やる夫+まとめ -戦国系-

戦国系やる夫シリーズのまとめを

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  1. --/--/--(--) --:--:--|
  2. スポンサー広告

やる夫で学ぶ柳生一族 その62 紫衣問題解決


579 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その62)[saga] 投稿日:2013/04/14(日) 22:33:12 ID:bKIFzcLY0
 このスレは、「柳生新陰流」を担った剣豪の一族「柳生一族」を
史実をベースとしつつ、適当にエピソードを盛り込んでいく形で紹介するスレです。

【今回のメイン柳生 : 柳生但馬守宗矩(やぎゅう たじまのかみ むねのり)】

   / ̄ ̄\
  / ノ  \ \
 |  .(●)(●)  |        大和柳生藩初代藩主にして柳生家の当主、
. |  (__人__)  |        そして徳川将軍家剣術指南役、柳生但馬守宗矩だろ。
  |    `⌒´  |    ) ;;;;).  常識的に考えて…。
.  |        |    .) ;;;;)
.  ヽ       }   /;;/
   ヽ     ノ   .l;;,´
. /    ∩ ノ)━・'
 (  \ /|_ノ ヽ
. \  ""  /_ノ  |
   \ /___/

581 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その62)[saga] 投稿日:2013/04/14(日) 22:34:20 ID:bKIFzcLY0
>>1からのお願いコーナー】
 毎度お馴染み、今回も次回(その63)の解説役を投票で決めたく。
ルールは以下の通りでアリマス。

 ・ 支援の際、以下の条件を満たすキャラについて名前なりAAなりを挙げて頂いた後、
  集計を行い、投票数が最も多かったキャラを次回の解説役にする。
  (例:支援。○○(キャラ名)とかでOK。作品名もあると更に吉) ※一応、1人1票でお願いします。

 【条件】
 ・ 女性キャラ。または外観が女性のキャラ(女装美少年込み)
 ・ AAが複数ある(できれば20行以下のバストアップAAが3種類以上があると嬉しい)

 既出キャラ有りなので長門なり翠星石なりも投票数次第で再登場可でアリマス。
でもできれば作中の登場人物に割り振り済みのキャラはややこしいのでご勘弁をば。

 ちなみに、票が同数のキャラが複数いた場合、恐縮ですが、その中から>>1が使いやすいキャラを
選ばせていただく所存(AAの使い勝手がいいとか、そのキャラを知ってるとか)。
あと、解説役の相方は>>1が適当にチョイスします。
よろしゅうですー。

【過去、投票で決まった解説役-1】
 その13 : マシロくん(舞-乙HiME)                 ......その32 : 閻魔あい(地獄少女)
 その14 : 渡良瀬準(はぴねす!).                   ..     : 輪入道・骨女・一目連・山童・きくり(地獄少女)
 その15 : 佐々木(涼宮ハルヒの憂鬱)                .その33 : ドロッセル(ファイヤボール)
 その16 : 綾崎ハーマイオニー(ハヤテのごとく!).        ..     .: ゲデヒトニス(ファイヤボール)&AA色々
 その17 : 宮小路瑞穂(乙女はお姉さまに恋してる)       ..その34 : ゆの(ひだまりスケッチ)
 その18 : 菊地真(THE IDOLM@STER)              ....     .: 宮子・ヒロ・沙英・吉野家先生(ひだまりスケッチ)
 その19 : 木下秀吉(バカとテストと召喚獣).           ....その35 : 山口如月(GA 芸術家アートデザインクラス)
 その20 : ドリィ&グラァ(うたわれるもの)             ..      大道雅 (GA 芸術科アートデザインクラス)
 その21 : 祇堂鞠也(まりあ†ほりっく).                .その36 : 田中井律(けいおん!)
 その22 : 大佛はずむ(かしまし)                 ......      秋山澪(けいおん!)
 その23 : マコ(みなみけ).                      ....その37 : イカ娘(侵略!イカ娘)
 その24 : 佐々木(涼宮ハルヒの憂鬱) ※2回目.        .....      諌山黄泉(喰霊-零-)
 その25 : 渡良瀬準(はぴねす!) ※2回目             その38 : なし
.      : シモン(下妻市非公式マスコット)            ..その39 : 羽衣狐(ぬらりひょんの孫)
 その26 : 藤岡ハルヒ(桜蘭高校ホスト部)            ....      三浦あずさ(THE IDOLM@STER)
.      : 須王環(桜蘭高校ホスト部)              ......その40 : 神代マヤ(世紀末オカルト学院)
 その27 : 宮小路瑞穂(乙女はお姉さまに恋してる) ※2回目        ケンシロウ(北斗の拳)
.      : 菊地真(THE IDOLM@STER) ※2回目         ..その41 : インデックス&上条当麻(とある魔術の禁書目録)
 その28 : ティエリア・アーデ(機動戦士ガンダム00)       ..      ナージャ・アップルフィールド(明日のナージャ)
 その29 : 草薙素子(攻殻機動隊)                  .その42 : 佐々木(涼宮ハルヒの憂鬱) ※4回目.
.      : タチコマ(攻殻機動隊)                 ......      渡良瀬準(はぴねす!) ※4回目
 その30 : 渡良瀬準(はぴねす!) ※3回目           ......その43 : ラミア・ラヴレス(スーパーロボット大戦)
.      : 木下秀吉(バカとテストと召喚獣) ※2回目      ...      ゆっくり霊夢&魔理沙(東方Project)
 その31 : 佐々木(涼宮ハルヒの憂鬱) ※3回目          .その44 : 嵐山歩鳥(それでも町は廻っている)
.      : レベッカ宮本(ぱにぽに)                .....      辰野トシ子(それでも町は廻っている)

582 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その62)[saga] 投稿日:2013/04/14(日) 22:34:48 ID:bKIFzcLY0
【過去、投票で決まった解説役-2(今回含む)】
 その45 : イカ娘(侵略!イカ娘) ※2回目
       キュウべえ(魔法少女まどか☆マギカ)
 その46 : 来海えりか(ハートキャッチプリキュア)
       花咲つぼみ(ハートキャッチプリキュア)
 その47 : 佐々木(涼宮ハルヒの憂鬱) ※5回目
       泉こなた(らき☆すた)
 その48 : 秋月涼(THE IDOLM@STER DearlyStars)
       秋月律子(THE IDOLM@STER)
 その49 : 泉野明(機動警察パトレイバー)
       シャーロック・シェリンフォード(ミルキィホームズ)
 その50 : 佐倉杏子(魔法少女まどか☆マギカ)
       巴マミ(魔法少女まどか☆マギカ)
 その51 : セシリア・オルコット(インフィニット・ストラトス)
       やらない夫
 その52 : 佐々木(涼宮ハルヒの憂鬱) ※6回目
       キョン子(涼宮ハルヒの憂鬱@二次創作)
 その53 : ヘンゼル(BLACK LAGOON)
       グレーテル(BLACK LAGOON)
 その54 : イカ娘(侵略!イカ娘) ※3回目
       インデックス(とある魔術の禁書目録) ※2回目
 その55 : ドラゴンキッド(TIGER&BUNNY)
        暁美ほむら(魔法少女まどか☆マギカ)
 その56 : 佐々木(涼宮ハルヒの憂鬱) ※7回目
        セイバー(Fate/stay night)
 その57 : ニャル子(這い寄れ!ニャル子さん)
       柳生九兵衛(銀魂)
 その58 : 比良坂初音(アトラク=ナクア)
       綾崎ハーマイオニー(ハヤテのごとく!) ※2回目
 その59 : 邪神モッコス(ゼノサーガフィギュア)
       柏崎星奈(僕は友達が少ない)
 その60 : 長門有希(涼宮ハルヒの憂鬱) ※2回目
       綾波レイ(新世紀エヴァンゲリオン)
 その61 : みどろさん(涅槃姫みどろ)
       輿水幸子(アイドルマスター シンデレラガールズ)
 その62 : 藤乃静留(舞-HIME)
       赤セイバー(Fate Extra)




584 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その62)[saga] 投稿日:2013/04/14(日) 22:37:30 ID:bKIFzcLY0

【寛永十六年(1639)時の柳生一族系譜】

  大膳長永
     :
  <柳生家>
     :
    ├─────┐
  柳生永珍   中坊源専
     :
    ├─────┐
    家厳      重厳
    |    (七郎左衛門)
    |     (松吟庵)
    ├───────────────────────────────────────────┐
    宗厳                                                              .妹
  (新左衛門)                         .【江戸柳生】                             |
   (石舟斎)                        .(大和柳生藩)                          <幸徳井家>
    ├───┬───┬────┬───────┐                                |
    厳勝   久斎   徳斎     宗章          宗矩                               友景
  (新次郎)             (五郎右衛門).     (又右衛門)                              .|
    |                            (但馬守)                                |
    |   【尾張柳生】                   |                                  |
    ├────┬────┬────┐        ├─────┬─────┬─────┐       .|
    純厳    利厳.     妹     厳倚      三厳       友矩      宗冬      .六丸    友種
   (久三郎)  (兵庫助).         (権右衛門)   .(十兵衛)    .(左門)     .(主膳)
           |                   (幼名:七郎) .(刑部少輔) (幼名:又十郎)
           |
           ├─────┬────┐
          .清厳      利方     .新六
        .(新左衛門)  .(茂左衛門)

585 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その62)[saga] 投稿日:2013/04/14(日) 22:38:01 ID:bKIFzcLY0
【第1部(その1~11)のあらすじ】
 時は戦国、乱世の時代。
大和国柳生庄の領主、柳生新左衛門宗厳は、上泉伊勢守秀綱創始の新陰流の正統を継ぎ、
後に名を石舟斎とあらため、その剣名を天下に上げた。
しかし、長男新次郎厳勝の不具廃嫡、豊臣家による所領の没収、
新次郎の長男、久三郎純厳の死など、柳生家に辛く重い苦難が襲い掛かる。
だが、徳川家康の招きに応じ、「無刀取り」を以って家康に指南を請われた際、
末子・又右衛門宗矩を推挙したことで、再び柳生家にも光が差す。
その後、関が原の戦にて徳川家に味方したことにより、柳生家は旧領を回復、
更に家康が幕府を開いたことで、宗矩が将軍家剣術指南役となり、
柳生家、そして柳生家の新陰流…「柳生新陰流」は、一気に繁栄の路を進む。
そして、柳生家の家督を宗矩に、新陰流の正統を兵庫助に継がせた石舟斎は、
慶長六年(1611)、78年の生涯に幕を閉じたのであった…。

【第2部前編(その12~24)のあらすじ】
 石舟斎の死後、宗矩は正式に家督を継ぎ、新たなる柳生家の当主となった。
またその翌年、柳生庄にて宗矩に待望の嫡男・七郎…後の柳生十兵衛三厳が誕生する。
そして、大坂の陣による豊臣家の滅亡、一代の英傑・徳川家康の死を以って、
戦国の世は完全に終りを告げ、新たな時代「江戸時代」が始まる。
その新しき世において、柳生家は将軍家指南役となった宗矩の「江戸柳生」、
尾張徳川家指南役となった兵庫助の「尾張柳生」の二家に分かれ、
宗矩は「坂崎事件」を解決するなど、剣術指南の枠を超えた才を発揮し、柳生家を発展させ、
兵庫助は新たな時代の剣、「直立たる身」の工夫を編み出し、新陰流を発展させる。
その後、時は寛永・三代将軍家光の世に移り、尾張においては後の柳生連也斎厳包こと新六が誕生、
江戸においては十兵衛が小姓を致仕するなどがあったが、その末に、遂に宗矩が諸大夫成を遂げる。
「柳生但馬守宗矩」がここに誕生したのである。

【第2部後編(その25~61)のあらすじ】
 晴れて但馬守となった宗矩だが、知己の禅僧・沢庵が紫衣事件で罪に問われ、
また自身も主君家光より難題を出されるなど、次々と苦難が立ちふさがる。
だが、大御所・秀忠の逝去によって赦免された沢庵より
「剣禅一致」を説いた「不動智神妙録」を受けた宗矩は、
真の大将の剣、『活人剣・治国平天下の剣』を確立することに成功、
これを家光に教授し、信任を確かなものにする。
そして、宗矩の惣目付就任、柳生藩一万石の大名への立身や、
柳生新陰流の全国への広がり、嫡男十兵衛の赦免など好事が続き、
途中、江戸時代最大の一揆「島原の乱」の発生や、次男・刑部少輔友矩が夭折するなど、
暗い影がないわけではなかったが、概ね、柳生一族は繁栄の絶頂を謳歌していた。

 そんな中、寛永十八年、家光に世継ぎとなる嫡男・竹千代(後の家綱)が誕生、
また、柳生家も十兵衛に娘が生まれるなど、明るい先行きが見えつつあったが、
同時に、共通の知人である細川家当主・細川忠利が亡くなるなど、
禍福を織り交ぜながら時は進むのであった…。

586 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その62)[saga] 投稿日:2013/04/14(日) 22:38:45 ID:bKIFzcLY0

 さて、ここで時は戻り、再び寛永十七年(1640)…。

           (  ヽ                   , ⌒ヽ , ⌒ヽ
     , ⌒ヽ   (       ヽ   _,=''''''^~~~~~~~~~^''''=,,,,(    (    '
    (    ' (        ,-='''~ -=^~~~^-^~~~^==- '=,,,    ゝ    `ヽ
.     ゝ     `ヽ    <~ -==^~~~^ =^~~^=-=^~~^'=-~'=,  (        )
   (            ヽ'^' __,,,,,,i~~~l===|~~i==|~~|_,,,,,..ノ (          ヽ
  (.     (⌒         ヽi~ |  |__レ、l--l--レ.;---i i-、 (           )
 (                 r'^~~~~l l   | :| ∩ ∩|,-=,__,-,_| |~i^i,,           ヽ
  (.          `)   l^^|,,,,--==.i~~l~~~~~~~~~~|   i l .|~^''''l~^i,,,,           ヽ
   ,ゝ.          /i~~i' l ∩∩l .l ∩ ∩  l  |__| .| .∩| .| l-,
  (    '   ,,,,,='~| | |' |,,=i~~i==========|~~|^^|~ ~'i----i==i,, | 'i
 (    (     | l ,==,-'''^^  l  |. ∩. ∩. ∩. |  |∩|   |∩∩|  |~~^i~'i、
(           ,=i^~~.|  |.∩.∩ |,...,|__|,,|__|,,|__|,,|__|,....,||,,|.|,.....,||,|_|,|.|,....,|   | |~i
 (.      l~| .|  | ,,,---== ヽノ    i    ヽノ~~~ ヽノ   ~ ソ^=-.i,,,,|,,,|
  ,ゝ     |..l i,-=''~~--,,,  \  \  l   /   /    /  __,-=^~
 (.     |,-''~ -,,,_  ~-,,.  \ .\ | ./   /  _,,,-~   /     ヽ
, ⌒ヽ.     ~^''=、_ _ ^'- i=''''''^~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~^''''''''=i -'^~ (      ヽ
     ヽ         ~^^''ヽ ヽ  i   |   l  i  /  /  ノ   (         )
   , ⌒ヽ              ヽ  、 l  |  l  l / ./  /   (         (
     , ⌒ヽ⌒ヽ       \_ 、i ヽ  i  /   ,,=='   (           ヽ
.           , ⌒ヽ       ''==,,,,___,,,=='~      ,ゝ           ヽ
     ⌒                  (              ヽ
   ノ                    ヽ
                      【東海寺】

587 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その62)[saga] 投稿日:2013/04/14(日) 22:39:53 ID:bKIFzcLY0
       , -‐''''"´ ̄``ヽ、  
       /     _     ヽ 
     /        ̄ ̄   { 
      l _ィニニア二二二ニヽ、j._   
     | 0Lj/-‐-レノ ノ_ヽ:::`ヽ     和尚様。
     レ:r、/ イ゚テ   ピト`|::|      そろそろ上様がお着きになられるそうです。
      l:lヘ  '"   ,j  '"/ノ
     ヽヽ、   r‐-,   /' 
        lヽ、  ̄ /  
     _,r┴‐-`v´-‐j-、__  
  / ̄/:.:.:.:| ̄ ̄`T ̄´|:.:.:.:l´ `ヽ /
       東海寺の小僧


       _,.-'"´ 三ミ、ー-、
      / / ィ /⌒`⌒ヽ\
    / / / /    夢  | ヽ
   /    / イ´^ー、   ,.. 、)、 ',
 , '   / / //ヽ、 ゚ゝ  イ ゚ノ| |
//イ    / /::::、  '´  ` ̄'|| |        うむ、では河岸の方まで御迎えに上がるか。
/ /イ   /  |::::::| / _┗'  ,イ 、|
 /   /  |::::::| ┃r=━┫;:/ | |ヽ
/ / ,イ ,'  | ハ:::::| /!ー-、K ;:/ | |\
  /  / / ! \| | |::::::::::|! /!  ! |
 , /  / / |┐ \ `━彡' |   !ヾー-、
 / /イ | ハ! |==、  ̄乙/{,川ハ!     `ヽ、
 , ' / イ 川ハ、o | `='"oネ、リヾ、      ヽ
  / 人 リヾ `ー、_,彡'"|,リ'   ヽ   _,. ' 〉
         沢庵宗彭
      (たくあん そうほう)

588 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その62)[saga] 投稿日:2013/04/14(日) 22:41:26 ID:bKIFzcLY0

 北品川の河岸──

                                                  ( ̄(( ̄(
..                                  ......................................................../ ̄// ̄//
      ザーーッ                          ,::;;;::;;::,iiiiii!!lllllliiiiiiiiiiii/ ̄// ̄// ̄/
,::;;--゙゙,,;;;;;::;;;:::,,,,,;;;;,,,;;,,,....;;;;... .. .. ....;;;;;;;;;;;..,,;;... . .. ... ..;;,,,,,;;;;;::;;;:::,,;;;;;';;llllliiiiii!!lllllliiiiiiiii!!;;;;i/ ̄// ̄// ̄//
illlllllliiiiiillllllllllliiiiiiiiiiliiiiiiiiliiii!!!;;;,,,,,;;;!!!iillllllliiiiii!!;;;,,,,,;;;!!!iillllll!!!iiiiiiiiiiii!!!lll;;:;;;;;;i;;;;i;i;;;iii;i!!;;,/ ̄// ̄// ̄// ̄/
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ ̄// ̄// ̄// ̄//
''"''"''"''"~~~''"''"''"''"''"''"''"""''"''~"''"''"''"''"'''~'''''"''"''~~~"''"''"''"''"''/ ̄// ̄// ̄// ̄// ̄//
''~"''''''''''"''"''""~"""''"''"''"''"''"''"''~~~~"''"'""~"""'"''"^^''"~'''"/ ̄// ̄// ̄// ̄// ̄/// ̄
''''"''"''"^^''"''"''"''"''"''"''''''''''''''''"''~~~"''"''^^^^"''"''"''"''"''"''"'''''''''''"''@,==@,==@,==@,==@,==@,==@,
''"''"''^^^''"''''''''"''"~~~''"''~"''"''"^^^^'"""'"''"'~~'"''"''"''"''"'~"''"''"''"''"'':|iiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiii|::|iiii
--...,,,,__,,....--''" ̄"''--..,,,,____,,,....--''" ̄"''--...,,,____ --...,,,,__,,....--''" ̄"'' - -.|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::|::|:::::


 この頃は、まだ江戸湾の埋め立てはそれ程進んでおらず、
品川の辺りだと、目の前に海があるような状況だったという。

 つまり、東海寺を少し出れば、そこは海だったのである。

589 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その62)[saga] 投稿日:2013/04/14(日) 22:43:45 ID:bKIFzcLY0
             __
          ,.-''";;;;;;;;;;``'ヽ、
       /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ、
      /;;;;、;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;、
      ,!;;;!゙`''~^~ァrr-'゙`'´''ラヘ;;;!
      |;;;|      ノリ     ミ;;;|
     _ゞ;! ー- ..,,_    ,,.-‐'''' ミ;リ
      !ヘl;| ,.=≡=、` ,´ィ,.=≡=、「ヽ      よう和尚!
     !(,ヘ!    '"  |:::.`    ,ドリ     久しいな。
     ヾ、!      !;     ,レソ
       `|      ^'='^    ム'′      元気にやってるか?
        .ト   ヽ二二二フ .,イ
     / i| \   ===   ,イ.:ト、
    /  i| ゙、\  ;   /リ.:;!:::\、_
       ゙!  ゙、 `ー─''゙:::;:'::::|::::::::::\
        ゙、      :::/::::::|::::::
    `ヽ、  ゙、     ./  .|  ,-、、
          徳川家光
       (とくがわ いえみつ)


       _,.-'"´ 三ミ、ー-、
      / / ィ /⌒`⌒ヽ\
    / / / /    夢  | ヽ
   /    / イ´^ー、   ,.. 、)、 ',
 , '   / / //ヽ、_ゝ  イ_ノ| |   
//イ    / /::::、  '´  `  '|| |       はっ…。
/ /イ   /  |::::::| / _┗'   イ 、|      上様も御健勝にあられる様で何よりで。
 /   /  |::::::| │ r---ヽ:;/ | |ヽ
/ / ,イ ,'  | ハ:::::| /     ;|/ | |\
  /  / / ! \| |      ./!  ! |
 , /  / / |┐ \ `─彡' |   !ヾー-、
 / /イ | ハ! |==、  ̄乙/{,川ハ!     `ヽ、
 , ' / イ 川ハ、o | `='"oネ、リヾ、      ヽ
  / 人 リヾ `ー、_,彡'"|,リ'   ヽ   _,. ' 〉

590 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その62)[saga] 投稿日:2013/04/14(日) 22:45:01 ID:bKIFzcLY0

       _,.-'"´ 三ミ、ー-、
      / / ィ /⌒`⌒ヽ\
    / / / /    夢  | ヽ
   /    / イ´^ー、   ,.. 、)、 ',
 , '   / / //ヽ、 ゚ゝ  イ ゚ノ| |
//イ    / /::::、  '´  ` ̄'|| |       というか、久しいもなにも、先月も参られたではありませんか。
/ /イ   /  |::::::| / _┗'  ,イ 、|      先週も拙僧の方から御城へ参上しておりますし。
 /   /  |::::::| ┃r=━┫;:/ | |ヽ 
/ / ,イ ,'  | ハ:::::| /!ー-、K ;:/ | |\ 
  /  / / ! \| | |::::::::::|! /!  ! |
 , /  / / |┐ \ `━彡' |   !ヾー-、
 / /イ | ハ! |==、  ̄乙/{,川ハ!     `ヽ、
 , ' / イ 川ハ、o | `='"oネ、リヾ、      ヽ
  / 人 リヾ `ー、_,彡'"|,リ'   ヽ   _,. ' 〉


             __
          ,.-''";;;;;;;;;;``'ヽ、
       /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ、
      /;;;;、;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;、
      ,!;;;!゙`''~^~ァrr-'゙`'´''ラヘ;;;!
      |;;;|      ノリ     ミ;;;|
     _ゞ;! r─-- 、  ,rェ--- 、ミ;リ
      !ヘl;| '____`  ,ィ '"世ン 「ヽ      ははっ、まあ、そう言うな。
     !(,ヘ!   ̄'"  |:::.`  ̄  ,ドリ     和尚の話を聞くのが楽しくてな、
     ヾ、!      !;     ,レソ     .会えない時間が長く感じられてたまらないんだよ。
       `|      ^'='^     ム'′ 
       ,rト、  ー_ ‐-‐ァ'   /|
    _../ i| \   二"   ,イ.:ト、
    /  i| ゙、\  ;   /リ.:;!:::\、_
       ゙!  ゙、 `ー─''゙:::;:'::::|::::::::::\
        ゙、      :::/::::::|::::::
    `ヽ、  ゙、     ./  .|  ,-、、

 家光が東海寺へ和尚に会いに訪問した回数は、7年で75回を数える。
最初が寛永十六年五月なので、平均すると月に一度のペースで訪れているのである。

 それに加え、和尚の方から江戸城へ参上する事も頻々とあったため、
それも踏まえると、ほぼ毎週程度のペースで家光は沢庵と会っていたものと思われる。

591 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その62)[saga] 投稿日:2013/04/14(日) 22:46:58 ID:bKIFzcLY0

               / ̄ ̄\
             / ノ  \ \
             |  (-)(-) |    ヒソヒソ…(すまんな和尚。
.             | u.(__人__) .|         .だが、ホント和尚と会うのを上様は楽しみにしててな。
        r、      |   `⌒´   .|          実際、今日が和尚と会う日だからってことで、
      ,.く\\r、   ヽ      ノ          粗相をした小姓が赦免されたりしてるくらいで…)
      \\\ヽ}   ヽ     /
       rヽ `   ヽ  /   ァ'´ヽ
        └'`{  .   \.|   /   i
            ヽ、._   ヽ、_,r'   .|
            `ヽ、   /'  |
               `'ー'´


       _,.-'"´ 三ミ、ー-、
      / / ィ /⌒`⌒ヽ\
    / / / /    夢  | ヽ
   /    / イ´^ー、   ,.. 、)、 ',
 , '   / / //ヽ、_ゝ  イ_ノ| |
//イ    / /::::、  '´  `  '|| |     (…嫌と言うておる訳ではない。
/ /イ   /  |::::::| / _┗'   イ 、|      お前が謝ることでもなかろう) ヒソヒソ…
 /   /  |::::::| │ r---ヽ:;/ | |ヽ
/ / ,イ ,'  | ハ:::::| /     ;|/ | |\
  /  / / ! \| |      ./!  ! |
 , /  / / |┐ \ `─彡' |   !ヾー-、
 / /イ | ハ! |==、  ̄乙/{,川ハ!     `ヽ、
 , ' / イ 川ハ、o | `='"oネ、リヾ、      ヽ
  / 人 リヾ `ー、_,彡'"|,リ'   ヽ   _,. ' 〉

592 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その62)[saga] 投稿日:2013/04/14(日) 22:47:55 ID:bKIFzcLY0
    〃                 i,
   r'   ィ=ゝー-、-、、r=‐ヮォ.〈
    !  :l      ,リ|}    |. }
.   {.   |          ′    | }
    レ-、{∠ニ'==ァ   、==ニゞ<
    !∩|.}. '___゙`   ./'__` f^|
   l(( ゙′` ̄'"   f::` ̄' |l.|      ところで和尚、
.    ヽ.ヽ        {:.    lリ     ひとつ気になった事があるんだが…
.    }.iーi       ^ r'    ,'
     !| ヽ.   ー===-   /
.   /}   \    ー‐   ,イ
 __/ ∥  .  ヽ、_!__/:::|\


       _,.-'"´ 三ミ、ー-、
      / / ィ /⌒`⌒ヽ\
    / / / /    夢  | ヽ
   /    / イ´^ー、   ,.. 、)、 ',
 , '   / / //ヽ、 ゚ゝ  イ ゚ノ| |
//イ    / /::::、  '´  ` ̄'|| |       なんですかな?
/ /イ   /  |::::::| / _┗'   イ 、|     
 /   /  |::::::| │ r---ヽ:;/ | |ヽ
/ / ,イ ,'  | ハ:::::| /     ;|/ | |\
  /  / / ! \| |      ./!  ! |
 , /  / / |┐ \ `─彡' |   !ヾー-、
 / /イ | ハ! |==、  ̄乙/{,川ハ!     `ヽ、
 , ' / イ 川ハ、o | `='"oネ、リヾ、      ヽ
  / 人 リヾ `ー、_,彡'"|,リ'   ヽ   _,. ' 〉

593 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その62)[saga] 投稿日:2013/04/14(日) 22:49:43 ID:bKIFzcLY0
            _  -───-   _
            ,  '´           `ヽ
          /                 \   
        /                    ヽ  
      / __, ィ_,-ァ__,, ,,、  , 、,,__ -ァ-=彡ヘ  ヽ 
       ' 「      ´ {ハi′          }  l 
      |  |                    |  | 
       |  !                        |  | 
      | │                   〈   !
      | |/ノ二__‐──ァ   ヽニニ二二二ヾ } ,'⌒ヽ 
     /⌒!|  「`tふト、 ̄ヽ    ィ,さ:ァー示   .| i/ ヽ !       寺の名前なんだが…海がこんなに近いのに、
     ! ハ!|  ト--- '`  i  !   `ー '´     .||ヽ l |      東海寺(とうかいじ)ってのはどうなんだろうな?(ドヤッ
    | | /ヽ!        |            |ヽ i ! 
    ヽ {  |           !           |ノ  /  
     ヽ  |        _   ,、            ! , ′
      \ !         '-゙ ‐ ゙        レ'  
        `!                    /    
        ヽ       .Tニー‐‐‐,‐''      / |
            |\      `二二´     , ′ !
           |  \             /   |
      _ -‐┤ ゙、 \           /  ! l  |`ーr─-  _
 _ -‐ '"   / |  ゙、   ヽ ____  '´   '│  !  |     ゙''‐- 、,_

【徳川実紀(大猷院殿御実紀附録巻六)】
 「東海寺にならせられしとき、沢庵和尚召て、海近うして東海寺とはいかにと仰ければ…」

595 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その62)[saga] 投稿日:2013/04/14(日) 22:51:46 ID:bKIFzcLY0

       _ r '"_ ̄_、,~-=、,
     / _ -:": : :\: : : :\  て
    /  /: : : : _,,ll}lll,,,,,__: : :|  そ
   /   |l,_:  _,,,lllllll'''~ ~''''llllllllllll|
  /  /::::lli,,illllllll'_'-─'リ ̄レ`ェ-._ヽ_`
 /  /:::::/''''_-"レィ辷ェヽ`'''ヽリ_ミ:`ェ、
 | ./::::/  //-‐-リ `   '  ̄ヽリレリ_
  ヽi:::/o/[レ r ‐ 、    r'''ヽ /レリ    (えー!
  \/! !リリ !. (::)    、 (:) ! .i、      そもそも東海寺って名付けたの、上様じゃないの!?
   ノi  !!  ,,, ~    `  ,, i       それでどうなんだろうって、どういうこと?)
  /;;;;!ヽ ヽ  u.          i 
 /;;;;;;;;;;`‐-‐\    z==   / 
 |;;;;;;;;;;;;;;;;;_;;;::\     _/,  
   ̄ ̄   r┤!_r-`==- ̄ ' ─---、
      人トイ` _,,            ヽ


     / ̄ ̄ ヽ
    /      ヽ
   /        ヽ
   |     _,.ノ '(ゞ、_|      (やれやれ、また上様が悪い癖を…。
   .|    ( ー)ヽ ヽ       多分、今日の訪問に備えて考えてたんだろうな、あのドヤ顔からして…。
   .ノ| U   (___人_\\__    さて、和尚、どう返す?)
 /  |     `⌒(⌒_   \
 {   .ヽ.       し「、    \
 {   ト `ヽ. ___´ノ  ヽ、    i
 .|   |       |  /   /

596 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その62)[saga] 投稿日:2013/04/14(日) 22:53:51 ID:bKIFzcLY0
                            
                ,. '"´三二二三`ヽ  
              /,ィ彡'"´ ̄  ̄ ``ヾミヽ 
              /   /    夢     ', ヽ
            /   /::(         ノ:::)  ヽ   
              /   /く´‘`ヽ ',从,' ∠‘``',   ヽ 
          /    ハ´ ̄`フ.:;;;;;:: ヽ ̄`フ',   ヽ
            /    /     ,,   ,,      ',    \ \、_ハノ
         /   /::、  /   .;;;;;;'  ヽ   /::ト、   ヽ\).',..、
         ./   //:::::::; l /⌒ー一⌒ヽl ;:::::ト、V .  / 
        /   // 1:::::;  V.:ViiiiiiiiiiiiiViiV  ;:::::ト、V ヽ,) 
      /   // ./.l:::::;. /l /´  ̄ ̄`ヽ  ;_ ___ノ) )
       /   // /  l::::; l | .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|   ;::: ̄\ `ヽ   .大君を将軍(しょうぐん)と称すると同じじゃー!!
     /   // /   1::; | |.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|  ;::! i i _) 
.     /   // /   / l:::;.   |WWWWWW!  /1 | | .l,)  
    /   // /   / .|ヾ、  L二二二ニノ / | | | /-、
.   /   // /   /   |(__ノ\ /xxxxxヽ/   /! ! !  .,ソ/ヘ '"
.      // /   /  ノ  ',  l}}}}}}}}}}}}}  /| | | |  /  //7/ヘ /l ト、 |\
     // /   /  ハ:::::::::.\ V´ ̄`Vく/  l | | |        /   V | l ヽ|
.   // /   /   l  >.-、/   ヽ  ヽ  | | ! ! 
   // /   /    |/ /       \)  l/ | |  
  .// /   /    V   〉   '"´  ``ヽ).     | ! 
      /    /  〈    '"´   ``ヽ)    l/  

 「なを大君にしてしやうぐん(将軍)と講し奉るがごとしと御答えせしかば…」

 ※別の逸話だと、「大軍を率いるも将軍と称するが如し」ともされる。

597 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その62)[saga] 投稿日:2013/04/14(日) 22:55:36 ID:bKIFzcLY0
                  _,,..-―――‐-..,,_
                   ,..-''"::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`''-、
             /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\
                /::::,..へ、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
            /::::/   `^~ァrr,.、_,,..-ァ=彡ヘ:::::::::::::::::',
              /::::/         ,リ|}         ヾ::::::::::::::i
.             l::::/ ,ィ圭fx.、                 i::::::::::::::l
           /´.l  ´ ̄ヾミメ、        _,,,.、  |::::::::::::,'
            | h.|   '、・)`ヽ``  ィf斗芸圭斗ゝ .l::::::::::/       ………………。
            | リ|     ̄ ‐' ヾ ′、´・)`ヽ   ,'´`.y'
         /::ヽ_|         .::}    `  ̄     .,'/、/
.        _,,..从リリ,|     ..:::/       i  //ノ/
     r''"   / ./ l      ヾ_ツ       U /_//、
    _../    //  ',    , - ..,,_          /::::::/  `''-..,,_
_,,..-'" /    /    ',   ヽ.__ )     ./i从リ      `"''‐-..,,_
   /    /      .\           // .| ∧             `ヽ
.  /    l         \        < ./  |  ∧               ∧
  /       |       |  \__ ..<  /   .|  ∧              ∧
. /       .|       |          /    |   .∧               ∧
/       |       l            /     .|     ∧               ∧
          l       ヾ       /    /|    ∧             .|  ∧
        ',           \    /   /  |       ∧           l  /
        ',―-..,,_          _,,..-'   |、     ∧        /  /
        _',        ̄`ヽ、   /        |. \     /        /  l
\     / l         `¨ ;:        |   \./         ./   .|
  \  /   |           l       |    \        ./    ヽ

598 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その62)[saga] 投稿日:2013/04/14(日) 22:57:03 ID:bKIFzcLY0
::::::::::::::::::,、::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヾ
:::::::::::::::i' `"~´''""゙~゛゙^'ヾミ;,゙"ー;;;;;"゙''''ヾ;i
:::::::::::::::|           ' ;!゙       {,
:::::::::::::::|                  i
:::::::::::::::|   ,ィ≦三三≧x、_       |
⌒ヽ.:::::}  '" ̄ ̄ ̄ """"´  /三ミミ!
´'ハ i:: |   , =≡≡=、     i.__   ,'
.r‐ノ レ'                 | ̄ ヾ i         ……プッ、ハハハハハハハハハッ!!
.{ i、               l    |
 、 `                    |   |         すまんすまん、和尚。
ヽ、 `i           ,-、 ノ   !        こんな質問をしたら、和尚はどう答えるだろう?と思ってしまってな。
:::| ` ー,                 ´    ,'        .つい、問うてしまったんだが…流石は和尚だ!
/     、       、==ニニ7   ./         .当意即妙の答え、見事だったぞ!
     ヘ      ヽ-----′  /
      ヘ     `~"´    /
    ',    >         /
     ',       ≫...    _ '
     ',      .:.:.:.: T<
      ',         .::.:.|   " ‐- ,
                      ̄" ‐


       _,.-'"´ 三ミ、ー-、
      / / ィ /⌒`⌒ヽ\
    / / / /    夢  | ヽ
   /    / イ´^ー、   ,.. 、)、 ',
 , '   / / //ヽ、 ゚ゝ  イ ゚ノ| |
//イ    / /::::、  '´  ` ̄'|| |       ふっ…上様も意地が悪うございますな。
/ /イ   /  |::::::| / _┗'   イ 、|      では、御一笑頂けたところで、参りますかな。
 /   /  |::::::| │ `---´:;/ | |ヽ   
/ / ,イ ,'  | ハ:::::| /     ;|/ | |\      「おう!」
  /  / / ! \| |      ./!  ! |
 , /  / / |┐ \ `─彡' |   !ヾー-、
 / /イ | ハ! |==、  ̄乙/{,川ハ!     `ヽ、
 , ' / イ 川ハ、o | `='"oネ、リヾ、      ヽ
  / 人 リヾ `ー、_,彡'"|,リ'   ヽ   _,. ' 〉

599 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その62)[saga] 投稿日:2013/04/14(日) 22:58:01 ID:bKIFzcLY0

       , -‐''''"´ ̄``ヽ、  
       /     _     ヽ 
     /        ̄ ̄   { 
      l _ィニニア二二二ニヽ、j._  
     | 0Lj/-‐-レノ ノ_ヽ:::`ヽ    
     レ:r、/  ⌒    ⌒`|::|      (流石は和尚様だ!
      l:lヘ  '"   ,j  '"/ノ      見た目は怪人だけど、やっぱ凄いや!)
     ヽヽ、   r‐-,   /'       
        lヽ、  ̄ /   
     _,r┴‐-`v´-‐j-、__  
  / ̄/:.:.:.:| ̄ ̄`T ̄´|:.:.:.:l´ `ヽ


        / ̄ ̄\
     /  ヽ、_  \
      (⌒)(⌒ )   |
      (__人__)     |    (流石は和尚だろ。
      (`⌒ ´     |     まあ、和尚ならやってくれる!と信じてたけどな!)
     {          |
     {         ノ
  __∩  ヽ      ノ
 (ミんゝ、 /     ヽ
    \ '' /|    |

 「人々一時の機転なりと感じ奉りけり」

601 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その62)[saga] 投稿日:2013/04/14(日) 23:00:15 ID:bKIFzcLY0
             __
          ,.-''";;;;;;;;;;``'ヽ、
       /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ、
      /;;;;、;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;、
      ,!;;;!゙`''~^~ァrr-'゙`'´''ラヘ;;;!
      |;;;|      ノリ     ミ;;;|
     _ゞ;! ー- ..,,_    ,,.-‐'''' ミ;リ
      !ヘl;| ,.=≡=、` ,´ィ,.=≡=、「ヽ        和尚、この大根の漬物美味いな! ポリポリ
     !(,ヘ!    '"  |:::.`    ,ドリ
     ヾ、!      !;     ,レソ        よし、これは沢庵漬けと名付けるぞ!
       `|      ^'='^    ム'′
        .ト   ヽ二二二フ .,イ
     / i| \   ===   ,イ.:ト、  
    /  i| ゙、\  ;   /リ.:;!:::\、_
       ゙!  ゙、 `ー─''゙:::;:'::::|::::::::::\
        ゙、      :::/::::::|::::::
    `ヽ、  ゙、     ./  .|  ,-、、


       _,.-'"´ 三ミ、ー-、
      / / ィ /⌒`⌒ヽ\
    / / / /    夢  | ヽ
   /    / イ´^ー、   ,.. 、)、 ',
 , '   / / //ヽ、. 。ゝ イ 。ノ| |
//イ    / /::::、  '´  ` ̄'|| |       …御意のままに。
/ /イ   /  |::::::| / _┗'  ,イ 
 /   /  |::::::| ┃r=━┫;:/ | |ヽ      (一応、貯え漬けって名前があるんだが…)
/ / ,イ ,'  | ハ:::::| /!ー-、K ;:/ | |\      
  /  / / ! \| | |::::::::::|! /!  ! |
 , /  / / |┐ \ `━彡' |   !ヾー-、
 / /イ | ハ! |==、  ̄乙/{,川ハ!     `ヽ、
 , ' / イ 川ハ、o | `='"oネ、リヾ、      ヽ
  / 人 リヾ `ー、_,彡'"|,リ'   ヽ   _,. ' 〉

 このように、家光から沢庵和尚に対する好意は相変わらず続いており、
家光にとって、和尚はなくてはならぬ人の一人になっていたと思われる。

602 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その62)[saga] 投稿日:2013/04/14(日) 23:01:33 ID:bKIFzcLY0
  _   _  ∧ ∧
 |:::::|  |:::::| |:l:l 川              > ´  ̄ ̄ `ヽ             {    /: : : : : : : : : : : : . . .     _
 |:::::|  |:::::| . Ⅴ ∨           > ´, < ´  ̄  `ヽ\         ヽ.  ,.' : : : : : : : : : : : : /)./´!-/ }''フ
 |:::::|  |:::::| .;´  ´         ./, <         ___ .} |_       ノ  i: : : : : : : : : : : :/ / _{ !ノ /´
 |:::::|  |:::::|              //       > ´   __ Vへ \___  .(   : l: : : : : : : : : : :/ .'"´/ | }ノ
 |:::::|  |:::::|               〃        / >  ´   `ヾ}  ト.、`ヽ Y  j |: : : : : : : : : :/    j | ノ: . .
. /:::/   .|:::::|                   / / .,        !  |ヽ) ', { ム {: : : : : : : : :.j'      ,.イ´: : . .
/:::/   \:\              /  /  メ、   /    !  | '_).ミ} 7:.{ !: : : : : : :.ノ    / : : : : . .
 ̄       ̄            /  ./  /{/i` ./! -r― |  !  }_).,! /:.:.:.`ヽ: : > ´  , -< : : : : . . . .-‐く    うむっ!
                      ,      {/レ'ィ汽. |/j/ .| /| / }j  ! ノ}_)/.':.:.:.:.:.:.ノ }.   /: : : : : : : : : : : : . . .    余の出番が来たか!!
                   /    ./r | 辷ソ    乃ム / __j彡{_)./:.:.:.:.Y´: :/  /: : : : : : : : : : : : : : . .
                      /   /  ゝ!   _   ヾ沙'イ:.:.:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:,): :乂/: : : : : : : : : : : : : : : . ._,,..-   随分と待たされた気もするが
                 /  /     __!  レ'´ `ヽ /:.:.:.:.:.:.:.:.:.ノ:.:.:.:.:.:/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : . .     まあ、よい!
                     ,/レ'     ノ{:.ハ.  ゝ. __ノ /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ゝ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : . .
     .ィ⌒ヽ                 /:.:.:.:.:.:.:.ヽ ___ ,ノ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:{ ; ; : : : : }ヽ: : : : : : : : : : : : . . ___      さあ、これより余が
.     /    {                  二フ亦ィ ニ=―ミ、.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:〉 ` ; : : ノ ヽ: : : : : : : : : : . . . ヽ `ヽ   直々に江戸城へ乗り込んで
ヽ   |    ゝ._          ,ィ´'⌒Y´ )       マ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ム   .._   _   /ヽ     /     .皇帝の威厳を…!
 ',_  {      `ヽ /`ヽ.    /    ゝく           }:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:;..イ ゝ.__|::::|__|:::::|_/:.:.:.:.\  }
  > ⌒ー=- ..,,____}/   ) __  {    乂_人      ノ{:.:.:.;: <´  ̄      |::::::::::::::::::::::::::::::::|  ̄ ´ \ノ
. ´.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`ヾー ノ ) ',   (__)ー-ァ  ̄ ̄ ´ `ヾ/            ̄|:::::| ̄|::::::| ̄
..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`Y (   ゝ-イ:.:{.v'´ |○ ):.:.:.:.:.:.:./      _         . ̄   |::::::|
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.{ ノ .__/:.:.:}:.:!/`ー}:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/   _,ノ:.:.:.:.:`ヽ           /::::/  _ ._ ._
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.乂/:.:.:.:.:.:.:,イ:}X二_}○ ):.:.:.∠,,..ィ ´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`ー- ..,,_   /::::/  |::::| |::::| |::
.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/ j:.ト、,.--|ィヽヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`ー. ̄    ̄  ̄/:::
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./ ノ:.レ^ー ヽイ./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.       /_:/

603 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その62)[saga] 投稿日:2013/04/14(日) 23:03:35 ID:bKIFzcLY0
         /  r'´        \_-- 、   、 \
          /  /              \  ヽ !
       /  /    /    i          !  ヽ  !
.      /  /  /   l    l           、   !  !
      l  /  /  ,イ !   l  !       \ │ !
     l  〃  |  i ! | |    l、 \  、     \! l、
.     l 〈 l  │ l ! ! ヽヽ   | ヽ ヾ ヽ    ! ! !  !
     | |  !  | l トヽ‐-ヽヽ、 ヽ-ヽr‐ヽ l、 ! | | ! l ト、       あらあら、皇帝陛下。
     ! !  rヽ |_ゝ!ニニ,ミ丶  \ゝニヽ-‐リ- ! ! !ハ !  !      そんな御無体な事をしたらあきまへん。
     ! |  |  !‐ゝ{ゝr`j `     イrアj`ゞ! !ノ  ! ! ! ! 
     ! l  l  !l   ̄ ´    i   ー`- ' レ' !  │ ! | !      ここは、やさしゅう見守ってあげるのが
.    ! | |  !       │       /,イ   l  ! !ヽ     上に立つ者の態度やないですのん?
    /! | !   !       、 ,      /^r v-!   ! ! !  !ヽ
.   / |  !│  !ヽ    、_______,  /゙,r'|゙亅 !    ! | ! l ヽ
  /    !!   ! \    ─‐  / / / /7 !    ! ! ヽ ヽヽ
  | 〈   l    l、 r`ト、     ,〃/ / 〃l  l    |  ! ヽ ヽヽ
-、_l、 ヽ  !    レ' ヽ ` ー- | / / / / / |  !    ! ヽ ヽ ! ヽ
  `ーl´ ̄´ ! !   ! l、 ヽ   〃 / / / ! 、 ヽ |    │ヽ ヽ l !
-r', /   | !    ! |   ヽ / //゙゙゙゙  /  ! l─ l!     │ ! │

                    ...      ,ゝ==.、
                         ,, "    ヾ.、
                         ,"     ,ゝ、j,ゝ、.
                        /'      ノ_厶、Yメ、ヽ、
                        i!     , '.´,' ,ィ : . ゙、`ヽ`、
                        ヽ  /, ,  ,' i i!  i、、 i:.i゙、
  む?                      ノ//,'.:i.iハ!i i! i、!| ヘ!ノ.!:.∨
 お主は誰だ?           .    ,イ人!ィ三ヌ、リ!/!ィ三メ,ィリ: ト.、
 というか、なかなかの美人だな!     /! ,ハ'i|゚::ci゙ " ''i!゚::。i/ノ i!iヾ.i
 名乗ってよいぞ!             ,' i ,"'トベ¨¨ _'_ ´¨´!'i リ! i!
                         i! l トゝ,ゝ. ヽ. ノ , イ、ノ, ,' 丿
                         ヽ乂ミ゙〈:::::>.、,ィ.:i、:::::ノノ '
                         _,=-、__7::/::::|i|::メ、:〉_=‐ヾ.、_
                      _,/`ヾノ,」i!iフ`¨¨`´. ↓≠ゞ´゙ヾ、
                     .《:::::::::::::::i!:::,ゝ'.. 、 /___`ヽノ::::::::::::
                     . 〉::::::ゝ、_!:/,ィ=¬○´,ィ  `ヾ、::,フ:::::
                     .':::::::::,メ'´7'´、 =,゙○、´ , , ハ丿`ヽ、::
                     :::::/  乂 ハヽ ´厶、 _ /    `

604 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その62)[saga] 投稿日:2013/04/14(日) 23:05:00 ID:bKIFzcLY0
    /: : : : : : : : :ヽ: : :   ヽ . .ヽ. .ヽヽ
   j; :/ : : : : : : : l:.ヽ : : : : : :l:. : :l : : ! l
.  /l: :l : | | : : : : : ヽl : : : : : : l::. : ! : :l :l
 /: |: :!: :ハ|ヽヽ: : : : ヽ : : : : :ハ:. :l: : :|: !
 {: l:{ ハ: レ==ヽ: : l : : } : : : :! : :l:: | : :| :|
  ヽトト{ヽ! r_ _,ヽ:ト: :/: : : : | : : :l:l: : :l: |       あらお上手。
   |:.1!  ´ ̄ j/ jイ: : : : : |:. : : :l! : :l :|      藤乃静留と申します、陛下。
   |:.ノ        |: : : : :!::. :l. :l : : l |
   |:.`ヽ´_,. -ァ   |: : : : : ト::.. ヽヽ: :ヽ       今回は、うちと一緒に
   |: :/.)ト=´   ,. |: | : : : l、ヽ::::l::.. :ヽヽ     .解説をやりましょっていうお話なんどす。
   |/ / // ト、_ ィ ヽ.|: l : : : :V´ ̄ヽ::. : l:.ヽ    .そやから、ここは大人しゅうお願いします。
  // /! {|/´} /   !:: : : : .: l:: ._, ‐`ー 、:. i
 / ! ′ ,lノ // ヽ   l:: : : ..::: } ´ _...:ニ⌒ノ::: |
./. . |  ヽ/′l/    7::...:::::::ノ. . ´_:_:__ヽノ
. . . .l   }   !    /::::::::/ /´. . . . . . . . . ヽ
. . .ノ    ノ   , /:::::/‐ ´ . . . . . . . . . . . . . i
/   /  //::/ . . . . . . . . . . . . . . . . . . l
   /{  / /lイ:/ . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . l
  /:.:.:.:.V _/  `ー . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .|

                                    / __{/   /   /. : : : :`^: :.⌒l \',
                                        ′{ /   ア   /         ヽl   }
                                   { {”.′                  ',  :}
                                   〉′  /   / /  / l    ヽ
                                  /} {    ./    / /}  ハ :li     }   }
  そうか、シズルというのか!    .          / /-‐‐/)   斗--:} .ト、l :ll  }        ,
 お前のような美人に頼まれては仕方ない!    /  ア´///   / }/  }/  l l ', ハ ./    ′
 望み通りにしてやろうではないか! ...     .:{{\〃// Ⅵ  ./ x=ミ、   Ⅵ 7⌒/} /
                            . : :}}. ./ /`7´}-、 / :.:.:.:. `^    ,ィf芯㍉′ /
  だが、              .       . : : : :{{     (/ ./-‐‐  つ        〈_ツ ムイ}/
 余はこの時代の話をほぼ知らぬ故、  . : : : : : : }}  --、 (/ -‐ '"´        '  .:.:.:.:./ /
 解説はお前に任せるぞ?       -‐: : : : : : : : {{      /-‐==ミ   {   ァ      ′ 、  ___
                  -‐. : : : : : : : : : : : : : :}}‐ヽ __  {i . . .{. /::.  `      イ ./ }. _/ } ./ {
  「おおきにどす」      ..: : : : : : : : : : : : : : : : :{{. . . .}: :\ \ ≪: : : : 〕 -=≦}、/  }/  :{/   ∨  }  / }
                  : : : : : : : : : -‐‐…‐- ゞ=彡--‐‐\ )⌒´\//:》: : {ムイ/}`/ 〉r‐、   {__/  〈
                  : : : : :ア: : : : : : : : : : : : : : : : : }: :}: : :/“¨ゝ=彡: : :.}. . / / .{.// / 〉、- 、   /
                  : :ア´: ヽ: : : : : : : : : : : : : : : : :{: :i: :/       \:{. . {{/    ゝ'、/ゝ'、. . \/ー‐‐‐‐,
                  :/: : : : : }: : : : : : : : : : : : : : : : :}: : /  ‐-、     __',. . >o。        ',. ノ}',   /
                  : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :/:/        ´ /ヽゝ---. .o。     / /. } /
                  ‐‐---、: : : : : : : : : : : : : : : :./           }  厂}. . . ./}. . . .-=彡 ./. ./ー‐‐、

606 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その62)[saga] 投稿日:2013/04/14(日) 23:07:02 ID:bKIFzcLY0
                         ,r ´> ´ ̄ ̄   {r ´ ̄`.、
                         > ヽ.   /      ヽ.   ヽ
                         {  /  /    /    丶、  \
                        .Y  ヽ. /    /     } `ヽ  ヽ
  ではシズルよ!          .  ゝ   ノ/     {!     i!,!  ',
 早速聞くが、将軍は何故ここまで   }  く. ,'     ハ     /リ| !   ',
 この坊主に入れ込んでおるのだ?  ト  ソ !      ト. 、マー=ミ!i   il
                     ...  ゞ ノ |       .{    、.{:il ',   i|
  もしやアッー!な関係なのか?  .....  r彡,  |     ヽ ',       ヽ ル′
 然程の美形とも思われぬが、     ::/:::;i |.       ',       /
 この将軍は好みが特殊なのか?   :{::::::i!. |    ヾ 、 ',  , __ / ヽ
                        リ::::::|`il i|   .ハ ヽ ',   ̄,´   ヽ
                       ::::::::::i| .レ ハ    ハィー-  __/ ,.     ヽ
                        ー- 、:.:.:.:.ヽ. ` ',:.:.:.フ}≧、 },  {`ヽ}
                       / /:.:.:.:.:.:ヽ.:.:.:..`ヽ ヽ //ミ:.:.:.:', ヽ  ',
                       :.:.:.:.:.:.:.:.:.:}:.>ミー-`、 ヾ_ヾ:.:.:.:.:ヽ ヽ }

           ,-、-――ヽ―- 、.
       ,---'´-、 \\ \  \
       /r i    \ \ヽ  \   \
      / | |  ヽ\ 、 \ヽ  ヽ   ヽ
      /   |  | ヽ \\ヽヽ  ヽ   ヽ.
       |   | 、 |  ト、ト_、ミh、 |   |ヽ 、 ヽ.           そういう訳やありまへん。
     | i i | ト、.|\レ|_,ィzリ  |  |、ヽヽ ヽ          当時の記録のうち、「細川家記」によると、
     ハ i | |>ト_` rヾマシ! . |  !ヽヽヽヽヽ
     .| | ト ヽ ゙ト,ィイム  、    | i |  |,ヽヽヽヽヽ        「沢庵和尚御無事に候。別して上様御懇ろ、日に増し申し候。
     | | |゙ヽ.カ、ト、ヾ'   ヽ    ! | !  |ヽ. ヽヽヽヽ        折々咄し申し候。御心安くなれ申し候程、
     ゙'ヽ'  ||  ト、   -=_'´ | | | i !ヽ、_ __\ヽ        感じ入る事計りに成り申し候。不思議成る儀に候」
           |!  ||  |゙i'ー,-,-.,イ | l | ト_-‐';:-‐ヾ、'\
           |  ||  ||| | | レ| | i | |::::/ /´ \ i      とあるんやけど、簡単に言うたら、
           |i i i !| i |ハ | レ',イ| | ! .!:/ /     .|ノ     この和尚様は、お話がえろう上手やったいう話なんどす。
          /イ | |//ハ_///| | | .| |:/ /        |
        //||//_/ /   |. レ' |::|/         !
        //// //、_/-、_, -| |' /:::|         !
        //,イ./ k'_ヽ--/^ヽ-‐‐| //:::::::|       |

607 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その62)[saga] 投稿日:2013/04/14(日) 23:08:29 ID:bKIFzcLY0
                              __, =‐‐‐ -=ミ
                          く^⌒´ //`⌒ヽ   ヾ    /〈 
                           `¨≧     \  ≧=-  /:./    ___
                            {/   { \\/、 \ 三ニ=- , ‐、´:.〈
                           / {   \{、ィf沁ヽ \≧=-//⌒ヽ _
  ふむ、話が上手、か。         ..  :/ {丶≧=-ヽ  ¨´ }/ヽ}: : :/三{: : :\:,{: : /
 具体的にどういう話をしていたのだ? .  {ト、. \Ⅵ圦ツ ' _ ノ . : /=彡ニ=-: : : :/{: :.′
                         .  {i \  ≧=- -r': :∧: : : : : : : : : : : : : : \
  今、あったような            ..  ヽ   \{ヽ≧=‐´ゞ'’ \: : : : .-‐=≦ ¨¨´
 頓知のような返しが上手だったとか、   .     {{__/_/       ∨:./
 そういう話ではないのか?       ..     〈: :/  // ̄ ̄ヽ__∨
                                 /`⌒^゚。         / 
                               八   / ` -=≦: / 
                                }≧=‐ Xニ{O》: :.{  r、  r、    
                                }: ∧´ Xニ{O》: : \}} ゝ' oヾ/}}. 


                        _,. ‐''"´ ̄ ̄`丶、
                      /´            \
                    /         /     \`丶、
                      /      / /  ,     ヽ  ヽ
                  /        l / 〃   ! ',  ',   ',
                    /        l / // / ,' ! ! }   !   l
                /        l  l/ // _,,厶/j_jム  l  |     そういうのも含めて、
                  /       |  l7フ ̄///,ノィァテ} , ノノ    話が上手かった、ということなんどす。
              /  ,    / i|  l气戎⌒   亠'ノノイ!
                /  /   /  ,ハ  '、 ̄´     ,ハ} 川       ほな、和尚の話の例を挙げてみましょうか。
            /  〃 / /  /rΛ  '、  マ_フ / '´ / l '、
           / /  / /   /\ ヽ. \ _ ,.イ{  ,.イヽ ヽ.\_ __ ノ
            / /    /   /   ` ‐\ \_ハト--‐ヘ、\ \--‐''´
       / /   /    /\    /` ーr--‐ヘ、_,ノ\ \ \
.     / /   //   / _: : \  /:::::::::::\::::;ィ个 、  \ \ \
.     / //  ./ /   /´   \: :`7:::::i::::ヽ:::::Y_::ヾ: : :`ヽ、 ヽ. \ \
.   / / /  , ' / /    l     __ _`ヽ{_::!::::::;.<::::\::\:/|  ',ヽ. ヽ }

610 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その62)[saga] 投稿日:2013/04/14(日) 23:12:44 ID:bKIFzcLY0
                                       ∧
                                       ,:.:.:.',
                                    {:.:.:.:.',     ‐-、
                                    , -‐    ',:.:.:.:{   ___,ノ
                                 (____   !:.:.:.|
                         r =-- ..,,        }:.:.:.|
                         { /´  ̄  \.      〈:.:.:.:.!
                          ! {              !:.:.:.:{
                       __ >ヾ  ̄ ̄ ̄ ` <   }:.:.:.:.',           ニ|二ll
                       {/            > 〈:.:.:.:.:/           \
           ニ|二ll      i 7 ,             `ヽ. ',:.:.:.{            や
              \..     ム /   、       /   ト ヽ}:.:.:.!           /     今回はここで終わりだ!
                 や..   }_〉  {  ト!/ \ {ヽ  !メ.. / ヽ} { ノ:.:.:.',          /     次回はもう少しまとまった話に
                |     く{  !  三三≧ \! ≦三. i   ヽ.:.:.:.ヽ        ┼      .なるとよいな!
      :⌒)    |.       i〉  ヾト.{ {{::::::::}}    {:::::} {   ヽ:.:.:.',        9
         :丶  ┼.     乂ヽ  ヽ ゞ= ソ __    ゞ;ノ , ,〉、  ト:.:.:.}               では、皆の者、暫く待つがよい!
            ::) 9.         {_ム  \' ' '  {   ̄V   /イ.レヽ!:.:.:/          '⌒) (::
        )⌒'            r-} 7:.\  \ー-ゝ __ノ...イ:.:.:.:.:{ .{ } ヽ/          (    .:::
     (  ⌒)          ゝ} }:.:.:.:.:.ヽ!\!.  ヽ \:.:.:.r-、:.:.レト!            (::.
    (⌒   .::ヽ.          マ:.:.:.:.:.:.rヘ:.:.(  ̄ ` ̄ )'                 (::.   .::
  _  ::..    .::) l. ̄ l.       _ヽ:.:/ ノ:.:./:.:.}ニニニト.、    ,.ィァ          ´   .:.ノ
    L (   .::)┘__.    <}:.:.:.:.:.':.:.}ミ、:.:./:.:.:.ー ':.:ヾ/:.`:.ー':.:.:.:ヽフ.     __   (   . .:.:)
   ___(   .:.:)| lニニニl |...  く!:.:.:.:.:.:イ:.:.:.:/ ` <:.:/ ヽ:.:.:.:.:┌─┐   |    |  (   . .:.:)
  | l二l二l│_:ノr| lニニニl l ̄ ̄ ̄j.゙:.:.:.:.:.:.:.:/  /    ヽ `''. 」 ロ_ ̄ ̄l | 日 | (⌒.  ::人r─
  | l二l二l│ェュュ:il| lニニ | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| :.:.イ.      ┌───冖| []├冖冖ー‐┐       ) ̄|  __ __¨ ./
  | l二l二l│┌「 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄l┐ロロ |l/:::r'ー─┐ ┌l [] []  冂| []│[] [] [] []│ ̄l.   ::) |    _)  _) \

613 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その62)[saga] 投稿日:2013/04/14(日) 23:20:44 ID:bKIFzcLY0
 てなとこで、本日は終了でアリマス。
お付き合いありがとうございます&お疲れ様でした>ALL

 3週間ぶりでこの分量という始末で申し訳ない限り。
なるたけ分量を書きたいところなのですけど、なかなかなんとも行かず、ぐぬぬと。
来週はもうちょい何とかしたいところ。

 家光については、
「唐突に変な事を言って近臣を困らせようとする」癖があるという話を
読んだような気もするのですが、ちょいとうろ覚えでアリマス。
その辺、即座に返事を返してくる和尚は、絶好の遊び相手だったというのもあるのかなと。

 あと、その63解説役候補の投票経過はこんな感じ。

 2票 : ルイズ(ゼロの使い魔)
 1票 : 佐々木(涼宮ハルヒの憂鬱)

 ヤマグチノボル氏については、
ヘキサゴンやってた頃からちょこちょこ見てましたけど、なんとも残念なお話であります。
ご本人が一番無念だったと思われますが。

 それではではー。




620 名前:1[saga] 投稿日:2013/04/20(土) 16:00:32 ID:1d5Q9QW60
 どもどもです。
買い物に出ようとしたら雨が降っててどうしようといった塩梅ですが、
それはともかく、次回の投下予告をば。
今んとこ、毎度のように明日(4/21)の21時目標で予定しとります。
よろしゅうです。

 あと、解説役投票経過はこんな感じ。

 5票 : ルイズ(ゼロの使い魔)
 1票 : 佐々木(涼宮ハルヒの憂鬱)、タバサ(ゼロの使い魔)

 そういえばルイズに限らず、ゼロ魔のキャラって
出したことないなーと今更気づいたり。ふむん。

 それではではー。




622 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その62)[saga] 投稿日:2013/04/21(日) 21:03:20 ID:woU4YCpE0
     へ、                             ノ     ∧
   /   ヽ                            ´        ∧
  |      `゛''''‐ー---......______.....----''''"´          ∧
  |                                          ∧
  |                                         ∧
  |                          ト、                    /
  |                         | ヽ                   /       前回の続きどす。
   ト 、       ,、                  |  ヽ  ヽ、          /
     `ー-    / l!                |   ヽ  ヾ 、 ,,,... ''''"´          和尚は話が上手やいうことについて、
        ゛''''ーr ノ--  ..._______」     `ー一´               ほな、どんな話をしてはったか紹介しますわ。
          .| | } ゙ト,ィイム  、    | i |  |,ヽヽヽヽヽ
            | ノ |,-、ト、ヾ'   ヽ    ! | !  |ヽ. ヽヽヽヽ
         rト、,' , へ, ト、   -=_'´ | | | i !ヽ、_ __\ヽ
            |   \ /ゝ||  |゙i'ー,-,-.,イ | l | ト_-‐';:-‐ヾ、'\
           |   Y´ノ||  ||| | | レ| | i | |::::/ /´ \ i
           .{     |ハj i !| i |ハ | レ',イ| | ! .!:/ /     .|ノ
           |   { ハ |//ハ_///| | | .| |:/ /        |
          ヽ    ト、j .//_/ /   |. レ' |::|/        !
          |   |./、_/-、_, -| |' /:::|        !
              !     !'_ヽ--/^ヽ-‐‐| //:::::::|       |
.             /ー=一!. .'-‐'|^i‐-‐''´:! ./:::::::::|         |

623 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その62)[saga] 投稿日:2013/04/21(日) 21:04:32 ID:woU4YCpE0
 少し先の話になるが、2年後の寛永十九年(1642)二月十九日、
家光は浄土宗・増上寺の意伝と、日蓮宗・本光寺の日啓に宗教問答をさせ、
その際、沢庵和尚を判者として伴ったという。

           _                      _
        ,r'"::::::::::::゛''-.,       ...        ./.ニ三ミ\
       /::::::::::::::::::::::::::::ヘ   喧々  .        ,'ニ三三三ニ.ヽ
       i:::::::::::::::::::::::::::::::::i   ._    .       ヽ三三三三三.l   諤々
       |:::::::::::::::::::::::::::::::/  .//    .     r-、_ . ',三三三三ミi
       .彡:::::::::::::::::::::::ノ|!' ./::n、       .ィ´ニニ`i ',ニ三三三.,'
      /::::::::::::::::::::::::,.'   /:::::::::''7  .    .!ニ三ニノ `._三三三ヽ,,_
    ,.-'"::::::::::::::::::::=ニ'_,,   ',:::::::::ノ ......    `、ニミヽ  .ノニ三三三三ミ -、
   /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ミ-、  <:::::::>   .     .〉ニ三ニYニ三三三三三三ミ`
  .|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヘ .r'':::::::::ヽ       .`、ニ三三三三三三三三ニl
  |:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヘ|::::::::::::::|  .      ',ニ三三三三三三三三ミ.,'
  |::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|   .      .〉ニ三三三三三三三ニ/
  .|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|   .      .,'ニ三三三三三三三ニ,.'
          意伝                      日啓 


            , '´  ̄ ̄ ` 、 
          i r-ー-┬-‐、i 
           | |,,_   _,{|         ..        .rニYニヽ 
          N| "゚'` {"゚`lリ                 //_夢_ j | 
             ト.i   ,__''_  !           .      イ t` !_,` } | 
          /i/ l\ ー .イ|、        ......     /j ト ‐=' レj 
    ,.、-  ̄/  | l   ̄ / | |` ┬-、    ....  ,r'´ ̄`゙} |二二j l|rニ二ト、 
    /  ヽ. /    ト-` 、ノ- |  l  l  ヽ.    .  〉─7-'´l|jト、`}-イl;|`--l一〈 
  /    ∨     l   |!  |   `> |  i    .  .|   レ ルリ-ト、|州リ   |  .| 
  /     |`二^>  l.  |  | <__,|  |  .....  j  j ,,  ヽヽ |/     |  ', 
_|      |.|-<    \ i / ,イ____!/ \   イ  ハ ヒ、 ト、 |     j   ', 
  .|     {.|  ` - 、 ,.---ァ^! |    | ̄ ̄ ......  }  / }、 ヽ} ヽヽ|    ノ ',  |

【万松祖録(老士語録より引用)】
「寛永十九年二月十九日、品川南馬場本光寺へ成らせらる。
 御供には、堀田加賀守殿、酒井讃岐守殿、久世大和守殿、朽木民部少輔殿なり。
 増上寺の伴僧意伝を召し連れらる。本光寺の住持日啓と、念仏無間の門問あり。
 此の時、判者として和尚を召し連れられしとなり」

625 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その62)[saga] 投稿日:2013/04/21(日) 21:06:39 ID:woU4YCpE0
 この問答の内容については割愛するが、
その後、家光は和尚に対し、このように尋ねている。

             __
          ,.-''";;;;;;;;;;``'ヽ、
       /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ、
      /;;;;、;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;、
      ,!;;;!゙`''~^~ァrr-'゙`'´''ラヘ;;;!
      |;;;|      ノリ     ミ;;;|
     _ゞ;!,-;;;;;;;"フノ  ヾ`;;;ヽ 、ミ;リ        なあ、和尚。
      !ヘl;|. ぐ世!゙`` ,ィ '"世ン 「ヽ      どうして浄土宗と日蓮宗は、ああ宗旨の優劣を論じて
     !(,ヘ!   ̄'"  |:::.`  ̄  ,ドリ      .仲が悪いんだ?
     ヾ、!      !;     ,レソ 
       `|      ^'='^     ム'′       宗論の問答は、それを論ずる僧の器量次第だろうに、
       .ト、.   -‐‐ ‐‐-  /|         なんであいつらの場合、それが宗派の優劣の話になるんだろうな。
    _../ i| \   ===   ,イ.:ト、
    /  i| ゙、\  ;   /リ.:;!:::\、_
       ゙!  ゙、 `ー─''゙:::;:'::::|::::::::::\
        ゙、      :::/::::::|::::::
    `ヽ、  ゙、     ./  .|  ,-、、

       _,.-'"´ 三ミ、ー-、
      / / ィ /⌒`⌒ヽ\
    / / / /    夢  | ヽ
   /    / イ´^ー、   ,.. 、)、 ',
 , '   / / //ヽ、 ゚ゝ  イ ゚ノ| |    
//イ    / /::::、  '´  ` ̄'|| |     ふむ、そうですな…。
/ /イ   /  |::::::| / _┗'  ,イ 、|
 /   /  |::::::| ┃r=━┫;:/ | |ヽ
/ / ,イ ,'  | ハ:::::| /!ー-、K ;:/ | |\
  /  / / ! \| | |::::::::::|! /!  ! |
 , /  / / |┐ \ `━彡' |   !ヾー-、
 / /イ | ハ! |==、  ̄乙/{,川ハ!     `ヽ、
 , ' / イ 川ハ、o | `='"oネ、リヾ、      ヽ
  / 人 リヾ `ー、_,彡'"|,リ'   ヽ   _,. ' 〉

「此の頃のことにや、或るとき、大樹(家光)、和尚に仰せけるは、
 『諸宗多しといえども、浄土宗、日蓮宗は、中悪く、毎度宗論あり。
 其の時勝劣は、問答の僧の学才器量によるべきなれば、
 言い詰められたればとて、宗旨の劣りたるにもあるまじ。
 云し勝ちたるとて、宗旨の好きにもあるまじ。
 されば、甲乙定めがたし。総体、何として中悪く宗論をする事にや』との仰せなり」

626 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その62)[saga] 投稿日:2013/04/21(日) 21:08:52 ID:woU4YCpE0

 この家光からの問いに対し、和尚はこう説いたという。

                                 /   !   . /
                       ぃ、            /    l  /   ..
                       l, `'、         /-、     l-"    /
                     l .\    / ゛  ヽ     !    / /
                        ヽ  ゙' 、./ ,,,.   ,ヽ  _..-'" `''ヽ″
                      ヽ  ./ / .!゙r‐ー" /        \
                         ,,ヽ / ./  │ !ー--.|          `
                        / .`/ /   ._,!彡―ー,i'′
                     /   .|.;―/゙/ /ニ¬''゙.|
                    /    .|、-'ヽヽ/   `! l             ,/   「ゴオォォォッド・ラムゥゥゥゥゥゥッ!!」(説法)
                      /     |.! ! ,二....、  | .!        . /
                  /     .! l ! .l' ̄ミ''゙l  ! |       /  /
                    /      .| .!| l―ー'″|│     ./ /
                 /      .l゙  l.l ./ ゙゙゙l-. .|._ !     / '゛
                /      │  .|./ ''''/ ./  .|    │
                  /       l ._r'"'''./ ./ / !     l
              _..‐l,         |/゛ .l゙ ゙'く._ノ゙./  .!      .|
              ,,/´   l、    .i/  |   /    .!       .l
        ,..-'"      . l,    .八__.l./ ._,,.. -''' l        l
 ___,,,,.... -ー'"         _,,,,.. -ト   ./ .../'' ゙ /     l            l
.- ....,,,,,、 .,,,.... -ー'''''"゙´   /   ./,/   /     l             l
 .、                /    /     ./      !          /
  `''-、_             /    /     /   _,,, ー'T             /
      . ゙二 、     /    ./ー― ナ""´     /          /
.... -‐'"゙´    \   ./    ./   ./       ./          /
   .\,      .l. /    /    ./       ./         /
                        法然

「和尚、御請に、法然と申すも一宗建立の僧なれば、仏法の奥儀を見付けたる者なり。
 たとへて申せば、富士山の絶頂へ登りたるがごとし。然れども世澆季(末世)になり、
 人の根気も薄く志も弱く、仏法へ立ち入りがたきにより、富士の六七分目へ引き下げて、法をとき、衆生を済度す」

627 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その62)[saga] 投稿日:2013/04/21(日) 21:13:31 ID:woU4YCpE0

                             , ィ-'三`ャェュァャェェュ_   ,,  -― ´ ̄ ̄
                          /ア<  ` .、    >- ´   ,,  -‐  ̄
                          i   ' , \, ィェェ、   \_,,. -‐'' ´
                          i  .ノ- <二> 、   >- ィ
                         , ヘ{ヽ .ノ  }  l /イ ミ__{ ` T ャ‐ヾ ̄
                ___,, ィ ´,,チ彡i .r--、  .j  .}´ i /マヽ /.l ./}.ヽヽ } ̄ヽ    「ラァァァァァァァァァーーーーーーッッ!!」(説法)
               _マ----- 彡==ァ彡li {{::::::}  ./ ./i  i  __ノアヽイヽヽヽ i
-=ェェェェ二二二二二 ̄ ̄   ̄ ̄ ア .,, ィ≦三ム'L-イヽ ´ ./ .i  'i / マムj / >、\\,,ィ
     ` '' - 、 ______ イ > ´     マ }-、 ノ  }   i  } ム´   ,, ィ彡''´
           ` ――――‐ ´       //ヽ  ,,イアi   l / ,, ≦彡''  ./  ̄
                         ./ i   ノェ≦彡マ  ノ  /   /  /
                         L ィ ´ / /  .j ム.ア   , ィ'  ./
                            / /  .,ィ ´/// , < /  /
                       ,  '},,ィ≦彡'   l .//--< ̄ア  /      ./
                     /  ノア´   ., ィ ´/ / ,,ノ ァ イ /  /     / ./
                   /  /     /  ./,, ノ7 /   /i {  {    /  /
       , 、_     ,, ィァ‐ ´/  /      / ,,  '       /  <,>-‐´  ./
      i    ア ̄/   / ,イ'      /}       > ヘ    /    ノ    ,,
       .l  /   /    ./ /{    ,,  '' ./     ,  ´ / ̄ ̄ ヽ {    / \  /
      .l .i   /     / フ彡'' , '   / -‐  ̄ i  /     .i≧ュ、 /    .i
       i i   il ヽ   / /   , '   .{     ,, - ア /       i三三ミュ、   ,-、 >
       マ{   il  ',  /ヽ/t- - '   ./i _ ,, ィ ´ > 'i、       }ア´ `寺≧ェェェェャ´
       ト  .il   ', { ./    .,,> ´}-ヘ、> ´  /ム   ,,   /    `寺、三三ム
         マ、 .il   ,}ノヽ.i   /     ア 、     ,,ノ三ア='''' ´        `寺、マ三ミ
        \ { ´  マ Y==' ` 、    /   \≦                 `寺ミュ、
          ヽ__,, イi  ,'\`ト 、 ` 、 ノ ./ ̄\ \                   `寺ミ
            li三j  j三≧i `.ャ彡-‐´    ヽ  \ャ―――、            〉
            | マ{  /ア }. ヽ. ヽ        i  / .ハ 、   ` <        /
            j マムイ'  { /ヽ ヽ、      i .//   \\    `<    /
           .ハ `''´    ヽ / 》´  ヽ> 、__/マ{     \\     \/
           / }         ア     \     ',     ,,ノ三\   , <>,
          .i /        /       \  ヽ  // //  }ミ ≦  /
                            日蓮

「日蓮も一宗建立の僧なれば、是も仏法の奥義を見付け、富士の絶頂へ至りしが如し。
 時代法然より少し後なれば、引き下げて六七分目のところを以て宗旨を立て弘めるにより、
 ともに中分より下を説き、絶頂にはかなわず」

628 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その62)[saga] 投稿日:2013/04/21(日) 21:15:40 ID:woU4YCpE0
 '!、       ,      ィ ノ
  ', ゝ    /i'   ,:-、 /,/゙
  ', \   /, 'i / .,/ ノ
   ゙、 ヽ、,/;   ','-‐'´ ,ノ'、゙!ィ'⌒``ヽ、
    ゙、 ./,'、,  '、 ,ィi'´ヽ '、!     )
   _,i/゙i/  `'y'゙´`ヽィ'i、ヽ',!    ,ィ/ _,ィ. ___,,:r‐ァ-、
 ;,_i/ i、/'、__ノ゙!    \ィ、} ___,/‐',゙´/:":´.:/゙,,;;;;;.. `、
   ', {ャi_〉ェュ!     ,/'"´ _.,  '゙,ノ.::::.:.'./-ー‐ッ;;;;:. 'i,         「ラアアアアァァァァァイッ!!(宗論)」
    〉 i;;ヤj,!i'マ゙{   r' -ー''"´ _,. ィ:´.::.:.'./ ___,/'!;;;;;;:. 'i, 
 \.,/ i:;:;゙,台,', i   ',    ,r .::':::.:.'::./r´⌒ `゙ヽ'i、;;;;;;i. 'i
   `i  i:;:;゙〉ニノノ!    !,  /, :::::.':::.:.'/' i゙     `ヽ`ヽ:i;.,!
   |. ,i;:;:;'ニ,',/`!     '、.,!ィ:'::::;:;.,/゙ ,!        `ヽ`ヽ、
   } ノ,riニ/、i }    ,〉゙´::::´ゝ ゝ. \         ,:rー`ュ、
   },ノ'´  `、.ヽ}    ノ .:.:::::::::::::.ゝ、 ゝ、_.\      ,/´.:.:::::::::::;:;ヽ、 /!
          ヽ!  ノ゙´.:.::::::::::::::::::::::.`::;:;:;:;;';;;゙\   / ..::::::::::::::::::::::;: `、゙、
           !ヘ´,.:.:.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;:;:;:;:;:;;;;;ト、i ..:.:::::::::::::::::::::::::;;. ;, \
           ゙ヽ、.:.:.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;:;:;;;;) ,! .:.:::::::::::::::::::::::::::;:;. ';,  ヽ
             'ゝ、.,;,;,;;::::::::::::::::::::::::::::,: =‐ィ' /!!゙.:.:.:::::::::::::::::::::::::::;:, ゙;;,  i
                \.゙二ニ=ュ-‐:"´:.:.:.:.i' .!i '!゙.:.:.:::::::::::::::::::::::::::;:;, ';;  !

      ._,<_,<  /;;;;;;;;;;;;i!   ,'ヘ      ヘ   .i   i!
    _,<_,<  _,イ::;;;_;ィヽ.i!   ,' :ヘ      ヘ  .i   .i!
.  /_,<  _,イ::::,.xK _ィ 、.i!  ,' ..:::i!,ヽ、    .ヘゝ V /i!
   ´  _ ,イ:::::::::ノ_, <:: _ィゝi! .i! :::::i! ヽ .i!,_    ゝ / ,/ i!
  _ , イ;;;;;;::::::- i!:::::::::_, ィ :::::;i!  i!::::::i!  .i!,ヾ、'<_ヘ i .i .i!_
  ___ , <   /_, イ::   :::;;i!  i! :/i ', .i!:. ヽヾ._ヾヘi / /,'
  --==________i!:::::::::::::.  ,ィ´ i!  i!/ i::..,'./:::: .人 ;;;/:/i i i_,'ヽ、
         i!::::::::::::::::. 〈  .i!_ィ' .i:::,'/::::::: :/:/ :.:.:./.i! /::i  }
        _, ィ ´、    ::.ヘ  .i!::_ ,ィ' /::: :::::/::/ _,ィ /:::`:: ゝ, /イ
  ,..-―‐- . _;;;;;ヽ   _=i! ∧, _,イi!: ::,ィ ,ィ /i!_, ヘ::::::,':◯ /--==_____
  ::::::::     `ヽ;;ヽ:::i!   .i!::....,'.  i! ::/ /:::/ ゞ_=ヽ:;ィ;-ィ´-----,_-==_ _`   「ラアアァァァァァーーーッ!(宗論)」
  ::::::        \-= 、 .i!:: ',.  i!:i!/ ,ィi!=;';;;_;//iト 、      `ヽ=_
  ::::::          ヘ:::::ヽノi! ::', /::/ ,ィ' i!_,イ / .i!:::::〉
  :::::            i!-=i! i! :::', i!}/:::::::/;;;/   ./ ./ヽ
  :::::           i!::,'´ヘ ヘ:::::;〉´i!::::::::/=/,,   / ,ィ::::: ,ヽ
  :::::       , -=〈_::,'  .ヘ-iヘ´  i!::::,ィ,.ィ:.....===./,ィ::::   i!\
  ::::       ヘ::::::ヘ::::',   ハi i!  _.,イ________/ _ヘ- = イ   > ,_
  ::::        ヘ::::ヘ::::',  .i!´ ̄`==---<´;;;;;;;ヽ,_,ィ ´-===-< _ , <
  ::::           i!:: :ヘ:,'-; .i!       ./ヽ;;;;イ:::ヽ`=---- <
  ヾ、        i!:: :ゝ, iゝノ      /i!-イ::::::.:.:.:.:ヽ/:.i!´ノ
  ;;;;;ヘ           i!::  :::ヘi/       / <ヘ:::::::::.:.:.:.:.:.:.:.`i!´
  ;;;;;;;;ヘ        i!::  :::i!        ̄ ̄ヘ:::::.:.:.:.:.:.:.:.: i!
     【宗旨の是非を巡って宗論を交わす両宗(イメージ図)】

「殊に新宗にてあり、爰を以って、是非得失一決せず、色々と宗論を致す」

629 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その62)[saga] 投稿日:2013/04/21(日) 21:17:00 ID:woU4YCpE0
       _,.-'"´ 三ミ、ー-、
      / / ィ /⌒`⌒ヽ\
    / / / /    夢  | ヽ
   /    / イ´^ー、   ,.. 、)、 ',
 , '   / / //ヽ、 ゚ゝ  イ ゚ノ| |        つまり、法然、日蓮とも、仏法の奥義を極めた僧でありますが、
//イ    / /::::、  '´  ` ̄'|| |       時が末世であり、人々も仏道に立ち入るには根気の足りぬ世になっていたため、
/ /イ   /  |::::::| / _┗'  ,イ 、|       富士山で言えば、頂上になる奥義の位置からではなく、
 /   /  |::::::| ┃r=━┫;:/ | |ヽ       六・七分目のところまで下ろした宗旨を立て、衆生に教えを説いたのです。
/ / ,イ ,'  | ハ:::::| /!ー-、K ;:/ | |\
  /  / / ! \| | |::::::::::|! /!  ! |         しかし、両宗ともなまじ下りて説いてしまったが故、宗旨の合わぬところがあり、
 , /  / / |┐ \ `━彡' |   !ヾー-、     問答するようになってしまったのですな。
 / /イ | ハ! |==、  ̄乙/{,川ハ!     `ヽ、
 , ' / イ 川ハ、o | `='"oネ、リヾ、      ヽ
  / 人 リヾ `ー、_,彡'"|,リ'   ヽ   _,. ' 〉


             __
          ,.-''";;;;;;;;;;``'ヽ、
       /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ、
      /;;;;、;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;、
      ,!;;;!゙`''~^~ァrr-'゙`'´''ラヘ;;;!
      |;;;|      ノリ     ミ;;;|
     _ゞ;! r─-- 、  ,rェ--- 、ミ;リ
      !ヘl;|. ぐ世!゙`` ,ィ '"世ン 「ヽ       ふむ…。
     !(,ヘ!   ̄'"  |:::.`  ̄  ,ドリ      だが、それなら浄土・日蓮の両宗以外の宗派はどうなのだ?
     ヾ、!      !;     ,レソ
       `|      ^'='^     ム'′
       ,rト、  ー- ─-:  /|
    _../ i| \   ===   ,イ.:ト、
    /  i| ゙、\  ;   /リ.:;!:::\、_
       ゙!  ゙、 `ー─''゙:::;:'::::|::::::::::\
        ゙、      :::/::::::|::::::
    `ヽ、  ゙、     ./  .|  ,-、、

631 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その62)[saga] 投稿日:2013/04/21(日) 21:18:24 ID:woU4YCpE0
                 _..-''" ̄ ゙̄''---- ,,,,
                   /             `'‐、
                /                    `'、
             /                       ゙l,
               /                        !
            |       . ___、               |
              l    ., ‐'"゛    '''''''、            |
           l   . /           l           |
              ,'   /      . 、    !        !
          /   / 、    l.夢´!   .,!       |
            /   ./ l     .f゙'‐.,i',   ,!       |
         /   .l ゙l \           !           l゙      他の宗派は、いずれもその宗旨を仏法の奥儀の位置に立てております。
        ./     !.ゞ \ .ヽ        l゙        !     個々の僧の賢愚による問答の勝敗はあり、また、その立場こそ違えども、
       ./      |   .`ッ',     .,r‐/         ! 
      ./       .!      ゛   ./;:;:;l            |      「分けのぼる 麓の道はかはれども 同じ雲居の月を見るかな」
    ./  .r    .!         ゙‐''''}            l
   .-'´   . l     l、 .、   i ..,,、   |          l      という歌のように、結局は同じものを説いておりますが故、
       /     .!',  .!、  `―"   !         、   !     宗旨の是非を問うという話にはならぬのです。
       !      }.l  l-二― ......,,.. |       |   .|
       .|      .l  l  .l;:;:;:;:;:`゙゙''''/ ,!       !    |
       .l     │.,、.ヽ .ゝ ....,,,__./   !       |
       !     !.〈,,,  ゙'-..____,,..-'"l゙      /
          !    /.、  `''-,,.      ,..l゙      ./
        ',   .,'  `'、   `''" ̄ ̄ .,!      /
        !  .i',    ゙'y.     .._.. !     /
        |  ./ ヽ    ゙',゙'---ッ'"  !     /
        | /  ..l.   ..l, /    .l    ./
        l ,i',    l    .li′   .!    ./
        // \  .!    !    l   ./
       〃   ヽ. !   !    :!  . /
       l′    ヽ|   .l    | ./
       .゛          !     ! /
                      l′

「余宗は賢愚はその僧に有るといへども、宗旨においては、富士の絶頂を旨として立てたる宗旨なれば、
 宗旨の立派は替れども、

   「分けのぼる 麓の道はかはれども 同じ雲居の月を見るかな」

 にて畢竟同じ処を申したる物ゆへ、論はこれなく」

632 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その62)[saga] 投稿日:2013/04/21(日) 21:21:31 ID:woU4YCpE0
                  _,, iー' .、 '、. ..'-, .'、      . _..
              _.. イ'".ヽ .ヽ. \ .ヽ. \.ヽ. ..,,, -''"゛
          ,,, ィ'''"`'、  ヽ  ヽ .ヽ  ヽ ヽ,,..ノ‐'゙´
      ._..y‐''゙ヽ. .ヽ  .ヽ  ヽ _> |-.. ┴´
  ._.. -',"  ヽ  ヽ  ヽ  .ヽ./ ~    _,,二ー 、
."`',.  ヽ   ヽ  .ヽ  .l./ ゛    ./´   `'-.\
  .ヽ  .ヽ   ヽ._,, ;;ゞ゛     ./   : 夢   ヽ ',
 、 .ヽ  . ..lr‐'"´/      / .l,    ~''"   .! .!
 .ヽ._.. ゙‐'゙゛   ,./        /',''''''!ly、     ._.イ│          しかし、浄土宗、日蓮宗は、教えを説くためとはいえ、
: '''´     ./ ,-      ,/'''''゙‐'t;;',',   ,i,'!!~゙゙} .|         その宗旨を引き下げてしまったが故、違いが生じ、
      ././       /         ゙‐''゙⌒.! ',         結果、その違いについての問答の勝敗が、
     ,,i,'イ゛          /.l  .、   _      |  .l        宗旨の是非に繋がることになってしまったのです。
    / .,/ノ           ,' l゙ l.l .,,―`-ニ. ., .,.. l   ヽ 
     .,/イ        ,'  l  l ',l゙,.. - ,,..,!.il! l ./    \       これが両宗の不仲の理由ですな。
.\,  .,''゙,!        l  l ,i'/ッ._,,,,,, .゙!/│ !     .゙y
  .`'-,,"."        l'、 .!.l l .,!.l   ゙l .l',゙ll゙ i____,,,..-'"゛.ヽ..,,,_
    .`'ー、,、     / ゙' l .゙" .',.|    !/.|"!/          `''
        `゙'ー、、  .!   .\ .! !..,_, . 〃 /
              `'-',,_    ___;;,,.. --┴''''''¨'ー、、
               ̄ ̄           `'-、,
                               `''ー ..,,,,,,,,.. ‐'

「浄土宗と日蓮宗には、宗旨の立様至極の処をさし置き、
 私を以て山の半腹より下を申して、衆生を済度いたすにより、
 一定しがたく、是非を論ずる也と申しける」

634 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その62)[saga] 投稿日:2013/04/21(日) 21:24:34 ID:woU4YCpE0
            _  -───-   _
            ,  '´           `ヽ
          /                 \
        /                    ヽ
      / __, ィ_,-ァ__,, ,,、  , 、,,__ -ァ-=彡ヘ  ヽ
       ' 「      ´ {ハi′          }  l
      |  |                    |  |
       |  !                        |  |
      | │                   〈   !
      | |/ノ二__‐──ァ   ヽニニ二二二ヾ } ,'⌒ヽ
     /⌒!|  ィ===ミ      ィ===ミ  | i/ ヽ !        なるほど…!
     ! ハ!|        i  !           ||ヽ l |       よくわかったぞ、和尚。
    | | /ヽ!        |            |ヽ i !
    ヽ {  |           !           |ノ  /         やはり和尚の話は分かりやすいな!
     ヽ  |        _   ,、            ! , ′
      \ !         '-゙ ‐ ゙        レ'
        `!                    /
        ヽ    .`- --‐─‐-.′   ./ |
            |\      ー ─‐       , ′ !
           |  \             /   |
      _ -‐┤ ゙、 \           /  ! l  |`ーr─-  _
 _ -‐ '"   / |  ゙、   ヽ ____  '´   '│  !  |     ゙''‐- 、,_


       _,.-'"´ 三ミ、ー-、
      / / ィ /⌒`⌒ヽ\
    / / / /    夢  | ヽ
   /    / イ´^ー、   ,.. 、)、 ',
 , '   / / //ヽ、 ゚ゝ  イ ゚ノ| |
//イ    / /::::、  '´  ` ̄'|| |    
/ /イ   /  |::::::| / _┗'   イ 、|    得心頂けたのであれば、何よりですな。
 /   /  |::::::| │ `---´:;/ | |ヽ   
/ / ,イ ,'  | ハ:::::| /     ;|/ | |\
  /  / / ! \| |      ./!  ! |
 , /  / / |┐ \ `─彡' |   !ヾー-、
 / /イ | ハ! |==、  ̄乙/{,川ハ!     `ヽ、
 , ' / イ 川ハ、o | `='"oネ、リヾ、      ヽ
  / 人 リヾ `ー、_,彡'"|,リ'   ヽ   _,. ' 〉


 「大樹、『左も有るべし』とて、御旨に契い、ご機嫌なりしとか」

637 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その62)[saga] 投稿日:2013/04/21(日) 21:26:58 ID:woU4YCpE0
          /  /              \  ヽ !
       /  /    /    i          !  ヽ  !
.      /  /  /   l    l           、   !  !
      l  /  /  ,イ !   l  !       \ │ !
     l  〃  |  i ! | |    l、 \  、     \! l、
.     l 〈 l  │ l ! ! ヽヽ   | ヽ ヾ ヽ    ! ! !  !
     | |  !  | l トヽ‐-ヽヽ、 ヽ-ヽr‐ヽ l、 ! | | ! l ト、        …と、まあ、こういう話なんどす。
     ! !  rヽ |_ゝ!ニニ,ミ丶  \ゝニヽ-‐リ- ! ! !ハ !  !
     ! |  |  !‐ゝ{ゝr`j `     イrアj`ゞ! !ノ  ! ! ! !        宗旨そのものには触れず、それなりに両宗の体面も立てつつ、
     ! l  l  !l   ̄ ´    i   ー`- ' レ' !  │ ! | !       且つ、両宗のどちらが正しいか、というところは絶妙にスルーして、
.    ! | |  !       │       /,イ   l  ! !ヽ      .家光に納得させた、という話の流れは大したもんどすなぁ。
    /! | !   !       、 ,      /^r v-!   ! ! !  !ヽ
.   / |  !│  !ヽ    、_______,  /゙,r'|゙亅 !    ! | ! l ヽ      尤も、似たような話は、「一休さん」こと一休宗純にもあるそうやけどね。
  /    !!   ! \    ─‐  / / / /7 !    ! ! ヽ ヽヽ
  | 〈   l    l、 r`ト、     ,〃/ / 〃l  l    |  ! ヽ ヽヽ
-、_l、 ヽ  !    レ' ヽ ` ー- | / / / / / |  !    ! ヽ ヽ ! ヽ
  `ーl´ ̄´ ! !   ! l、 ヽ   〃 / / / ! 、 ヽ |    │ヽ ヽ l !


                          / ,. ‐-ミ \     . -‐…‐-  .      __
                .         / /    >ヽ           ` <_}_
                        / /    . ´                  \   |
                .       / /   /                   ヽ     ヽ._|_
                      / /       / /       |         ',      ゚。  }
                .       , ′ ′  , ,    | l|       i     '.        ',く
                     | |   i   l | ト、   | l| l| |   |     i_       . \
                     | |   |l  | | | ゚.  l| l| l| |  |l    |  ` 、   i_,ノ
  なるほどな。       .......  八{  |{  | | |  、 l| 斗‐lト、「 ̄ |l    |      \ | \
 確かにこれはわかりやすい。       八 |i八_,{   \{ヽ{,.斗≠ミ, |l    |__      ,:|_,ノ
                          Νヽ{x=ミ     〃 んィハj}^l    |r Y    ノ.:.:r―-ミ
  余は仏教には関わりはないが、       .|  {{ {心      乂):ソ |l    |:):} |{-=彡/:.:i|:.ヽ:.:.:.:.\
 状況は十分理解できたぞ。  .         .|  i Vソ     , , ,   |l    |:ソ 八 ,..:.:′ !|::.:.:.\:.:.:.:.\
                             | | ^´、          |l    |/.::彡{|:.:.:.:.八:.:.:.:.:.:.\:.:.:.:.\
                             | |八'゙      ,    |l    |「i .:.:.:.八:.:.:.:.:.:.:\:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ノ
                             | |     `           |    八| :.:.:.:.:.:.`ト、:.:.:.:.:. \:.:.:.:.:.:/
                             | |l   ト、       ..:|      |:.:.:.:.:.:.:.:.| \:.:.:.:.:.:.:.ーく
                             |l八    |   __   <  |  /´ ̄ ̄ }、 :.:.:|    ーァ:.:.:.:.:.:.:.}
                .            八 |\  |      | ,  И /:――‐く `¨´    /:.:.:.:.:.:.:.:/
                .              Ⅵ  \{     / _ ノ j/:.:.:.:.:.:__:.ヽ,..-‐…:.:.´:.:.:.:.:.:./

638 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その62)[saga] 投稿日:2013/04/21(日) 21:29:41 ID:woU4YCpE0
    /: : : : : : : : :ヽ: : :   ヽ . .ヽ. .ヽヽ
   j; :/ : : : : : : : l:.ヽ : : : : : :l:. : :l : : ! l
.  /l: :l : | | : : : : : ヽl : : : : : : l::. : ! : :l :l
 /: |: :!: :ハ|ヽヽ: : : : ヽ : : : : :ハ:. :l: : :|: !
 {: l:{ ハ: レ==ヽ: : l : : } : : : :! : :l:: | : :| :|         そもそも、和尚の禅は、
  ヽトト{ヽ! r_ _,ヽ:ト: :/: : : : | : : :l:l: : :l: |    
   |:.1!  ´ ̄ j/ jイ: : : : : |:. : : :l! : :l :|        「仏法能く収りたるは世法に同ず。世法能く収りたるは仏法に同ず。
   |:.ノ        |: : : : :!::. :l. :l : : l |         道は只日用のみ。日用の外に道なし」
   |:.`ヽ´_,. -ァ   |: : : : : ト::.. ヽヽ: :ヽ
   |: :/.)ト=´   ,. |: | : : : l、ヽ::::l::.. :ヽヽ         という具合に、仏法と世法は極まる所同じや、と説いてるんどす。
   |/ / // ト、_ ィ ヽ.|: l : : : :V´ ̄ヽ::. : l:.ヽ      そういう人やから、宗矩はんも「治国平天下の剣」をまとめる時、
  // /! {|/´} /   !:: : : : .: l:: ._, ‐`ー 、:. i      和尚に禅の教授を頼まはったんやろなあ。
 / ! ′ ,lノ // ヽ   l:: : : ..::: } ´ _...:ニ⌒ノ::: |
./. . |  ヽ/′l/    7::...:::::::ノ. . ´_:_:__ヽノ
. . . .l   }   !    /::::::::/ /´. . . . . . . . . ヽ
. . .ノ    ノ   , /:::::/‐ ´ . . . . . . . . . . . . . i
/   /  //::/ . . . . . . . . . . . . . . . . . . l
   /{  / /lイ:/ . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . l
  /:.:.:.:.V _/  `ー . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .|

                         .....     /     /        ヽ     `ヽ
                                 {     /            ,   ヽ
                                    /  i   ハ    !    ′     }!
                                    ;   |  , !   ト、    |   |   }!
  当時の仏教界でも有数の地位にある僧が、       l   |`ヽ{ } ; 斗匕、  |   |   }!
 世俗と宗旨の関係をそのように説くというのは .      |i ,:  x笊ミ }{ ,x芹示ミ|   l   ,ハ
 大したものだな。                  ..       八ハ! ;.  {:し}八 l {::し:} 〉  rv /_:{
                             .....       | ハ 乂ノ  `^ 乂ソ |   レ ,..::{:::ハ
  地位が高くなるほど、世俗から離れて、     .       l l圦  ′        l   {/}::: {:::::{
 その宗派の世界に閉じ篭ることも珍しくなかろうに。   _ ノ八个o。ゝ   ノ  ,   八,::::::{___{
                                  人__{_,}ハ!r==个ー=・・ニ〔  ,: `トミ: {
                                   i{ r'::::ゝ__j  jf^|::::|!:::::::::厶イ〕トミ  `ヽ
                                   i{ |:::::::::::::ゝ,ノ  `ー=≦   }「リ{  ヽ__,ハ
                              fVハ__ハ ノ::::::>'゙´{   _     / } }!  }V, \
                              }  {fリ八_,     'v_´__ ノヘ  i{__ ノ  }!  } v,_ノ
                             ノ   ノ:::::::{    oi}        、/::::::ゝ,_ノ!_ 人__j「
                            〈     }::::::::人   ,:       }:::::::::::::::::::::::} |::::{

639 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その62)[saga] 投稿日:2013/04/21(日) 21:31:25 ID:woU4YCpE0
         __, --、- 、
        /イ⌒´ `´ `ヽ
       ///' { /ノイj ハ }, ト
        !{ {l ト.トl_{ /'r'フ_'lイl                 そやから、和尚の話は分かりやすい、面白い、いうことで、
        !从!::ト^⌒ 〉⌒ハ{                .色んな人が和尚に話を聞きたがらはったんどす。
     _ _ |.::ノ ::ト、 、=j ノ: !l                その筆頭が将軍はんやから、他の大名の人らも聞きに行って、
   ,.._〈〈| !!::{  :!rl` ニィl:|: { ヽ                そこからまた和尚の話に惹かれて…っていう具合どす。
   ,ニ=`` ヽ,rァ{ ` ァiく トl: ヽ |        /) _
    ̄ヽ´ { ∧ ヽV ハ ヽヽ! ト!_     n //ノ∠     そういう風に人気があったからこそ、
    小- r'LL}i j'__ jl レ=Vノ ハ     l V、 ´<     和尚には出所不明の逸話が色々あるんどす。
   / !l V1 <j/ニ_ヽl!ブ'´{ V  !   _〉 ノ ノ ̄     例えば、大根の漬物が、いつの間にか「沢庵漬け」と
  _ノ  l V/       ヽTヽ    }  ヽ / {  /´       和尚の名前が入ったものになってたりしてますなあ。
 {   ゚<ノl 、    j j_ノ   ノ  _〉' ヽ.V ヽ
 ヽ _/  ヽ >ー‐i T | l了ニハ /   >>′      【沢庵漬け-wiki】
       ヽlー―┤||| !  ! ヽ   /           ttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B2%A2%E5%BA%B5%E6%BC%AC%E3%81%91
        }ヽ ___j_j ! !_ァヘ   ー'
          /` ー---、 | r '´ ヽ
.       /、    j ! !   ハ
        ∧\   / / ヽヽ/∧

                      .            ,r-‐‐-、
                                 /   }.} ヽ_,r-、_    .,'´`ヽ
                               r--.ii、 ,r-/`Tヽ, ヽヽー、 l   `ヽ
  そういえば、            ...         {   `>′i / / ト, } .} ト, .Y    i }
 前回最後に家光が齧っておったな。 ......     l  .// .{/ /},ハ,l从l } } ,{    .l l__,
 由来は本当ではないのか?    .       ',. ,イ l { ,∧,/.´ ,r==ァリ } .}/.   ,l l'._ヾ}-y
                               ', ル从{.,rァ.   . ヾツ./} .,' .}   ./.}    ヽゝ,
                      .          .,  l.ヽl `' ,     ,イ/./-'l    .l     .}<′
 「まあ、正確なところは わかりまへん。        l  il }_ヽ  ー   .,イ//i<l    .l    ./f`
  でも、なんとなくありそうや、と   .           l,∠ヽl  ̄. .- .イ./,r-}/l  ._,rl     }}
  受け入れられてるのが、      ....        〉   ヾ  ,_}/ ̄./il/r .'  ゝ、ー-_'シ
  和尚らしさというものなんでしょうなあ」       ./     ゞ//_x< li{ i     ヽ^~´
                              〈  _ -  ,r-   `ヽ, il       /
                       .       , '"´ `/´  ̄  `ヽ r.ヽ,ヾ    ./
                               f:.    .:{{:.     ..::::::Y.  l  r-- '

640 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その62)[saga] 投稿日:2013/04/21(日) 21:32:43 ID:woU4YCpE0
                       ..        ,.-==.、
                                / '´ ̄`,ヽヽ.__,、
                              /, ′  /,べv',へ\
                             .//    /イ´" ̄ ̄゛ヾヽ
                            //   ,ィ'´           ゙:、
                           i ,′  ,:'    .       ゙:、
  しかし、前の話を読み返したが、     l,′  i i .i: i. i、 i、 i  i: i!:i i i
 この和尚は、自分が属する寺のために  ′   i .|:iハトiメi、|ヽ:|、i、|ィlォリ|;: |
 家光の側におったのであろう?   ..         ヘ、トィ≠=、` ``'ィ≠ミメリ: |
                       ..       |:ベ弋:リ     乂:リ/,':: !
  そちらはどうなったのだ?             /|:i::::ハ "  '   "ノ、!:: .ト、
                              \l !::i!/>,. ^  .ィ:::`メ.: ノ‐'´
                              ,ゝメ、ヾ:、_メ、::i.!i::::i、!:ノ_ノ=.、
                           ,ィ,'イ::`ヽ:i:i:/イ`ヾ、|./ ヘ.;::i:i:i:i:iヾ:.、
                        ,ィ,'イ.::::::::::::::::::、/;'       ヽ!:::::::::::::::::.`ヾ.、


                        _,. ‐''"´ ̄ ̄`丶、
                      /´            \
                    /         /     \`丶、
                      /      / /  ,     ヽ  ヽ
                  /        l / 〃   ! ',  ',   ',
                    /        l / // / ,' ! ! }   !   l
                /        l  l/ // _,,厶/j_jム  l  |
                  /       |  l7フ ̄///,ノィァテ} , ノノ          そうどすな。
              /  ,    / i|  l气戎⌒   亠'ノノイ!
                /  /   /  ,ハ  '、 ̄´     ,ハ} 川            和尚は、大徳・妙心の両寺の寺法を旧に復する…
            /  〃 / /  /rΛ  '、   -‐ / '´ / l '、          即ち「紫衣問題」を解決するため、家光に仕えてました。
           / /  / /   /\ ヽ. \ _ ,.イ{  ,.イヽ ヽ.\_ __ ノ    ほな、次はそれについて、話を進めましょか。
            / /    /   /   ` ‐\ \_ハト--‐ヘ、\ \--‐''´
       / /   /    /\    /` ーr--‐ヘ、_,ノ\ \ \
.     / /   //   / _: : \  /:::::::::::\::::;ィ个 、  \ \ \
.     / //  ./ /   /´   \: :`7:::::i::::ヽ:::::Y_::ヾ: : :`ヽ、 ヽ. \ \
.   / / /  , ' / /    l     __ _`ヽ{_::!::::::;.<::::\::\:/|  ',ヽ. ヽ }
  //  /  // / /    /|  /   `ヽ、Y ` ̄: : : :\:::\:::', :l   ' 〉 ∨
. //   . /  // / /   , ' ,'| i       ∨: : : : : : : : :\:::',::}/     ,ハ  ',
 lイ   /  // / /  / /,ハ. |     `丶、\: : : : :_//: }:∠ハ.   Λ,.〉 |
 l {   /  // / / /   // !ヾ、       `¨ヽ、: : : ': /   ` ーヘ./イ l  |
  \ /  // / ,' /  //  l   \       ー-=辷‐''´_      ,.イ l l l |
    ,  / ,' / ! ,'  / ! ,'   l    `丶、        \ `ヽ  ,.イ ハ! j/ j  ,!

641 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その62)[saga] 投稿日:2013/04/21(日) 21:35:16 ID:woU4YCpE0
                ,-、-――ヽ―- 、.         / ̄ ̄\
            ,---'´-、 \\ \  \     |       !
            /r i    \ \ヽ  \   \    |   ほ  !
           / | |  ヽ\ 、 \ヽ  ヽ   ヽ   |  な  |
             /   |  | ヽ \\ヽヽ  ヽ   ヽ.  |       !
              |   | 、 |  ト、ト_、ミh、 |   |ヽ 、 ヽ. \__/
          | i i | ト、.|\レ|_,ィzリ  |  |、ヽヽ ヽ
          ハ i | |>ト_` rヾマシ! . |  !ヽヽヽヽヽ
          .| | ト ヽ ゙ト,ィイム  、    | i |  |,ヽヽヽヽヽ
            | | |゙ヽ.カ、ト、ヾ'   ヽ    ! | !  |ヽ. ヽヽヽヽ
          ゙'ヽ'  ||  ト、   -=_'´ | | | i !ヽ、_ __\ヽ
                  |!  ||  |゙i'ー,-,-.,イ | l | ト_-‐';:-‐ヾ、'\
                  |  ||  ||| | | レ| | i | |::::/ /´ \ i
   ___        |i i i !| i |ハ | レ',イ| | ! .!:/ /     .|ノ
  /     \    /イ | |//ハ_///| | | .| |:/ /        |
 |  次 ま  |    //||//_/ /   |. レ' |::|/         !
 |  で. た   |    //// //、_/-、_, -| |' /:::|         !
 |  な     |  //,イ./ k'_ヽ--/^ヽ-‐‐| //:::::::|       |
 |   ・      .|  /// |/ /〃'-‐'|^i‐-‐''´:! ./:::::::::|         |
 |   ・      .| /// ,イ /./|;::::::::ヽヽ::::::::::| /::::::::::::!      / |
 |   ・      .| /イ |/ | |./ '、::::::::ヽヽ::::::::|./:::::::::::::|     /  |
  \     / | || || | |'   ヽ::::::::ヽヽ::::|.|:::::::::::::::|    /  !
    ̄ ̄ ̄   | |ヽ| ヽ!    `i::::::::{l {::::ヾ::::::::::::::|     /   i
          ヾヽ|  ヽ':-    '、::::::|l |::::::::::::::::::::::!   /   /
            ヾヽ       i:::::|l |::::::::::::::::::::::ハ  /  ,イ
                       |::::|| |::::::::::::::::::::{ {    /.|
                     !:::|| |::::::::::::::::::::| ヽ  ´ |
                   _,ィ:::|| |::::::::::::::::::::ハ       ト、
                 __r'__/::::|| |:::::::::┌‐ッ ヽ    |::/〉
                /_レ-/:::::|.| |:::::::::└‐|  ヽ   |'´/
              / ̄_、 /:::::/ハ |:::::::::::::::::|      ハ'´ヽ
            r‐‐'` ̄   (\/ハ |::::::::::::::::;|      | .|.  ヽ
          /´` ̄ ̄ヽ  >、_/ | .|_;;::-‐'´,|      | |   ヽ
         // / / ノィ | /=ニ{ i |_, --'´,イ       |  !   i
          _{ ./ / / .〃_,ィソ  _, -'‐´  _,-' |     /  |  _ノ |
     _ -‐'´ し!./ /,イ=' _, - '´    /    |    /   |‐'  ィ|
  _, -'´    _,-゙'-''´_, - '´       /     ,イ ._    _,.__ } | / |.ヽ
  レ--、  / _, - '           /     ./ Y ヽ--‐'   |//  ! 〉
 /   ヾ /-、         /      ./  ,イ        |'  ノ/
./      ,ソ´   \_    /        /   / .!        |  ∠--、
i      , ´       '<´       /   /  L -、    _,.ゝ'´     i
|     .i          \      /    /   , |  `'―'´  |/      }
',     |         _,.-〉 _,-'´     /   / ! ハ     ',    _.ノ
.ヽ.   !        ´  {-'´      /  ./  カノイヽ i ヽヽヽ,-‐'´
  ヽ、._ ',             \      /   ./    ,.イ .i ト,. ||ノ
     ` ヽ、        __,.ゝ、 /    /    /_ノ-'´| | | |ノ´
        `'ー‐--‐‐ '´   `'=<_   /,___/     '、 | | |  __ __¨ ./
                     `"'-'´          ` ヽ'    _)  _) \

642 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その62)[saga] 投稿日:2013/04/21(日) 21:38:03 ID:woU4YCpE0
 てなとこで今回は終了でアリマス。
お付き合いありがとうございます&お疲れ様でした>ALL
というか、いつもにも増して短くて申し訳ないところ。
次回はどーにかラストまで持っていきたいところなのですが。

 解説役の票については前から変化がないので、このままで砂。

 5票 : ルイズ(ゼロの使い魔)
 1票 : 佐々木(涼宮ハルヒの憂鬱)、タバサ(ゼロの使い魔)

 それではではー。




653 名前:1[sage] 投稿日:2013/04/27(土) 16:24:54 ID:f5vtnfnk0
 どもどもです。
今週は3連休であり、当方も今晩アイアンマン3を観に行く所存ですが、
皆様いかがお過ごしでしょうか、というところで次回の告知でアリマス。
明日が連れと飲む予定なので、更新は連休最終日の明後日(4/29)の21時にしようかと。
連休様様でありま砂。
内容は前の続きで、紫衣問題の件と、和尚と幕政の絡みについてになるかと。
よろしゅうですー。

 なお、解説役投票は、

 5票 : ルイズ(ゼロの使い魔)
 2票 : タバサ(ゼロの使い魔)
 1票 : 佐々木(涼宮ハルヒの憂鬱)

 こんな塩梅で。
このペースだと、ダブルゼロ魔になるのかしらん、といったとこで砂。

 それではではー。




656 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その62)[saga] 投稿日:2013/04/29(月) 22:01:49 ID:I7ZW48wM0
   〃      (二 ̄二⊃「´! i゙^!  ├
  ┤    l⌒l _l l_ | | | |  メ
  ┨    |  |(__  _).|_,」 |,、!   iト
   ヾ、     |  |  |  |_         ゞ‐
    ゞ、   |  |/ ̄   `ヽ     メ゙
     メ... |  || ○ メ、,'´゙ー=、 ヾ、
      ヘ.ゝ‐'ゝ、__ノ  `ー==ッ'´゙ゝ ┠
       ┤       / ̄ ̄,ィ ./  ∨
        ヘ       ー' ̄´//   ゞ、
        ╋、       / ゝ、_,、 ト
          ゞ、.     /ノ´¨`ー―'  Х
           メ.     ⊂ニニゝ   く
           イ       ( ̄ ̄ヽ.  ヾ、
             ヾ、       `¨)∠_,'7 ┠
             / ̄,二ゝ、 //゙ー‐'  ├
            /  /   `ヽ\  ,ゝ‐v-壬ネ ̄ヾヽ.
              / /   /´`ヽル',ィゝ、 `ヾミ、>、"i`ヽ.
           /, '   ./ ,ィヽゝ'メハ ´、`ヽ.  `ヾ.ヽゝ、 .i!、
          i/    /  /'´,  "    .、 ヽ   ヽ ∨i./ .i
          i    / , ,' '   i     i ハ   、i 人i 丿
          ヾ、  / ./,  ,  i: | i :i  :i i: i   ゙iノメ、i丿
            ∨ / ,  i : i: i! ! !   !,ィ!´⌒ヽ .i/'i.ノ,'       さあ、前回の続きだ!
               i .i .i .i`ト、i i ハ. i、 !i /リ!从i   ト、レ'_      今宵こそ完結して欲しいものだな!!
               l i:!人.i、! `ー‐ヽ! ヽノ   ,,ィ i  i :| i、:.`ヽ.
             ! 乂:|:ト.ミ三彡    ミ三彡" | :i :iノ::::::::::メ
              人 ヽ!リ、i ""  _  _ """ i  !ハ::)_/
              乂 V .iイ劣心.  ̄  `ヽ  ノ! ,'∧,、_\       __,ィ
               ヘ 、i マ赱圭i     ノ. ィ リ ,/     `´ ,==、_ ./// __
               ヘ从,ーく,ノ フ:::¨i i::,メyイ'/ !/       ,ゝ'´ヽヽ.''| i,イ―フノ
           《 ̄`ヽ、_,ゝー、/,ィ".://`ヽ〆ヘ:.ヾゞヽ.     i`ヽ`   〉'=‐,ィ/
           ヾ.、= / ー、ノ!y=.、'/―‐v―‐i:::::::::`.\    >、  ./、≠'イ》
          ,ィ=ヾ  i -、 ノノ=.ヽ  /◯ヘ ヽ:::::::::::::::〉  //´ `¨!! ト、ヾ\'
         〃_‐=‐ゝ'‐、ノ´ =ゞ、 ヽ◯/  ノ´\:::.ゝ //  '",/||/,ヘ、〆
         ー―┬‐,イ゙ー'/i∥ii´_/.:o≧个≦o:.i  ヽ.:::ヽ|::ヾ、/\!:::/
            《:::::i i  /、,ii .i|'.\o》ニ又ニ《oノ\  ヽ::イ':::::::::::::::::/
             ̄ヾ、//.:ヾ.ノ.:::://´\=/ヘヾ:::::.\ ゝ、:::::::::::ィ'´
                  /.:::::::::::::::://、::::::::::::::::::,ベ、::::::::::ヽ  \_/
        .        /.:::::::::::::::://  \::::::/  ∨:::::::::::.ヽ
              /.:::::::::::::::://  ヽ. `´ /   ∨:::::::::::.ヽ
               /.:::::::::::::::://    r一イ    ∨::::::::::::.ヽ
        .     /.::::::::::::::::/,ヘ.    i:::::::!    .∧:::::::::::::::.ヽ

657 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その62)[saga] 投稿日:2013/04/29(月) 22:02:37 ID:I7ZW48wM0
 沢庵和尚にとって、そもそも家光の側に仕えたのは、「紫衣問題」の解決、
即ち、元和元年(1615)の「大徳寺諸法度(諸宗本山諸法度)」、及び、寛永四年(1627)の「諸宗法度」を廃し、
大徳寺・妙心寺の寺法を旧に復するためであった。

                 .rニYニヽ 
                   ./    j | 
                .イ     } |      あれから干支も一回り以上経ったか…。
               /j      j      
           ,r'´ ̄`゙}     j l|rニ二ト、 
           〉─7-'´l|jト、 -イl;|`--l一〈 
           .|   |  ルリ-ト、|州リ  |  .| 
           j  |           |  |,
         ., イ  |     |      |  |
        ノ  }        |         |
      /           |          |
    //  /                  |
.  //  /                   ',|
/ /    l                     |  
 / i   /                     ヽ
ん-ト、               |          |'
   ヽ/    /    |    |           l
    ヽ   /     |    |      レ-、  /
     `-- ´--、__  |___|__ _|  `丶{
             ̄|    / ̄|    j
             ',   {   |.    |
              ',__,r' }  .|    j
               ',   |   |`丶、r'
               ',  |  |   j

 これらは家康・秀忠の命によって定められたものであるため、
これを覆すためには、今の将軍家である家光の裁定が必須であった。

659 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その62)[saga] 投稿日:2013/04/29(月) 22:03:31 ID:I7ZW48wM0
 そのため、和尚は折にふれては紫衣問題の解決を家光や年寄衆に訴えていたが、
やはり一筋縄にはいかないものがあった。


       _,.-'"´ 三ミ、ー-、
      / / ィ /⌒`⌒ヽ\
    / / / /    夢  | ヽ
   /    / イ´^ー、   ,.. 、)、 ',
 , '   / / //ヽ、 ゚ゝ  イ ゚ノ| |
//イ    / /::::、  '´  ` ̄'|| |         讃岐殿…。
/ /イ   /  |::::::| / _┗'   イ 、|       大徳・妙心の寺法の件、
 /   /  |::::::| │ r---ヽ:;/ | |ヽ       .改めて話をさせてもらったが、さて、どうだ…?
/ / ,イ ,'  | ハ:::::| /     ;|/ | |\
  /  / / ! \| |      ./!  ! |
 , /  / / |┐ \ `─彡' |   !ヾー-、
 / /イ | ハ! |==、  ̄乙/{,川ハ!     `ヽ、
 , ' / イ 川ハ、o | `='"oネ、リヾ、      ヽ
  / 人 リヾ `ー、_,彡'"|,リ'   ヽ   _,. ' 〉

                   __,..__
           _,.r-‐¬≡三゙:::::::::..`''..、_
          /./.r:::::::::::::::.\:::::::::::::::::...丶久f:}
         /.::;/..:::i.:::::;、:::::l;:::::..ヘ::::::::::::::::::::::i} l:::1
.        /..:::::;il.::::;l..:::::;;;l::::|;;i::::::..}::::ノ;::::::;ィ'^|} |:::|
       |ハ::::;;i|.:::;;|..:::::i;;ト;:lレl∧:ソY;;;;::l:::::::::/;li l::::l
.        ! {:;;l{:∧ハ.::::lv_.二ニ=‐|;;;;i::l:::/;;;;l}l.|;:::!
         `!i{‐-_、ヘ:::}´ィr;z=ャュ |;;;;l:|´ };;;;;;l};l.li;::1        ……………。
          l;;;i《屯ハ ヾゝ `¨´ " |;;;;l:| , |;;;;;ノ;;|.|l::::!
.        l;;;l;l"  ,   `     |;;;;|:|_,ノ:ソ|;;;;l.|;i:::!
        |;;;;l;{  /          !;;;il:l |'" |;;;;l.|;;l::1
        |;;;il人 `ヽ       ノ;;;ill:l l  |;;;;l.l;;l:::|
        '" ̄¨ゝ マ三>   ,/"¨´ ト、. 1;;;l.l;;;l:::|
.            ヽ "  ,.ィ    / ヘ;;;;l.l;;;l::::!
              ` -<    /    ,/ミミゝ;:!,.
           _,=≡/ 人  /´   /ムホfヲ苑盆z、
         _,xl盆fホ/  /`  /∧   /      ̄`ヽホミz、_
        ,xタ壬シ'¨く_  ヽ.//タ ゝv´   /    f ´     }
              酒井讃岐守忠勝
         (さかい さぬきのかみ ただかつ)

 例えば前年にあたる寛永十六年、大老酒井忠勝に対して、
紫衣問題の件について改めて説明を行ったところ…。

【小出吉英宛の和尚書簡(寛永十六年十一月二十六日付))】
 「入院の事、昨日も酒讃州へ前後の事、委しく物語り申し候。
  本寺末寺などのまぎれの事共までも、委しく物語り申し候へば…」

660 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その62)[saga] 投稿日:2013/04/29(月) 22:05:52 ID:I7ZW48wM0
        -‐::'´ ̄ ̄`ヽー-、
.     /:::/:::::`ヽ:ヽ:::::::\:::ヽ
    //;::/::::!:::::::::::ヽハ::::::、::ヽ:ハ
    〃:{::{ノN\:レ`ヽy|:l::::|::::}:::!
    レ!小l●   ヽ ● 从:::|∨::::|       ごめん。
    ヽ|l⊃ 、_,、_, ⊂⊃:::|ノl::::::!      そんなことがあったなんてしらなかったよ(棒
 /⌒ヽ__|ヘ   ゝ._)   j::/⌒i:::::|
 \ /  !:::|>,、 __, イァ/  /::::::| 
  /  '"´゙'ミ∨、::|∨{ヘ、__∧::::::!
  `ヽ、       /:::| /  彡'.Wリ


       _,.-'"´ 三ミ、ー-、
      / / ィ /⌒`⌒ヽ\
    / / / / u.  夢  | ヽ
   /    / イ^ー、   ,.. 、)、 ',
 , '   / / //ヽ、 ○ゝ イ○ノ| |
//イ    / /::::、  '´  ` ̄'|| |
/ /イ   /  |::::::| / _┗'  ,イ 、|       なん…だと……?
 /   /  |::::::| ┃r=━┫;:/ | |ヽ
/ / ,イ ,'  | ハ:::::| /!ー-、K ;:/ | |\
  /  / / ! \| | |::::::::::|! /!  ! |
 , /  / / |┐ \ `━彡' |   !ヾー-、
 / /イ | ハ! |==、  ̄乙/{,川ハ!     `ヽ、
 , ' / イ 川ハ、o | `='"oネ、リヾ、      ヽ
  / 人 リヾ `ー、_,彡'"|,リ'   ヽ   _,. ' 〉

 この時、酒井忠勝は、「そのような事だったとは知らなかった」と返したという。

【小出吉英宛の和尚書簡(寛永十六年十一月二十六日付))】
 「さてさてさ様の事か、いささかしらぬ事じゃなどと仰せられ、きもをつぶし候」

661 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その62)[saga] 投稿日:2013/04/29(月) 22:07:21 ID:I7ZW48wM0
 無論、紫衣事件の時点で、既に年寄の座に着いていた忠勝である。
紫衣問題について「知らなかった」などということは考えづらい。

               f´ ̄ `ヽ
             , -='´  ̄`´ ゙̄`  、
           / , "            \
          〃/               ヽ
          y´       ,     、      、
        /.    ..::/ .::,.'  .::\     ',
.        ,' .:/:.  .,'..::/:. .:::/::. : .:::}:::::ヽ:. ∨l
       {::/:::::. :/.::/:::: .:::/:::::. } .:::/::、::::|:::. .:|::|
.         |l::::::|:::i:::::|:::::/l/ |::::::.|.::/ |:::|::::l:::::.:::!::!      …こうでも言ってはぐらかさないと、
         {:::::::{::ハ;::l:::/、l__∧:::::!/__,!:∧::!::l:::::レ'     和尚が上方に帰っちまうかもしれないじゃねえか。
.         iへ:l:|:::l::|/イエユ` ヘ:::',"イエヤ!イ::!:::/
           li:l:::l::l       ヘヘ     l/::::|        この問題があるからこそ、
            i|::::l::! u      `'\   !::::::|.      和尚は上様の側にいるんだからな。
        ,r── {::::从     ` '   ` ∧:::::!`、─‐、  和尚には悪い話だが…。
     /    / ゙̄`,.\  fニ ユ   ∠"¨ ̄;;;;;}   ',
         /;;;;/爪  >    イ 爪\;;;;;;;;|

 この辺りは、家光の意を汲んでの韜晦だったのではないかと思われる。

662 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その62)[saga] 投稿日:2013/04/29(月) 22:08:31 ID:I7ZW48wM0
 故に、和尚は家光からの「政策(特に宗教関連)についてのブレーンとなってほしい」という要望こそ
断り続けていたものの、問題解決の請願を続けるために、完全に政治と関わりを断つことも難しくはあった。

         ,. -‐-─-- 、
.      /             `ー、
    〃                 i, 
   r'   ィ=ゝー-、-、、r=‐ヮォ.〈 
    !  :l      ,リ|}    |. } 
.   {.   |          ′    | } 
    レ-、{∠ニ'==ァ   、==ニゞ<       なあ、和尚。
    !∩|.}. '"旬゙`   ./''旬 ` f^|      今回もなんとか頼まれてくれないか?
   l(( ゙′` ̄'"   f::` ̄  |l.|
.    ヽ.ヽ        {:.    lリ         こいつは是非和尚の知恵を
.    }.iーi       ^ r'    ,'        貸して貰いたい話なんでな…。
     !| ヽ.    -ー-   / 
.   /}   \    ー‐   ,イ    
 __/ ∥  .  ヽ、_!__/:::|\  
 /i   |!  i      :;::;:::::::ト、 ヽー
 │ .|  i l     ノ ,'    :i  i
 ノ   |- ⊥.」__     /_,. -‐ |  |


       _,.-'"´ 三ミ、ー-、
      / / ィ /⌒`⌒ヽ\
    / / / /    夢  | ヽ
   /    / イ´^ー、   ,.. 、)、 ',
 , '   / / //ヽ、_ゝ  イ_ノ| |
//イ    / /::::、  '´  `  '|| |       …承知しました。
/ /イ   /  |::::::| / _┗'   イ 、|
 /   /  |::::::| │ r---ヽ:;/ | |ヽ      (やはり積み重ねていくしかない、か…)
/ / ,イ ,'  | ハ:::::| /     ;|/ | |\ 
  /  / / ! \| |      ./!  ! |
 , /  / / |┐ \ `─彡' |   !ヾー-、
 / /イ | ハ! |==、  ̄乙/{,川ハ!     `ヽ、
 , ' / イ 川ハ、o | `='"oネ、リヾ、      ヽ
  / 人 リヾ `ー、_,彡'"|,リ'   ヽ   _,. ' 〉

 例えば、先の例え話の逸話のように、宗門同士の争論などの場合、
家光は和尚に知恵を借り、裁定を下したのではないかと思われるものがある。

664 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その62)[saga] 投稿日:2013/04/29(月) 22:10:12 ID:I7ZW48wM0
 その中でも変り種のものとしては、寛永十六年六月に捕らえたキリシタン、ペトロ・カスイ・岐部(岐部茂勝)を
家光が自ら穿鑿した場にて、和尚は宗矩と共に陪席している件がある。
            ___ _
         -‐''"´ ̄ `  `''ヽ=、
     ,.‐''"´::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
   r(:::::::::::::::::,、_ィ::::::::::::::::::::::::::::::::::
   ゞ, rr~ヅ   ミ:::::::::::::::::::::::::::::::::
    フハ       ミ::::::::::::::::::::::::::::::
.    l __,,. -─¬,〈::::::::::::::::::::::::::::::       お前には聞きたいことが色々ある。
     〉゙゙`'''Tjフ ̄   ヽ::::::,ィ ,、ヽ:::::::      話してもらうぞ。
.    /   ,.‐'"      }:::/ /ヽ ハ:::::::
    /..             "´ 2ノ/ l:::::
.   ヽ.ニ,`           __/ :l::::
.     'ーr_‐;        .ィ    l:::
      〈..        /:{      ヽ
        `}     /:: ! i
        丶、,、. イ::::::    !


        ,.ィ'":::::::::::::::::::`'":::`丶、
       / :::::::::::  ..:::,ィミ,彡ミ:::::ヽ
      /..   ::.   .:/``" `゙''ヘ::::::::':,
      /::::..   .::,ィ/      l:::::. ',
      l::::::::.. .:::_/、j__,       トi::. l
      l::::::::::::::/ltェェ=,;:::   r‐- 、,l」i:...:l
     /l:::::::::::/ l リ ̄'´  ,j:.:.:.:.:.八!:::リ       私から情報を引き出せると思うなら、
        |イルリj //     !:.:.:.:.:/:.:l:::ト{      やってみるがいい。
       リ、`'        ノ:.:.:.:.:.:.:.,ルハヽ
       lトr-、 、_    ヽ:.:.:.:.:.:.:,イノ'″       私は、私が目指すべきものの完成のために
     r―/ 丶 ` ̄ ̄フ:.:.:.:.:/          語るまでだ。
    _/ 〈ノ  ':,\  `゙i.:.:.:./
,__,. '´/  丶   ', 丶-':.:.イヽ、
   /    ',      :.:.:.:.l  ヽ
   /     l      .:.:.:.l    ',
  /  __ ,ノ  、  ' .:./、    l丶、,_
  / /:.:.:.:.リ   ':,  /'´ 丶  l  \`丶、、
 //:.:.:.:.:.:...\   ', /    ヽ l    丶、 ``
       .:.:.`ヽ‐-;/      ヽj     丶 :.:.:.
           ヽ{               :.:.
             〉               :.:
      ペトロ・カスイ・岐部

 なお、余談ではあるが、このペトロ・カスイ・岐部は日本人で初めてエルサレムに赴いた人物であり、
ローマにてイエズス会に入会、正式な司祭叙階を受けた人物である。
その辺りの珍しさもあって、家光直々の穿鑿が行われたものと思われる。
(なお、彼はこの後、獄死したが、2006年にバチカンから福者として認められ、列福している)

【契利斯督記】
『大猷院様御代、島原ー撲落城以後、従仙台伴天連寿庵、マルチイニヨ市左衛門、キベキベイトロ召捕参候、
 評定場江四度出申候ヘドモ御穿撃キワマリ不申、其後讃岐守下屋敷江被為成、三人ノ伴天連被召出、
 沢庵柳生但馬守其外寄合、宗門ノ教御尋、二三日過、中根壱岐守為上使筑後守被仰付、
 右三人ノ者共評定所江出シ不申、筑後守一人ニテ穿撃仕候由』

666 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その62)[saga] 投稿日:2013/04/29(月) 22:12:50 ID:I7ZW48wM0
 また、逆に、和尚の説話が、政治的な影響を与えたのではないかと言われているものもある。

                                 Y
                ,. '"´三二二三`ヽ      _)
              /,ィ彡'"´ ̄  ̄ ``ヾミヽ     〈    『そもそも金などやらぬとも、
              /   /    夢     ', ヽ    )    皆がおごりを捨てれば、
            /   /::(         ノ:::)  ヽ   く     世の中など、どうとでもなるわー!
              /   /く´‘`ヽ ',从,' ∠‘``',   ヽ ノノ    .金にこだわり、食うものを作らずにおれば
          /    ハ´ ̄`フ.:;;;;;:: ヽ ̄`フ',   ヽ )     腹も減るに決まっておろうが!
            /    /     ,,   ,,      ',    〈     そのことを弁えておけば、金など撒かずとも
         /   /::、  /   .;;;;;;'  ヽ   /::ト、   〃     世間はどうとでもなるわー!』
         ./   //:::::::; l /⌒ー一⌒ヽl ;:::::ト、V // 
        /   // 1:::::;  V.:ViiiiiiiiiiiiiViiV  ;:::::ト、V / 
      /   // ./.l:::::;. /l /´  ̄ ̄`ヽ  ;_ ___ノ      <へ/`ー ヘ、\
       /   // /  l::::; l | .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|   ;::: ̄\    <へ/ ((_))   \_\
     /   // /   1::; | |.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|  ;::! i i 弋 <へ / ((_))       ( _(
.     /   // /   / l:::;.   |WWWWWW!  /1 | | _ノ  / ((_))    ((_)) //<
    /   // /   / .|ヾ、  L二二二ニノ / | | |  ヽ  ) /    ((_)) //へ〃
.   /   // /   /   |(__ノ\ /xxxxxヽ/   /! ! !  ム/// _((_))  //へ〃
.      // /   /  ノ  ',  l}}}}}}}}}}}}}  /| | | | ./////   //へ〃
     // /   /  ハ:::::::::.\ V´ ̄`Vく/ .ノ⌒i//////>⌒` ̄
.   // /   /   l  >.-、/   ヽ  /(_ ノ//////
   // /   /    |/ /      /////(´`Y //
  .// /   /    V   〉   '"´ ///(´ヽ(`ヽi.  i/
      /    /  〈   _ -<///, \ ヽ ヽ ノ
                   ////( `ヽヽ_人_ノ
                 //////ゝノ

 『一、おごり一つをさへ御禁制候はば、世上は銭金下されずとも、くつろぎ申すべく候。
    上下おごり故、貧に成り申し候。
    是一つ、銀山をやめ候事、是れ一、たばこ地に作り申すにて米穀不足し、
    銀山に人多く入り、田はば作らず、米穀を食い費し候故、世上つまる故申候。
    (中略)斯様の御分別候て、折々仰せ上げられ候はば、金銀下されず候共、
    世間はゆるゆると成るべく候(後略)』

 これは寛永十一年(1634)十月七日、和尚から宗矩に宛てられた手紙の一部である。
要は奢侈の方向に流れていた世間に対し、これを戒める言葉であった。
(この手紙の前後については「その35」(http://tagenmatome.blogspot.jp/2010/08/35.html)参照)

667 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その62)[saga] 投稿日:2013/04/29(月) 22:13:55 ID:I7ZW48wM0
 この時点では、まだ和尚と宗矩の間だけの話に過ぎなかったが、
その後、この和尚の思想は、家光の考えにも影響を与えていったのではないかと推測されている。

     \:r::: ::ハ: :l       . ,ィ __ ヽ . . . . . . . . - 、_: ::::: ::
       |:: :::l ヽ{      ィ≦ ‐' . . .. . . .. . . . . . . . . . `ヽ : :
       ヽ: :{   \  //  _ _ . . . . . . .. . . . . . . . . . |: :::
       \l     //_ -_ニ-=rア. . . . . . . . . . . . . . . . .l:: :
          l\_,イ/_テ_ィ ‐^ヽ::_ノ'  . . . . . . . . . . . . . . . . l: :
        L     ´  ヽ-       . . . . . . . . . . . . . . . .l:
          `ヽ              . . . . . . . . . . . . . . . .       ふむ…。
         /                . . . . . . . . . . . . . . . .     和尚の言う通りだ。
          /               . . . . . . . . . . . . . . .
.         /                . . . . . . . . . . . . . . .      弓馬の道を担う者が、
         /                    . . . . . . . . . . . . . .      奢侈に溺れて窮乏するような有様では、あまりに不甲斐ない…。
       /                   . . . . . . . . . . . . . .     . やはり奢りを改め、倹約を心掛けさせねばならぬな!
.     ノ   _   -ァ             . . . . . . . . . . . . .
    ヽ=-ー   ̄了              . . . . . . . . . . . . 
                |      _ -‐ `     . . . . . . . . . . . .
             `` r             . . . . . . . . . . . 
                L_  ____        . . . . . . . . . .
                   T` =-'         . . . . . . . . .
                   |

              ,. -──¬ー、-- -- 、
           /厂:::: ':::::::,::::`ト、:::: 、:` 丶
           /;--:::/::::::::::、:::::: l::::::: ヽ:::ヽ:: \
         /::::´::::::/::::,::::::|l::::l::i::::: l::::::ヾ:::\::',:`:ヽ
     /´ヽ/:::::´::::::/::::::|:::: |l:::l::ハ:::: li::::::::ヾ::゙::,:::::::`, ト、
     ´::::::〃:`丶::/::::::: |:::: |l`y l、;:ヽ::::::l};:::ハ::`ト、:::、:ヽ
   /厂:::/イ:ヾ:::::::イ::::i::: |l::: |.lL'-ヾ;;;::`:::::!ヽ;:::l:::::iト:::ド::`,
   |:〆::/:ハ|;;:::::\/-、l:::: |l::::: ィ勹Tヾ ヾ;:`:i-‐ヾl::::l|::;i`ヾ:l
   |:!::;::ト::l l;l|::代:::l -' l:::: ト、::lゞユソ   ヾィTjlヾ小:|l::::!  l:l
   |i:::〃;:l l;;l|:{|::ミ;! { !:::: i ヾ!        ! `-´l'l|::::|i:::!  リ     奢侈な品を買い求める事を禁ずる事で、
   |:::li';::::l l;;;;l|;ヾ;;`、__ l::::::il        丶 ヾ !;;::::小;| ´    かぶき者達の抑制にも繋がりますね。
   |:::|l;:::::l l;;;;;/ミ::::;;ヽ、 !;:: }il         ′ ';;;,:::l::| !
   |:::|ヾ:::l l;;;;/ハlト:::::::|  `゙     , =ァ /;;/!:::l:;|        神君様も常々華美は避け、倹約に励むべしと仰っておられますし、
   l|::|:::::::l l:/;少;j};;ゞ/          ̄  ′   `゙       .結構なことかと。
  j}::::|,::::::l li´;;;;;;'|!;;/      ` 、     イ
  イ;::::,!`::::l |!;_√ ー--、      ` ー ´
 ´::::;;ハヽソ        \     /
/:::,´_,-ーヘ         ヘ,   | \
|l;/iミミミミミ\     /ミj\ \ \

 これについて、寛永十二年(1635)の武家諸法度/諸士法度や、
十六年の万石以上の者達への禁令として、和尚の言に近い意見が出されている。

【諸士法度第三条】
 「兵具之外、不入道具を好、私之奢り致すへからす、万倹約を用へし」

【寛永十六年の禁制】
 「累年世間奢之儀、雖為御制禁、甚及華麗之条、於国々在々所々、自今以後用倹約之様可沙汰之」
 「万時用倹約、相止奢之様ニ沙汰之、日来御法度之旨堅可相守之旨」

669 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その62)[saga] 投稿日:2013/04/29(月) 22:18:07 ID:I7ZW48wM0
 その後、詳細に出された禁制は、
家屋敷を質素にし、儀礼時の返礼も軽く済まさせ、供の数は減らし、
衣装も身分不相応なものにすることを禁じ、数寄道具などを好み貯える事を戒め、
音物も制限、また不要な寄合や物見遊山などを禁ずるなど、細微に至るものになっている。

                       \\        /f゙ヘt、`-、_
      ヽ、;;;、\               \〉     /f~´  i゙;;'、';;t、`'‐ 、
        ` ー ゝ                     \(z、   ``ツr;;';;ゞz;;`'‐ 、
       __,.   ---───‐‐‐┐             `'‐、ゞ、_ '´ `゙゙ ゞネ'゙‐ヾミー 、_
       \´、`゙`ゞヾミ''ゞ~^`ji:|                `゙'-、ゞ 、     _,ノ;//
         `-- ─ー‐‐─‐--=!                     `゙''-、ゞrt.;.ォ//
     _                                       ゙、/
      /{
    / 代                                                    ,
   《ミ 、 ハ                                               /|
    ヽ:i; }                                               , ‐'゙ /
      ソ                                         _,.. ‐´fじ''´
                                              ノ_,. -''´
                                               ´
                                                     __ ノ′
         .                                         ´ ̄ ̄ ̄
                                                 /\

 裏を返せば、この時期の武士が、派手で華美を好む方向に流れていたということであり、
そのような風潮の中で困窮する武士への対策、及び、その奢侈を支えるための百姓の負担増大などを踏まえると、
それなりに妥当な判断ではあったと思われる。
(この時期、飢饉の傾向が出ていた事も一因として挙げられる)

671 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その62)[saga] 投稿日:2013/04/29(月) 22:19:32 ID:I7ZW48wM0
 ただその反面、これらの奢侈が禁じられた事で、
これらの需要が大幅に減少し、これを賄っていた商人達が大いに困窮する事になった。

: :: :::: ::::: ::::: :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
    : : ::: :::: ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
    : : : :: ::: :::::::::::::::::::::: Λ_Λ . . .  負債が払えねぇ…
 品が売れねぇ…: :: :/:彡ミ゛ヽ;)ー、 . . .: : :
    ∧ _∧::::::::::::::::/ :::/:: ヽ、ヽ、 ::i     ∧ _∧
::::::::/⌒ ̄⌒ヽ)'ヽ::::::/ :::/;;:  ヽ ヽ ::l::::::::/⌒ ̄⌒ヽ)'ヽ:  俺ァ明日夜逃げするよ…
 ̄/;;;;;;;;;::   ::::ヽ;; |::::(_,ノ  ̄ ̄ ̄ヽ、_ノ ̄/;;;;;;;;;::   ::::ヽ;; | 
::::::|;;;;;;;;;::  ノヽ__ノ: : :::::::: :: :: : ::::::::::::::::::::::|;;;;;;;;;::  ノヽ__ノ
 ̄l;;;;;;:::  /::: ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄l;;;;;;:::  /

 この時期、同時に進められていた海禁政策の影響も相まって、
多くの商人達が倒産し、逃亡、または自殺する者が続出した。
これを「寛永の大不況」という。

672 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その62)[saga] 投稿日:2013/04/29(月) 22:21:26 ID:I7ZW48wM0
       _,.-'"´ 三ミ、ー-、
      / / ィ /⌒`⌒ヽ\
    / / / /    夢  | ヽ
   /    / イ´^ー、   ,.. 、)、 ',
 , '   / / //ヽ、 ゚ゝ  イ ゚ノ| |
//イ    / /::::、  '´  ` ̄'|| |        上様。
/ /イ   /  |::::::| / _┗'  ,イ 、|       例の件でございますが…。
 /   /  |::::::| ┃r=━┫;:/ | |ヽ 
/ / ,イ ,'  | ハ:::::| /!ー-、K ;:/ | |\
  /  / / ! \| | |::::::::::|! /!  ! |
 , /  / / |┐ \ `━彡' |   !ヾー-、
 / /イ | ハ! |==、  ̄乙/{,川ハ!     `ヽ、
 , ' / イ 川ハ、o | `='"oネ、リヾ、      ヽ
  / 人 リヾ `ー、_,彡'"|,リ'   ヽ   _,. ' 〉

             __
          ,.-''";;;;;;;;;;``'ヽ、
       /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ、
      /;;;;、;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;、
      ,!;;;! '~  "~ `i||i"  '' `ヘ;;;!
      |;;;|     ヽ`   u ミ;;;|
     _ゞ;!,-;;;;;;;"フノ  ヾ`;;;ヽ 、ミ;リ
      !ヘl;|.,,_==-、く` ,>゙-== 、「ヽ      ああ、うん…。
     !(,ヘ!   ̄'"  |ミ.' ̄" , ドリ     まあ、なんだ…。
     ヾ、!      !ミ    ,レソ
       `|      ^'='^     ム'′
.       ト、   、,.-‐ 、,,  /|
        i| \  ' ニ   イ.:|
        ,イi| ゙、\  (   /リ.:;ト、
      ノ :.:i|  ゙、 `ー─''゙:::;:'::::::!:::\

 なんにせよ、天海僧正を除けば、家光に最も近い場所にいた宗教者、
それがこの頃の沢庵和尚の立場であった。

674 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その62)[saga] 投稿日:2013/04/29(月) 22:23:29 ID:I7ZW48wM0
 さて、そのようにして家光の側に居続けた結果、
家光から徐々に言質を引き出せるようになってきつつあった。

                ___
               ,.-'":::::::::::::::::::`"''-、
            /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
             /:::::::::::::::/ ̄ ̄ヽ:::::::::,、:l
              l::::::::::::/≡=-.,,_ }从リ |:l
              |::::/ヽ|   ==   , =≡|ノ
              |::::l |:l        | =/      そうだな…。
              |:::::ヽリ        l  /      俺としては大徳・妙心の出世の件は
              |::::::ハ.   、__' /      和尚に任せるから、思うようにしてくれていいんだぜ?
              |::/ |∧  `ニニ´ /  
         __/l   | ::::\__/
_,,..-―――''"´ ./∧  !  :::::::::::::::l、   
          ./  ∧         ,|∧
         /   ∧  i    / |. ∧‐-..,,_
 \     ./     ∧‐-、   ,.-|  \.  \
   ヽ    /___   ∧__  __l    _..>  \
.   l       /   ∧   ヽ ∨  \      ∧
___ |       ./     ∧   |  ∨   \    ∧    ,.-――-..,,_
__   `ヽ       \      ∧      l      〉     /  __ /‐‐-、    , ̄`)
、、    l      \    ∧  l  |    /    /| / /     \ ̄  ̄"''-.,,
 ヽ i ´ `ヽ        \   l  |  |   ./     / y'ヽ ヽ      {  ‐‐-、 `ヽ

       _,.-'"´ 三ミ、ー-、
      / / ィ /⌒`⌒ヽ\
    / / / /    夢  | ヽ
   /    / イ´^ー、   ,.. 、)、 ',
 , '   / / //ヽ、 ゚ゝ  イ ゚ノ| |
//イ    / /::::、  '´  ` ̄'|| |
/ /イ   /  |::::::| / _┗'   イ 、|      …………。
 /   /  |::::::| │ r---ヽ:;/ | |ヽ
/ / ,イ ,'  | ハ:::::| /     ;|/ | |\
  /  / / ! \| |      ./!  ! |
 , /  / / |┐ \ `─彡' |   !ヾー-、
 / /イ | ハ! |==、  ̄乙/{,川ハ!     `ヽ、
 , ' / イ 川ハ、o | `='"oネ、リヾ、      ヽ
  / 人 リヾ `ー、_,彡'"|,リ'   ヽ   _,. ' 〉

 この頃には、家光自身の口から

 「大徳妙心の出世の儀は沢庵和尚に任せるがよい。
  両寺の出世のことは、和尚の思うままにするがよい」

 という言葉を引き出している。

675 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その62)[saga] 投稿日:2013/04/29(月) 22:25:33 ID:I7ZW48wM0
 しかしこの時、

       _,.-'"´ 三ミ、ー-、
      / / ィ /⌒`⌒ヽ\
    / / / /    夢  | ヽ
   /    / イ´^ー、   ,.. 、)、 ',
 , '   / / //ヽ、 ゚ゝ  イ ゚ノ| |
//イ    / /::::、  '´  ` ̄'|| |       .いや、それでは俺が死ねば元の木阿弥でしょう。
/ /イ   /  |::::::| / _┗'  ,イ 、|      何卒、寺法の復旧こそお願い致したく…。
 /   /  |::::::| ┃r=━┫;:/ | |ヽ
/ / ,イ ,'  | ハ:::::| /!ー-、K ;:/ | |\
  /  / / ! \| | |::::::::::|! /!  ! |
 , /  / / |┐ \ `━彡' |   !ヾー-、
 / /イ | ハ! |==、  ̄乙/{,川ハ!     `ヽ、
 , ' / イ 川ハ、o | `='"oネ、リヾ、      ヽ
  / 人 リヾ `ー、_,彡'"|,リ'   ヽ   _,. ' 〉

 「自分はもう老いており、如何に将軍家の命であっても、明日はどうなるか分かりませぬ。
  おそらく自分が死ねば、出世の件はまた元に戻るでしょう。
  どうか寺法の復旧をお願いしたい」

 と和尚は返している。

676 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その62)[saga] 投稿日:2013/04/29(月) 22:26:50 ID:I7ZW48wM0
            ___ _
        ...-‐''"´ ̄ `  `''ヽ=、
    ,.‐''"´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
   r(:::::::::::::::::,、_ィ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
   ゞ, rr~ヅ   ミ:::::::::::::::::::::::::::::::::::
   フハ       〈:::::::::::::::::::::::::::::::::::
    l ヾ圭圭圭ミ  ヽ:::::,.-、:::::::::::::::::::
.    〉  7ツ_`      |::/,=、∨:::::::::::::::       えっ?
   /  "'''''''''    i .ノリヽ))|:::::::::::::::::
.  /            u   ,.-' /::::::::::::::::::
  ヽニ、          lー‐'ヽ:::::::::::::::/
.     'ーr_‐;        .ィ    l:::
      〈..        /:{      ヽ
        `}     /:: ! i
        丶、,、. イ::::::    !


       _,.-'"´ 三ミ、ー-、
      / / ィ /⌒`⌒ヽ\
    / / / /    夢  | ヽ
   /    / イ´^ー、   ,.. 、)、 ',
 , '   / / //ヽ、 ゚ゝ  イ ゚ノ| |
//イ    / /::::、  '´  ` ̄'|| |        えっ?
/ /イ   /  |::::::| / _┗'  ,イ 、|
 /   /  |::::::| ┃r=━┫;:/ | |ヽ
/ / ,イ ,'  | ハ:::::| /!ー-、K ;:/ | |\
  /  / / ! \| | |::::::::::|! /!  ! |
 , /  / / |┐ \ `━彡' |   !ヾー-、
 / /イ | ハ! |==、  ̄乙/{,川ハ!     `ヽ、
 , ' / イ 川ハ、o | `='"oネ、リヾ、      ヽ
  / 人 リヾ `ー、_,彡'"|,リ'   ヽ   _,. ' 〉

677 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その62)[saga] 投稿日:2013/04/29(月) 22:27:51 ID:I7ZW48wM0
             __
          ,.-''";;;;;;;;;;``'ヽ、
       /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ、
      /;;;;、;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;、
      ,!;;;!゙`''~^~ァrr-'゙`'´''ラヘ;;;!
      |;;;| _,,..-''ヽ ノリ へ..,,,_ .ミ;;;|
     _ゞ;! __     ___ .ミ;リ
      !ヘl;|   ・     ,ィ.  ・  .「ヽ
     !(,ヘ!  ̄ ̄  |::.  ̄ ̄ .ドリ       和尚って…死ぬのか?
     ヾ、!      !;     ,レソ
       `|      ^'='^  u.  ム'′
       ,rト   ⊂ニ⊃   /|
    _../ i| \   ===   ,イ.:ト、
    /  i| ゙、\  ;   /リ.:;!:::\、_
       ゙!  ゙、 `ー─''゙:::;:'::::|::::::::::\
        ゙、      :::/::::::|::::::
    `ヽ、  ゙、     ./  .|  ,-、、


       _,.-'"´ 三ミ、ー-、
      / / ィ /⌒`⌒ヽ\
    / / / /    夢  | ヽ
   /    / イ´^ー、   ,.. 、)、 ',
 , '   / / //ヽ、 ゚ゝ  イ ゚ノ| |
//イ    / /::::、  '´  ` ̄'|| |     そりゃ死にますぞ。
/ /イ   /  |::::::| / _┗'   イ 、|    
 /   /  |::::::| │ r---ヽ:;/ | |ヽ
/ / ,イ ,'  | ハ:::::| /     ;|/ | |\
  /  / / ! \| |      ./!  ! |
 , /  / / |┐ \ `─彡' |   !ヾー-、
 / /イ | ハ! |==、  ̄乙/{,川ハ!     `ヽ、
 , ' / イ 川ハ、o | `='"oネ、リヾ、      ヽ
  / 人 リヾ `ー、_,彡'"|,リ'   ヽ   _,. ' 〉

678 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その62)[saga] 投稿日:2013/04/29(月) 22:29:13 ID:I7ZW48wM0
            ___ _
        ...-‐''"´ ̄ `  `''ヽ=、
    ,.‐''"´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
   r(:::::::::::::::::,、_ィ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
   ゞ, rr~ヅ   ミ:::::::::::::::::::::::::::::::::::
   フハ       〈:::::::::::::::::::::::::::::::::::
    l ヾ圭圭圭ミ  ヽ:::::,.-、:::::::::::::::::::
.    〉  7ツ_`      |::/,=、∨:::::::::::::::       えっ?
   /  "'''''''''    i .ノリヽ))|:::::::::::::::::
.  /            u   ,.-' /::::::::::::::::::
  ヽニ、          lー‐'ヽ:::::::::::::::/
.     'ーr_‐;   u.    .ィ    l:::
      〈..        /:{      ヽ
        `}     /:: ! i
        丶、,、. イ::::::    !


       _,.-'"´ 三ミ、ー-、
      / / ィ /⌒`⌒ヽ\
    / / / /    夢  | ヽ
   /    / イ´^ー、   ,.. 、)、 ',
 , '   / / //ヽ、 ゚ゝ  イ ゚ノ| |
//イ    / /::::、  '´  ` ̄'|| |        えっ?
/ /イ   /  |::::::| / _┗'  ,イ 、|
 /   /  |::::::| ┃r=━┫;:/ | |ヽ
/ / ,イ ,'  | ハ:::::| /!ー-、K ;:/ | |\
  /  / / ! \| | |::::::::::|! /!  ! |
 , /  / / |┐ \ `━彡' |   !ヾー-、
 / /イ | ハ! |==、  ̄乙/{,川ハ!     `ヽ、
 , ' / イ 川ハ、o | `='"oネ、リヾ、      ヽ
  / 人 リヾ `ー、_,彡'"|,リ'   ヽ   _,. ' 〉

679 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その62)[saga] 投稿日:2013/04/29(月) 22:29:58 ID:I7ZW48wM0
                  _,,..-―――‐-..,,_
                   ,..-''"::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`''-、
             /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\
                /::::,..へ、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
            /::::/   `^~ァrr,.、_,,..-ァ=彡ヘ:::::::::::::::::',
              /::::/         ,リ|}         ヾ::::::::::::::i
.             l::::/ ,ィ圭fx.、                 i::::::::::::::l
           /´.l  ´ ̄ヾミメ、        _,,,.、  |::::::::::::,'
            | h.|   '、・)`ヽ``  ィf斗芸圭斗ゝ .l::::::::::/
            | リ|     ̄ ‐' ヾ ′、´・)`ヽ   ,'´`.y'        なにそれこわい
         /::ヽ_|         .::}    `  ̄     .,'/、/
.        _,,..从リリ,|     ..:::/       i  //ノ/
     r''"   / ./ l      ヾ_ツ       U /_//、
    _../    //  ',    , - ..,,_          /::::::/  `''-..,,_
_,,..-'" /    /    ',   ヽ.__ )     ./i从リ      `"''‐-..,,_
   /    /      .\           // .| ∧             `ヽ
.  /    l         \        < ./  |  ∧               ∧
  /       |       |  \__ ..<  /   .|  ∧              ∧
. /       .|       |          /    |   .∧               ∧
/       |       l            /     .|     ∧               ∧
          l       ヾ       /    /|    ∧             .|  ∧
        ',           \    /   /  |       ∧           l  /
        ',―-..,,_          _,,..-'   |、     ∧        /  /
        _',        ̄`ヽ、   /        |. \     /        /  l


           _,,、....... --........,,,
            ,/゙,.. -―ー ,,   `'''-、、
          / /   、,,,   .`'-、    \
         / /   .ll夢i_、   .ヽ.    ..ヽ
       / . /     "      ,i"<    .ヽ
     / . i',,            ,, ;;ソー'''ッ',     \
     ,'  l;:;:,゙;;iii- 、    ,i.l二rミ';;./ i',      `ー
    . !  ,!;|,'..,;{゙l_,/./    .`''T゙゙´  " .|
    !  .!゙"  ̄゛ ′          u .,...!
    .,!  .!       _,,,,,.      /´;:;:|          …上様は俺をなんだと思っておられるので?
    .l゙  .l'ー、 .、  ゙‐'ニ>-, .l  .|;:;:;:;:|
    .l  .|;:;:', !', /ニ',;;二ニコ;.l.,l} .!;:;:;:;:}
    .!   !;:;:.! .',゙ゞ゙'";:;:;:;:;:;:`゙;:;:;〈. :!;:;:;:;:l゙
   |  .l;:;: l l';:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;_,,;:l''、.l !;:;:;:;|
    |   .!;:;:;',.|;:l',;:./''''''"゛ `| l;! .|;:;:;:;|
   .|    .l;:;: ! l}',′    │ ゙l .l;:;:,i|
   .!    . l;:;:;l │ヽ   ._,,,./  ゛ .l./ .!
   |     .',-.l ′ `゙´      /   !
   l      l \、      . ,/   !
   .,!      .l   `''ー----‐'´     l
   .!       !                 ゙
   !       ."
  .|
   ゛

680 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その62)[saga] 投稿日:2013/04/29(月) 22:31:56 ID:I7ZW48wM0
            , '´  ̄ ̄ ` 、
          i r-ー-┬-‐、i
           | |,,_   _,{| 
          N| "゚'` {"゚`lリ       禅モンスター
             ト.i   ,__''_  !
          /i/ l\ ー .イ|、
    ,.、-  ̄/  | l   ̄ / | |` ┬-、
    /  ヽ. /    ト-` 、ノ- |  l  l  ヽ.
  /    ∨     l   |!  |   `> |  i
  /     |`二^>  l.  |  | <__,|  |
_|      |.|-<    \ i / ,イ____!/ \

 ,.-ー,r'´ ̄ ̄`'::‐-..、
./,r':::/:::::::,r':,r'´:::::\:::\
ハ::::/:、::::::ハ,r':::::::::::!:::::゙i::;゙i゙i
!:::{::::|::::l:|yノN\:レ\:}::}:ハ
|::::∨|:::从 ●    ● l小N       怪人
!::::::(|::::⊂⊃ 、_,、_, ⊂li|ノ
|:::::i⌒ヽ::j   (_.ノ   ノi|__/⌒)
|::::::ヽ  ヽx>、 __, イl:::| ヽ/
!:::::::∧__,ヘ} ∨|::',∨ム.l:::|´ ハ
リW.ヾ_:::ッリi  |:::i   l:::| >''´

    / ̄ ̄\
  /   _ノ  \
  |    ( ●)(●)
  |     (__人__)     日本国の仏法の大将(自称)
  |         ノ
  |     ∩ノ ⊃ }
  /ヽ   / _ノ }
 ( ヽ  /  / ノ
  ヽ “  /_|  |
   \__/__ /


       _,.-'"´ 三ミ、ー-、
      / / ィ /⌒`⌒ヽ\
    / / / /    夢  | ヽ
   /    / イ^ー、   ,.. 、)、 ',
 , '   / / //ヽ、 ○ゝ イ○ノ| |
//イ    / /::::、  '´  ` ̄'|| |
/ /イ   /  |::::::| / _┗'  ,イ 、|
 /   /  |::::::| ┃r=━┫;:/ | |ヽ
/ / ,イ ,'  | ハ:::::| /!ー-、K ;:/ | |\
  /  / / ! \| | |::::::::::|! /!  ! |
 , /  / / |┐ \ `━彡' |   !ヾー-、
 / /イ | ハ! |==、  ̄乙/{,川ハ!     `ヽ、
 , ' / イ 川ハ、o | `='"oネ、リヾ、      ヽ
  / 人 リヾ `ー、_,彡'"|,リ'   ヽ   _,. ' 〉

681 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その62)[saga] 投稿日:2013/04/29(月) 22:34:08 ID:I7ZW48wM0

                ,. '"´三二二三`ヽ      _)   .ロ日  ロ日  ロ日
              /,ィ彡'"´ ̄  ̄ ``ヾミヽ     〈   .  匂 . 匂  . 匂
              /   /    夢     ', ヽ    ノ    ロ日  ロ日  ロ日
            /   /::(         ノ:::)  ヽ   く  ..  匂 . 匂  . 匂
              /   /く´◎ヽ ',从,' ∠◎`',   ヽ ノノ   . ロ日  ロ日  ロ日
          /    ハ´ ̄`フ.:;;;;;:: ヽ ̄`フ',   ヽ )  .  匂 . 匂  . 匂
            /    /     ,,   ,,      ',    〈{   . ロ日  ロ日  ロ日
         /   /::、  /   .;;;;;;'  ヽ   /::ト、   〃  .   匂 . 匂  . 匂
         ./   //:::::::; l /⌒ー一⌒ヽl ;:::::ト、V //  .. ロ日  ロ日  ロ日
        /   // 1:::::;  V.:ViiiiiiiiiiiiiViiV  ;:::::ト、V /   .  匂 . 匂  . 匂
      /   // ./.l:::::;. /l /´  ̄ ̄`ヽ  ;_ ___ノ     . ロ日  ロ日  ロ日
       /   // /  l::::; l | .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|   ;::: ̄\     .  匂 . 匂  . 匂
     /   // /   1::; | |.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|  ;::! i i 弋  .... ロ日  ロ日  ロ日
.     /   // /   / l:::;.   |WWWWWW!  /1 | | _ノ      匂 . 匂  . 匂
    /   // /   / .|ヾ、  L二二二ニノ / | | |  ヽ  ... ロ日  ロ日  ロ日
.   /   // /   /   |(__ノ\ /xxxxxヽ/   /! ! !  ム .....  匂 . 匂  . 匂
.      // /   /  ノ  ',  l}}}}}}}}}}}}}  /| | | |   __,) ... ロ日  ロ日  ロ日
     // /   /  ハ:::::::::.\ V´ ̄`Vく/  l | | |  `ヽ.    匂 . 匂  . 匂
.   // /   /   l  >.-、/   ヽ  ヽ  | | ! !   ノ ... ロ日  ロ日  ロ日
   // /   /    |/ /       \)  l/ | |  く.  ... 匂 . 匂  . 匂
  .// /   /    V   〉   '"´  ``ヽ).     | !   ゝ ... ┃┃
      /    /  〈    '"´   ``ヽ)    l/   .ノ ... ・ ・


< おおー久しぶりの1秒間10回喝だ。

< なんとも懐かしいですな。

< どうどう、和尚、どうどう。

682 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その62)[saga] 投稿日:2013/04/29(月) 22:35:01 ID:I7ZW48wM0

 その後…

             __
          ,.-''";;;;;;;;;;``'ヽ、
       /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ、
      /;;;;、;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;、
      ,!;;;!゙`''~^~ァrr-'゙`'´''ラヘ;;;!
      |;;;|      ノリ     ミ;;;|
     _ゞ;! ー- ..,,_    ,,.-‐'''' ミ;リ
      !ヘl;| ,.=≡=、` ,´ィ,.=≡=、「ヽ      ははは、今日は楽しかったな。
     !(,ヘ!    '"  |:::.`    ,ドリ     和尚には悪い事をしたが。
     ヾ、!      !;     ,レソ
       `|      ^'='^    ム'′
        .ト   ヽ二二二フ .,イ
        i| \   ===   ,イ.:|
    /  i| ゙、\  ;   /リ.:;!:::\、_
       ゙!  ゙、 `ー─''゙:::;:'::::|::::::::::\
        ゙、      :::/::::::|::::::
    `ヽ、  ゙、     ./  .|  ,-、、


       / ̄ ̄\
     /   ⌒  \
     |  ミィ赱、i .i_r赱      最近は和尚も
.     | ::::::⌒ (__人__)     大人しくなっておられましたしの。
.     |     トエエエイ
.     ヽ     `""´}      和尚自身も少しは鬱屈が抜けたかと。
      ヽ     ノ 
       /    く

683 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その62)[saga] 投稿日:2013/04/29(月) 22:36:21 ID:I7ZW48wM0
    / ̄ ̄\
  /   _ノ  \
  |    ( 一)(●)
  |     (__人__)        …とはいえ上様。
   |     `⌒´ノ       和尚のお話は然程冗談というわけでもありませぬ。
   |   ,.<))/´二⊃
   ヽ / /  '‐、ニ⊃      現に和尚は今年で六十八歳…。
   ヽ、l    ´ヽ〉      いつ入寂されたとしても不思議ではありませぬ。
    ,-/    __人〉
   / ./.   /    \
   | /   /     i \
   |"  /       | >  )
   ヽ/      とヽ /
    |       そ ノ

             __
          ,.-''";;;;;;;;;;``'ヽ、
       /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ、
      /;;;;、;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;、
      ,!;;;!゙`''~^~ァrr-'゙`'´''ラヘ;;;!
      |;;;|      ノリ     ミ;;;|
     _ゞ;! r─-- 、   rェ----、ミ;リ
      !ヘl;|. ぐ世!゙`` ,ィ '"世ン 「ヽ      …………。
     !(,ヘ!   ̄'"  |:::.`  ̄  ,ドリ
     ヾ、!      !;     ,レソ
       `|      ^'='^     ム'′
       .ト、.   -‐‐ ‐‐-  /|
    _../ i| \   ===   ,イ.:ト、
    /  i| ゙、\  ;   /リ.:;!:::\、_
       ゙!  ゙、 `ー─''゙:::;:'::::|::::::::::\
        ゙、      :::/::::::|::::::
    `ヽ、  ゙、     ./  .|  ,-、、

684 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その62)[saga] 投稿日:2013/04/29(月) 22:37:18 ID:I7ZW48wM0

         / ̄ ̄\
       /    \ /\
       |    ( -)(-)      和尚と共に配流となった
       |     (__人__)     大徳寺の玉室和尚も、今は床に臥せる事が増えたとか…。
         |      `⌒´ノ
         |         }       もしこのまま寺法の復旧を遂げぬまま
         ヽ        }       入寂することになれば、さぞかし和尚達は無念でございましょう。
    /  ⌒ヽ    '´(
   / ,_ \ \/\ \
    と___)_ヽ_つ_;_ヾ_つ.;.

                      _______
               . .::´:::::::::::::::::::::::::::::`:. .
             /.:.::;v‐-=,;::::::::::::::::::::::::::::`:..、
                {イ::{/    } `ト、:::::::::::::::::::::::::::\
                  Xゝ       /.::::::::::::::::::::::::::::::::i
             ノ 仁ニニ=、 /.:::::::::::::::::::::::::::::::::::l
            /  ーfュ_,   `ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::l
           /          ノ.::; - 、::::::::::::::::::::;
          ヽ、            |:::;/ /^ 〉::::::::::::::::,′   ……………。
      ___j'_         N{  ノ/::::::::::::::::/
    ノi ''―――r=、        、__ ..イ::::::::::::::::/
   ( .::i      〉           ノ´  ヽ:::::::::::/
   ) .:::.       /         /     }ヘル{
   ( .:.::j(O)   、____ . . :  /         .ィ二}
  \∠二二{          {    /       /   人
  /|    |       / ヽ       .  ´     \
  ̄ ̄`ヽ   |      く    >  ´       -‐=二三\
   ̄`ヽ { ├-,     > /       /   `ヽ     ∧
   ̄`ヽ }'― ' /    {/      /     -┼…=ミ ハ

685 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その62)[saga] 投稿日:2013/04/29(月) 22:38:35 ID:I7ZW48wM0
ヾ: :.        ,.-''".;.;.;.;;.;.;.;.;.;.;;;;;`'、
 } .:.        /.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;;;;;;;l
ノ  .:;      ´7;;;;;rr-‐-‐'^i:;.;.;,;,;,;,;;;;;;}
{.  .:.          《    __,,,ゝ{rヘ.;.;.;;;;;ζ         …だが、但馬。
ヾ. ..;        .l.゙"rィァ‐ ,.::::゙£};;;;;;;;;;ゞ=-、     それを赦したら最後、和尚は俺から離れるんじゃないのか?
  .、:...:.:......       /__;:   .::::::::r .^^'λ 三ミぇ
  `" ̄`ヾ:.    了二つ :::::/;: .::  .::ゝ三三ミぇ_
         ゞ=ヲ rー冫;::::::::.. ::.. ..:::ヾ三三;=/
             _,> .二Y´乍=z::::   .....:::|三三/ミぇ_.
          ノ.K ,-=.Y 三∥::. ,; ,;::.._z-|三/ぇ::::::::...`ミ.、
       ∠.三i| ヽ  ノ;三∥;_;;zr-― .::}》'三i三三ミ>:/:ヽ.
      /,;彡:__l|  ,.イ;;三三}},, _,,   ..:://三i三三三メヾ;:::..ヘ
     / ,;/::::/三lレ' l|;三三∥; :::....  ..::|ん三i三三;<<三 ゞ;:::.゙,.


         / ̄ ̄\
       /    \ /\
       |    ( ●)(●)
       |     (__人__)    …………。
         |  u   `⌒´ノ
         |         }
         ヽ        }
    /  ⌒ヽ    '´(
   / ,_ \ \/\ \
    と___)_ヽ_つ_;_ヾ_つ.;.

686 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その62)[saga] 投稿日:2013/04/29(月) 22:39:46 ID:I7ZW48wM0

         / ̄ ̄\
       /    \ /\
       |    ( -)(-)
       |     (__人__)     和尚は決して上様の御側が嫌という訳ではありませぬ。
         |  u.   `⌒´ノ    .ただ、繋がれる事を望まぬだけのお方です。
         |         } 
         ヽ        }      そこさえ御容赦頂けるならば、おそらくは…。
    /  ⌒ヽ    '´( 
   / ,_ \ \/\ \
    と___)_ヽ_つ_;_ヾ_つ.;.


              ,.‐''"´::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`ヽ
              r(::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
ヾ: :            ゞ, rr~~~ィ、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',
 } .:.           フハ       ミ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l
ノ  .:;             l∠ニニニゝ ミ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
{.  .:.              } Tj ̄    ヽ::::::::::,.--.、::::::::::::::::::l
.ヾ. ..;          /    ̄     |::::::://⌒l.l::::::::::::::::::,'      ……そうか。
  、:...:.:......      (          |::::::| ) .//::::::::::::::::/
  .`" ̄`ヾ:.     ー          },,,/. し' /::::::::::::::::/
            ヾ==〉-.、       /ヽ-'l::::::::::::::::::l
              )        /   ヽ、::::::::::|
              丶   _,,..-''" /     ヾヾヾヾ
               ` ̄l   /_,,.-''"´ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
                 >‐''"´  ____    |
                  __∠_,,..-''"´        ̄''―-ヽ
              _,,-''"   ヽ               ――‐-⊥、
         /       '.,                    ヽ \
           /            ',                    |  ヽ

687 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その62)[saga] 投稿日:2013/04/29(月) 22:41:12 ID:I7ZW48wM0
                ,..-''"::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`ヽ
                 /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
              r(::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',
             ',::::::::::::::::::::::::,、_ィ从从彡::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',
               ゞ、rrr~~~"       ミミ:::::::::::::::::::::::::::::::::i
              ノリハ              ミ::::::::::::::::::::::::::::::::|
               |     ヾー=≡二ミ、... ミ:::::::::::::::::::::::::::::|
              ヾミ、 ヾミ''r==‐-、     〈:::::::::::::__:::::::::::::|       いいだろう。
                 lty    、 迅y」       ヽ:::::://ヾ、::::::|      但馬…明日、また和尚に登城するよう伝えてくれ。
                 {/    ヽ´`¨´       川' ,'= 〉l::::::::l 
                /                  !iリ ) } _ |:::::::,'
                   ゝ、‐-                  /ー'./:::::::l         「ははっ…!」
                ノ                    /`¨´|:::::::::::|
                >‐,==一             /   |:::::::::::|
               //ー‐               !リ从从ヽ-、
                 fッ/ |             /  :         \| ヽ、
                  l         <    ;          .|   .',\
               ___`ー―、‐ <        .i        |   i  \
       _,,..- ''"´      /  /ヽ          |          .,'   .|
    ,,..-''"´             /  /  |          |       ,'     |
 /                 /  /  ヽ           l        /    |
/                /    /    ',        /       /     .|
              /     /.       \       /       /      |
           /     ./ \      l    ./       /       .|
            \    |   `ー-、 ノ    ___/  /         |
              ヽ    |         l   /        ./          .|

688 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その62)[saga] 投稿日:2013/04/29(月) 22:42:01 ID:I7ZW48wM0


                         ┌──────┐
                         │::::::::::::::::::::::::::::::::│
                         │::::::::::::::::::::::::::::::::│
                         │::::::::::::::::::::::::::::::::│
                         │::::::::::::::::::::::::::::::::│
                         └──────┘


                           ┌───┐
                           │::::::::::::::::│
                           │::::::::::::::::│
                           └───┘


                             ┌─┐
                             │ :: │
                             └─┘


                               ┌┐
                               └┘


                                   □

                               ・

.

689 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その62)[saga] 投稿日:2013/04/29(月) 22:43:16 ID:I7ZW48wM0

 寛永十七年秋、京・大徳寺 ──

         |
          ll
          !l
  _ ,,..._    ト{              .,,___ 、..,__,,.
"´::ヾ::゙゙;`>''´ ̄`ゝ、__          `:;、;;`::ゞ:;゙
::´;;::=::;;::ヾ芥芥芥l壬{            ,;''´;'::;; =、::;;゙  _,,....._
''´;;ヽ:::;゙=<゙二二二\_,「「゙ニニニニニニ7´::;''::゙!::、:_'^:ヾ';"::゙;;ヽ::
、ゞ;;::''゙::;;、::`゙;芥芥lア''´j |         ゙:;`ヾ;;`゙:=::丶::;''::,;''゙:::;:゙
::`':;;::''´::`゙''=;,テテテニ´_______゙ゞ、::ゞ:;;_`丶::゙':;;::='::;'
_゙´::i::`;;'"::゙:_::゙;,┴┴弌竺竺竺竺竺竺竺;''::;::;;:::'':;;::ゞ:;;'゙::_::'
::`j':!::゙;;._::::;;::"゙ヾ‐;;.. -'┴┴┴┴┴┴┴ゞ;;::"!゙!;;::ヾ、l !'´::゙;
'';;:: i⌒;;::`゙i:;ー:''´゙;;===n==n===rn===n=゙;;::ヾ!:l::`:=::'゙:i::''´;;
ゞ;l;;'゙::''゙;;..:゙i::;;.:゙::;;' i i i l丁丁! ̄丁l ̄丁「 i:´:;''゙:iヾ::ヾj;il゙;;::;'::
::';;!:..;''::ヾ;;''";;)'´「「入「j_辷j_辷ヒ|_辷ゴ_辷ゞ;;ゞ,:========、
T゙j''i"i´´ |l|´ニニl:l幵;; ̄ ̄/フ三三三「l ̄;゙j::゙}______{
`゙::''"":⌒゙''=::"゙゙ヾ゙''"ア7"二二二二二二l:|i{:「゙l`TTニニTT´
厂厂厂厂厂厂厂「l/ r―――――――|jl{jー{';;|_L二」_|::

690 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その62)[saga] 投稿日:2013/04/29(月) 22:44:37 ID:I7ZW48wM0

      ある日、大徳寺に沢庵和尚からの
       手紙が届きました・・・
          _____
         / ヽ____//
         /   /   /
        /   /   /
        /   /   /
       /   /   /
       /   /   /
      /   /   /
       ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


       | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
       |                    |
       |                    |
       /    ̄ ̄ ̄ ̄      /_____
       /              /ヽ__//
     /    ヒャッハー!   /  /   /
     /              /  /   /
    /   ____     /  /   /
   /             /  /   /
 /             /    /   /
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/   /   /

692 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その62)[saga] 投稿日:2013/04/29(月) 22:46:34 ID:I7ZW48wM0
     ..----------------、....___
    |               `゙'、
    │               |
    .|                 |
   │                |
   .|                 .|
   |                  |
    |  ..______          |
   l  丿       ̄`'`'''''''ー、 .|
   │ 丨      '、 u.   |、 .|、
   ..|,,_┘  冫   ..l卜   、   l_7|
  ∨'´   」|_    丿    |∟ ゙〈 |!ヽ
 .(l廴 ゙'‐t-=-  .′ ..-ェ= エ=-.'リくl/
  ィヽ    ||        │||ii. j/     …………ブツブツ。
  .|-┐  _ 、        ′_..rl !ノ
   | ゝ|  ./ー--------、_  /  |丿
  │ !  |        |  / 冫
   .|  |  '、       ,' │丿  ゲホゲホ…
-ー(廴 |  ∨ ̄''''''―‐‐丿 丿/'、ー-
   │`へ.._ ′     '´ ン´ /′
   │   ゙''i--ーーー-''´   /
   卜''" ゙゙̄'''ヘ_..:=彡-、  /
                ヘ./
       玉室宗珀
    (ぎょくしつ そうはく)


         /⌒丶
  /^!   イ :fェ´r}l        なに!?
  !: : :L_イr、 ト=tテ |      「寺法旧復の願いが叶うという話なので、
  |: :/⌒ヽ: |リ ゝく :!       大徳・妙心の長老は参府しろ」…だと!?
  |: ムハr、/___丈c!V`ヽ.  
  V   /: ゝ='∨k}`ヽ´\   沢庵の野郎、やっぱアイツぁ本物だぜ!!
   }____ム: :r、: :ト':ハ:::::::::::`
  f、__)`ゝ: :\` {'|::::::|`ヽ::::∨
  |\ } }: : : : ヽ_| !:::::j  }::::!
      江月宗玩
   (こうげつ そうがん)

 寛永十七年の末、沢庵から大徳・妙心両寺の長老に参府を求める書状が届いた。
その内容は、待ち望んだ「寺宝の旧復」の申し渡しを受けるために参府せよ、というものであった。
(この大徳寺宛の書状そのものは不明だが、同時期の和尚の手紙はいくつか残存している)

【寛永十七年十二月十二日付の小出吉英宛の手紙(抜粋)】
「此の度両人の長老召され、入院の事共仰せ付けられ候得ば、此の段生前の大幸と存じ候。
 妙心寺の儀も、大徳と一同に連なり申し上げ候。此の説同時に仰せ付けられるべく、
 御内々にて、此の度召され候。是又愚老大幸此の事に候」

693 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その62)[saga] 投稿日:2013/04/29(月) 22:49:10 ID:I7ZW48wM0

 *     +    巛 ヽ   遂に寺法が!!
            〒 !
      +    。  |  |        流石沢庵様!
   *     +   / /   +    。     + +    巛 ヽ  *
       ∧_∧ / /                      〒 !
      (´∀` / / +  ./ 》〉   。      +    。  |  |* 
      ,-     f    | | ∧_∧    *     +   / /
      / ュヘ    | *  ヽ ヽ ´∀`)_    。 ∧_∧ / /    やっぱり沢庵和尚は
     〈_} )   |      ヽ    _ヽ     (´∀` / / +  真に護法の御方だった!
        /    ! +    。 .|  ({__〉 +   ,-     f
       ./  ,ヘ  |       |   |      / ュヘ    | *
 ガタン ||| j  / |  | |||    ||| .| ,ヘ \ || ||| 〈_} )   |  ン  ガタッ!
―――――――――――――――――――――――――――
       【喜びの声を上げる大徳・妙心両寺の僧達】

 幕命によって出世入院が禁じられて13年、
その苦渋の日々が、大徳・妙心両寺が待ち望んだ形で解決するであろうという報である。

 両寺の僧達の喜びは言うまでもなく、
一部で上がっていた「沢庵和尚は権門に近づき過ぎている」という批判の声も、
この一報によって収まったという。

694 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その62)[saga] 投稿日:2013/04/29(月) 22:50:47 ID:I7ZW48wM0

 その後、年が明けて…

         /⌒丶
  /^!   イ :fェ´r}l    
  !: : :L_イr、 ト=tテ |    久しぶりだな、沢庵。
  |: :/⌒ヽ: |リ ゝく :!    
  |: ムハr、/___丈c!V`ヽ.  
  V   /: ゝ='∨k}`ヽ´\   
   }____ム: :r、: :ト':ハ:::::::::::`
  f、__)`ゝ: :\` {'|::::::|`ヽ::::∨
  |\ } }: : : : ヽ_| !:::::j  }::::!


       _,.-'"´ 三ミ、ー-、
      / / ィ /⌒`⌒ヽ\
    / / / /    夢  | ヽ
   /    / イ´^ー、   ,.. 、)、 ',
 , '   / / //ヽ、 ゚ゝ  イ ゚ノ| |
//イ    / /::::、  '´  ` ̄'|| |      ふっ…。
/ /イ   /  |::::::| / _┗'   イ 、|     貴様こそ、老いぼれた割には変わらぬな。
 /   /  |::::::| │ `---´:;/ | |ヽ     
/ / ,イ ,'  | ハ:::::| /     ;|/ | |\
  /  / / ! \| |      ./!  ! |
 , /  / / |┐ \ `─彡' |   !ヾー-、
 / /イ | ハ! |==、  ̄乙/{,川ハ!     `ヽ、
 , ' / イ 川ハ、o | `='"oネ、リヾ、      ヽ
  / 人 リヾ `ー、_,彡'"|,リ'   ヽ   _,. ' 〉

 寛永十八年(1941)、年が明けた後、大徳・妙心の長老達は江戸に参府した。
この時、大徳寺側の長老として江月宗玩、天祐紹杲が訪れている。

695 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その62)[saga] 投稿日:2013/04/29(月) 22:51:14 ID:I7ZW48wM0

       _,.-'"´ 三ミ、ー-、
      / / ィ /⌒`⌒ヽ\
    / / / /    夢  | ヽ
   /    / イ´^ー、   ,.. 、)、 ',
 , '   / / //ヽ、_ゝ  イ_ノ| |      …玉室の奴が来れなかったのは残念だがな。
//イ    / /::::、  '´  `  '|| |     最後に三人でパツイチかましてやりたかったんだが。
/ /イ   /  |::::::| / _┗'   イ 、| 
 /   /  |::::::| │ r---ヽ:;/ | |ヽ
/ / ,イ ,'  | ハ:::::| /     ;|/ | |\
  /  / / ! \| |      ./!  ! |
 , /  / / |┐ \ `─彡' |   !ヾー-、
 / /イ | ハ! |==、  ̄乙/{,川ハ!     `ヽ、
 , ' / イ 川ハ、o | `='"oネ、リヾ、      ヽ
  / 人 リヾ `ー、_,彡'"|,リ'   ヽ   _,. ' 〉


         /⌒丶
  /^!   イ :fェ´r}l      まあ、仕方ねえ。
  !: : :L_イr、 ト=tテ |     ただ、寺法の旧復に間に合ったんだ。
  |: :/⌒ヽ: |リ ゝく :!    それだけで十分だとよ。
  |: ムハr、/___丈c!V`ヽ.
  V   /: ゝ='∨k}`ヽ´\   「そうか」
   }____ム: :r、: :ト':ハ:::::::::::`
  f、__)`ゝ: :\` {'|::::::|`ヽ::::∨
  |\ } }: : : : ヽ_| !:::::j  }::::!

 なお、紫衣事件の際、沢庵と共に配流となった玉室は、この時は参府していない。
(この年の五月に入寂している事から見て、おそらく体の衰えによるものだと思われる)

697 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その62)[saga] 投稿日:2013/04/29(月) 22:52:21 ID:I7ZW48wM0

 そして ──

                       }k
                       ノ;'l{
                     _ノ;人'、
                }、、__,. -'',r'/p、ヾ、
               ,}”ー--、."ニー--゙'ゝ ゙'‐、__,、ャ,
              ,、 /;;,rlT=イ__~ ̄~^~^''ー‐---、.y"
             ,irこ;;;},|i ||  ~||~゙ ''l!tー-n-;t{;/
             ,j r'i!_、_}-二 ニニ゛‐-,k!i、,、、」|__,|トッ
           、_ ヤ{/iコ};,^;;,,,;;;,‐,-,=ノ,ム=_-__ーネ{´,
           ,};コニニ/7r'|”~,__,゛,/ノ 。 \~^~^”””'ヤ
           i!;;;;;;;;;;;、i!__| ,i-!;'"/,r'^v^‐、\iコ~|レ=i、
         ,}`ー';;;;;;;;;;;;;;;}r‐''”_,.-''/ [iillIII}}}] 、゛\i!、;;;;i、
        /,Eャッririririrnm;y、^,、ニニ ー_ー‐-ー' ゛\,;;;i{、_     ,.ィ
        /,r"=|、__    ̄~””””””'''''''ー,rk':;firiririnnm;y^~三ニ;:ニ'}
       ,/,r"=/|::::.. ̄~゛゛``''';::::::::::::ー‐,ノ,ム-.,, 、.、.゛,.___゛~^~゛^i;/
     ,、 /,r"=/,;l,,,::::i::::|iillIIIIIIIIII|||:::::;7/,r' ``i、:::.iヘ::::::::. ̄~''''''':|
.    ォ}仁二Vェ^仁 ̄~"""゛””””''ー/,r'" .,・、 `\[iillIIIII|||]:::::::::::|  ,
    i!;;;;;;;;;;;/イ'^トー‐-ニニ二、こ,.-'" ,r' ,.-ー{  }ー、`、\"^"^"^"^゛''ー'}
    ,il;;;;;;;;;;;;;:^^i'|::::::::::::... ,. -''"_, -'/―‐‐`´ ―`i、゛、\゛^゛""ー'r/
    i l;;;;;;;;;;;;;;;;;;,'|::::i,,. -''^_,,.-''′/' ,;iiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiilllll `i、` 、゙-、:::::::::|;it======r'7
 _r,=ーヲー",,:;;;;;;'7rイ~,. -'''~,._-_''~´..::::::|iillIIIIIIIIII|||||||||}.:::::゙'‐、 ` 、゙''-、:|;;;`i、;;;;;;;;;;;;~ヽ、
 〕{ュョiririririrm;;;;;~_,n、 ̄__二;;;,,  ̄~゛゛゛'''''',,;;;;;;;;;ー―‐---`ゝ、` -、~ヾ,,;;ヽ、;、;,._;;_;;_,,'‐、
../,r'ーl~~~^~_,.,r'%%r===%%''ュ.,_"‐^"‐''=fhifhicifcifriririririyr'g'y'ng'y''ngmgigpmgwwiV} `''‐、._
/,r'=r|::::::::,r7=-ー''^`ー"^ -、_=フ:::::::::::: ..................._________    ~"””””””””””””|”””riririririnfzmir'7
ゞ゛ヾ゛;:"゛ゞ"'';;,r';";;ヾ、:::::::::|::::::i####lllllllllllliiiiii;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ̄ "''''' ::::::::::::::::::::::::::::|”””””””ヽ、””””"
ヾ、ハ,;;^",,;;;;;,r''^"::;''"",r'::::::::|、::::||iiiiilllllllllIIIIIIIIII||||||||||||||||||||:::::::::::|llllliii|::::::::::::::::::::::|^~^~^~'i~"
ヾゞ,、;:,,y''''7''""""'';;'':::::::::::::|;;`ヽ;、_,、::;;;;;”””””””””””'''''''''..::;;;:::::;!!!!!iil::::::::::::::::::::::|::::::::::::::::|
::ヾ、,,;;;ハ;''"""'''';;::''"""''r,、hhhhhhm}{メfタfタfチfツfヨfヨfヨfヨfモfヨfルfルffルfル%%$%$%$$ユ:::::::::::|
''"゛;;;;:::"''',,《;;;;''ヾ、,;""~~^~^~^~^~|^`‐'___`ー'___`ー'__`'ー' ``ー' ``ー' ``ー' ``ー'`-ー'"::::::::::::::|
ヾ;;;,,ゞ,r'"";;,," .::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|~^r'_ノ`i~,k'_~T"v~「^j,Tニソニi`ウニ{''T;ニj7{ヘ""""""""
;;'ヾ,r";r'ヾ'";:" ;;;;;;;;;i:::::::::::::::::::::::::::::|´)、_}ーv'´ヽ^{~フ~v_~ゝく,ノ~i´_K´メv_~Kトー{_{、ヽ、j、_}~ス、
;;;''ゞ;;;,i^'',、lll||||||||||||:::::::::::::::::::::::::::::|r'_ノ`i~,k'_~T"v~「^j,´)、_}ーv'ケ^~v__ゝ;く,ノ~i_jヘヽv~「^j´)、
;;',;ヾ;ヾ;、;;;'''゛iil||||||||l::::::::::::::::::::::::::::;|シ、_}~ス、く,ノ~i´_K´ナv^ーヌ_ヽ^{~フv7_,r`}フ~vレン、ヽフv_,r`}ヽ
Il"^ヾ、,rーir;======i、ーy'-;ーkー┐,}イ_,レ´i~,;k'_~メv^-チ_ツゝく,ノ~v^j,´)、_}ゝク-ヽヽノiス´ヽ^{、
;;|,-r‐'y';_rllr======V´)、_}ーv'´ヽil~シ'_ノ`i~,k'_~T"v~「^j,´)、_}ーv'ケ^‐スj~シ'_ノ`iへヽ}v'ケ^~v、

698 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その62)[saga] 投稿日:2013/04/29(月) 22:53:14 ID:I7ZW48wM0

 寛永十八年三月二十八日、江戸城にて…

                   __,..__
           _,.r-‐¬≡三゙:::::::::..`''..、_
          /./.r:::::::::::::::.\:::::::::::::::::...丶久f:}
         /.::;/..:::i.:::::;、:::::l;:::::..ヘ::::::::::::::::::::::i} l:::1
.        /..:::::;il.::::;l..:::::;;;l::::|;;i::::::..}::::ノ;::::::;ィ'^|} |:::|
       |ハ::::;;i|.:::;;|..:::::i;;ト;:lレl∧:ソY;;;;::l:::::::::/;li l::::l
.        ! {:;;l{:∧ハ.::::lv_.二ニ=‐|;;;;i::l:::/;;;;l}l.|;:::!        では、上様…。
         `!i{‐-_、ヘ:::}´ィr;z=ャュ |;;;;l:|´ };;;;;;l};l.li;::1
          l;;;i《屯ハ ヾゝ `¨´ " |;;;;l:| , |;;;;;ノ;;|.|l::::!
.        l;;;l;l"  ,   `     |;;;;|:|_,ノ:ソ|;;;;l.|;i:::!
        |;;;;l;{  /          !;;;il:l |'" |;;;;l.|;;l::1
        |;;;il人 `ヽ       ノ;;;ill:l l  |;;;;l.l;;l:::|
        '" ̄¨ゝ マ三>   ,/"¨´ ト、. 1;;;l.l;;;l:::|
.            ヽ "  ,.ィ    / ヘ;;;;l.l;;;l::::!
              ` -<    /    ,/ミミゝ;:!,.
           _,=≡/ 人  /´   /ムホfヲ苑盆z、
         _,xl盆fホ/  /`  /∧   /      ̄`ヽホミz、_
        ,xタ壬シ'¨く_  ヽ.//タ ゝv´   /    f ´     }


.       ,.z≦i圭圭圭圭圭i≧x、
    ,イ圭圭圭圭圭圭圭圭圭ミメ、
    ,イ圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭ミ、
.   ,佳ツ"ゞ~⌒゙'~ヾfff'"~`=´リソヾ圭i
  i圭}          ノリ       {圭|
  !圭|         'ノ         {圭l
  ,ィヾ|| 三三三ミ    ,ィ三三三..{圭!
 i r‐ ||  '´它ヽ   f´ '"它 ヽ if ヽ       うむ。
 | {ff ||  `二 -    .i::: - 二´  .|ヾ. }
 ヽヽ !!        !::      |) ./
   \|        ;,,       .!//
    !      ゞif''"       ,'ノ
    |、     ー--  -一   /
   /|. ヽ、   、___,     /|
 /  |   l\        / \
     |  !  \   !  /:::::::::::::::\_
    ヽ  ヽ   `¨¨¨¨¨´::::::::::::::::::::::::::

699 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その62)[saga] 投稿日:2013/04/29(月) 22:55:16 ID:I7ZW48wM0
       / : :.:.:.:.:.:.;.:.:.:.:.:.:.\:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.}:.ヽ' ノ}、::{.|
     〃、 :.:.:/:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.、\.:.:.:.:.:.:.ノ|゚´リ、/:ハ:l.|
     /  ` -{‐ !ー{ー ‐!--ヽ'ヽ ̄二_,!´;}l.:!:::::}ハ!
    ハ;`‐/ -|-:|ー:|ー-'{‐|:‐:ハ::|"!:.:.:.:}}イ:::}.}:::ソ:∧
     !:!{ :.:!.:.:.:|.:.:!:.:.:.{.:.:.:.:.l∧N レヽト、:.:.リ.|::::|´';:!l::::ハ
     !| !.::i!:::.i:ト、|ヽ:∧::::::ハニ|三,ニニ、.Y.:.:|::::|f. }l.l:::::ハ        大徳・妙心両寺の入院出世の件について、
     !! ',::ll:::::l:!ェニニミヽ::::∧ /´ヒzリノノ!.:.|::::|リ/:!l::::::::}.       この度、上様よりの思し召しにより、
     { ∨:::i::l{《弋zj`  \::ヘ  ̄ ´ |!.:|::::|ノ::::!l::::::::ハ      両寺の寺法を旧に復するものとする。
    `. 弋::l:::i` ̄     \!.     |!.:!::::!:::::f }:::::::::ハ  
.        レ!::∧         `    ||.:|::::|ヘ::l,,,!:::::::::::},       神君様による御法度ではあるが、
         {.!:::!∧     丶'      ,!|.:|::;:| '、;、:::::::::::::l     .かねがねの申し出を踏まえ、仏法興隆のため、
       l.!:::l::{ \    ‐= ‐   ´ハル'´ .//‐、::::::::::!     このようにするのである。
          {!:::l::| l´ >    ̄     / /  //  '::::::::::!
          `ゞ、j {.    ≧ __ . < ./  //    \::::!      以上、ここに両寺の長老へ申し伝えるものとする…。
             \ 、   \!lヽ、  ./  //        ヘ:|
                ヽ!    !l`'、ヘ / ./'´          \
               }    !l   ´¨//-、__,...__      \


       _,.-'"´ 三ミ、ー-、
      / / ィ /⌒`⌒ヽ\
    / / / /    夢  | ヽ
   /    / イ´^ー、   ,.. 、)、 ',
 , '   / / //ヽ、 -ゝ  イ - ノ| |
//イ    / /::::、  '´  ` ̄'|| |         ………ははっ。
/ /イ   /  |::::::| / _┗'  ,イ 、|
 /   /  |::::::| ┃r=━┫;:/ | |ヽ        (…漸く、か。
/ / ,イ ,'  | ハ:::::| /!ー-、K ;:/ | |\         長かったな…)
  /  / / ! \| | |::::::::::|! /!  ! |
 , /  / / |┐ \ `━彡' |   !ヾー-、
 / /イ | ハ! |==、  ̄乙/{,川ハ!     `ヽ、
 , ' / イ 川ハ、o | `='"oネ、リヾ、      ヽ
  / 人 リヾ `ー、_,彡'"|,リ'   ヽ   _,. ' 〉

 この日、家光の御前に召し出された長老達は、
酒井忠勝から「大徳寺の寺法を旧に復することを赦す」という上意を申し渡された。

【申し渡し口上の写し(抜粋)】
「上様の御意に、権現様御法度の旨、一々殊勝に思し召され候故、
 近年入院の儀、押し置かせられ候へども、仏法興隆のため思し召され候間、
 修行全備年齢恰合の自分入院仕り候へ、左あれば御法度の内言上の儀、
 なお元迄は遠路、其の上、御用繁く候間、京都の所司代に相談仕り、
 綸旨を申し降り、先規の如く入院出世仕るべき旨、御諚に候」

700 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その62)[saga] 投稿日:2013/04/29(月) 22:56:52 ID:I7ZW48wM0

       _,.-'"´ 三ミ、ー-、
      / / ィ /⌒`⌒ヽ\
    / / / /    夢  | ヽ
   /    / イ´^ー、   ,.. 、)、 ',
 , '   / / //ヽ、_ゝ  イ_ノ| |    (寺法は旧に復した…。
//イ    / /::::、  '´  `  '|| |     この繋がれ猫の生活も、無駄ではなかった…ということだな)
/ /イ   /  |::::::| / _┗'   イ 、|    
 /   /  |::::::| │ r---ヽ:;/ | |ヽ
/ / ,イ ,'  | ハ:::::| /     ;|/ | |\
  /  / / ! \| |      ./!  ! |
 , /  / / |┐ \ `─彡' |   !ヾー-、
 / /イ | ハ! |==、  ̄乙/{,川ハ!     `ヽ、
 , ' / イ 川ハ、o | `='"oネ、リヾ、      ヽ
  / 人 リヾ `ー、_,彡'"|,リ'   ヽ   _,. ' 〉

 これにより、崇伝らによって定められた
「三十年の修行」「千七百則の公案」などを通過せねば出世入院できぬという条件は消え、
また、出世に際しては幕府に報告し、その許可を得ねばならぬ、という件についても、
京都所司代に相談さえすれば、後は綸旨を受け、従前の如くで構わないと大幅に軽減化された。

 沢庵たちの要望がほぼそのまま通った形になったのである。

701 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その62)[saga] 投稿日:2013/04/29(月) 22:57:55 ID:I7ZW48wM0
         |
          ll
          !l
  _ ,,..._    ト{              .,,___ 、..,__,,.
"´::ヾ::゙゙;`>''´ ̄`ゝ、__          `:;、;;`::ゞ:;゙
::´;;::=::;;::ヾ芥芥芥l壬{            ,;''´;'::;; =、::;;゙  _,,....._
''´;;ヽ:::;゙=<゙二二二\_,「「゙ニニニニニニ7´::;''::゙!::、:_'^:ヾ';"::゙;;ヽ::
、ゞ;;::''゙::;;、::`゙;芥芥lア''´j |         ゙:;`ヾ;;`゙:=::丶::;''::,;''゙:::;:゙
::`':;;::''´::`゙''=;,テテテニ´_______゙ゞ、::ゞ:;;_`丶::゙':;;::='::;'
_゙´::i::`;;'"::゙:_::゙;,┴┴弌竺竺竺竺竺竺竺;''::;::;;:::'':;;::ゞ:;;'゙::_::'
::`j':!::゙;;._::::;;::"゙ヾ‐;;.. -'┴┴┴┴┴┴┴ゞ;;::"!゙!;;::ヾ、l !'´::゙;
'';;:: i⌒;;::`゙i:;ー:''´゙;;===n==n===rn===n=゙;;::ヾ!:l::`:=::'゙:i::''´;;
ゞ;l;;'゙::''゙;;..:゙i::;;.:゙::;;' i i i l丁丁! ̄丁l ̄丁「 i:´:;''゙:iヾ::ヾj;il゙;;::;'::
::';;!:..;''::ヾ;;''";;)'´「「入「j_辷j_辷ヒ|_辷ゴ_辷ゞ;;ゞ,:========、
T゙j''i"i´´ |l|´ニニl:l幵;; ̄ ̄/フ三三三「l ̄;゙j::゙}______{
`゙::''"":⌒゙''=::"゙゙ヾ゙''"ア7"二二二二二二l:|i{:「゙l`TTニニTT´
厂厂厂厂厂厂厂「l/ r―――――――|jl{jー{';;|_L二」_|::

 この申し伝えを受け、和尚は、大徳寺の首座・弘公宛に
「大徳寺の儀、首尾能く相済み、年来の苦々其の功有る様に存じ、満足せしめ候」と書を送り、
また、その喜びを以下のように歌っている。

 『山のおく 谷のそこにて 死まなしと おもひし身さえ 浮き世成りけり』

 そして、この年の六月二十一日、機庵宗用が大徳寺百七十四世として出世入院したのである。
大徳寺の出世が禁じられてから、実に十四年ぶりのことであった…。

702 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その62)[saga] 投稿日:2013/04/29(月) 22:59:16 ID:I7ZW48wM0
               _.. -ー'''''''―-..,,,
             /゛         `゙''ー ..,,,,,,__、    \ \、_ハノ
           ,i'゙,,....,,,、                ,,,,.....,,..二T" ヽ\).',..、
        i./    `''、                  `'';;;;;;i、 /
       ,!l 夢>   i'i|.゙l ,               `'- ヽ,)
       l:|.`.゛ ./´゙7i}゙'、                ) )     これで俺が背負う「荷」は最早無い!
          !l,,_  l / '´   ...}               /`ヽ 
        .',_/       / !                /..l_)    ..俺は…自由だーーーッッ!!
           l ._i、 ,、ヽ !;:;:;ヽ              /   .l,)  
            l. i-'" ゙',/ l;:;:;:;:;\  _,,,,.............../ !    /-、 
            リ',、  .l゙''、|;:;:;:;:;,ノ゙ /   .,.‐',   l    .,ソ/ヘ '"
             '!|.l.  / .゛', ;;l" /   ., /  l,  .',  //  //7/ヘ /l ト、 |\
             _,.l,', ;;,'-'./ ゙./  _,,,/  !  ..l  ,ゞ゛   ___,/ _____V__ | l ヽ|
      ,./ '"   ゙''" / , ''"'''"| / .l   l   .l./
     i'"    ./ ./ /   ., '~',  .l   ! / ;',
   _..-'"゙゙フ'./ / ,/   ./',  .',  .l /;:;:;:;:;:|
 /゛  イ゛,/./ ,/   ,,-',  .l  .', _ '";:;:;:;:;:;:;:;:;|      .、  ,
   , ',゛i!〃゛ /   ., ''.l  ',  .l ,,ミ'゙;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:',゙''-、、   ゙',ゝ、,.l,
 ,..┴-iフ" ./   ._‐{  . !  ', ._ノ'l丶;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;|   `''' !./ -',、`′
   / /   .// l  ', .,ゞ゛  !;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;: !     . ゙'- `'
 / . /   .,,/゙l゙ .!  .l ._ソ"    .l;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;: !
   /   ., ''l'7 !  ヽ,,,,','"|      ',;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:}
 ./  .,-{..,i,' |  ′    .l_      !;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;!
: '.l.,,i'゙.l |i./ .ヽ      .',,'',、     .l;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:!
..ィ ! ', ',`'、.      _,,,',. ゙リ..,,,_   !;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:l
 ', l  l..,ノ'´ `'-、 .,,...../   ゙'イ;:;:;:;:; ゙゙̄''゙‐' ..、;:;:;:;:;:;:;:;!
 .l .!/      `'-,, \,ノ゙;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:!
 .,','----.... ......,,,,,_、  `'く、;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;.!
. ゛―----........,,,,_、 .`゙''''ー-ミ;;ッ、,;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:.!
 ------ ....,,__ .`゙"'― ..,,、.゙/゙'''-、、;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;l゙
 ー''''''''''''―-..,,_ ゙゙゙̄"'''ー ,,, ./゛    `''ー ..,,,_;:;: /
             `゙'''‐    ~

 沢庵和尚の宿願は、ようやくここに果たされたのである。

 時に、和尚69歳のことであった──。

703 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その62)[saga] 投稿日:2013/04/29(月) 22:59:56 ID:I7ZW48wM0
  \ヽ, ,、
   `''|/ノ
    .|    
_   |    
\`ヽ、|    
 \, V"    
   `L,,_   
    |ヽ、) ,、 
   /  ヽYノ 
  / r''ヽ、.|  
  | `ー-ヽ|ヮ
  |    `| 
  |.     | 
  ヽ、   | 
   / ̄ ̄\  
 /  _ノ ヽ_ \
 |  (≡)(≡) .l
. |   (__人__) |
  |   ` ⌒´  |
.  |        }
.  ヽ       } 
   ヽ     ノ  

┼ヽ  -|r‐、. レ |
d⌒) ./| _ノ  __ノ

【やる夫で学ぶ柳生一族(その62) : 紫衣問題解決】 完

704 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その62)[saga] 投稿日:2013/04/29(月) 23:00:22 ID:I7ZW48wM0

【その62 新規登場キャラ一覧】
 意伝            .: 高木順一朗((アイドルマスター)
 日啓            .: 黒井崇男(アイドルマスター)
 法然            .: ライディーン((勇者ライディーン)
 日蓮            .: ラーゼフォン(ラーゼフォン)
 ペトロ・カスイ・岐部  ......: 春川英輔(魔人探偵脳噛ネウロ)

 解説役その62(1人目)  : 藤乃静留(舞-HIME)
 解説役その62(2人目)  : 赤セイバー(Fate Extra)

705 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その62)[saga] 投稿日:2013/04/29(月) 23:03:00 ID:I7ZW48wM0

 どもどもです。
本日もお付き合いありがとうございました&お疲れ様でした>ALL
どうにか今回で「その62」が終了してやれやれと。

 てなとこで、沢庵和尚の宿願であった紫衣問題の解決篇でアリマス。
その25後編(http://tagenmatome.blogspot.jp/2009/10/25_5265.html)から続いたのこの一件、
随分と長く続いた話でしたが、ようやく完結してやれやれと。
この後、荷物のなくなった和尚がどうするかについては、また次回以降にしようかと。
なお、次回(その63)は柳生家関連のあれこれと十兵衛の「月之抄」執筆に関する話がメインになる予定でアリマス。
よろしければー。

 なお、その63の解説役投票結果は以下の通り。

 【その63解説役投票結果】
  5票 : ルイズ(ゼロの使い魔)
  2票 : タバサ(ゼロの使い魔)
  1票 : 佐々木(涼宮ハルヒの憂鬱)

 てなわけで、次回はダブルゼロ魔キャラによる解説で砂。
それではではー。


スポンサーサイト

テーマ:歴史 - ジャンル:学問・文化・芸術

  1. 2013/05/27(月) 07:00:18|
  2. やる夫で学ぶ柳生一族
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
<<やる夫が正史を書くようです 番外編 やる夫と学ぶ『臧洪伝』前編 | ホーム | やる夫が『梅松論』を語るそうです。 第二十三回 BLOOD PINE ARMY>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://yromtm1059.blog117.fc2.com/tb.php/418-d9fc6b56
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。