。
           l !:N:|イ¨|       |            l:::ノj:/
               `| l{{<∧      { 、        |^;:./
                \ {:〉    ______、    j_/
                 `ー ヽ  弋二 ̄ 二ノ   /!
                  ,-‐|\   ̄ ̄_ ̄   ,.'::ト、_
                  /:::::::|  \         / ..::|:::::::ヽ
                   /   ::::i|    ` ー ─ ''    :|!:::: :::',
               /    ::i}              {!::   .:'、
               _/      Vヽ        /  V     '、
         _  -‐'´    ト、   |:.:`、       ./   |  /!.  \_
  ,,.、 -‐ ''"´       .::|:: ヽ  |::. `、    ,′  /  /:::|::..  ヽ`丶、
´                ::::|::::::.}  |::.:.  〉   .〈/ ̄/  /::::::|:::::...  \   `丶、
                        飛脚


       _,.-'"´ 三ミ、ー-、
      / / ィ /⌒`⌒ヽ\
    / / / /    夢  | ヽ
   /    / イ^ー、   ,.. 、)、 ',
 , '   / / //ヽ、 ○ゝ イ○ノ| |
//イ    / /::::、  '´  ` ̄'|| |      お前か!
/ /イ   /  |::::::| / _┗'  ,イ 、|
 /   /  |::::::| ┃r=━┫;:/ | |ヽ
/ / ,イ ,'  | ハ:::::| /!ー-、K ;:/ | |\
  /  / / ! \| | |::::::::::|! /!  ! |
 , /  / / |┐ \ `━彡' |   !ヾー-、
 / /イ | ハ! |==、  ̄乙/{,川ハ!     `ヽ、
 , ' / イ 川ハ、o | `='"oネ、リヾ、      ヽ
  / 人 リヾ `ー、_,彡'"|,リ'   ヽ   _,. ' 〉

209 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67)[saga] 投稿日:2014/06/09(月) 01:03:38 ID:V51IT6jA0

.                /: : : : : : : : : : : :.:.:.:.:.:::.:.:.:',
               /: : : : : : : : : : : ::.:.:.:....:.:.:.:.:.:.:.:',
           //: : : : : : : : : :.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.:.:.:.:.',
          /|::!: : : : : : :./: :./}.:rヘ:.} ̄¨''ミ:.:..:}         そう露骨に驚かなくてもいいでしょう?
            |八: : : :|: /|: :/ .|:| .}:|   ',:.:斥        十年前、和尚様に書状を持ってきた時も、
             |从: :|斗抃ト、|! /, -‐─Ⅴ }        場所はここでしたね。
                  ! {Ⅵ 艾テ  / 艾テ  ! / 
               ヽ }        i     r‐'、         今じゃ将軍家の師僧として、
               /.|ヘ      」    / .| 乂       天下随一の禅僧っていうんですから、
             イ  | 、  ` ー─  イ  |   ' ,     いやはや、大したもんですねえ。
           ,  ’     |   > _ イ/  !      ' ,
.      ,イ            |   \    /   .         >、
.     ,ハ             !    rそ厶    ′             ,ハ
.     /  .          '  / ∨// \ /                 .
    /    '.           V    }//{  V                  ,
.   /    .'               |//|               | ./     ',
  /      ',             |//|            i|/      .
. /       .',             |//|            }|       ',


       _,.-'"´ 三ミ、ー-、
      / / ィ /⌒`⌒ヽ\
    / / / /    夢  | ヽ
   /    / イ´^ー、   ,.. 、)、 ',
 , '   / / //ヽ、 ゚ゝ  イ ゚ノ| |      フン、そのような評価など、煩わしいだけだ。
//イ    / /::::、  '´  ` ̄'|| |     あの時(※)、お前らに根負けせずに、ここに留まっておれば、
/ /イ   /  |::::::| / _┗'   イ 、|      心置きなく一禅僧として過ごせておったわ。
 /   /  |::::::| │ r---ヽ:;/ | |ヽ
/ / ,イ ,'  | ハ:::::| /     ;|/ | |\     …で、今回は何の用だ?
  /  / / ! \| |      ./!  ! |
 , /  / / |┐ \ `─彡' |   !ヾー-、
 / /イ | ハ! |==、  ̄乙/{,川ハ!     `ヽ、
 , ' / イ 川ハ、o | `='"oネ、リヾ、      ヽ
  / 人 リヾ `ー、_,彡'"|,リ'   ヽ   _,. ' 〉

 ※ その34(3)参照 : ttp://tagenmatome.blogspot.jp/2010/05/343.html

211 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67)[saga] 投稿日:2014/06/09(月) 01:04:33 ID:V51IT6jA0

               ______
           /:::::::::::::::::::::::::::\
          /::::::::::::::::::::::::::::::::::.:::\
        / :::::::::::::::.::::::::/::::,── 、::\
          /::::::::::::i::::::|:::: /:_/      ヽ:.:}
       ′ ::::::: |:::: |:::/ |:/ヽ  '⌒ヽi:j     そりゃあ飛脚は
.       | :::::::::::: |:::: |:/ =ニミ    =ミ {′   荷を運ぶのが仕事ですから。
.       i:::::: ::::::::|:::: |′      ゝ   i
          ヽ::::::(⌒Y     .r=::::、  ,′     ハイ、これ。
         \:: \      、:::_ノ  /     江戸の上様からの御内書ですよー♪
            \:::::T^丶       /
              `r┴-    Tニ´
          _ >{    \/  }
         ´   \   /\_厂 \
      /       \_,/〉 〈    }
      {    ヽ     {  }   ./ ̄ ̄ ̄ ̄ .7
      ;        /   |  | ∨        /
      }     ∨.     |   | ∨        /
      |     │    .|,. -‐/         /
      l/| ̄ ゙̄`ト|     /  └―っ   /
.       T|    「   /    ニノ    /


       _,.-'"´ 三ミ、ー-、
      / / ィ /⌒`⌒ヽ\
    / / / /    夢  | ヽ
   /    / イ´^ー、   ,.. 、)、 ',
 , '   / / //ヽ、-ゝ  イ-ノ| |  ━━┓┃┃
//イ    / /::::、  '´  ` ̄'|| |     ┃   ━━━━━━━━
/ /イ   /  |::::::| / _┗'  ,イ 、|     ┃               ┃┃┃
 /   /  |::::::| ┃r=━┫;:/ | |ヽ                        .┛
/ / ,イ ,'  | ハ:::::| /! ゝ'゚     ≦ 三 ゚。 ゚
  /  / / ! \| | |。≧       三 ==-
 , /  / / |┐ \ -ァ,        ≧=- 。
 / /イ | ハ! |==、  ̄イレ,、       >三 
 , ' / イ 川ハ、o | `≦`Vヾ       ヾ ≧
  / 人 リヾ `ー、 。゚ /。・イハ 、、    `ミ 。〉

212 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67)[saga] 投稿日:2014/06/09(月) 01:05:37 ID:V51IT6jA0
                  _,, iー' .、 '、. ..'-, .'、      . _..
              _.. イ'".ヽ .ヽ. \ .ヽ. \.ヽ. ..,,, -''"゛
          ,,, ィ'''"`'、  ヽ  ヽ .ヽ  ヽ ヽ,,..ノ‐'゙´
      ._..y‐''゙ヽ. .ヽ  .ヽ  ヽ _> |-.. ┴´
  ._.. -',"  ヽ  ヽ  ヽ  .ヽ./ ~    _,,二ー 、
."`',.  ヽ   ヽ  .ヽ  .l./ ゛    ./´   `'-.\
  .ヽ  .ヽ   ヽ._,, ;;ゞ゛     ./   : 夢   ヽ ',
 、 .ヽ  . ..lr‐'"´/      / .l,    ~''"   .! .!
 .ヽ._.. ゙‐'゙゛   ,./        /',''''''!ly、     ._.イ│       だから!
: '''´     ./ ,-      ,/'''''゙‐'t;;',',   ,i,'!!~゙゙} .|      何で一介の飛脚の筈のお前が
      ././       /         ゙‐''゙⌒.! ',      上様の御内書を持ってくるのだーっ!!
     ,,i,'イ゛          /.l  .、   _      |  .l
    / .,/ノ           ,' l゙ l.l .,,―`-ニ. ., .,.. l   ヽ
     .,/イ        ,'  l  l ',l゙,.. - ,,..,!.il! l ./    \
.\,  .,''゙,!        l  l ,i'/ッ._,,,,,, .゙!/│ !     .゙y
  .`'-,,"."        l'、 .!.l l .,!.l   ゙l .l',゙ll゙ i____,,,..-'"゛.ヽ..,,,_
    .`'ー、,、     / ゙' l .゙" .',.|    !/.|"!/          `''
        `゙'ー、、  .!   .\ .! !..,_, . 〃 /
              `'-',,_    ___;;,,.. --┴''''''¨'ー、、
               ̄ ̄           `'-、,
                               `''ー ..,,,,,,,,.. ‐'


            _..ノ:イ:::::::/:::::::::::::::::::|        `ミ:::::::::::::::::::∧
               /::::::/ :::::: /:::i:i:::|、、____  ミ:::::::::::::::::::::ハ
           /::::::/::::::::!厶斗|:::|イ   ,,,,___ ` `Y:::::::::::::::::::/
             /:::/!::!::::升!ハ!八i  イんバ゙〉   j::::/ん`V      いやあ…。
.            //  |:从:{ ィ行ハ     辷ソ    └〈 い.:) 〉    ホラ、そこは「演出」ってモンですよ。
            ′   iハハ 弋ソj              イ ノ / 
                 i  ! i   ノ            しイ::/      「演出にも程があるわー!
                '.   ヾ:..    ___,    r<::/        ええい貸せっ!」
                    、   r ニニ二二ノ     ノ  ',  
                     ヽ `ー‐-―′  /    〉、、
                   ヽ  `¨    /   .>´   ヽ
                         ヽ、    ..イ ..> ´         \
        (`ヽ           `ヾ ̄  /             /` ー―― ---- ...、
      (`ヾ (`ヽ        / ヽ   iヽ.  /ヽ     /              >、
       ( ヽ ヽ ヽ ヽ       __| ヘ  ヽ.  Y ヽ :!  i/ ヽ /             /   ヽ
.        Y ', i  i   j、ニ二 ̄/ |  ',  | l  i..i  :i   l                  /     ',
        l l i   Y:..ヽヽ    /  !  > .:j __!  l l  :l   li‐、              /       ;
        l l j  人  ', ',  /  //く  i ̄/!  i:i  :l   ll  l          i  /         i
        j l j ノ }  i :i        j:::Y⌒Y l .:l:l  :l  il  l        !:./ /       !
.      { ノ    丿  j :j       ,/:::::i  i  ! .:lj  :l  ll  l         |//       l

213 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67)[saga] 投稿日:2014/06/09(月) 01:06:40 ID:V51IT6jA0

    六月のある日、堺の沢庵和尚のところに
     上様からの御内書が届きますた・・・

          _____
         / ヽ____//
         /   /   /
        /   /   /
        /   /   /
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       ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


       | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
       |                    |
       |                    |
       /    ̄ ̄ ̄ ̄      /_____
       /  ワレ フマン     /ヽ__//
     /                /  /   /
     /  クガツニハ カエレ ./  /   /
    /   ____     /  /   /
   /             ./  /   /
 /        イエミツ /    /   /
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/   /   /

214 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67)[saga] 投稿日:2014/06/09(月) 01:07:39 ID:V51IT6jA0
                _.. -―'''''''―-- ..,,_
              ,/           `゙''-、
               ,/     _..-'''''―- ..、    \
             /     .,/          \    .ヽ
         . /      /              ヽ    .ヽ
        /      ./      夢       ヽ    ヽ
       /      ./               , .l,    .',
      ./     ,i!゙',、            _ノ.l/j    !    \_人人∧从人_∧_人_从_//
      !     .,'―‐`-lii、       . ,,rl┴''''ー l!    l,     )              >
     ./     i!'-、 .!ゝ . '.l、       /   .!′ ,..''7    .ヽ   <  なんだこれはっ!? >
     ./     ./ 'イ''ニ=rirr,'|./     .ヽ`-`-`-''',/゙l      l   <              (
    /      .l゙         "       ゙′     l      l.  /^Y ̄∨∨^Y^Y^YY^Y^
   . /       !                       ,.|     ., ヽ.
  .'"       !ヽ   y     i;;;;;;、    'i,  ../ ;:;l     ..l゙‐'′
         |;:.!  ,/,' .,,r;;ニッiiiiiiiiiiiiii;;;;r、 .l',  .!;:;:;:.!      .ヽ
          |;:;:;:! .// i',{ .iー'''''''''''''ー'i i!|i ,!} l;:;:;:;l          l     γ´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄`ヽ
          |;:;:;:| .{ ! ./ ゙"      !" l',./;,! l;:;:;:.!           !     |  ですから上様からの御内書ですってば >
          !;:;:;:.! ヾイ.,..-ー'''''''''''―- ..,..!!./  |;:;:;:|              ゝ__________________,ノ
            !;:;:;:;.! /,ii/            l;,ii;| .l;:;:;/
         l;:;:;:;:;| .l;| }            !,!:l" /;:;:/
         l゙'-,;:;| !| .l         :l".! │;,イ         \人_从人__从_从人__从人_人从ノ/
            !、 `'',  │           !  l,i,'-/          >                  <
            i,',',iiiii、\ .!        . ! .r',゙.l'''7           >  わかっとるわ畜生!  <
        ., .l',  .リ、\.l        レ'.l- l!.│           >                 <
        . l, .!l 、  l`-',/、      ,i;;;;,','" l_./、          /Y⌒YW⌒Y⌒WW⌒⌒YW⌒WY\
            l、',l \ l  ',`'リー .... イ゛   !., '"/.i',  、
     l l,  .,!`′ .`-,!  ! .!    !  ,ノ゛ // .l .|,  .|,
      ! ,'i  l      ゙゙''ヘ..,|_   ._l..-'"   .′ ', .l ! . l ゙',
      .l ! l./           ̄゛            l" !/゛ ',
      ´                               ′

 六月中旬頃、江戸から家光の御内書が届き、
そこには「九月頃までには江戸に帰って来るように」という命が記されていた。

【正保元年六月二十四日の小出吉英宛の書状】
 『先日御内書参候。江戸にて如御意被成候。九月時分早々可罷下之旨ニ候。
  庵室一段静かに御座候て、江戸の事忘却申し候へば、
  又、御内書の御文言見申し候へば、驚く様に罷り成り候』

215 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67)[saga] 投稿日:2014/06/09(月) 01:08:59 ID:V51IT6jA0

       _,.-'"´ 三ミ、ー-、
      / / ィ /⌒`⌒ヽ\
    / / / /    夢  | ヽ
   /    / イ^ー、   ,.. 、)、 ',
 , '   / / //ヽ、 ○ゝ イ○ノ| |      まったく、貴様が来るとロクなことがない!
//イ    / /::::、  '´  ` ̄'|| |    どうせ但馬の奴も承知であろうから、
/ /イ   /  |::::::| / _┗'  ,イ 、|    もし遅れたら上様に取り成しをしてくれと伝えてこい!
 /   /  |::::::| ┃r=━┫;:/ | |ヽ
/ / ,イ ,'  | ハ:::::| /!ー-、K ;:/ | |\    あと戻る前に荷造り手伝え!
  /  / / ! \| | |::::::::::|! /!  ! |
 , /  / / |┐ \ `━彡' |   !ヾー-、
 / /イ | ハ! |==、  ̄乙/{,川ハ!     `ヽ、
 , ' / イ 川ハ、o | `='"oネ、リヾ、      ヽ
  / 人 リヾ `ー、_,彡'"|,リ'   ヽ   _,. ' 〉


      _    ___ _
.  _ _,./:.:.:.: ヽ''.:.::.:.:.:.:.:.:.::.:.\ _
.   /ィ:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.:\
    /:.:.:/⌒¨¨¨ヾ.:.::.:.:.:.:.::.:.:.:.:..::.:',
.   {:.:i.:./-‐- 、   }.:.::.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.:.:.',      荷造り代は別料金になっております。
.   レ'レ'i ァ=、   ヽ:.::.:.:.:.:.::.:.:.:.::.:.:.:.:i
.    , ノ  じ     Ⅵ⌒Y::.:.:.:.:.:::.:.:}              \_人_人∧从_人_∧_人_从_//
   ヽ          ツ./::.:.:.:.:.:::.:, '                )                  >
    }__       ,、_/::.:.:.:.:.:./                < うるせえ!但馬にツケとけ!>
     r''        j   Ⅴ:/                  <                  (
     {      ./    Y                    /^Y ̄∨∨^Y^Y^^YY^Y^Y^^Y^
      `ー─-、      _|_
         i  _ ,<   V          毎度ありー。
        ,<        j、
       _|      ,<   \
      /:.:|   ,<   {    ヽ
.     /_.:.ハ ./      }.     V
.     /.:./   , '    -┴- 、   V
    /.:.:/     i  /     ,'\  ',
    /.:.:/     | /        i \ i

216 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67)[saga] 投稿日:2014/06/09(月) 01:09:59 ID:V51IT6jA0

 これは沢庵も流石に無視するわけにも行かず、比較的すぐ後に堺を発ち、
その月の二十日には、故郷である但馬出石にある雲龍院に到着した。

                 .rニYニヽ 
   |レ               /    j |      …まったく、忙しない話だ。
   !!_           イ     } |     せっかく江戸の事など忘れておったというのに…。
   ゙- '´ ,、       /j      j 
      -''´   ,r'´ ̄`゙}     j l|rニ二ト、 
           〉─7-'´l|jト、 -イl;|`--l一〈 
     __ii__    |   |  ルリ-ト、|州リ  |  .| 
     イi    j  |           |  |,
      `  , イ  |     |      |  |
        ノ  }        |         |
      /           |          |
    //  /                  |
.  //  /                   ',|
/ /    l                     |  
 / i   /                     ヽ
ん-ト、               |          |'
   ヽ/    /    |    |           l
    ヽ   /     |    |      レ-、  /
     `-- ´--、__  |___|__ _|  `丶{
             ̄|    / ̄|    j
             ',   {   |.    |
              ',__,r' }  .|    j
               ',   |   |`丶、r'
               ',  |  |   j

217 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67)[saga] 投稿日:2014/06/09(月) 01:10:39 ID:V51IT6jA0

                 _..-''" ̄ ゙̄''---- ,,,,
                   /             `'‐、
                /                    `'、
             /                       ゙l,
               /                        !
            |       . ___、               |
              l    ., ‐'"゛    '''''''、            |
           l   . /           l           |
              ,'   /      . 、    !        !
          /   / 、          .,!       |
            /   ./ l            ,!       |
         /   .l :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: !           l゙     …だが、急かされたとはいえ、
        ./     !.ゞ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: l゙        !     また生きているうちに、故郷に帰り着けた…。
       ./      |:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/         !
      ./       .! ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;l            |      まるで浦島のような有様だが、
    ./  .r    .!   :::::::::::::::::::::::::::'::}            l     それでも、「僕」を知っている人が、
   .-'´   . l     l、 .、   i ..,,、   |          l     .まだここにはいる…。
       /     .!',  .!、  `―"   !         、   !
       !      }.l  l-二― ......,,.. |       |   .|
       .|      .l  l  .l;:;:;:;:;:`゙゙''''/ ,!       !    |
       .l     │.,、.ヽ .ゝ ....,,,__./   !       |
       !     !.〈,,,  ゙'-..____,,..-'"l゙      /
          !    /.、  `''-,,.      ,..l゙      ./
        ',   .,'  `'、   `''" ̄ ̄ .,!      /

218 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67)[saga] 投稿日:2014/06/09(月) 01:11:44 ID:V51IT6jA0

 故郷出石では、実弟の秋庭半兵衛や姉などをはじめ、
懐かしい人々と旧交を温めることができた。

             _,,,----、_
            /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ、
 、         .l;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`、
 'ゝ、        .l丿 ̄ ̄`"''!;;;;;;|
   ゙' 、       _|/:廿ゝr 廿 、l /    兄ちゃん、久しぶり!
    `<ゝ_ _   '{リ  "/  "^ ''{i|.
 、    │;;;;'ゝ、  .| .. ム廴  _j┘
 '''ヽ_../;;;;;;;;;;;;;;;゙'ゝ;ゝ_ ヘニン__/
  ' '、;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/|r `二´r|,,__
 、  ゙ 、;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;'、  ‐’ 1;;;;`''''‐- 、
   ′ ゙'┐;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`ー-テ~~′;;;;;;;;;;;;;`'、
      ヘ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ
      |;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ
           秋庭半兵衛
         (あきば はんべえ)

           _______
        _,.-'"::::::::::::::::::::::::::::`‐、
.        /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
     /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ム
.    _/:::::::::::::/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄`ー-、_:::ム
    i:::::::::::::::/  ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::  ゙i::::}
    |:::::::::/ ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: }:::リ
    r‐、:/ ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l::/
    /f゙i リ ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: .l:l       …うん、久しぶりだね。
    | {  ::::::::::::::::::::::::::::::: l ::::::::::::: f゙i      半兵衛くんも元気だった?
    ヽ l!    ::::::::::::::::::::::  l ::::::::::: fj/
    ゝ1        ¨  -'     l/      「おう!元気だよ!
      l      -、===-、__    /       姉ちゃんも八十一だけど、まだ元気だし!」
.      \       ヽ二ニ="   /
        lヽ、    `ー‐     /          そうかあ…!
        l   `ヽ、      /          体調のいい日を選んで、姉さんにも挨拶しなきゃね。
        _ /     ` ー‐ "|
___,.-'" `ヽ、         l__
:::::\::\     >、      j `ヽ
:::::::::::\::\ /::ヘ ',      /  / }`ー、

 これが、既に幼名すら定かではない秋庭綱典の息子が、
家族と過ごした最後の時間となった。

219 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67)[saga] 投稿日:2014/06/09(月) 01:12:59 ID:V51IT6jA0

 そして、既に家光からの期限である九月を過ぎ、
十月に入ったある日…。

                _.. -―'''''''―-- ..,,_
              ,/           `゙''-、
               ,/     _..-'''''―- ..、    \
             /     .,/          \    .ヽ
         . /      /              ヽ    .ヽ
        /      ./      夢       ヽ    ヽ
       /      ./      ┃゙        , .l,    .',
      ./     ,i!゙',、     .∥キュッ     _ノ.l/j    !

220 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67)[saga] 投稿日:2014/06/09(月) 01:14:14 ID:V51IT6jA0

               _.. -ー'''''''―-..,,,
             /゛         `゙''ー ..,,,,,,__、    \ \、_ハノ
           ,i'゙,,....,,,、                ,,,,.....,,..二T" ヽ\).',..、
        i./    `''、                  `'';;;;;;i、 /
       ,!l 夢>   i'i|.゙l ,               `'- ヽ,)  
       l:|.`.゛ ./´゙7i}゙'、                ) )   さあ、今からお望み通り、
          !l,,_  l / '´   ...}               /`ヽ   
        .',_/       / !                /..l_)   江戸に戻ってくれるわー!!
           l ._i、 ,、ヽ !;:;:;ヽ              /   .l,)  
            l. i-'" ゙',/ l;:;:;:;:;\  _,,,,.............../ !    /-、 
            リ',、  .l゙''、|;:;:;:;:;,ノ゙ /   .,.‐',   l    .,ソ/ヘ '"
             '!|.l.  / .゛', ;;l" /   ., /  l,  .',  //  //7/ヘ /l ト、 |\
             _,.l,', ;;,'-'./ ゙./  _,,,/  !  ..l  ,ゞ゛   ___,/ _____V__ | l ヽ|
      ,./ '"   ゙''" / , ''"'''"| / .l   l   .l./
     i'"    ./ ./ /   ., '~',  .l   ! / ;',
   _..-'"゙゙フ'./ / ,/   ./',  .',  .l /;:;:;:;:;:|
 /゛  イ゛,/./ ,/   ,,-',  .l  .', _ '";:;:;:;:;:;:;:;:;|      .、  ,
   , ',゛i!〃゛ /   ., ''.l  ',  .l ,,ミ'゙;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:',゙''-、、   ゙',ゝ、,.l,
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   / /   .// l  ', .,ゞ゛  !;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;: !     . ゙'- `'
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   /   ., ''l'7 !  ヽ,,,,','"|      ',;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:}
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: '.l.,,i'゙.l |i./ .ヽ      .',,'',、     .l;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:!
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 ー''''''''''''―-..,,_ ゙゙゙̄"'''ー ,,, ./゛    `''ー ..,,,_;:;: /
             `゙'''‐    ~

 沢庵は故郷である出石を出立したのである…。

259 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67)[saga] 投稿日:2014/07/22(火) 02:03:20 ID:tquLwUG60

 正保元年(1645)、十一月二十日。
江戸品川、東海寺──

                      ,.,-‐'´''`´''`´```丶. _
                  _ ,.,イ             `'i
                   ,.ィ´       ,ィ'`´''   ィ'`´'' 、 `'丶.
               ((  ィ'`´''`´`             、_ヘ
                 `i,    _i'´.r==ィ=‐イ.,.,ー‐<´ `i `''  i    
                 ゞ. r=rl ‐ l  i  __ rl A , l _/`ir'ヽiソ       
                  ,>‐ュr 、,ヘー'´l  i  ̄  ̄ i´ l H‐-k'´i._
                 <ソ-‐イl / ,. __i_i ___.l r=ュ._,ュ.j  l i´`i_
                  ,ir‐i´_ ,.,-‐''"i k' >ヘ  ,,.  l  l.  j i ̄`' '´`iヘ.
             ,ィi  l l      l i /   l .l  i .l  l>'i lヘ. ,ィ、l  i i‐、
               ,,'i    i l  _rュ l l__l   __.l l ,r=、!__.r‐ュ.l i i iヘ l i ∧
           ,r-イ __l  ,イ l二l  i  ̄,,. ̄ ,,、  l  l  i  l  ̄,`' i´ `l.,_ ∧
            l  / `r`  ̄,rュi l!   l /  ヘ ,i'  ヘ l  l  l  l  i  l  _l i`'iへ.
       ,ュ/`=i  .l ,'T, i ニli   l i Y l l. Y l i  l  l  l  i  l _ l i i .i ヘ.
      r=' 7l ,l  l i  ;._!ニ!,‐-.iHェェェHェェェK二lェェH仁niニヽ /  / i i  i  li、
.      l i_ _l ,!,-‐''"~へー =<〈 _<l_li__ヘヘ_il二l二i ,'丿 // // ,ィ`丶/l i_ l_i i,
.       ト,.l _i>-、<>l><>>'´; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; `'丶. <l!>l<>l><lヘ l
     l./   `ヘ._.i `<> </; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ;. . . . . . . . . . . . . ヘ  / <i<> <>.<./
     `ヽ.  ir  `>、<>/; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ;. . . . . . . . . . . . . . . . ヘ,'<>、< _k ili /
        `''ー ,.,_ 二 > l; ; ; ; ; ; ; ; ;   ; 東海寺  . . . . . . . . . . . l < 二 _,.,-‐'"
             ̄ ̄ ̄∨; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ;.. . . . . . . . . . . . . . . . . / ̄ ̄ ̄
                 ∨; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ;. . . . . . . . . . . . . . . . , '
                  ヽ.; ; ; ; ; ; ; ; ; . . . . . . . . . . . . . . /
                      `丶.: : : : : : : : : : : : : : : : >'´
                      `' <三三三二>'´

260 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67)[saga] 投稿日:2014/07/22(火) 02:04:11 ID:tquLwUG60
┼─┼─┨:   |   |   |   |   |   |li   |┠─┼─┼─┨  | \
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━━━━┛,,.;;;/ ̄ ̄\..   ..   . ,...,,,, ,,,,,...       ┗━━━━━┛─
        / _ノ  ヽ、.\
          |  (●)(●) .|
        !  (__人__)  |     和尚。
          , っ  `⌒´   |    .体の具合の方はどうじゃ?
       / ミ)      /
      ./ ノゝ     /
      i レ'´      ヽ
      | |/|     | |


       _,.-'"´ 三ミ、ー-、
      / / ィ /⌒`⌒ヽ\
    / / / /    夢  | ヽ
   /    / イ´^ー、   ,.. 、)、 ',
 , '   / / //ヽ、 ゚ゝ  イ ゚ノ| |     うむ、ようやくマシになってきたな。
//イ    / /::::、  '´  ` ̄'|| |    これなら、明日の登城はどうにかなりそうだ。
/ /イ   /  |::::::| / _┗'  ,イ 、|
 /   /  |::::::| ┃r=━┫;:/ | |ヽ
/ / ,イ ,'  | ハ:::::| /!ー-、K ;:/ | |\
  /  / / ! \| | |::::::::::|! /!  ! |
 , /  / / |┐ \ `━彡' |   !ヾー-、
 / /イ | ハ! |==、  ̄乙/{,川ハ!     `ヽ、
 , ' / イ 川ハ、o | `='"oネ、リヾ、      ヽ
  / 人 リヾ `ー、_,彡'"|,リ'   ヽ   _,. ' 〉

 十一月七日、沢庵は東海寺へ帰着した。
しかし、体調不良が続き、家光への帰参の挨拶が、まだ延び延びになっていた。

261 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67)[saga] 投稿日:2014/07/22(火) 02:06:12 ID:tquLwUG60
           _,,、....... --........,,,
            ,/゙,.. -―ー ,,   `'''-、、
          / /   、,,,   .`'-、    \       \_人_人∧从_//
         / /   .ll夢i_、 u. .ヽ.    ..ヽ       )          >
       / . / u.  ."      ,i"<    .ヽ     <  ゲホッ!! >
     / . i',,            ,, ;;ソー'''ッ',     \     <         (
     ,'  l;:;:,゙;;iii- 、    ,i.l二rミ';;./ i',      `ー   /^Y ̄∨ ̄Y^   \人_人,_从人_人人/  
    . !  ,!;|,'..,;{゙l_,/./    .`''T゙゙´ii||." .|                        )  ゴホッ!! (
    !  .!゙"  ̄゛ ′         u.   ,...!                     /⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒ヘ
    .,!  .!  u.    _,,,,,.      /´;:;:|
    .l゙  .l'ー、 .、  ゙‐'ニ>-, .l  .|;:;:;:;:|
    .l  .|;:;:', !', /ニ',;;二ニコ;.l.,l} .!;:;:;:;:}        咳が止まらん…!
    .!   !;:;:.! .',゙ゞ゙'";:;:;:;:;:;:`゙;:;:;〈. :!;:;:;:;:l゙
   |  .l;:;: l l';:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;_,,;:l''、.l !;:;:;:;|
    |   .!;:;:;',.|;:l',;:./''''''"゛ `| l;! .|;:;:;:;|
   .|    .l;:;: ! l}',′    │ ゙l .l;:;:,i|
   .!    . l;:;:;l │ヽ   ._,,,./  ゛ .l./ .!
   |     .',-.l ′ `゙´      /   !
   l      l \、    u. . ,/   !
   .,!      .l   `''ー----‐'´     l
   .!       !                 ゙
   !       ."
  .|

                ____
     -=ニ"`' ,   , ' "  ,," '
     ______\ ` , , '    '-ー ̄二=-
  ∠二__  ~`           ""'ー、
   , - ~                 ヽ
  , '  , ,                  ヽ
  / /, '                   `,
  i/ /          /|           'i
   ,' ,    /:i /:i |:::| |',          |
   i /i /' /::::| |::::i |::uヽi::`,`ヽ       |
   i/ i/ i /ー-ヒ--`|u|--エ--ー\  ___   |        和尚、体に気をつけてくれよ…。
     i i/|二ニ=ニ~  二=ニニニ,:::| |─i`.  \     無理せず、治るまではここ(大津)に逗留してくれ。
       .,|ヽ_゚_./:::::"ヽ_゚_, イ/:|.|─| | |`┬ー-
      / | ==:/:::u:::  u ~/':::|.|ニノノ |  |ー--
 __;;-ー''"~~.λu:/:::::::_::i   /'::::u::|.|ー'  /  |
 __;;-ー''"~'/| .| (_,-  u   ::u:::::/|   ||   |
      | !i .| <__ __-ー''ー:-:::/::|   |.|   |
      .|  | .|x--二_____:::::/:::::|  ./ .|   .|
      |   |/~ニ二\\ 'i/::::: |  |  |   .|
     .|  ,r┴'---, ̄\',  |::u |  |.  |   |
     | </ ̄ ̄\こつ  i  /  .,|  .|    |
     !-ーC' ̄ ̄`こつ    | / /!/,/ \   .|
        | ̄ ̄ヽ、      | / /| -    ` , |
         板倉周防守重宗
    (いたくら すおうのかみ しげむね)

 先月、国許を出た沢庵であったが、大津に着いた辺りで咳が出始め、
そこで五・六日間、薬を飲み逗留をしていた。
それを聞いた京都所司代・板倉重宗も大津まで見舞いに訪れたという。

262 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67)[saga] 投稿日:2014/07/22(火) 02:07:24 ID:tquLwUG60

          .rニYニヽ  
          /    j |      …体調が戻らん。
        イ     } | 
       /j      j       今日もパスで。
    ,r'´ ̄`゙}     j l|rニ二ト、 
    〉─7-'´l|jト、 -イl;|`--l一〈 
    .|   |  ルリ-ト、|州リ  |  .| 
    j  |           |  |,


              イ::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\
.                /:/::ll:::::::::::ィ::ハ::::::::::::::::::::::::::::'.
                厶l:::::lレ:::::V〃 \::::::::::::::::::::::::l
                 |l:::::::::::::::〃    |ト、:::::::::::::::::::|
                 |l::l::::l:::l::廴  、_||_ \::::::::::::::!      またですか。
                 |l::l::::l:::りrrァ┐ |lr_rぇl:l::l/^lハ     これでパス4でございますね。
                 |l::l::::l::|     }  リ   |:l::| ノj
                  jハj::::l::|          |:l::し′
               ハ::::l::ト、    `´   jノV
               ハ::l::ハ}\  ニニ.'  /W
                 W ,リ  l\  /  {
                  _ノ|  ア´   _ノ\_  __
                  ア)yし'- ニニィ三=|三ア三三三\
                /ニ7^}:ア´/// /三ニレ'´三三三三=.ヽ.
.             ___∠三=/ /::|/////三ニ/三三三三三三= l
           /三三三 〈三/ /:::::|///三三/三三三三三三三= |
         /三ニr====='=./ /::::::::l/三`==┐三三三三三三三= j
     .  /三三|三三≡/ /::::::/三三三三|三三三三三三三=./
      /三三=|三三=/ /:::/三三三三/三三三三三三三=/
.      |三三ニ |三三/ //三三三三/三三三三三三三ニ=/
                中根壱岐守正盛
            (なかね いきのかみ まさもり)

 その後も道中で咳が再発しては休みつつ、
ようやく十一月七日に江戸へ帰着したものの、体調不良が収まらず、今に至るのである。
なお、その間、家光から繰り返し上使が訪れ、
「いつ戻るのだ」「いつ登城するのだ」と矢のような催促があったという。

 その結果、ようやく大丈夫そうだということで、十一月二十一日に登城が決まったのである。

263 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67)[saga] 投稿日:2014/07/22(火) 02:08:17 ID:tquLwUG60

       _,.-'"´ 三ミ、ー-、
      / / ィ /⌒`⌒ヽ\
    / / / /    夢  | ヽ
   /    / イ´^ー、   ,.. 、)、 ',
 , '   / / //ヽ、 - ゝ  イ -.ノ| |      俺としては、御城へ上がるよりも、
//イ    / /::::、  '´  ` ̄'|| |     お前の屋敷で挨拶できれば楽だったんだがな。
/ /イ   /  |::::::| / _┗'  ,イ 、|
 /   /  |::::::| ┃r=━┫;:/ | |ヽ     もう一日早く着けば、どうにかなったのだが。
/ / ,イ ,'  | ハ:::::| /!ー-、K ;:/ | |\
  /  / / ! \| | |::::::::::|! /!  ! |
 , /  / / |┐ \ `━彡' |   !ヾー-、
 / /イ | ハ! |==、  ̄乙/{,川ハ!     `ヽ、
 , ' / イ 川ハ、o | `='"oネ、リヾ、      ヽ
  / 人 リヾ `ー、_,彡'"|,リ'   ヽ   _,. ' 〉


    / ̄ ̄\
  /   _ノ  \
  |    ( 一)(●)     まあ、そこは仕方なかろう。
  |     (__人__)     明日はわしの他、永井殿、小堀殿が付き添うでな。
   |     `⌒´ノ     具合が悪ければ、すぐ言ってくれい。
   |   ,.<))/´二⊃
   ヽ / /  '‐、ニ⊃
   ヽ、l    ´ヽ〉
    ,-/    __人〉
   / ./.   /    \
   | /   /     i \
   |"  /       | >  )
   ヽ/      とヽ /
    |       そ ノ

 ちなみに当初の予定では、十一月五日に家光が柳生家下屋敷に御成するので、
そのタイミングで沢庵も来て挨拶するように、という話だったのだが、
和尚の到着が遅れたため、家光側も調整したものの、間に合わなかったようである。

264 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67)[saga] 投稿日:2014/07/22(火) 02:09:47 ID:tquLwUG60

 そして翌二十一日、江戸城──

                       }k
                       ノ;'l{
                     _ノ;人'、
                }、、__,. -'',r'/p、ヾ、
               ,}”ー--、."ニー--゙'ゝ ゙'‐、__,、ャ,
              ,、 /;;,rlT=イ__~ ̄~^~^''ー‐---、.y"
             ,irこ;;;},|i ||  ~||~゙ ''l!tー-n-;t{;/
             ,j r'i!_、_}-二 ニニ゛‐-,k!i、,、、」|__,|トッ
           、_ ヤ{/iコ};,^;;,,,;;;,‐,-,=ノ,ム=_-__ーネ{´,
           ,};コニニ/7r'|”~,__,゛,/ノ 。 \~^~^”””'ヤ
           i!;;;;;;;;;;;、i!__| ,i-!;'"/,r'^v^‐、\iコ~|レ=i、
         ,}`ー';;;;;;;;;;;;;;;}r‐''”_,.-''/ [iillIII}}}] 、゛\i!、;;;;i、
        /,Eャッririririrnm;y、^,、ニニ ー_ー‐-ー' ゛\,;;;i{、_     ,.ィ
        /,r"=|、__    ̄~””””””'''''''ー,rk':;firiririnnm;y^~三ニ;:ニ'}
       ,/,r"=/|::::.. ̄~゛゛``''';::::::::::::ー‐,ノ,ム-.,, 、.、.゛,.___゛~^~゛^i;/
     ,、 /,r"=/,;l,,,::::i::::|iillIIIIIIIIII|||:::::;7/,r' ``i、:::.iヘ::::::::. ̄~''''''':|
.    ォ}仁二Vェ^仁 ̄~"""゛””””''ー/,r'" .,・、 `\[iillIIIII|||]:::::::::::|  ,
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 _r,=ーヲー",,:;;;;;;'7rイ~,. -'''~,._-_''~´..::::::|iillIIIIIIIIII|||||||||}.:::::゙'‐、 ` 、゙''-、:|;;;`i、;;;;;;;;;;;;~ヽ、
 〕{ュョiririririrm;;;;;~_,n、 ̄__二;;;,,  ̄~゛゛゛'''''',,;;;;;;;;;ー―‐---`ゝ、` -、~ヾ,,;;ヽ、;、;,._;;_;;_,,'‐、
../,r'ーl~~~^~_,.,r'%%r===%%''ュ.,_"‐^"‐''=fhifhicifcifriririririyr'g'y'ng'y''ngmgigpmgwwiV} `''‐、._
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Il"^ヾ、,rーir;======i、ーy'-;ーkー┐,}イ_,レ´i~,;k'_~メv^-チ_ツゝく,ノ~v^j,´)、_}ゝク-ヽヽノiス´ヽ^{、
;;|,-r‐'y';_rllr======V´)、_}ーv'´ヽil~シ'_ノ`i~,k'_~T"v~「^j,´)、_}ーv'ケ^‐スj~シ'_ノ`iへヽ}v'ケ^~v、

265 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67)[saga] 投稿日:2014/07/22(火) 02:11:53 ID:tquLwUG60
        ,..-一ー''゙゙ ̄~゙'''ー- ..、
      /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;. \
     .,i";;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;.;;;ヽ
    .|丶;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;.!
    l丶;;;;;;;/!マダ゙'''!゙'V┐;;;ii―=i,xri-、;;ヽ
    |;;;;;;;;;;;,!       ゙゙.!;lリ     .!;;; !
    |;;;;;;;;;│          !′     .!;;.l'
    .l;; ∴/ィ,ニ'';;;;;;;;,y.  .uェ;;ijニニニ以
     ]/'.l.|  '゙.l,,ノ゛    ." l ノ" .l、.!        和尚、久しいな。
     ,!゙ .川  `゙゙゙'ー    .!‘'' ̄´  .l l       随分と具合が良くなかったと聞くが、大丈夫か?
     ヽ ゝ            |     !.|l゙ 
     .'Lヽ         ,     l゙/
      l'ァ.l       `..'"    .|’
      .リ ヽ    .ー===-   /
      /'゙i  .ヽ    .......   .,┤
     /゛ .i′  \        / ; |`'、
 ._..-''ア  ll  l  .\、 ." .,/;;;;;;;;l.l \
` .. l゙  .!|  ..l    .`゙゙´  ;.,;;;;;;;| !  .゙ぐ- ..,,_
 .″/   |  .i .l      !  !  .゛ |   ヽ.`‐   ̄'''ー ..、
  .l゙   !  ..,|___.l     ′ l゛ _...l   ヽ  .― ,,,,  `''-、.
  ./   .|,,,    ゙゙̄^" ...,,, .,r'" ̄  .,,〕    ヽ     `''ー..,、


       _,.-'"´ 三ミ、ー-、
      / / ィ /⌒`⌒ヽ\
    / / / /    夢  | ヽ
   /    / イ´^ー、   ,.. 、)、 ',
 , '   / / //ヽ、 ゚ゝ  イ ゚ノ| |       ようやく落ち着いた、といったところですな。
//イ    / /::::、  '´  ` ̄'|| |      まあ、俺も歳ですから、そろそろ無理がきかぬように
/ /イ   /  |::::::| / _┗'  ,イ 、|      なってきたということでしょう。
 /   /  |::::::| ┃r=━┫;:/ | |ヽ
/ / ,イ ,'  | ハ:::::| /!ー-、K ;:/ | |\
  /  / / ! \| | |::::::::::|! /!  ! |
 , /  / / |┐ \ `━彡' |   !ヾー-、
 / /イ | ハ! |==、  ̄乙/{,川ハ!     `ヽ、
 , ' / イ 川ハ、o | `='"oネ、リヾ、      ヽ
  / 人 リヾ `ー、_,彡'"|,リ'   ヽ   _,. ' 〉

 この日、宗矩たちに付き添われ、江戸城本丸に登城した沢庵は、
家光に帰参の挨拶を行った。

266 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67)[saga] 投稿日:2014/07/22(火) 02:12:28 ID:tquLwUG60
             __
          ,.-''";;;;;;;;;;``'ヽ、
       /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ、
      /;;;;、;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;、
      ,!;;;! '~  "~ `i||i"  '' `ヘ;;;!
      |;;;|     ヽ`   u ミ;;;|
     _ゞ;!,-;;;;;;;"フノ  ヾ`;;;ヽ 、ミ;リ     ううむ…散々催促しておいて言うのもなんだが、
      !ヘl;|.,,_==-、く` ,>゙-== 、「ヽ    和尚、養生してくれよ?
     !(,ヘ!   ̄'"  |ミ.' ̄" , ドリ
     ヾ、!      !ミ    ,レソ     俺も今後はあまり無理をかけぬようにするからな。
       `|      ^'='^     ム'′
.       ト、   、,.-‐ 、,,  /|
        i| \  ' ニ   イ.:|
        ,イi| ゙、\  (   /リ.:;ト、
      ノ :.:i|  ゙、 `ー─''゙:::;:'::::::!:::\


       _,.-'"´ 三ミ、ー-、
      / / ィ /⌒`⌒ヽ\
    / / / /    夢  | ヽ
   /    / イ´^ー、   ,.. 、)、 ',
 , '   / / //ヽ、_ゝ  イ_ノ| |       
//イ    / /::::、  '´  `  '|| |     …有り難き御言葉でございます。
/ /イ   /  |::::::| / _┗'   イ 、|
 /   /  |::::::| │ r---ヽ:;/ | |ヽ
/ / ,イ ,'  | ハ:::::| /     ;|/ | |\
  /  / / ! \| |      ./!  ! |
 , /  / / |┐ \ `─彡' |   !ヾー-、
 / /イ | ハ! |==、  ̄乙/{,川ハ!     `ヽ、
 , ' / イ 川ハ、o | `='"oネ、リヾ、      ヽ
  / 人 リヾ `ー、_,彡'"|,リ'   ヽ   _,. ' 〉

267 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67)[saga] 投稿日:2014/07/22(火) 02:13:09 ID:tquLwUG60

     r(    ,、_         /
     ゞ, rr~ヅ´ ミ        ,'.
      フハ    _ ミ        {.    よし!
.      |_.. -'_"-'´\  r'⌒ヽ  {   じゃあ、これから歓待するから、
      ゙i`'''Tjフ   } ミトー } l   二之丸に行こうじゃないの。
       ,' ,.‐'"    { {い) / ノ_
      ,'        ゞ゙ f クァ ―`‐- 、.._,、-'´
      〈.、,..        ,.‐'´      `' 、``丶、
       )__.. -ァ   /
         Y´_   ./   \    \\
          ゙i゙   {     \    \\
          丶、,、イ       \    \\
             {        \    \\


       _,.-'"´ 三ミ、ー-、
      / / ィ /⌒`⌒ヽ\
    / / / / u.  夢  | ヽ
   /    / イ´^ー、   ,.. 、)、 ',
 , '   / / //ヽ、 - ゝ  イ -.ノ| |
//イ    / /::::、  '´  ` ̄'|| |      ……畏まりました。
/ /イ   /  |::::::| / _┗'  ,イ 、|
 /   /  |::::::| ┃r=━┫;:/ | |ヽ     (だから但馬の屋敷の方が楽だったんだがな…。
/ / ,イ ,'  | ハ:::::| /!ー-、K ;:/ | |\      こりゃ今日は夜まで戻れんか)
  /  / / ! \| | |::::::::::|! /!  ! |
 , /  / / |┐ \ `━彡' |   !ヾー-、
 / /イ | ハ! |==、  ̄乙/{,川ハ!     `ヽ、
 , ' / イ 川ハ、o | `='"oネ、リヾ、      ヽ
  / 人 リヾ `ー、_,彡'"|,リ'   ヽ   _,. ' 〉

 挨拶が済んだ後は、二之丸へ向かい、
その日は丸一日、家光自らにもてなされたという。

【正保元年十一月二十八日の小出吉英宛の手紙(抜粋)】
 『去廿一日ニ登城仕候。御本丸にて御対面御禮申上候。其後直ニ二之丸へ参候へとて、二之丸へ参候。
  (中略)朝四に登城申し、くれくれニ二之丸退出仕候』

268 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67)[saga] 投稿日:2014/07/22(火) 02:14:11 ID:tquLwUG60

 その後…

       _,.-'"´ 三ミ、ー-、;;
    ;;/ / ィ /⌒`⌒ヽ\;
    / / / / u. 夢   .ヽヽ
  ;/   ./ イ´^ー、   ,.. 、)、 ',;;
 , '   / / //ヽ、-ゝ  イ-ノ| | 
//イ    / /::::、  '´  `ii||||/ |;    …ううむ、体調が戻らぬ。
/ /イ   /  |::::::| / _┗' u. イ 、|;
 /   /  |::::::| │ r---ヽ:;/ | |ヽ;;
/ / ,イ ,'  | ハ:::::| /     ;|/ | |\
  /  / / ! \| |  u.   ./!  ! |;;
 , /  / / |┐ \ `─彡' |   !ヾー-、;
 / /イ | ハ! |==、  ̄乙/{,川ハ!     `ヽ、;;
 , ' / イ 川ハ、o | `='"oネ、リヾ、      ヽ
  / 人 リヾ `ー、_,彡'"|,リ'   ヽ   _,. ' 〉;


   / ̄ ̄\
 /      \
 |  u   .   |
. |         |     すまん和尚。
  |    u.   ノ    流石に上様と二人きりのところに、
.  |         }     口を挟めんかったわい。
.  ヽ        }
   ヽ     ノ  
   /    く  
   |     \  
    |    |ヽ、二⌒)、

 挨拶の後、暫くの間、和尚の体調は快復し切らず、
翌年正月二十日まで体調不良が続いたという。

【正保二年四月二十六日の小出吉英宛の手紙(抜粋)】
 『極月より正廿日相煩申、漸本腹仕候。自分俄ニ腹痛仕、吐逆無正體御座候。
  (中略)漸く快気、当月朔日登城仕候』

269 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67)[saga] 投稿日:2014/07/22(火) 02:14:53 ID:tquLwUG60

       _,.-'"´ 三ミ、ー-、
      / / ィ /⌒`⌒ヽ\
    / / / / u  夢  | ヽ
   /    / イ´^ー、   ,.. 、)、 ',
 , '   / / //ヽ、_ゝ  イ_ノ| |     .まあ、あまり気に病むな。
//イ    / /::::、  '´  `ii|||/| |    俺も今年で七十三。
/ /イ   /  |::::::| / _┗'   イ 、|    体調は悪いくらいで普通であろう。
 /   /  |::::::| │ r---ヽ:;/ | |ヽ
/ / ,イ ,'  | ハ:::::| /     ;|/ | |\    貴様とて老いを感じた事が
  /  / / ! \| |  u.   ./!  ! |     ないわけでもあるまい?
 , /  / / |┐ \ `─彡' |   !ヾー-、
 / /イ | ハ! |==、  ̄乙/{,川ハ!     `ヽ、
 , ' / イ 川ハ、o | `='"oネ、リヾ、      ヽ
  / 人 リヾ `ー、_,彡'"|,リ'   ヽ   _,. ' 〉


   / ̄ ̄\
 /   _ノ  \
 |    ( ー)(ー)     …まあ、のう。
. |     (__人__)    わしとて再来年には喜寿(77歳)じゃからな。
  | u.   ` ⌒´ノ    体に衰えを感じぬとは言わぬよ。
.  |       nl^l^l
.  ヽ      |   ノ
   ヽ    ヽ く
   /     ヽ \

 正保二年(1645)、この年、沢庵は73歳、宗矩は75歳になっている。

270 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67)[saga] 投稿日:2014/07/22(火) 02:16:32 ID:tquLwUG60

       _,.-'"´ 三ミ、ー-、
      / / ィ /⌒`⌒ヽ\
    / / / / u  夢  | ヽ
   /    / イ´^ー、   ,.. 、)、 ',
 , '   / / //ヽ、 ゚ゝ  イ ゚.ノ| |
//イ    / /::::、  '´  `ii|||/| |      なんにせよ、当面は養生に努める。
/ /イ   /  |::::::| / _┗'   イ 、|    その間の上様への取り成しは頼むぞ。
 /   /  |::::::| ┃r=━┫;:/ | |ヽ
/ / ,イ ,'  | ハ:::::| /!ー-、K ;:/ | |\
  /  / / ! \| | |::::::::::|! /!  ! |
 , /  / / |┐ \ `━彡' |   !ヾー-、
 / /イ | ハ! |==、  ̄乙/{,川ハ!     `ヽ、
 , ' / イ 川ハ、o | `='"oネ、リヾ、      ヽ
  / 人 リヾ `ー、_,彡'"|,リ'   ヽ   _,. ' 〉


    / ̄ ̄\
  /   _ノ  \
  |    ( 一)(●)      うむ、任せてくれい。
  |     (__人__)      では、くれぐれも気をつけてな。
   |     `⌒´ノ
   |   ,.<))/´二⊃     「おう」
   ヽ / /  '‐、ニ⊃
   ヽ、l    ´ヽ〉
    ,-/    __人〉
   / ./.   /    \
   | /   /     i \
   |"  /       | >  )
   ヽ/      とヽ /
    |       そ ノ

271 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67)[saga] 投稿日:2014/07/22(火) 02:17:19 ID:tquLwUG60

         __
        /   _ノ\
       /     (一)
      (( |     (__人)     …しかし、歳か。
       |          l    体の衰えは自然のものであるから仕方ないにせよ、
.        |        |    兵法者としての心だけは、衰えさせるわけにはいかぬのう…。
.       ヽ      ノ
        ヽ     /      床に着く時間の方が長くなった時すら、
        /    ヽ     「西江水」を編み出された父上を鑑とせねばな。
        |     |
         |.       |

272 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67)[saga] 投稿日:2014/07/22(火) 02:18:39 ID:tquLwUG60

 それから暫くして、正保二年三月十日──


                    (二二二ニ/二二ニ/二|二二ヽ二ヽ二ニニ)
                    //_/__//_/__//_/| |ヽ_ヽヽ_ヽヽ_ヽヽ
                   //_/__//_/__//_/_| |__ヽ_ヽヽ_ヽヽ_ヽヽ
                   //_/__//_/__//_/__| |_ヽ_ヽヽ__ヽヽ_ヽヽ
   二二二ニ/二二ニ/二二二//_/__//_/__//_/_| |__ヽ_ヽヽ__ヽヽ_ヽヽヽ二二ヽ二二ヽ二二ヽ二二ヽ
   //_/__//_/__//_/__///_/_//_/__//_/_ | |___ヽ_ヽヽ_ヽヽ_ヽヽヽヽ_ヽヽ_ヽヽ_ヽヽ_ヽヽ
  //_/__//_/__//_/__//○====○====○======.○=====○===○===○===○ヽヽ_ヽヽ_ヽヽ_ヽヽ_ヽヽ
  //_/__//_/__//_/__//_|   |┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬|__|_ヽヽ_ヽヽ_ヽヽ_ヽヽ_ヽヽ
 ○====○====○====○===.|   |││││││││││││││││||  .||===○===○===○===○===○
                  |   |││││││││││││││││||  .||
                  |   |┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴|| 柳 ||
                  |   |┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬|| 生 ||
  ___________|   |││││││││││││││││||   ||____________
  \/\/\/\/\/\|   |││││││││││││││││||   ||\/\/\/\/\/\/
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   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄``````````````````````````````` ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

273 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67)[saga] 投稿日:2014/07/22(火) 02:19:28 ID:tquLwUG60
 ;";ヾ; ;" ; ; ; ゞ ; ;ヾ ; ; ヾ ;ゞゞ; ;ゞ ;" " ; ヾ ;ゞ; ;ゞ ;" ";ゞ ;" "ゞ ; ; ; ゞ ; ;ヾ ; ; ヾ
 ヾ;ソ ヾ; ;ゞ "ヾゞ; ;ゞ ;" "ゞ ; ; ; ゞ ; ;ヾ ; ; ヾ ;ゞ; ;ゞ ;" "ゞ;ゞ ;" "ゞ ; ; ヾ ;ゞ
 "; ;ヾ; ;ヾ; ;メヾ "ゞ ;ヾ ;ゞ ;" "ゞ ; ; ; ゞ ;" "ゞ";ヾ ; ヾ ;ゞ; ;ゞ ;ゞ ;" "ゞ
 ;" "ゞ ; ; ; ゞ ; ;ヾ ; ; ヾ ;ゞ;ヾ ; ;";ヾ; ;"/" ; ;ヾ ;ヾ; ヾ ; ヾ ;ゞ; ;ゞ ;" ";ゞ ; ;ヾ  
 " ;ヾ ; ;";ヾ; ;"/" ; ;ヾ ;ヾ;ヾ ; ;ヾ ; ; ヾ ;ゞ  " ;ヾ ; ;";ヾゝゝ" ;ヾゞ
,." ;ヾ ; ;";ヾ; ;"/" ; ;ヾ ;ヾ;ヾ ; ;ヾ ; ; ヾ ;ゞ  " ;ヾ ; ;";ヾゝゝ" ;ヾ ; ; ヾ ;ゞ;
ゞ:ヾゞ゛;ヾ;ゞ ',;:ゞヾゞ;ゞヾ.: ;" "ゞ ; ; ; ゞ ; ;ヾ ; ; :ヾゞヾ., .ゞヾゞ;ゞヾ;ゞゞ;ゞ 
,,ヾ ;"; " "; ;ヾ; ;ヾ; ;ヾ " ;ヾ; ;ゞ ;" "ゞ ; ; ; ゞ ; ;ヾ ; ; ヾ ;ゞ "ゞ;ゞ    `
; ;ゞ ;" "ゞ ; ; ; ゞ ; ;ヾ ; ; ヾ ;ゞ" ;ヾ ; ;";ヾ; ;"/" ; ;ヾ ;ヾ "" ゛;";   
" ;ヾヾ ; ;";ヾ; ;" ; ; ; ゞ ; ;ヾ ; ; ヾ ;ゞゞ; ;ゞ ;" "ゞ ; ;"/" ヾ ;ゞ ;" "ゞ ;
ゞヾ;\\" ,,.ゞヾ::ゞヾゞ:ヾ ゞ:.y.ノゞ ; ;ヾ ; ;ゞ ;" "ゞ; ; ; ゞ゛; ;ゞゞ
 ゞヾゞ;ゞゞヾゞ;ゞiiiiii;;;;::::: イ. ;ヾ ;ゞ ;" "ゞ ; ; ; ゞ ;" "ゞ";ヾ; ヾ 
 ゞヾ ; ;" ; ; ;; ;"iiiiii;;;;;::::: :)_/ヽ,.ゞ:,,ヾゞヾゞ__;::/ 
   ゞヾゞ;\\iiiiii;;;;::::: :|;:/ヾ; ;ゞ "ゝゞ ; ;`
 " ;゛ ; ;" ; ;ゞ "|iiiiii;;;;::: : |:/ ヾゞ 
   ヾ     |iiiii;;;;;::::: ::|    
    `    |iiiiiiii;;;;;;::: :| `  
  `      ,|i;iiiiiii;;;;;;::: :| `  


    / ̄ ̄\
  /     _ノ\
  |       (⌒)     おう、もう満開になったか。
.  |       (___ノ)   ひと風吹けば、さぞ見事な桜吹雪が舞うのであろうな…。
   |        ´ノ
.   |         }
.   ヽ        }
    ヽ     ノ
   /      ヽ

 この年の旧暦三月十日は、新暦に置き換えれば四月六日になる。
柳生家の庭にも植わっていた桜も、恐らく満開だったであろう。

 宗矩は庭に出て、一心に桜に見入っていた。

274 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67)[saga] 投稿日:2014/07/22(火) 02:20:11 ID:tquLwUG60
::;;ヽヽ:;;;ヽヾゞ;::;:; ヾ; ;.:ゞ;"ゞ ;;;;;ヾ゛ミゞ;;゙;:ヾ; ;ヾ)
⌒ゞ;ゞゞ;ヾゞ;ゞヾゞ;;;,.ヾゞヾ;::;:; ヾ;;ミ; :.ヾヾ;::;:ゞ          _                                     `   :
ゞ;ゞ゚ ゞ; ヾ ; ; ヾゝヾゞ。゙;;;ゞ;;:::゛;;ゞ; ;ヾ;゛; ヾ
ゞゞ::;;ゝ;;゛ゝ;::;:ヾヾ:/;;゚::;;ヾゝ;;;::;:゙ヽヽゞ;;ゞゞ                   `                                   `  .
;;''ヾ;;ゞ;;ゝゞ;;ミミ::ヾヾヽ;;;ゞ;;ソ;;゛:.:;;.ゝ
ゝ;;ゞ::ヽ;;゚ヽヾ::;;ソィ;;ヽヾゞ                                          '  .
::(,ゝ;;ゞ:::ヾゞ::ソ;;ミ`             'ー                                   `   ,
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ヾヾ゚;;ヽ':;;ミミヾ;ヾヾヽ:.,
;;ヽ::;ヽ::;:ヽ::ヽミ;ゝ;;;::;:ヽヾツ;.:..                    ´   `  .             ザワッ…
;';;ゝヽ:::;: ;;), ' ヾゝ'::ゞ;;゛;::ヽ;;ッ 、       . .   . ´         `   .
⌒;;ヾヾゝヾゞ:;;⌒ヾ;';;ゝヽ::ヾ;;ゝ;;ソィ,,   .        .              `  .
 ;; ::;:;;ヾゝ;;ヽ;.::ヽ; ;:⌒ヽ゛ ヽ ;::ミヽヾ;;ゞ。.:,           ' ,                                    '
 ;ゝ /;;ゞヽ::ゞ;;;゛::ゞ:ゞ::;"ゞ ; ; ;ゞ゛ ゛:: ;;ソ         .                    `
ii:::..ヽ;; ::;:;;ヾゝ;;ヽ;.::ヽ;;ゝヽ;; ::;:;;ヾゝ;;ヽ;.ヽミ;;ン    ´   `
;;|:ヾゞ;;::; ;;ヾゝ:.:.゛;; ;:ゝゝヾ::⌒ミ゛;;⌒;;;;へ゛;;::;::;;ヾゝ ;;゛ン;.,   `         `        ,
ヾ|i ゝ;` ; ;;゛::ヾゞ;;::゚;;/;: ; ; ;ゞ::;::: ;;::⌒ヾ゚;;ヽ':;;ミ゛..゛:: ;;ソゝゞ,;.,,                     (丶
::;::,゛ゞ.ヾ;ツヽヾ;;ゝゞ:ヾゞ;;::ゝ;::ヽ;;ゝヽ::;: ゞ;ゞ゚ ゞ; ヾ ; ; ヾゝヾゞ。゙;;;ゞ                      `
;;|i ;;;ヾ(;;ヾヾゝ;:;::ヽ;;ゝ;` ;ゝゞ; ;;ヾヾゝ;;ゞ:ゞ::ゞ;;/.::⌒;;ヾ::;:;;ヽ::;ヽ)゛::).;、 ,         -               '         i)
 |i;:;;;i:ii;;.;;; ;ゝ;;).:ゞ:,゛ゞ.ヾ;: ; ;ヾ;;;ヽヾ.ヾ;;;ヾゞ;;;,.ヾゞヾ::;:; ヾ;;ミ;:.ヾヾ:ゞ  、
イ-=' ̄¨ー、;ィr==`゙ "ゞ ; ;"/" ヾ ;ゞ ;" "       ~       ,                               、
__、===≧=ィ'イ⌒゙                         `            、        、                       ,
、r-''ー' ̄-‐'´`                              `  .   、                          ,
:
                                                                       .  ´

275 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67)[saga] 投稿日:2014/07/22(火) 02:20:54 ID:tquLwUG60
                  ,...                       ノ⌒)
                /(                       ~''''"
 〈ヽ              {:::::::)                    ト、
  ´              ゙'''"                    lノ

                             ,/,ニ''ッ‐
                            ノ::::′ l
                         '―ー''"
           /゙'l                            ノヽ
        ヽ/                           (::::::ヽ        ヒュウ……ッッ
                                      ヽノ





                  ,...                                        ノ⌒)
                /(                                        ~''''"
 〈ヽ              {:::::::)                                     ト、
  ´              ゙'''"                                     lノ

                                             ,/,ニ''ッ‐
                                            ノ::::′ l
                                          '―ー''"
           /゙'l                                             ノヽ
        ヽ/                                             (::::::ヽ
                                                       ヽノ

276 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67)[saga] 投稿日:2014/07/22(火) 02:21:33 ID:tquLwUG60

       (ヽ三/) ))
        ( i)))
    / ̄ ̄\ \
  /   _ノ  \ )
  |    ( >)(<)    おう、見事じゃ…!
 . |  ///(__人__)    美しいのう……!
   |     ` ⌒´ノ
 .  |         }
 .  ヽ        }
    ヽ     ノ
 ⊂ヽ γ    く
 i !l ノ ノ    |
 ⊂cノ´|     |

277 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67)[saga] 投稿日:2014/07/22(火) 02:22:15 ID:tquLwUG60
 









                    `     '
                      、   ノヾ     '    ピキンッ!
                      )ヽ/  ヽ、ノ|ノ´
――---―z_------- ―== ニ ニ二       二ニ ニ ==――---―z______
                       )     (
                     , '´⌒`Y´⌒` 、
                          ,     \









.

278 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67)[saga] 投稿日:2014/07/22(火) 02:22:59 ID:tquLwUG60
                        ,     | て
                           ,,..イ       |  そ
       l          _,,,...イ´   |     |
       ヽ、ヽ __,,..-t''"´:::::::::::|    l     |
            |  ヽ:::::::::::::ノ   /      .|     ………………………ッ!?
            ヽ、    ̄   /        |
              `               |
                             |
                               |
               ヽ             |
               |             |
.人                /             |

279 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67)[saga] 投稿日:2014/07/22(火) 02:24:18 ID:tquLwUG60

  ∧_∧ 
 ( ´・ω・) ?
 ( つ と ) 
 と_)_)


                     / ̄ ̄\
                    //      \ つ
                   (● )       |   クルリ
                   (__)          | 
                   ( ´       |
               .     {        |
                    {        ノ
                     ヽ     ノ
                     ノ⌒   ヽ
                     /      |

 不意に、宗矩は桜吹雪を観るのを止めると、周囲を素早く見回した。

 周りには、後ろに控えた小姓が一人いるのみである。

280 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67)[saga] 投稿日:2014/07/22(火) 02:24:59 ID:tquLwUG60
                        ,     |
                           ,,..イ       |
       l          _,,,...イ´   |     |
       ヽ、ヽ __,,..-t''"´:::::::::::|    l     |
            |  ヽ:::::::::::::ノ   /      .|
            ヽ、    ̄   /        |      ………………………。
              `               |
                             |
                       u.       |
               ヽ             |
               |             |
.人                /             |


 周りに何者もいない事を確認すると、
宗矩は表情を険しくしたまま、屋敷内へと戻り、部屋に閉じ篭ってしまった。

281 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67)[saga] 投稿日:2014/07/22(火) 02:25:54 ID:tquLwUG60
 ゙̄''ー-、.._                                _,,-―'" ̄
       || ゙̄''ー-、______________,,-―'" ̄
二.二二二二i===||________,| |              | |
    ||    ||;; |  | | ̄ ̄__i__ ̄ ̄| |―┬―┬―┬―| |  |\
    ||    ||;; |  | |   |  |:   | | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| |  |  \
    ||    ||;; |  | |   |  |:   | |.  i i        | |  |   |
    ||    ||;; |_| |   |_|:   | | (_;;).       | |  |    |
    ||    ||/ /| |         | | ̄ ̄ ̄| ̄''''――| |  |    |
    ||    ||/  /三.三.三.三三|_|―――|゚____,|_|   \  |
    ||    || /                       \  \|
    ||    ||'                             \
//||   /                               \
//|| /      
//              / ̄ ̄\
/               /        \
             .   |         |
             .   |          │   …………。
                |          |
             .   |         |
             .   ヽ      /
                 ヽ     /
             .    >     <_
             .     (      、`)
                 |     i


    |
   |
   | ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
   |  \    |
   |\     │     殿…。
   | ̄\ ∪ |    先ほどから尋常ならざるご様子ですが、
   |     /     ..何か御懸念がございますでしょうか…?
   | ̄ ̄ ̄ \
  (⌒ー─'   )
   山中忠兵衛
(やまなかちゅうべえ)

 宗矩が部屋に篭ってずっと思案しているのを訝り、
ついに用人の一人が、宗矩に尋ねた。

282 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67)[saga] 投稿日:2014/07/22(火) 02:26:36 ID:tquLwUG60

            ,, -─- 、._
          /      ヽ
            |        u .|
             |   ヽ、 /  .|      うむ…。
            |  (-)(-) |     実はの…先ほど、桜を観ておった時、
          |  (__人__) |     .一瞬、殺気のようなものを感じたのじゃ。
          ヽ  `⌒´  ノ
          /   ∩ノ ⊃  ヽ,
            {   / _ノ     }
          |  /   /   ィ  |


    ´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
    /   /   \   丶
   │     /\     .|    殺気、ですと…?
   |    / ̄ ̄\  u. |
    \           /

283 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67)[saga] 投稿日:2014/07/22(火) 02:27:26 ID:tquLwUG60

            ,, -─- 、._
          /      ヽ
            |        u |
             |  ヽ、i||i/  .|     じゃが、周囲を見ても、
            |  (-)(-) .|    いるのはいつもと変わらぬ小姓が一人のみ。
          |  (__人__) |
          ヽ  `⌒´  ノ      で、あれば、わしは、
          /   ∩ノ ⊃  ヽ,   ありもせぬ殺気を感じたということになる…。
            {   / _ノ     }
          |  /   /   ィ  |


    ´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
    /   /   \   丶
   │     /\     .|   ………。
   |    / ̄ ̄\  u. |
    \           /

284 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67)[saga] 投稿日:2014/07/22(火) 02:28:20 ID:tquLwUG60
      ________
   /) / .)  \
   / ./::/ ./:::/ ) \      我が兵法の要諦は、平常心にあり。
   l .l/ // ∠___ |     ならば、殺気を感じることを誤ったということは、
   l / / / _、,,.ノ |    .兵法者として致命のことじゃ。
  r      /___)  |
  /     /     |       じゃが、同時に、わしは先ほどの殺気が
 /     ノ   u. |      誤りであったとも思えぬ。
 {    jヽ      /     故に、わしは先程から迷いに沈んでおるのじゃ…。
 .|    i  >    人_
  |   |/   ̄     ヽ
  .|   |        ィ ヽ


   _____
 /        \
/    /   \   ヽ
|  u .  /ヽ    |    左様でございましたか。
|      / ̄丶   .|   しかし、これは如何にするべきか…。
/     ∩ノ ⊃  /
(  \ / _ノ |  |             \人_人,_从人_人_人,_从,人/
.\ “  /__|  |               ) 申し訳ございません!(
  \ /___ /              /⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒ヘ

 宗矩が、先程からの悩みを用人に打ち明けたところ、
不意に、後ろから声が響いた。

285 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67)[saga] 投稿日:2014/07/22(火) 02:30:26 ID:tquLwUG60


            ∧__,,∧
        (´・ω・`)   実は、その殺気の主は…私なのです!
         (つ と)   
         `u―u´


    、__人__人__人__人__人__人__人__人__人__人__人__人__人__人__人__人__人__人__人__人__,
    _)                                                (_
    _)  ナ ゝ        ナ ゝ  /   ナ_``  -─;ァ              l7 l7   (_
    _)   ⊂ナヽ °°°° ⊂ナヽ /'^し / 、_ つ (__  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ o o    (_
    )                                                (
    ⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒
.
 /   , ,ィ ハ i、 、     !   /''⌒ヽ-─‐- 、     、ー'´         \ .イ   , ,ィ ハ i 、   |
 /イ  ,ィ/l/ |/ リuヽlヽト、 |   ゝ ,、.___,  \  >       ,       !  | ,ィ/l/ l/ uハlヽトiヽ. |
  イ /r >r;ヘj=:r‐=r;<ヽ│  「 ./       u \  |  ≧  , ,ィ/ハヽ\   |   |/゙>r;ヘ '-‐ァr;j<`K
  r、H   ┴'rj h ‘┴ }'|ト、  |./        ヽ |  1 イ/./ ! lvヾ,.ゞ、 ! .ry   ┴ 〉   └'‐ :|rリ
  !t||u`ー-‐ベ!` ` ー-‐' ルリ r|´゙>n-、ヽ-rj='^vヽ _レ「゙f.:jヽ ーT'f.:j'7`h |t|.   ヾi丶     u レ'
  ヾl.     fニニニヽ  u/‐'  :|r|  ー "j `ー ′ h゙リ {t|!v ̄" }  ` ̄  !リ ヾl u  iニニニヽ   /|
    ト、  ヽ.   ノ u,イl.    ヾ! v  ヾ__ v イ‐' ヾl   ヾ_  v ./'    ト、  、__丿u ,イ ト、
   ,.| : \  `ニ´ / ; ト、    ト.、u L_ フ , ' |.    ト、u ヾー `> /.|.   ,| ::\     / ; / \
-‐''7 {' ::   ` ー '  ,; ゝ:l`ー- ⊥:`ヽ. __ / ,' |    | :\   ̄ /,' ト、_ /〈 ::  ` ー '   ,'/   「
  /  \ ::       , '/  :|     `'''ー- 、 , ' '>-,、.._ノ ::  `ー '   /,.イ   \::     /      |
 /     \    /     |        | ヽ-‐'´ _,.ヘ<  _::   _,. イ/ |     ,.へ、 /´\       |


   / ̄ ̄\
 /   _ノ  \
 |    ( ○)(○)
. |  U  (__人__)    お前らこそ誰だよ!?
  |     |r┬-|
.  | ι   `ー'´}    いや、それより、それはどういうことなのじゃ?
.  ヽ     u  }
   ヽ     ノ
   /    く  \
   |     \   \
    |    |ヽ、二⌒)、

 その声の主は、先程の小姓であった。

286 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67)[saga] 投稿日:2014/07/22(火) 02:31:42 ID:tquLwUG60

 一体どういうことかと宗矩が訳を問うてみたところ…。

          ヘ   /|
        /  ̄ ̄  ヽ      先程、殿が桜を眺めておられた時、
       /    \        あまりに夢中になっておられましたので、
        l ○  ○    l}
        l  (_人__) U   /    「今、この時なら、この私でも
       \       /     天下の名人たる殿に一太刀入れられるのではないか?」
        /¨¨ヽ    <  
        l  /     \      …と、考えてしまったのです。
          丶          \
         |          \


     __
   /::::::::::::\
 /   __ノ::::ヽ
 |    (;;;;;;)::::)
 .|      ::(;;;人)     成程、そうであったか…。
  |      :::::::::rつ
  .|      :::::::((三)
  ヽ    ::::::::::(::::<
   ヽ  ::::::::::/∧::::∨
   ∠::::::::::::/⌒ ∧:::ヽ
  (:::::\ /:::::::/;;;;;;;;;;)
  |\::::::::::::/|
  |:::::\_/:::::|

 先程、宗矩が桜に夢中で、無防備に見えた際、
今、斬りつけてみればどうか、と考えてしまった事を小姓は告白した。

287 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67)[saga] 投稿日:2014/07/22(火) 02:33:48 ID:tquLwUG60

     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
     |    /    \ ヽ      この慮外者め!
     | ノ(    /\.   |    そのようなことを考えるなど、許せぬ!
     | ⌒  /  ̄ヽ  | 
     \           /l!| !    殿、この者、如何いたしましょう?
     /         \ |i
   /        ヽ !l ヽi
   (   丶- 、     しE |そ
    `ー、_ノ   Σ  l、E ノ <
            レY^V^ヽl


            / ̄ ̄\
          /_ノ  `⌒ \
    _     .| (● ) (⌒ ) .|     これ、そう責めるな。
    | !    | (__人___)   |    この者がそのように思うたのも、
    | !    |  ` ⌒ ´    .|    わしの油断というものじゃ。
    | !   ,.-,|          |
  ._,ノ ┴、/ ,/ .|        /      小姓よ、よくぞ正直に申した。
  .r `二ヽ ) i ヽ        /     褒めてつかわす。
  .|  ー、〉 /   〉      <  
  .|  r_,j j / ̄   '' ̄  ⌒
  .|   ) ノ/ {       ィ,  }
  ノ   ,/   |         |{  |


 ∧_∧
(;´・ω`)  お、お咎めされないので?
(U_U )

288 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67)[saga] 投稿日:2014/07/22(火) 02:34:47 ID:tquLwUG60

   / ̄ ̄\
  /   _ノ  \
  |   ( ⌒)(⌒)      うむ、これでわしの迷いは消えたのじゃからな。
  .|     (__人__)_   咎めなどせぬ。
  |        `⌒´. ̄
  .|        ノ      今後も励むが良いぞ。
  ヽ    .,ノ )/´二⊃
   >  /"/  '‐、ニ⊃ 
./⌒ヽ  l    ´ヽ〉〆ヽ
(   ヽ/    __人〉ヾ_ノ,ゞ
.\  /   /   {  /


 ∧_∧
(;´・ω`)  あ、ありがとうございます!
(U_U ) 

 宗矩は、己が感じた殺気が気のせいではなかったことが分かると、
途端に表情が明るくなり、その小姓もお咎めなしで済ませた。

289 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67)[saga] 投稿日:2014/07/22(火) 02:35:26 ID:tquLwUG60

     / ̄ ̄\
   /   _ノ  \  ( ;;;;(
   |    ( ─)(─  ) ;;;;)    我が剣、未だ老いず…。
   |      (__人__) /;;/   それがわかったのじゃ。
.   |        ノ l;;,´
    |     ∩ ノ)━・'      わしが礼を言いたいくらいじゃわい。
  /    / _ノ´ 
  (.  \ / ./   │
  \  “ /___|  |
.    \/ ___ /


 「我が剣、未だ老いず」

 それを悟った宗矩の顔には、わずかな笑みが浮かんでいたという…。

290 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67)[saga] 投稿日:2014/07/22(火) 02:36:01 ID:tquLwUG60
                                ,.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
                                .::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: i
                                |::::::::::::::::::::|::::::::|::::::::::::::::::::::::::::|::::::::::|:::::::::::::::::::::::::::|
                                |::::: |:::::::::::i|::::::::|:::::::::i| ::::::::::::::i| :::: /|::::i}::::::::::::/::::::|
   あら、出番ね。.                     |::::: |:::::::::::iト、:::∧ :::::i| ::::::::::::::i|::: / i|儿|:::::::::/i} ::: |
 今まで解説なしのままで、             ..  |:::::∧ :::::::i|f斧テァュ、|i州i从iレ|ィfテ秀ァ介 ::/ ア ::: |
 長々と続いていたから、             .    |:::::::::::、 ::::i| `¨¨´          `¨¨´/::::::/_/、 :::: |
 いつになったら出番が来るかと思ったけど、 ......__ノ-=≦7ァ、::::、         :i        /::::::/‐=乂≧=‐  _
 やっと出番が来たわね。               .二二二|   \(        i       少f'´   }二二二二二
                              二二二|    \               イ   /二二二二二
  そうそう、ところでわたし、幽霊なんだけど、  二二二}       、 `  _  '  /    イ二二二二二二
 あなた、その辺り大丈夫?            ...二二二ム             _   イ      /二二二二二i/
                              二二二二:.、                  /二二二二ニ//
                              二二二二二:.、              /二二二二/i:i/ニ
                              \二二二二二:.、   、   /  /二二二二/i:i:i:/ニニ

              ____
            r ニ=ー: : : : : : : : : > 、
       , -=j: ´: : : _,.: : : : <: : : : >.、 _
      /,ィ/⌒: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : 二ニイ _,ィ
        l:{/: : : : : : : : : : : : : : : : : : > 、: : : : : : ` ̄: : <
      ,j∨: : : : : : : : : ト: : : : : : : : : : : :ヽ: : : : : : : : : : 、ヽ      ああ、その辺りは気にしなくていいよ。
    ///: : : : : : : : : :|  \: :ゝ_、: : : : ハノ: : : : : : : : :\ヽ    人外の存在と一緒に解説をするのは初めてじゃないからね。
   //ィ ′ : : : : : : ハ: !  / ̄`ヽ:.ー: : l : : : : : : : : : : : ヽ    .僕も随分馴れたものだと思うよ。
.  /八 ∨: : : : : : 乂: : l   ィf。示ハ: V,へ: : : : : : : : : : :ハヽ
  {!  l  |: : {: : 斗匕ーノ-ゝ  "乂ぅリ i:l ハ´ !: : : ハ、: : :ヽ: i     じゃあ、早速だけど、本題に移ろうか。
  ` ,′ i: ト:ゝ: :乂ィテ:ハ       "  ノi: :ハ イ: : : 八:ハ:!ヽ∨    まずはこの宗矩の逸話についてからだ。
   / 、 ィハ:..ヽ:.ーゞ 乂ソ ,      'ノ:: : l: !: : /ノ リ }′` 
>く ーy: j: : : : i\: ミ=-   _ , ,イノイ: : :/ ´           
::::::::::>l: ハ: : : : l: : l`: : ゝ _    / 彡イ
:::::::::::::∧:{ ゝ=-!: : : : : l: :トミ ー l´_,イ´   ト、             
:/:::::::::/`    ゝ: ヒ_, ーゞーr yf    /::::ハ
::::::::::::/          ̄__/jーti  _,./:::::::::/::ト、
:::::::::/       /:::::/::,ィ:i:i/ー/::::::::::::/::::::::::\
::::::/    _, ィ ̄:::::/:::,ィ /:i:ij イ:::::::::::::::/::::/"_::::ヽ_
:::::〉_,ィー=く::::::::::::::::/:::,ィ レ:/ /::::::::::::::::/::::/:::::::::::::::::::ハ

291 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67)[saga] 投稿日:2014/07/22(火) 02:38:36 ID:tquLwUG60
                          l ::::::::::::::::::::::::::::::: i|:::::::| ::::::::::::::i|::|:::::::i::i| :::::::::::::::::: |:::::::::i
                          |:::::|:::::::|:::::::::|:::::::::i|:::::::| ::::::::::::::i|儿:::::|ノ|::::|:::::::::::::::i|:::::::::|
                          |:::::|:::::::|:::::::::|:::::::::i|:::::::| ::::::::::::::i|/}:__ノ_ |- :、 :::::::::::i|:::::::::|
                          |:::::|:::::::|:::::::::|:::::::::i|∧ | :::::::::::::ノ ,ィf,仭秀 》::::::::::::i|㍉ ::|
  この逸話、結構有名だけど、      |:::::|:::::::|:::::::∧__}iノ__i| ̄¨¨´   ゞ孑'' イ :::::::::::::i| i}:::::|
 実際のところはどうなの?   ..     |:::::|:::::::|:::::::|i ,ィf テ秀ァ            /:::::::::::::::/ / ::::|
                          |:::::|:::::::|:::::::|i `ゞ `≠’          //'::::::::::::/_/ ::::: |
                          |::::,|:::::::|:::::::∧        }      /___ノイ:::::::::::::::::
                        ノイ |:::::::|:::::::|:::゚'。       ヽ  r‐、    /}::::::::::::::::::::.
                               |:::::::|_儿}::::::::::.     r‐、 r‐、,'ー'}    _/ ,::::::::::::::::::::::゚*。
                               |_/   i|:::::::::::::\  i`゛i V_ノ ,'  /_/},:::::::::::::::.::::::::::::::::゚'*。
                                  i|::::::::::::::::::゚*。i  |  '  {  イ  , :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.、
                                   i|::::::::::::::::r、_::::i  l‐-{  iア ,'  ハi:::::::::_::::::::::::::::::::::::::::::::::::::゚'*。
                            ,r‐―‐i入::::::::::::::{ノ }^゙i  、i  i  '  , |:/ ノ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\

       / /                /              ハ
    .  / .:/ /       /        〃ヽ    i           |
     / .:/〃     __// //   //,′ ヽ ! i           |       幾つか調べてみたけど、
    ..///7,′     ´「 7`ヽ/ .i  .://ム-‐‐‐',ハ|、           |      恐らく『撃剣叢談』が初出だと思われるね。
        !|   i     |/ |/j/! !:i .:.//'′     !ハ「     |        |
        !|   i !    ィ斧ミメノノ | //  ,ィf云ミメ、」   |       !       柳生家関係の書物や伝書に記載はなさそうだし、
       八  i i i i i j !ノ::::} ノ /    {ノ:::;::} Y|    ト、     i      話としても出来過ぎているから、
    .   ハ. |ハj ヘ |仆乂::ノ  /     弋::::ソ ノ !     ! ハ       !      信憑性としては逸話以上のものではないね。
    r‐ 、    'j  ,ハ| :i                    ハ   j_ノ      ',
    ヽ ヽ    ./  从   '              i !   / |  |   ハ      ただ、観世左近との逸話などもそうだけど、
     ハ  V  /  / ヘ.  、   _,         从.  /    | !:ト、 ',     「隠れた殺気や僅かな油断なども見逃さない達人」
      |  |  ./  /! i   \            .イ  i !/ヘ    i j i | ヽ    というのが、.世間における宗矩のイメージとして
      |/ __\/´`! | i i ヽ.       .イ ノ ノノノ  | i  ! !ハハ!  )    当時定着していたと伺える材料にはなるかな。
     ノ/  `i \/ヽハハハヘi`ヽー 七升厶イ/j八八八ハj
    /´ -─┐|、___)            )ハ    /  {                さて、それじゃ次の話に移ろうか。
   /´    ,. }ノ:: }      ,.-‐''て  _」        \  _」\
   {    イーノ::  V ̄´ .ゝー‐''"´ ノ          ̄ノ   ゝ.、
    \  `ヽ:::.   } /  〈  ー 、   _____       〈   ノハ

292 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67)[saga] 投稿日:2014/07/22(火) 02:39:17 ID:tquLwUG60

 そして、満開だった桜が散り、暫くした頃…。


 ゙̄''ー-、.._                                _,,-―'" ̄
       || ゙̄''ー-、______________,,-―'" ̄
二.二二二二i===||________,| |              | |
    ||    ||;; |  | | ̄ ̄__i__ ̄ ̄| |―┬―┬―┬―| |  |\
    ||    ||;; |  | |   |  |:   | | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| |  |  \
    ||    ||;; |  | |   |  |:   | |.  i i        | |  |   |
    ||    ||;; |_| |   |_|:   | | (_;;).       | |  |    |
    ||    ||/ /| |         | | ̄ ̄ ̄| ̄''''――| |  |    |
    ||    ||/  /三.三.三.三三|_|―――|゚____,|_|   \  |
    ||    || /                       \  \|
    ||    ||'                             \
//||   /                               \
//|| /     ./ ̄ ̄\
//       ./   _ノ  \
/     .....  |    ( ○)(○)    
        . |  U  (__人__)      何、友景が…?
          |     |r┬-|  ) ;;;;)
        .  | ι   `ー'´}  .) ;;;;)
        .  ヽ     u }  /;;/
           ヽ     ノ  .l;;,´
        . /    ∩ ノ)━・'
         (  \ /|_ノ ヽ
        . \  ""  /_ノ  |
           \ /___/


      ____
    /      \
   /   /   \  ヽ    はっ。
   |     /\    |   幸徳井友景様、三月十日に御逝去と
   ヽ   / ̄\  /    京より知らせが参りました。
 ,,.....イ.\       /
 :   |  '; \_____ ノ.| ヽ 、
     |  \/゙(__)\,|  i |
     >   ヽ. ハ  |   ||


 朝廷にて陰陽頭を勤めていた従兄弟、幸徳井友景の訃報が届いた。

293 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67)[saga] 投稿日:2014/07/22(火) 02:42:21 ID:tquLwUG60

           x - ─ z 、
       ,. z=イ         ヘ
      イ       .YMヘ     ヘ
      l     ィ i i リリ ̄ ヤリリ ヘ l!       いや、但馬守様程ではないにせよ、
       {   .ノイイ.イ`   ≠イソ. ノ      .一介の神人の家に生まれた身としては、
    ー≦斗イzi!´ ̄`YY´ ̄`iイ=z     私もなかなか立身した方でしょ?
     Y   .i jl ヘ _ ノ .、 _.ノヤ} 
     ヘ _ z ゝイl!   r - ァ 込ン、      息子(友種)も既に従五位下・漏刻博士に任じられてますし、
     Y  .{! j!、  ヽ / /イハリ      安心して逝けますねぇ。
.     ゝ z.込ソj ヘ   ¨ イ込ン._        
   ≦≧z´ ̄r 、≒r > <z≧Yイ,:::ヘ´ ̄ ><
.     ::::::::::::::::::ヘ.∧::::xz._    jイ::::::ヘ` ≠=イ
    ::::::/:::::::::::::: ',7ハz≠y、 ̄ ¨´::::::::::::〉 0
   :::/:::::::::::-:-::ヤ/////,ヘ:::::::::::> イz、 _ ,. 斗
    イ:::::: ̄:::_ ,: zj/////.ハ’_ >"><:::::::::::::
   :::> " ´ ヽ ,'/////.j!ー ¨  ̄.j.○.レヘ:::::
            _.//////7´    \∧フ! /ヘ
   ヘ   ,. ィ .V/////7 _        .j、Y
   /ゝ / /、ヘ // j!     ̄ ー  .i ,.ィzzz
   :::::::ヘ  ヘ  >.7o         j//////
   ::::::/:ヘ   >ー ’z{二二二≒z  ノ/////
            幸徳井友景
          (こうとくい ともかげ)

 友景が亡くなったのは、正保二年三月十日。
ただ、その前日である三月九日に正五位上に叙任されていることを見ると、
実際にはそれより少し前に亡くなっていたのかもしれない。
享年63歳であった。

 なお、崇徳上皇の手で半魔族になってるから、もしかしてまだ生きてるんじゃね?
とか思っても、それはまた別の世界の物語である。

294 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67)[saga] 投稿日:2014/07/22(火) 02:43:26 ID:tquLwUG60

   / ̄ ̄\    ) ;;;;)
  /  _ノヽ_\   ) ;;;;)
 |    (─)(─)  /;;/   (…そういえばあの日、わしが感じたのは、
. |    (__人__)  l;;,´     .殺気だけではなかったような気がするのう…)
  |     `∩_ノ)━・'
.  |     |_ノ        (もしや、あれは友景が世を去る気配を
 /ヽ    |  |_         感じたということであろうか…?)
 |  \_/ ノ ヽ
 \     /_|  |
 | \ /  _/


    ´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
    /   /   \   丶
   │     /\     .|    …殿?
   |    / ̄ ̄\    |
    \           /

295 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67)[saga] 投稿日:2014/07/22(火) 02:45:11 ID:tquLwUG60

     / ̄ ̄\
   /   _ノ  \
   |    ( ー)(ー)           …なんでもない。
.   |     (__人__)          幸徳井家には弔問の使者を出しておくように。
    |     ` ⌒´ノ  ,r'゛ヾ
   .l^l^ln      } `‐=   )      あそこは嫡男も既に成長しておるし、
.   ヽ   L     }   ゝ-´  );;;;;;)  特に問題もなかろう。
    ゝ  ノ   ノ        .) ;;;;)
   /  /    \       ./;;/
  /  /       \     .l;;,´
. /  /      |ヽ、二⌒)━・'
 ヽ__ノ


      ____
    /      \
   /   /   \  ヽ
   |     /\    |    はっ
   ヽ   / ̄\  /
 ,,.....イ.\       /
 :   |  '; \_____ ノ.| ヽ 、
     |  \/゙(__)\,|  i |
     >   ヽ. ハ  |   ||

296 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67)[saga] 投稿日:2014/07/22(火) 02:46:31 ID:tquLwUG60

 その後の幸徳井家であるが…

                     ノ::::::::::::::弋_,ノ:::::::::::::丶
                      /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i
                     /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l    ,/
                  /:::::::::::::::::::::::,ヘ::::::::::::::::::::::::::::::ヽ _,/i
             lヽ /::::::::爪─ヘ:::::i─ヽ::::::::iヘ:::::::::::::::::::::::::/
             l:::::`'::::::/l i レ─\!─‐\:::i'-ゝ::::::::::::::::::/
               \::::,-‐、N;ソ   ,ィ一''  ヽ!  ヾ::::::::::/      父上が亡くなった翌年の正保三年七月六日、
              Y,へ/,/ i.     、_,,,   ゝ_ \:::::\     39歳で従五位上・陰陽頭に任じられて、
                { l( // !  ""  ` ̄´ , ヾ、、/ ` ̄ ̄    明暦四年六月九日に51歳で亡くなるまで、勤め続けたのさ。
                ヽノ/ /      _  -ゝ  /ソ
                _/ /  /ト    い  ̄丶_ /´          最終的に従四位下まで上ったんだぜ?
.          、-‐ "´  ,イ  ./:::!.丶  丶.  ‐-ヲ/
         \    ,ク   ./ `.l  丶、 `‐‐ '"ノ
             ゝ/   /.  l   '';;丶_,/l
        _ -─、─ ` 、 / . r‐┴'‐─一Y'‐‐一ヘ  _ ,, -─"`τ´ヘ
     /丶 -‐ヽ  v'─┴ -      |  _, ‐ ト´,,,,;;;;;;;;;;;;;;;;,, `i⌒F丶
                   幸徳井友種
                 (こうとくい ともたね)


      /       ,:        i `ヽ、   
     ./  ,;  ,:   / ,:'´  /   / i   ヾ、  
     / , ./i /   / /j //   / /l ! 、`;ヽ 
    ,! / ,// l  ,/ ∠_/' / /  ノ / | /|  ! い
    | .| f‐|  |  /i /'"_}∠ニミ! // // | |  ヘ i 
    /j |/,c{ /| /' レ.シラぐ^゙ヽレ'レ' =f/=、 | ;ヘ  |ヾ     で、孫である僕が、万治四年一月十一日に
   ./ヘ_|`',=| ,!∧!   (__ノ     ,.<ヘヽ  l 'ト l ! `    14歳で陰陽頭を継ぎました。
  '/T"i`i ヽ| ! !     `ー''    f__ノ .)'/! ! |レ      従四位下に上がったのも、32歳のことです。
 -∧ `v/>、」i|.|         _ ヽ`ーく./ i ,l ’ 
   \ ∨/_/!ト          ´   i /!/          …ここまでは良かったんですけどねえ。
  ヽ  \`∨`'ヽ      =ニァ '   / / j'
  丶    \\ \    ー   /i /
    ヽ    ン >、__\ _ __ __∠ノ)ヾ'
  、  \  / /`ー; | ア,='フア'"-f  i、
   \_ `y、/   | .レ'/フ./ / /  ノ、
  __ ̄l  ̄`ー‐-=ニ彡/ /'´ -'ヌヽ ヽ
      ̄`>      /   ス='"´ i |  `
           幸徳井友傳
        (こうとくい ともすけ)

 友景の後は、嫡男である友種が継ぎ、
更にその後を、友景から見れば嫡孫にあたる友傳が継ぎ、
幸徳井家は順調であるかのように思われたのだが…。

297 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67)[saga] 投稿日:2014/07/22(火) 02:48:47 ID:tquLwUG60
      |ヽ  |   _/ ‐ 、 ヽ        /             /      | /
       .| ヽ|, -'"     ', ヽ     /            /       |/
       |  \      } /    /          /        }ヽ
        〉    l\     _/ /    /            /, イ       /
        | 、   |  ` <  l             ‐' / /    /  /  /
        l_` ヽ              リ           _//   |   L      友傳君…。
       ヽ 、   、i   {    }  i   〈_,. -‐ヒァ ¬/7 ̄<     |  }      そもそも、陰陽頭の職は、
       _>i゙ーf冖 ヒッゝ   ー-{‐‐〈ヽ_____∠ノ= ̄        l  レ'     我が土御門家が勤めてきたもの。
     /_, -‐l=ヽ=- ‐ '|      `ヽ、_  __<二          /.  |イ/
   , -‐'´    |/ / イ  L__ _     ̄               /   レ'      本来の姿に戻るのが
ニフ´  _,  -‐'´ゝ      |   | ` ー- 、_            /     ´|      正しい在り方だとは思わんかね?
 , -‐' ´  --   \    /゙|           ̄ヽ┬- 、 __ /       |
      -‐ 、    ヽ  ll! |       __      jノ    / l     _,ィ/
         ヽ 、   \j、 ` ー─ ' ´        , イ   ヽ |      ´/
       ー   \   \ヽ\__     _,. -─__‐/    ||     /
              \   ヘヽ ヽニ二 -─‐ '         |l      / }
     __, ィ‐\     ヽ_ノ ヽ ヽ、____ /        _|_  / /
` ー一' /j   ヽ、_   ノ  / ヽ                  ヽ/ ./\
`ー─ ' ´ /|ヽ  /    ̄  /   \  ヽi       / ヽ    //   }
      / l \/    /`ヽ__  ヽ  l    ヽ /   ゝ. // , ク /
                    土御門泰福
                (つちみかど やすとみ)

 寛文十年(1670)、土御門泰福から陰陽頭を巡る相論を挑まれるも、
これを退け続けたのだが、天和二年(1682)十二月十三日に友傳が35歳で急死。
その子の友親が若年であるということで、陰陽頭の地位を土御門家に奪還されてしまう。

298 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67)[saga] 投稿日:2014/07/22(火) 02:50:07 ID:tquLwUG60
                                           ,
                                           //
              ∧'∧´/|-/|                    / /
             /、 .| .| |- |                   /  /
            / (`_/_(ヽ―‐7              /:|   /  /
            /、  ノ /`l-‐‐/              / /:::| /  /
          /:::::ヽ 、'ヽ,-- ' ´              |ヽ|::::'7  /、 _ /l       土御門家こそがッ!
          /:::::::::::::::::::|     /l         ヽ、/,、:|:::〈 _/:/:/:::::/      陰陽道の宗家なのだァーーーッッ!!
         /::::::::::::::::::::::|    /:::::|          ヽ'_ヽ>::::::,、/ ̄/
         /::::::::::::::::::::::::|   /:::::::ヽ        </://-、ヽ(:ヽ>:::/>
        |:::::::::::::::::::::::::::| __/:::=:::::::`:::::::::::::ヽ、/::/l〈(ヽ、`ヽvlヽ::/、   ____       /l
        |::::::::::::::::::::::/::::::::/::::::,-,:::,、_n-―― 、:::::::|l::ヽ-、` -'/:/:::ヽ':::::::::::::::::::::::::::ヽ- ‐ ´:::::::|
         |:::://´ヽ::::::::::/::::::::ー/   ``   ヽ:::ノl ,ヽ、 ー'::::::/ο,:::::/、:::lヽヽ>:::::::::::/::::::ヽ
        ヽ' /::::::::::ヽ:::/::::::::/ '-`        / ´  ̄ ̄ ̄`ヽ、::::ヽ'::/_ノ:`´::::::::::::/:::::::::::::ヽ
         `|:::::::::::::::\:::::::/ />       /        <l ヽ::::::::::::::::::::::::::::/::::::::::::::::::::::ヽ
          \:::::::::::::::ヽ::/ _        /           __  |:::::::::::::::::::::/::::::::__:::::::_l、
            ` - 、:::::::| '-' ´  __ /         、 _` ‐` |::::::::::::::::/::::::/::::::::::::::`´:::::::::::::ヽ
                /:|  , - ' ´  / ヽ         ヽヽ  | 、:::::::/::::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ、_
                /::::7´   _/   \     ヽ 、   `´  |  /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,- ,‐::::::::::
                |::::::| '  ̄ /  ̄ヽ、  ヽ、    ヽ'    ノ::ヽ .|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::://:::::::::::::
                |::0/    /        〉 、_ , -― '::::::::::::ヽヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ /:::::::::::∧,-
                |:/    /        /:,-,::l::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::://:::::::::::::::| ヽ_
                /     /       /::::::'-'::::|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/` ヽ 、:::::::::::::::::::::::::| |:::::::::::::::::::゛`
                l    '       /:::::::::::::::o:|:::::::::::::::::::::::::::::::/      ̄ ̄ ̄ ` ヽV::::::::::::::::::::::::
               / ―三=-     /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::- ― '                |:::::::::::::::::::::::::
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             |::|   |    /:::::/::::::::::::::::::::ヽ                           ヽ:::::::::
             (土御門泰福・陰陽頭形態)

 おまけに、元禄二年(1699)には土御門家を陰陽道宗家とし、
それに従うように誓約させられる羽目になり、以後、幸徳井家は陰陽助として勤めることになったという。

299 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67)[saga] 投稿日:2014/07/22(火) 02:51:23 ID:tquLwUG60
                                       /∧}:::i::::::::::::::::::::|i::::.:.:.:.:.:./}.:/.:.:/}:.i.:.:.:.:.:.:.:.:.:}.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:}
                                     /.::::::}|::::|::::::::::::::::::::|l:::::::::::::トf::/::::/ :.}:::.:.:.:.:.:.:/}.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
                                    イ::::::::::::i::::|:::::::::::::::::::八:::::::::::|ノリ\:{ //!::::::::::::::{ j:.:.:.:.j:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./
 あら。                              /,ノ::::::::::::::::::::::ハ::::::::::::::::{灯芋芥ぅ、} リj//}:::::::::::::::j/:/.:/}:::::::.:.:.::::./
結局、孫の代までは繁栄が続いたけど、     _ ∠ィ::::::::::::::::::::::::::/:{ ゚。:::::::::{ 圦ゞ少r= ヾ/ //:::::::/八イ|丁/:::::::::::::::/
それ以降はパッとしないまま終わった、     /     `ヽ::::::::::::::::彡:/ :j : .| 。:ト::ハ.\ `¨¨``   ノ-::ィィ芹莎㍉゚:::::::::::::: ′
ってことかしら。                 /        `ー===彡 j{. : . :, リ ゞヘ            / ゞ=夕_ノ/::::::::::::::.{
                          .′         \`ー==='′: . :′            :′ ¨¨´r彡:::::::::::/i:|:.
 ちょっと残念ね。              /        |    \    : . : . : :.                ̄/}ィ:::::::::/ l| }
                       . /{          :.     丶 . : . : . : . 丶       ` ー ′  /: . : .|::イi::{   乂
                        ::::|          \     ` ‐- ., : . :\   ⌒-   ..  ´: . : . : . : ..リ  ′
                       //:::::.            ,. . . . . . . . . . . . .\. . .\___,.    ´: . : . : . : . : . /   /


                        _____    
                    ...:.:.:´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`.:.:...  
                   .:.:´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`.:.、 
                  /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:\         ま、仕方ないさ。
                   .':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.、:ヽ       ずっと繁栄し続けることの方が珍しいんだ。
                 /,:.:.:.:.:.:i:.:.:.:.:.: 丶:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.、.:.:. 
                  /:i:.:.:i:.:.:.l:.:.:.:.:.:.:.l:.:.:.:.i:.:.:.:.:.:.:.:i:.:.:.:.:.:.、:.:.:. ハ:.:i      実際、土御門家にしても、明治になると、
              /:':l:.:.:.l:.:i:.:!:.:.:.:.:.:.:l:.:.:.:. ト、:.:.:.:.:.:.!:.:.i:.:.:.:.i:.:.:.:.i:.:l     当主の急逝と後継が幼少であることに乗じて、
              ハi:.:l:.:.:ハ-:.、!:.:.:.:.:.:.l:.:.:./ ヽ:.:.:.:.l:.:.:l:.:.:.:.i!:.:.:.:l:.:!     .陰陽寮を解体され、それまで担っていた職分を
              ,. .-、l:.:.!:.:,ィfz、ヾ:.:.:.i:.:!:≠ー、_ ',:.: l:.:.:l:.:.:.:.l:l:.:.:.:l:.l   .  .他部署に移管されてしまうんだから、
          ./: : : : l:.ヾ:l .r':心ヽ:.:ハ'.:/.ィfェ、 !:./:.:.:':.i:.:.:l:.l、:.:.lリ      .「歴史は繰り返す」ってところだね。
         /: : :ヽ : : 、 、! 弋ソ` ヾ }:´ r'し小 !:':.:./:.:ハ:.:.l:.l 、:.lー 、_   
        /: : : ‐:-ヽ : 、ハ    ,  ' 弋zン '/:.:.,:':.:/ }l:.:.!:l .l:.!: : : : :\ 
       /: : : : : : : : : :`ヽ ゝ  、_      イ /_'‐从:.:.:l/:': : : :,: : : :ヽ  
     /: : : :__: : : -': :―: : :`ー‐ `´ー:- ― -: ´: : : ヽ_ヽ:!:__ _:ノ:- ‐:-:、`、
      /: : ´ : ´: : : : :, : : :´: : : : : : : : : : : : : : _: : : : ´`: : 、: : : : : : : : :  ̄` : : : ヽ

300 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67)[saga] 投稿日:2014/07/22(火) 02:53:13 ID:tquLwUG60

            , <: : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ
            ,r : ´: : :/:.:/: : {: r、: : : : : : : : : : ヽ: : \
         / : /: : :!:./: : : :l: ト八: : : : : : : : : : : \: :\
.        /: :/{: : : : l/: : : : ハ: !   \: : : : : : : : : : :ヽ: : ヽ
       /: : : ′ : : j!: : : : : !: :l     ゝ : : : : : : : : : : l: : : :\
         ′ : i! : l: : ′: : : : j j!i ," ̄ \: : : : : : : : : ! : ヽ 、:\     ちなみに余談だが、
      ,: i: : : l: : : : 斗―- イ/,j   彳示ヾァ 、: : : : : l: : : :\\    .少し前に映画になった「天地明察」では、
       !: ! : : : : : :´j:/ムメjノ乂     '乂。:::::i '  j: ハ: : !: : : : : :\    この幸徳井家と土御門家の争いが一部入っているね。
       Ⅶ : l: : : : : :イ乍:::::ハ         ヾー′ /イ: l: ハ: : : : : : : ヽ  .まあ、それがメインの話ではないけど。
        Ⅵ: l乂: :∨:ハ ぅz;リ  ノ       _ノ´/: :i: ! l: : : :l{ : ヽ 
        ゝ: : : : : 乂  "                ,: : : : :Y: : : : :ト,: :     そういえば、映画では友傳が、
       /: : : : : : : : `ー     _ = - 、     !: : : : :j : : : : i ヽ:    「宮栖川友麿」という謎の改名をされていたけど、
.      /: : /j: : : : : : ∧      V   j     !: : : : ;′: リ: j  ∨   あれはなんだったんだろうね。
..     /: : /イ: : : : : : : : :ヽ     ` ー_ ′  ,ィ: : : :/: : /从 `ヽ  
     ,′:/ {: : : : : : : : : : : : :>  .,      /人: /:. l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
     , : : '  i: : : : :l{ : : : : : : : : : : : : `r= イ/ ∨ .:.: jl:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
      l: /   !{: : : :ハ: : : : : : : : : : : :/{! /   /:. /{:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
     i:{     lト : : i  ヽ: ト: : : : : :/⌒>!ヽ  /:.:.:.:.:ヽ!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
     {!    ヽ\ !   ヽV ̄ ̄>/ f   ヽ} ′:.:.:.:.:ム:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
               `    /:./:.:/:.{l/ l   ハ/:.:.:.:.:/l l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
                   /:. l:.:.:}:.:. i{  j―v /, :.:. イ_|__{:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.


                    ...           /.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.\
                              /.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.ヽ
                               .′.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.
                               ::::: ::::::|:::::|:::::::: :::::::::: |::: ::::|::::::::::|::::.
                             i::::: ::::::|:::::|::::::::i|::::::::: |│|::|::::::::::|::::i
                             |::::: ::::::|_|┼-__||__|┼L|」 ::::::|::::|
  あと、あの話の主役の渋川春海とは      |:::::|::::::i┬‐┬    ┬‐┬::::::::|::::|
 柳生家もほんの少しだけ縁があるのよね。  |:::::|i:::::|弋 丿      弋 丿.:::::八 :|
 それはまた後での紹介になるけど。.      |::::八:::辷         _}:::::/ノ:::::|
                    ...        |:::::::::`T         ⌒Tた:::::::|    ´ )
  それじゃ、話を戻しましょうか。         |::::::::: 八    ―― ァ   八ニ:::::::|  / /   / )
                             |:::::::::::::::::... .       . イニニニ:::::::| ./ /    /
                             |::::::::. -―j   ≧≦ | \ニニニ :::::|/ 〈_,/ /
                             |::/.:.:.:.:.:.∧       ∨.:.丶ニ:::_厂 ̄ノ厂∨
                             く\:.:.:.:.:.:/∧ \    |:.:.:.:.:.:.:.:フ { く/〈

301 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67)[saga] 投稿日:2014/07/22(火) 02:54:09 ID:tquLwUG60
       丶         ヽ           |        /
        ヽ           丶         |         /
          \         ..:::´::.::.....:..:..:..:..:..:..:. l        .〈丶
            ゝ、    /:.:..:...:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..` ー=≠ 彡:..:..:\
             ` ー.:..:..:..:..:..:...:..:..:..:..:..:.:::::..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:...
                 /..:..:..:..:..:..:.:.:..:..:.:.:..:.:ハ:::::::::::::iト::::::::..:..:..:..::::..:..:.:..
               ′..:..:..:..:..:.:::::::::::::::::::| |:::i::::::::i|_|::ハ::::::::::::::i:::::::...:     という訳で、まだ続くわよ。
              .:.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::| |:::|::::::::リリ }::::::::::::::::|^ヽ:..|    この話が完結するまで、あと2・3話ってところかしら。
              ト:::::::::::::::::::ハ::::::::::::i|リ.r匕}::/_ィ |:::::::::::::::::,__ }!|
              | ゚::::::::::::::::|斗::::::::N \ /ィ圻i炒 ,::::::::::::::::ハ   :.|     …夏が終わるまでに終わるのかしらね、これ。
              | ゚,::::::::::イ|  ゝ-{       宀^~/::::::{::::::/.: /:. ト、
              |  ゚。:::::::.l」 灯莢ミ    〃〃イ::::::/ ̄___,ノ:::::..:.| 。
               乂 }:::::::::::. ^宀^´ |         厂  }│:::::::.j:..|  ゚:,
                  |ハ :::::::::.. 〃〃 }  _         / |::::::..:.i:..|   。
                リ }::八:::::::. /)ヽ     /       :::::..:./.:.{   ゚:,
                      リ _}ル/ /   ー__ ´     / /::::...:ハ:..:.。__  ゚。
                     γ´ / / 丶        / }.:::::::../        丶
                 r=-≠ー ´ /     >  ._  ィ  /::..:..::′       ’,
       ___,,,.......γ´ 、 ヽ ヽ j      γ : : : : 工: : /:::::.: /             V
  ,.   '"´...::::::::::::::::/  ヽ Y }  〉     ゞ = ≦  -=彡:::彡      /       :.
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304 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その67)[saga] 投稿日:2014/07/22(火) 03:07:03 ID:tquLwUG60
 どもどもです。
投下できたらいいなあと毎度毎度言ってるにもかかわらず、
なかなか延び延びになってしまった挙句、
したらしたでこんな時間という有様ですいませぬ。
今、見て頂いている方々、お疲れ様です&ありがとうございます>ALL

 さて、今回は江戸に和尚が戻ってきてからの話でアリマス。
ついでに宗矩の逸話の紹介編であり、荒山世界の最終兵器こと幸徳井(柳生)友景の
最後の物語といったところでアリマス。

 で、気が付いたら、何気にこの「その67」が完結するまで
最低でもあと2回は必要で、分量的にも、これからまだ掛かるので、
ここまでを「その67・前編」、次回からを「その67・後編」ということにすればよかったなーと
今更ながら思ったので、ここまでを前編、次からは後編ということにしまする。

 さて、次は十兵衛の第二子誕生に関する話や、
最近クローン&口寄せで大復活した剣豪についての話などになるかなと。
しかし、板垣先生は個々からどうするつもりなんでしょうかね…。

 最期に、次回の解説役投票経過をば。

【その68解説役投票経過】
 4票:ジャンヌ・ダルク(Fate/Apocrypha)
 1票:星宮ケイト(謀略のズヴィズダー)、アナザーブラッド(デモンベイン)、
    佐々木(涼宮ハルヒの憂鬱)、赤セイバー(Fate/EXTRA)

 次回は来週に投下できるようにしたいものでアリマス。
それではではー。


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  1. 2014/10/14(火) 22:44:57|
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